ドライトさんのドキドキ初授業!
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↑に登場人物の設定などがあります。
………………何故だ?
【何故って、ゼフォンさんの面白イベントがドライト様の面白イベントになっちゃった事ですか?】
ハッキリ言うね君!?
【誤魔化してもしかたがないでしょ……それに私は最初から結婚に賛成派でしたし】
おおお……結局あっと言う間に結婚させられてしまった……
【リヴァイアサン様や他の龍神様方に原始の神々も祝福してくれたじゃないですか、喜びましょうよ】
代わりに亜空間に貯め込んでおいた、珍しい食材を全部食われたけどな!
【ドライト様……そんなに嫌ならハッキリと言ったらどうですか?】
ハッキリ言って俺が生き残る確率は?
【0%です】
何故だあぁぁぁぁぁぁぁ!
「ドライト様、ドライト様!」
「ダメですね……ドライト様は一体どうなされてしまったのでしょう?」
キャロリンとナタリーは賢者の学園の制服に身を包み、ドライトに声をかけるが一向にドライトは返事をしない。
ドライトはベッドの上で丸くなり「ガアァァァ……ガアァァァ……」っと言いながらゴロゴロと転がる生活を1カ月続けていたのだ、入学と卒業パーティーの次の日にドライトはシリカ達や家族にメルクルナ達によって、メルク山脈の神都メルクに連れられて行き、そこでシリカ達と結婚させられてしまったのだ!
盛大に行われた結婚披露宴ではドライトがコッソリと集めていた貴重な食材や珍しい食材を放出させられ、神々や龍達が帰る際には引き出物として秘宝や珍品も亜空間から出されてしまったのだった……
ドライトは宝物が激減したショックでゴロコロしていたのだ!
「私達と結婚出来たのが嬉しすぎて悶えてるのよ、とにかくキャロちゃんもナタリーちゃんも出かけるんでしょ?
レイナも待ってるし行ってらっしゃいな」
そうシリカに促されてキャロリンとナタリーはシブシブとドアから出ていった。
「しっかしダーリンったら復活しねえな?」
「ユノガンド様と被ってるって言われた時ですら3秒で復活したのに変ですわね?」
「それだけ……結婚が嬉しかったんだと……思う」
などと話しているとドアからメルクルナが入って来た。
「あれ?シリカさん達まだ偽者に騙されてるんですか?」
「「「「……はぁ?」」」」
「いや、1週間ぐらいで気付きましょうよ、ちょこちょこ入れ替わってたみたいですよ?
だからステラちゃんとルチルちゃんが来ないじゃないですか、今日はキャロちゃん達の初登校だから追いかけて行っちゃったんじゃないですかね?」
「「「「今日が初登校、忘れてた!」」」」
シリカ達はそう言うと慌ててドアからキャロリン達を追いかけて出ていったのだった。
「シリカさん達も嬉しくて浮かれてたんですね……どうでも良いけどこの偽ドライトさんを殴ったらバレるかな?試して[ガブゥ]ンギャアァァァ!噛むなあぁぁ!?」
メルクルナはベッドの上で転がっている偽ドライトを殴ろうとして逆に腕を噛まれてしまい、慌ててドアから逃げ出したのだった……噛まれたまま!
「ふぅ……今日は初授業なんだけどなぁ……」
「ドライト様は見に来られないのですかね……?」
「キャロちゃんもナタリーちゃんも元気だしてよ」
「そうそう、リア様達も来ないだろうしさ」
「アレナム様達は良いじゃないですか!
幸せ一杯のシリカ様達に可愛がってもらったんですから!」
「そうだよねぇ……ドライト様はこの1ヶ月丸まってただけだからなぁ~」
「はぁ~でもね?キャロちゃんにナタリーちゃん、これでも結構辛かったんですわよ?
