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転生龍の諸国漫遊記!  作者: バリ君
学園都市編
80/174

入学と卒業パーティ 婚約破棄と新たなる婚約、そして結婚へ!

http://ncode.syosetu.com/n9831dr/

↑に登場人物の設定などがあります。

やった……やったぞ!

俺は神を見捨てたけど神は俺を見捨てなかった!


【面白イベントがまだ残ってて良かったですね】


ああ、ユノガンド様以外の神に祈ろう、具体的には祖父ちゃんと祖母ちゃん達に!


【ええ……あ、ユノガンド様から救援要請が来てますよ?】


今から面白イベントだから行けないと伝えてくれ。


【了解しました】




「なんだ?グレイドラゴンか?

ふん!貴様は後で処分してやる、今はアテスとの婚約破棄についてだ!」


ゼフォンはそう言うと1人の女性に向き直り指を突き付ける。

ちなみにドライトの事を処分すると言った瞬間にシリカ達やジェード王国の面々にクリスティーナ達が能面のように表情をなくしてゼフォンをジッと見ているが、ゼフォンは気がついていない。


「アテス、貴様が天真爛漫なシサを私が愛した事に嫉妬して虐めていたのはすでに分かっているのだ!

そんな貴様を栄えあるウアスの国母にすることなぞできん!

婚約は破棄し、貴様は直ぐにも学園から追放とする!

そして私は愛するシサと婚約する!」


そう言い切るとアテスの側のテーブルで、チキンを丸ごと1つを小皿になんとか乗せようとしていた可愛らしい女性に手を差し出す。


「ひぃ!」


その女性、シアは小さく悲鳴をあげるとアテスの後ろに隠れた、チキンを皿に乗せて。


「シア?最早なにも遠慮することはないのだぞ?

さぁ、私の腕の中に来るのだ!」


ゼフォンはそう言って両手を広げてシアの方に向かうが、シアは必死にアテス後ろに隠れている。


「ゼフォン様、シア様は怯えています、それにこの婚約はウアスと我が「黙れ!」……ゼフォン様?」


「貴様が脅すか何かをしてシアが怯えてこちらに来れないのであろう!

衛兵!なにをしている、早くこの女狐を捕らえんか!」




完全に修羅場になりつつあるなかで、真っ青な顔でこの面白イベントを見ていたのはリティアだった。


「あ、あのバカは何を考えて……

サルファ様、今あのバカを始末してきます!

少々お待ちください!」


ウアス魔導大国の王族でゼフォンとは兄妹のリティアは慌ててゼフォンの元に行こうとするが、その前に立ちふさがったのはドライトだった。


「リティア、何処に何しに行くんですか?」


「ドライト様、私は今からあのバカを塵にしなければいけないのです!

そこを退いてください!」


「……行くのならサルファ姉の祝福を捨ててからにしなさい、あなたは龍の祝福を受けた者……例え兄妹だとしてもあのような雑事に関わってはなりません」


「そ、そんな!?」


リティアはドライトにそう言われてますます顔色を悪くする、そこにサルファが言ってきた。


「と言うのは建前で本音はなんなのですか?」


「こんな面白イベント逃しませんよ!

リティアには悪いですが存分に楽しませて貰いますよ!」


「ふん!」[ドカ!]


「ガアァァ!?」


サルファの聞き方があまりにも良いタイミングだったため、ドライトは思わず本音をしゃべってしまい、サルファのキックで窓から外に蹴り出されてしまった!


「さあ、リティアさん行きなさい!

