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プロローグ
プロローグ 作:遥 カズラ
暗闇に立ちつくす私。
ずっと一人で楽しいこともなく、ただ時を過ごすのかな……
そんなの、そんなのは嫌……。
ふとその時、私の脳裏をかすめたのは、あの人の笑顔。
また、彼に会いたい──。
その想いが天に……ううん、彼の心に届いたのだろうか……?
わたしは美月紗綾。19歳……これからの私、今後の私、迷いながら……
大人になるまでの間、私はもがき続ける。迷って、迷って……
迷い続け、俯き歩く、私の後ろから私の名を呼ぶ声が聞こえる――