永遠とノロケ話を聞かなければいけなかったんですから……」
「う……それはそれで嫌ですね……」
「何にしろシリカ様達もドライト様も来ないなら気合いが入らないですね」
「「「はぁ~……」」」
などとキャロリン達は話ながらトボトボと賢者の学園に向かい歩く、馬車を用意するとの話もあったのだがこれも社会勉強兼修行だと歩くことにしたのだ。
何にしろキャロリン達は歩きながら学園の門を潜ると大声で呼ばれた。
「いたいた!レイナ達が居たわ!」
「リティアさん!探したのですよ!」
「アレナム!お前達の初授業は俺達が見守ってやるからな!」
「セイネ……安心して……学びまくれ!」
その声に皆が驚き顔を上げると目の前にシリカ達が居た、何事かと聞くと自分達の初授業だから見守りに来たと言われてセイネ達は嬉しそうにそれぞれのパートナーに駆け寄る。
だがそこにはドライトの姿は無かった、キャロリンとナタリーは寂しそうにトボトボと歩く。
それを見たシリカ達にセイネ達が慰めようとするが、かける言葉が見つからずにその後ろをそっと着いていくのだった……
「ドライトったら何処に行ったのよ……」
「キャロさんとナタリーさんをあんなに悲しがらせて……」
「……あれ?ってか校舎じゃなく校庭に向かってね?」
「最初の授業……全学年での合同だって……聞いた」
「へぇ~、あ!レイナ!頑張ってくるのよ!」
「リティア!おちつくのですよ!」
「アレナム!頑張れよ!」
「セイネ……最初が大事……!」
セイネ達は大きな声で応援されて真っ赤になっている、キャロリンとナタリーは微妙な顔で校庭に集まる生徒の中に入って行った。
すると、学園長のクリスティーナを筆頭に教師達がやって来た。
そして整列すると学園長の魔法で教師達の立つ場所が高くなる、クリスティーナはそこから生徒達を見回すと話始めた。
「皆さん、おはようございます。
今回は新入生のための合同授業によく来てくれました。
この合同授業は新入生と先輩達の交流と共に、あなた達の将来のために必要な礼儀作法を習得してもらうためのものです。
さらに今年は素晴らしい講師の方をお呼びすることが出来ました、淑女教育の第一人者で淑女の中の淑女と呼ばれる方です!」
クリスティーナが素晴らしい講師と言ったのでキャロリンとナタリーはドライトかと期待して顔を上げ、シリカ達はまたか……っと顔をしかめたが、淑女だとクリスティーナが言ったのでキャロリンとナタリーは落ち込み、シリカ達は落ち着いて授業を見始めた。
「それでは先生をお呼びします!
先生お願いいたします!」
クリスティーナの呼び掛けに、教師達の間から1人の淑女が現れる。
その歩きは楚々として、生徒達に見せたカーテシーは完璧だった……
そして生徒達はその美しい所作と完璧な礼儀作法に見とれるのだった!
そして淑女の中の淑女と言われる人物は自己紹介を優雅にする……
「私が礼儀作法の特別講師……ロッテンドライヤーざますわ!」
「よし!ぶち殺す!」
「まぁ?野蛮な方ざますわね?」
「その妙なしゃべり方をお止めなさいな!」
「妙なしゃべり方とは失礼ざますわ!
ロッテンドライヤー家に伝わる淑女のしゃべり方ざますわよ?」
「俺も久しぶりにガチで怒ったわ!?」
「淑女足るものが俺とは……嘆かわしいざあます!」
「……私のカーテシーを……見るざます!」
「美しいざますわ!」
ロッテンドライヤーとシリカ達が揉めているのをキャロリン達だけでなく、賢者の学園の生徒達にほとんどの教師が呆然とした表情で見ている。
何故か?
特別講師のロッテンドライヤーの正体は……銀龍ドライトだったのだ!
飾り気の無いワンピースタイプのドレスを着て、うっすらと化粧をしていて口紅は薄い赤の口紅をつけている、鼻の上には丸眼鏡を着けたその姿はまさに淑女そのものだった……龍の姿でなければ!
「何にしろ淑女の中の淑女たる私の授業を妨害しないでほしいざますわ?」
「あなた男でしょうに……」
「それはそれとして授業を始めるざますわ!」
ドライトはシリカ達を無視すると生徒達に向かって話した 。
「皆様よろしいざますか?
1年生の方々の中には、大事な最初の授業が礼儀作法なのが納得いかない方もいらっしゃるようざますが、礼儀作法は大事ざますわよ?」
ロッテンドライヤーはそう言うが1年生の中には納得いかない者が多いようだ、それを見てロッテンドライヤーは続ける。
「納得いかない人はよく考えるざますわよ?
今年は必要なくても、来年の卒業入学パーティには出なくてはいけなくなるかもしれないざます。
その時に多少なりとも礼儀作法が出来なければ、あなた達だけでなく学園の名誉も傷つけられるざますわ!」
生徒達は多少はなっとくしたようだが、微妙な顔で顔を見合せあってる。
だがロッテンドライヤーの次の言葉で納得したのだった。
「良いざますか?
この授業は卒業後も関わる重要な授業ざますわよ?