1人が怖いのなら私も着いていってあげますわ」


サルファはそう言うがリティアはどうすれば良いのか迷ってしまった。


龍の祝福を盾にすればいくら愚かな兄とはいえこの場は退くだろう、そしてその間に父であるウアスの王に指示を仰ぐのが一番良い方法だ、だがそれをすれば間違いなく自分達にウアスからの干渉があり、サルファに迷惑をかけることになる。


サルファは笑って許してくれるだろうがリティアは自分のプライドにかけてそれだけは許せなかったのだ。




などとリティアが迷っている間に面白イベントはどんどん進んでいく。


「ゼフォン様、先程から言うようにこの婚約は国同士の契約です。

それにシサ様は私の友達、親友です、虐めるわけがないじゃないですか……

そしてシサ様には婚約者がちゃんと居ます、これ以上シサ様に迷惑をかけないでください」


「ええい!黙れ!!衛兵、何をしているか!この女狐を、悪魔を早く捕らえんか!」


ゼフォンは聞く耳を持たないと言う感じで衛兵に命令するが、衛兵達は微動だにせず視線をクリスティーナに向けている。


何故か?この学園都市の都市長はケリドアだ、だが真の支配者は誰かと聞かれれば誰もがこう答える、賢者の学園の学園長、クリスティーナ・アン・シャープこそが学園都市の支配者だと。


そしてそのクリスティーナは真っ白になっていた、このパーティでキャロリン達を褒めちぎり、持ち上げることでドライトに褒めてもらうつもりだったのだ!


しかし肝心のドライトはサルファに蹴り飛ばされて何処かに行ってしまった。

そしてパーティの中心ではゼフォンとか言うアホが騒ぎを起こしている、しかも各国の王族や大使に代表などが揃っているなかでだ。


クリスティーナは面子を丸潰れにされ怒り心頭だったが、ドライトが帰って来ないのは呆れて帰ってしまったからではないかと思い真っ白になってしまったのだ!


そんなクリスティーナを見ている学園都市の衛兵達も、この騒ぎを静めたいがクリスティーナが真っ白になり動かなくなってしまったので、どうすれば良いのか判らなく動けないのだった。




そんなこんなでこのイベントを止めれる人間が不在のため、話は更に進む。


「さぁシサ、こちらにおいで?

2人で、祖国で結婚式を挙げるのだ、もはや邪魔する者など誰もいないのだよ?

安心して私に身を任せるのだ……!」


「ヒィィィ……キモ!キモすぎる!

アテス様助け……く、来るな!オロス、助けて!ああ!?蕁麻疹が!」


ゼフォンがシサに近づくとシサは必死にアテスの後ろに居て守ってもらおうとするが、回り込まれて腕を掴まれてしまう、すると掴まれた腕に蕁麻疹が出まくってしまう。


すると遠巻きに見ていた群衆の中から怒鳴り声がした!


「ゼフォン殿!シサを離してもらいたい!

彼女は私のフィアンセだ!

人のフィアンセに勝手に触れるとは何を考えていらっしゃる!?」


「オ、オロス!助けて、痒い!」


「また貴様か……平民が王族に文句を、しかも私の恋人の婚約者だと?

ただの平民が……不敬罪だ、衛兵、この者を捕らえて処刑せよ!」


ゼフォンはそう叫ぶがもちろん衛兵は動かない、ゼフォンはそれにイラつきシサから離れて怒鳴り付けようとした瞬間、シサが淑女にあるまじきダッシュでオロスと呼ばれた男の腕の中に逃げ込む。


「助けに来てくれたのね、オロス!とてもキモくて痒かったわ!」


「シサ……本当に痒そうだな……」


そう言われてシサはオロスに背を向け掻いて!っと言ってオロスに掻いてもらい幸せそうにしている。


そのラブラブな姿を見せられたゼフォンは真っ赤になって怒り、腰の剣に手をかけると抜き放ち2人の元に行こうとした瞬間!


「ゼフォン!貴様何をしている!」


「ゼフォン殿!我が娘との婚約を破棄したとは本当か!?」


理知的な瞳で知性に溢れる顔をしているが、今は真っ青になってしまっている男と怒りで真っ赤になった厳格そうな年配の男が2人、供の者や妻だろうか?女性を隣に連れて歩いてきた。




「父上!それにダラムアデのレコフか……ふん!アテスは貴様に似て腹黒く愚かな女だ、その様な者にウアスの国母が務まるとでも思っているのか?

