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5話 エリナの特技

エリナと出会って2回目の朝。

朝食を作り2人で食べる。

エリナは昨日の通り美味しいと言いながら朝食を食べていた。


「あのさ、俺今日バイトあるから少し遅くなる。晩飯は適当に買ってくるから待っててもらえる?」


「いいけど、夕食は私が作るわ。私、料理は得意なの。こんなことできてもあの世界では無能と言われるのだけど。」


エリナは昨日のことを気にしているのだろう。


「分かった、任せるよ。楽しみにしてる。あと、1つ言うとこの世界で料理出来るのは最高のことなんだぜ?」


「それなら望も能力があるんじゃ?」


「俺はあくまでも基本をやっでるだけ。これでは能力とは言えないよ。」


昨日と違い早く出られそうだったが学校に登校する前にあることを伝えていないことを忘れていた。


「そうだ、言わなきゃいけないことがあるんだけど。」


「何?」


「昨日の夕方...」


俺は昨日の出来事をエリナに話した。


「そんな、私のせいで望が...ごめんなさい...。」


「謝らないくれ。もう過ぎたことだよ。なるようになるさ。」


「でも...!」


「気にするな。学校行ってくるから。晩飯楽しみにしてるよ。」


そうして学校に俺は登校する。

学校に着いた時すでにクラスメイトは半分来ていた。2日目だからか特に何を言われることもなかった。

ホームルームが始まるがアレル・ノノフェルトは来ていなかった。

今日は何もないまま学校が終わる。


「今日暇?」


「悪い今日はバイトだ。てか、昨日俺しばらく忙しいと言わなかったか?」


神上はそうだっけ?といい教室を出る。それに続き俺は教室を後にする。

俺がバイトをしているのはコンビニだ。バイトの後にそのコンビニでスイーツでも買って帰ろうと思う。


__________________________


その頃、エリナは料理を始めようとしていた。


「この野菜は私の世界にも似たものがあった...。でも調味料は...」


エリナはひたすら調味料の蓋を開け匂いを嗅いだり、少し出して味見をしたりしていた。

しばらくそれを繰り返した後にエリナは何を使うか決まったようだった。

包丁を探して見つけて野菜をきる。次にエリナに起きた問題は火はどこで起こすか分からないということ。


「火はどこにあるのかしら...。かまどがあるわけでもないし....。」


エリナの世界にはコンロが無かったのだ。だから火の付け方が分からずに最終的にエリナは魔法を使うことにした。

冷蔵庫にあった豚肉をフライパンに入れて炒め火が通ってから野菜を入れる。冷蔵庫にあるものではこれが限界だった。


「味は自信があるけど...」


そう言って素早い手つきで選んだ調味料を混ぜる。

エリナは料理には自信がある。混ぜた調味料を炒めたものに入れて混ぜる。


「出来た...。」


見た目はただの野菜炒めだが味は自信があった。

料理ができたらエリナは疲れがでる。魔力を絞り出して魔法を使い続けたのだ。

エリナはソファーに横になり目を閉じた。

完全に眠りに落ちる前にエリナはこの世界には魔法がないのにどうやって火を起こすのだろうということを考えた。


______________________


俺はできるだけ急いで家に帰る。自転車のハンドルに吊り下げられたコンビニのケーキは形が崩れないように気を使う。

家についた時電気が消えていた。

エリナが出て行ったなんて考えも一瞬浮かんだがそんな考えを振りはらい家の中に入る。

家の中ではソファーで寝ているエリナの姿があった。


「ただいま、エリナ。飯にしよう。」


エリナの肩を軽く叩きながら起こす。


「私...そうだ、夕食作って寝ちゃったんだ。冷えちゃってるよね、温めないと。」


エリナは魔法を使おうとするが出るのは小さな小さな火だった。


「もしかしてエリナ魔法で料理したの?」


「火をどこで起こせばいいのか分からなくて」


魔法で火を使い炒めたせいでほとんど魔力が残っていないらしい。


「明日は休みだからコンロの使い方教えるよ。」


「うん、お願い。」


俺はエリナが作った料理を電子レンジに入れて温める。


「いただきます」


一口食べる。

エリナは心配そうにこっちを見ていた。


「美味しいよ。何を入れたの?」


出しっぱなしの調味料に気づかなかったふりをして聞いてみる。


「それは私の唯一の特技なので教えるわけにはいけないわ」


そう言って機嫌よく、作った野菜炒めを頬張る。

エリナが作った野菜炒めを食べた後にコンビニケーキをエリナに渡す。


「これは?」


「ケーキって食べ物だよ。食べてみて?」


エリナはケーキを頬張る。


「美味しい!」


俺は初めてエリナの幸せそうな姿を見た気がした。

エリナはケーキを食べた後に頬にクリームを付けていた。


「口、付いてるよ。」


「えっ?嘘?」


エリナは慌てて自分の顔を隠す。


俺はそんな少し天然なエリナが可愛いと無意識に思ってしまっていた。


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