たとえ冒険者になってもざます、何故かと言うざますと……高位貴族や王族と会う機会が、賢者の学園の卒業生にほぼ確実に有るからざます!」
そう、賢者の学園を卒業した生徒は冒険者でも最低Cランクには必ずなっていた。
そしてCランク以上の者はほぼ確実に高位貴族からの以来がある、その時に自分が恥をかくだけでなく賢者の学園の名誉を貶すことにもなりかねないと、ロッテンドライヤー女史は言っているのに生徒達は気がついたのだった。
「……あれ?ロッテンドライヤー女史、キャロちゃんみたいな王族だとか高位貴族だとかだと、どうすれば良いのですか?」
セイネは自分のような平民よりも、貴族の方が生徒の数が多い事を思い出して質問する。
「セイネさん、良い質問ざます。
お花を差し上げざますわ!」
そう言うとロッテンドライヤーはセイネの胸に白いバラを刺す。
「この花と共に革命してみてください。
ちなみに王族や高位貴族にはこの授業は別の意味になるざますわ。
王族や貴族の中にはカーテシーも満足に出来ないのかとバカにする者も居るざますが、この学園に通っていればその様な者の中にも恐ろしい相手が居ると認識出来るはずざます。
その目を養うための訓練の授業だと思ってほしいざますわ!」
こうして生徒達は完全に納得してがロッテンドライヤー女史は思い出したように言った。
「あ、ちなみにセイネの礼儀作法がなってないとを見下したりしたら、猛り狂うアンジェ姉さんが見れるざますわよ?
どなたか試してみるざます!」
アンジュラはドライトの横に並ぶと15mの本来の姿になり周りを威嚇する。
「お止めなさい!」[パシン!]
シリカに叩かれてアンジュラは小さくなり人の姿に戻る。
生徒達や一部の教師達を除いた者が驚愕と恐怖に染まっていた、そしてそんな生徒達を見回しながらロッテンドライヤーは言う。
「どうざますか?
普通の……[ギロ!]美少女が龍になったざますよ?
皆様も見た目に騙されないように精進するざます!」
ロッテンドライヤーはアンジュラを普通の少女と言おうとして、懐疑的に見つめると睨み付けられて慌てて美少女と言った。
アンジュラは満足そうにうなずく、そしてドライトは授業内容を説明しだした。
「ちなみに授業内容はとても単純ざます。
まず貴族の方など礼儀作法教育を受けた事がある方と無い方に、もしくは受けた事はあるが自信が無い方と別れるざますよ、そして礼儀作法の教育を受けた事がある方が無い方を指導するざます。
以上ざます」
授業内容を聞いて1年生達は拍子抜けしている、だが学園長が前に出て付け加える。
「良いですか?これは交流会を兼ねているからこの様な形になっているのですよ。
あと特別講師の先生が見回ります……え?抜け出したのがお母様にバレた?お帰りになる?かしこまりました。
皆様!特別講師のロッテンドライヤー女史に拍手を!」
クリスティーナがそう言うと、クリスティーナの家族にマサミだけが盛大に拍手する、パラパラとしか拍手をしない教師と生徒達にマサミが雷撃を落とすと、全員が必死に拍手した。
そしてその拍手を背にロッテンドライヤーは楚々として退場していくのだった……
その後すぐ
ロッテンドライヤーは校庭でセレナにステラとルチルに捕まっていた。
少し離れた所ではディアンがどうすれば良いのか分からずに立ちすくんでいる。
「何をするざます!
淑女を抱き抱えるとは淑女の中の淑女たる私、ロッテンドライヤーに対する挑戦ざますか!?」
「あらあら、可愛いわドライト!」
「「にーちゃがねーちゃになった!」」
ここ1ヶ月引きこもっていたドライトを心配していたセレナだったが、実はちょこちょこ入れ替わりステラとルチルのお世話をしたり学園都市やその周辺を探索していたのが噛まれて逆恨みしたメルクルナによってチクられてバレてしまい、セレナが来る前に逃げ出そうとしたのだがワンピースタイプのドレスを着ていて羽を出せなかったのと、淑女の中の淑女として走らなかったのでアッサリと捕まったのだった!
「や、止めるざます!なでなでは止めるざあます!」
「ふふふ、本当に女性になったようよ?」
「「ねーちゃ!わたちたちもなでてあげるね?」」
セレナに抱っこされたロッテンドライヤーは撫でられていた、そこにステラとルチルも参戦すると。
「おおお!?気持ちいいざます!?
ステラとルチルは腕を上げたざますね!」
ロッテンドライヤーはセレナとステラとルチルによって、思う存分撫でられてしまったのだった!