それからそこの平民!さっさっとシサから離れろ!」


「ゼ、ゼフォン!貴様は何を言っているのだ!?」


「へ、陛下、太子は……あのゼフォンは本物なのですか?……あ」


「お、王妃!?」


ゼフォンの言葉を真っ青になり聞いていたウアスの王妃は、耐えきれなくなったのかふらつき、倒れかかる。

それをウアスの大王は慌てて支えた、そこに2人の人物が近づいてきた。


「イゼロス殿、今回の婚約と和平の話は無かった事にしていただく」


「レ、レコフ殿!お待ちください、婚約の件は仕方がないとは言え和平の話は!」


「黙れ!あのような者と婚約させ、しかも一方的に破棄されて黙っていられるか!」


「レ、レコフ殿……」


そう言ってダラムアデの国王はウアス一行から離れる。


「アテス、早く帰りますわよ?

このような場に居るだけで吐き気がします!」


アテス、ダラムアデの王女であるアテス王女は母であるクィシア王妃にそう言われて母の元に行こうとしたが、立ち止まりゼフォンを見ると言葉をかけた。


「ゼフォン様……私はあなたと結婚してウアスの国母になり励むつもりでした。

でも……正直あなたのキモさに限界寸前でしたの、婚約破棄していただいてありがとうございます!」


そう満面の笑みで言うと、いまだにイチャイチャしていたシサの手を取り「早く逃げますわよ!」と言ってダラムアデ国王夫妻の元に走って逃げたのだった。


言われたゼフォンは驚愕の表情をして固まっている、その間にアテスとシサにオロスはダラムアデ一行の元にたどり着くとパーティ会場から去ろうと、扉の方を向く。




次の瞬間!




「え!?」


「な、なんじゃ!?」


「ア、アテス様、何が!?」


「シサ!離れるな!」


「近衛!陛下と王妃を守れ!

シサ様、オロス様は私から離れないで!」


パーティ会場は騒然となった、何が起きたのかと言うとダラムアデ一行が扉の方を向いた瞬間に国王夫妻に娘のアテス、そしてシサ、オロスの5人がパーティ会場の中心に転移させられたのだ!


慌ててダラムアデの近衛騎士達が駆け寄ろうとするが、何かに阻まれ近づくことすらできなかった。


それを見たアテスが周囲を警戒しながら父と母に親友のシサとその婚約者であるオロスを守るように前に立つと、突如目の前の空間に歪みがしょうじて何者かが出てきた。


そしてその人物の正体に気がついたアテスとシサにオロスが叫ぶ!


「「「学園長!?」」」


「あらあら、お客様ですね?

ドライト様~お客様ですよ~?ドライト様~?」


クリスティーナがドライトを呼ぶと空間の歪みが光り、次の瞬間には10個程のオフィスデスクが現れる。

そしてその一つに座ってケーキを食べていた銀色の龍がパタパタと飛んでやって来た。


「いらっしゃいませ!

この度はD&M相談所にようこそ!

何かご相談があるのでしょうがご安心ください、当社は経験豊富な相談員が揃っています!

さらに相談員でも解決困難な時のために特別上級相談員制度も有りますのでご安心してください!」


「え?な、何が起きてるの!?」


「アテス様危険です、離れてください!」


ドライトがそう言ってアテスを連れて行こうとしたが、シサが間に割って入り止める。

するとクリスティーナがシサ達に安心するように言う。


「ふふ……シサさん、安心なさい?

この方は素晴らしい方です。

実は私もこの方のお力で幸せになったのです、あなた方も安心して身を任せるのですよ?」


賢者の学園の学園長であるクリスティーナがそう言うのでシサや国王は安心するが、アテスとクィシア王妃は嫌そうな顔をした。


『……学園長は素晴らしい力で幸せになれると言ったけど、相談すれば問題を解決出来るとは言わなかった。

怪しすぎるわ……逃げるかな?』


アテスが悩んでいると違和感を感じた、そして気がつくとアテス達は1つのテーブルを囲むように座っていたのだった。




『また転移させられた!?』




仮にもダラムアデの王族である、魔法や魔術に対する対向魔術陣やマジックアイテムを持っているがまったく意味が無いようだ、その事にアテス達は驚くが回りを見てさらに驚く。


オフィスデスクなど、パーティの中心に置く場所など無かったはずだ、だが現実に10ものテーブルなど様々な備品が置かれている。


つまりこの目の前の存在は空間をねじ曲げ無理矢理スペースを創ったのだ、数百人の人間に気づかれる事なく!


