010 天使の講義7
「一応の実験は終わったよ。希少技能の『コマンド:ためる』が凄かったよ」
「どう凄かったの、無詠唱で魔法を放っていたようだけど、しかも早いし」
どう説明しようかな。見せた方が早いかな。
「美香、俺の前のウインドウは見えないか?」
「見えない」
よし、自分と美香だけに見えるようにイメージして。
「これで見えるか?」
「見えたよ、何かパソコンの画面見たいだね」
「天界にもパソコンがあるのか?」
「有るよって言っても、竜童さん前世の世界のパソコンとは違うけどね。まあ、使い方はそんなに変わらないので大体竜童さんのやったことは分かったけど、よくこんなことできましたね。一応バッチファイルの中も見せてください」
美香に色々見せた。
「これって創造神様から貰った希少技能の仕様ではない使い方だけど大丈夫かな?」
「大丈夫だと思ういますよ、うちの神様は自分で考えて出来たことなら文句は言わないと思います。これを私が教えてってとかなら取り上げられるかもしれませんがね」
「これで『ためる』の段位上げも楽になるし、人の見てない所では無詠唱で行ける」
「そうですね。でもこれで人に見せれなくなりましたね。最初は一人の活動でもいいですが、ある程度になると一人では色々無理がでてきますので、信用できる人間か守秘義務付きの借金奴隷でパーティを組むかですね」
やっぱり奴隷いるのか。
「この世界での奴隷ってどんな感じ」
「大きく分けて犯罪奴隷と借金奴隷がいます。犯罪奴隷は重い犯罪を犯して裁判後に死罪、禁固刑以外で罰則分を重労働で返す形ですが知識人の場合は犯罪奴隷でも重労働ではなく知能労働で返す場合もあります。借金奴隷はスリ等の軽い犯罪を犯して裁判後に罰則分や借金の形、身売り等ですね。」
「そういうのではなく、守秘義務付きって何?」
「奴隷商は免許制で、受かると隷属術式って技能を天使より与えられる。隷属術式で奴隷の条件等を色々弄れる。基本的には、主人又は主人家族には攻撃できない、逃げれない、職務上知りえた情報の守秘義務が付いているが、奴隷解放後の守秘義務は無い。でも、ある程度の追加料金で特定の情報の守秘義務を解放後も付けることもできる。この追加料金は奴隷に払われる」
「なんとなくわかったけど、奴隷商ってこんな力持ってて大丈夫」
「奴隷商の免許は半年更新で、もし問題有ると免許と技能取り消しだし、更新をチェックするのが天使だから嘘は付けないの。後、犯罪だと裁判行かな」
「天使に嘘は付けない?」
「創造神、女神、天使には嘘がわかる能力的を持ってるし、最悪天界からなら過去も見ることが出来るからね。」
「美香もか」
「私も出来るけど今は能力切ってるよ、面白くないし、事務仕事みたいで嫌かな。後、これは言っといた方がいいかな。もし捕まるようなことがあったら、正直に証言した方がいいよ。この世界の裁判って最終的には天使が出て来て真実を見ることが出来るからね。一応順番としては軽犯罪だったら警察署でまず聞かれる、ここで罪を認めれば罰金20万円ぐらいですむが次の地方裁判所に行くと罰金100万円ぐらいになる。何故って、裁判費用と偽証罪分が加味される。次に高等裁判所まで行くと罰金では済まなくなって犯罪奴隷罰則1000万円ってなって、最高裁判所にまで偽証で行って最後に天使に暴かれると犯罪奴隷罰則2000万円や死刑になっちゃうんだね。軽犯罪で死刑って感じでしょうけど嘘を重ねた罪や態度何かでね」
こわ、犯罪をしなければいいだけだけど。
「それだと犯罪無くなるし、捕まったらすぐ自供するんじゃないの」
「それが中々犯罪も無くならないし、すぎ自供せず嘘を付くのよね。平民の学習能力が低いせいでその辺りの教育も行き届いていないのね。警察や弁護士なんかがその辺り説明しても教育されていないとね」