「あ、あの……?」
「キャロちゃん、諦めなさいな、お昼の後は別の授業があるのでしょう?」
「あまりの気持ちよさに完全に呆けてしまってますわね」
「あーあー、だらしねぇ顔しやがって」
「……これはこれで……レア!」
シリカ達は呆れていたが、アンジュラはレアだと撮影している。
結局キャロリン達は諦めて昼食に向かい、食堂では何故か先に居たセレナ達とシリカ達にかわるがわる抱っこされてご飯を食べさせられているドライトを眺めて、次の授業のために大講堂に移動したのだった。
「はぁ……ドライト様は結局食べてばかりでしたね……」
「うん、食べてたと言うより食わされられてた気もするけどね!」
「ドライト様、最後は涙目だった気もするわ……」
「食べ終わると次が待ってて断ると絶望されてましたわ、あれでは食べないわけにいかないですわね?」
「学園長もお茶を次々と煎れてましたね、嬉しそうに次々と、本当に次々と……」
「でも、何時も思うのですがドライト様の何処にあれだけの食べ物が入るのですかね?」
などと話ながら大講堂に入ると、他の生徒達もすでにやって来ていて席は埋まっている。
席を探すと最前列に6席が空いていた、そこにはキャロリン達の名前と予約席と書かれていた。
そのせいで注目されてるキャロリン達は恥ずかしそうに席に座る、すると舞台の袖からクリスティーナ学園長が現れて午後の部の開催を宣言した。
「午後からの授業は皆さんが、お待ちかねの魔法関連の授業です。
その道の権威をお呼びしてますので期待してください!
それでは教授、お願いします!」
クリスティーナに呼ばれて出てきたのは白い髭のドライトだった。
「皆さんの予想道理のドライト教授ですよ、授業が有るからと母様達を説得して来ました。
ありがたく思いなさい!」
「何を威張ってるのよ」
ドライトは威張りながらやって来る、そしてシリカ達に呆れられている。
「教授だから偉いのですよ!たぶん……
まぁ何にしろ授業を始めますよ!」
ドライトが授業開始を宣言するとクリスティーナとマサミがホワイトボードを持ってきた、そこにはダンジョンの種類と攻略法と書かれていた。
「あ、あの、魔法や魔術の授業では……」
リティアはドライトが魔法関連の講義すると期待していたのが、ダンジョンと書かれていたので思わず立ち上がり質問する。
「いや、最初はその予定だったんですが、魔法関連の授業は時間がかかりすぎると分かったので……」
「なら気功法は!?気功法にしましょう!」
リティアはそう言われてしぶしぶ座る、今度はレイナがそう言い出すが
「あれは教えると言うより、体験してもらう物ですから……この人数だとやっぱり時間がかかりすぎるんですよ」
レイナも不満そうだが仕方ないかと席に座る。
「まぁ、そう言うことでダンジョンについて軽く講義することにしました、最初にダンジョンの種類と攻略法を言いますのでその後に質問等受け付けます。
それでは良いですかね?」
ドライトがそう言いうと共に騒いでる生徒達にクリスティーナとマサミがエアボールを叩きつけて静かにさせる、生徒達は口を押さえて席に静かに座るのだった。
「それでは授業を始めます、まずはダンジョンの種類ですね、簡単に分けると2つに分けられます。
ダンジョンマスターの管理下にある物とない物です、この2つの違いは難易度の違いですね。
管理下にある方が難易度が高いと言われています、ただしダンジョンマスターの管理下にないからと安全と思い放置していると、ダンジョンコアが暴走してモンスターの氾濫が起きる可能性が高いので早めにコアを破壊するなりして、ダンジョンを殺した方が良いですね」
「あ、あの、よろしいですか?」
「質問ですか?どうぞ?」
ドライトの話を聞いていた女生徒の1人がオズオズと質問してくる。
その生徒をクリスティーナとマサミが睨み付けるが、ドライトがどうぞと言ったので目を反らす。
「は、はい、今ドライト教授が言われた管理下にあるかないかではある方が難易度が高くなると言ってましたが……では管理下にないダンジョンは危険はないのですか?」
「おお、良い質問です!このバラを……品切なのでイチゴの花です、花言葉は[先見の明][あなたは私を喜ばせる]です!
それでですね?ダンジョンマスターの居るダンジョンは深く潜れば潜るほど難易度が高くなるんですが、居ないダンジョンはそれほど難易度は高くないんですよ?
ただ、マスターが討伐されたなどで不在のダンジョンはダンジョンコアが管理している場合が多いのですよ?
それでコアはそんなに頭が良くないので魔物を増やし続けるのですよ…… 」
「なるほど、つまり氾濫や暴走の危険度は高いと言うことですか!」
「そう言うことです!」
話を聞いていたクリスティーナは疑問が湧き、悩み抜いた末にドライトに質問する。
「あ、あのドライト様?大抵はコアが管理していると言うことは別の者が管理していることもあると言うことですか?」
「おお!またまた良い質問ですよ!?イチゴの花をどうぞ!
ダンジョンマスターの居ないダンジョンは野良の高位モンスター等が入り込み巣にする事があるのです!
そしてコアを吸収してダンジョンマスター兼コアになる場合と、コアが高位のモンスターを召喚して体を乗っ取る場合があるんですよ。
ちなみにこの場合はそのモンスターを討伐すればダンジョンも滅びるので、コアを探す労力を考えると簡単だったりしますね」
ドライトにそう言われてクリスティーナは、イチゴの花を大事に持ちながら「なるほど!」っとうなずいている。
そして今度はマサミが質問する、羨ましそうにクリスティーナと女生徒を見ながら。
「ドライト様、マスターが居ても居なくても、狙ってのコアの捕獲や破壊は不可能だと言われています。
つねに転移で場所をしているので……」
「流石は賢者の学園です、質問のレベルも高いですよ!
あ、お花をどうぞ!
それでですね、コアの話なんですがダンジョンマスターが居る場合はマスターがコントロールしているので捕獲は確かに難しいんですよ。
しかし管理されてないダンジョンだと、ダンジョンコアは決まったパターンで転移している可能性が高いのです。
ですから見かけた場所で張ってるとだいたい1ヶ月位で確保出来ますね!」
この話を聞いてマサミは目を見開いて驚いている。
実際のところマサミは思い付きで質問しただけなのだ、クリスティーナや女生徒がドライトから花を貰ったのが羨ましく、なんとはなしに質問したのだが帰ってきた答えはダンジョンに関する深遠の情報だったからだ!
隣を見ればクリスティーナや教師達も驚愕の表情を浮かべている、生徒達は最上級生と一部の生徒達が驚き呆然としていた。
マサミはそれを見て無理もないと思った、ダンジョンコアの特性なんて情報は1度も聞いたことが無いのだ、クリスティーナには到底敵わないが自分も世界の深遠を見た者の1人だと言う自信が有る自分でもだ。
尊敬するクリスティーナ学園長の表情から、クリスティーナも知らなかったのだろう……龍達は落ち着いているが顔をしかめている。
「ドライト?その情報を広めるのは良くないわよ?」
「母様、龍や神々が関与しているダンジョンコアは大丈夫ですよ?」
「なにか対策があるの?」
「ドライト重工からの新たな商品、ダンジョンコア、世界を革命するかもしれない力(武力 )の販売が今日から始まるのでそれを買って……か、母様?何で私を掴んで……ど、何処に連れていくのですか?
私はこれから新商品のプレゼンが!?
た、助けてえぇぇ!」
ドライト教授はセレナに連行されてしまった、クリスティーナとマサミはそれを呆然として見送る。
生徒達もどうすれば良いのか分からずに呆然としていると、ヒロとクミがホワイトボードの前に移動して何かを書きこむ。
[明日からは通常授業になるので、朝の9時に登校すること。]
「よーし、解散!」
そして、ヒロの言葉で解散したのだった!
「おお!けっこう買い注文が入りましたよ!?
これで少しは貯金も増えますよ!」
「こら!反省なさいな!」[パシーン!パシーン!]
「痛いですよ!?でも貯金が増えたのです、めでたいのです!」
「あら?旦那様、子供のための貯金ね?
ならセレナ義母様に預けなきゃ!」
ドライトはセレナに尻を叩かれていたが、貯金が増えた喜びで痛みをあまり感じていないようだった。
そして亜空間に仕舞われているお宝などが増えていくのを嬉しそうに見ていたが、突然現れたシリカにそう言われて氷づく、そして……
「……ドライト、母が預かります。
お出しなさい」
「………………」
「ちょっと、ドライト?」
「完全に固まってますわね?」
「今のうちに出しちゃおうぜ!?」
「……今ドキドキの……ドラちゃん探訪!」
こうしてドライトはまたもや名品や宝物をゴッソリ持っていかれてしまったのだった!
【ドライト様?寝てる間にお宝がまた大分減りましたよ?】
『なんでじゃーーーー!』
お読みいただきありがとうございました。
感想、ブクマいただけると嬉しいです。