アテスはその事を隣に座る両親に視線で伝える、シサとオロスもそれに気がつきアテスの言う通り警戒しながら目の前の存在、銀色の龍、ドライトに視線を向けるとドライトは語りかけてきた。


「お話は終わりましたか?

そんなに警戒しなくても大丈夫ですよ?

あなた方のお困り事を私、銀龍ドライトと……管理神メルクルナさんとで解決してあげますよ!」


アテス達は驚く、王族同士で伝えあえる視線での会話方法、長年の友でありその婚約者のシサとオロスとの秘密の会話方法、それらすべてを一瞬で看破されたのだ。


そして最高神であるメルクルナの名前まで出てきたのだ、アテス達は絶対に逆らわない事を誓いつつ、大人しく話を聞くことにしたのだった。


「あ?そうですね相談員のメルクルナさんも呼ばなきゃでしたね!

メルクルナさん!メルクルナさんは居ませんか!?」


「もぐもぐ……ズズズ……プハァ!」


「お客様の前で食べながら話すでないわ!パクパク……おお!?このケーキは中々美味いぞ!」


「ユノガンド様も人の事言えませんよ!?

あ、すいませんね?あそこに居るのが相談員のメルクルナさんと特別上級相談員のユノガンド様です、ただのアホなので居ない者と思ってください」


「「ひどい(のじゃ)!?」」


メルクルナとユノガンドはブーブー言いながら席に着くと、ドライトが言ってくる。


「それでは相談内容をどうぞ?

緊張しないでリラックスしてお話ししてください!」


そう言われてアテスは何を相談すれば良いのか判らなくなってしまった。


長年、自分や親友のシサを悩ませていたアホ、ゼフォンとは縁が切れた。

シサは卒業後直ぐにオロスと結婚するだろう、なかなか会えなくなるので寂しい事は寂しいが、2度と会えなくなる訳ではないのだと納得している。


国に帰れば厳しくも優しい父と、王妃として、そして外交官として立派に育ててくれた母と久しぶりにゆったりと暮らそうと思っていたところだ。


『相談……?何を相談すれば良いの?』


そう思ってしまったのだ、見れば父であるレコフ王もどうすれば良いのか困っているようだ、その向こうで母であるクィシア王妃も嬉しそうに目をランランと輝かせて……あれ!?




クィシア王妃は驚いてる夫と娘を放置してドライトに聞く。


「銀龍ドライト様!

お噂はかねがねうかがっております!

あなた様のお力でジェード王国の第2王女殿は素晴らしい幸福を掴んだとか!?

さらにはメルクルナ様とユノガンド様と言う、光り輝く天上の方々にご相談できるとは光栄です!

よろしければお話を聞いていただけますか!?」


クィシア王妃がそう言うとドライト達は嬉しそうにうなづいた。


「あなたは中々の情報通のようですね?」


「それに私達に対しても尊敬と畏怖をもって接してるわ!」


「うむうむ、娘も言いづらい事があるじゃろう……母であるそなたの口から話すがよいぞ!」


そう言って標的を変えたのだった。


「ありがとうございます!

実は娘には婚約者が居たのです、しかしそのアホは、失礼しました。

その者は娘の友人であるシサ嬢に惚れました、しかしシサ嬢には相思相愛の婚約者が居たのです。

娘は諦めるように言ったのですが、その者は諦めるどころか衆人環視の中で娘に婚約破棄を告げたのです!」


「それは酷いですね……」


「女の敵ね!」


「なんならその者にわらわが神罰を下すぞ?」


「い、いえ!その様な雑事までお願いする分けにはまいりません!

私のお願いは娘に良い縁談を……良い夫を紹介してもらえないかと……」


「ふむ、良縁ですか……」


「あー、確かにこの衆人環視の中で婚約破棄されたのなら、傷物にされたも道全だからね……それで良縁かぁ……」


「ふうむ、なんなら1から創るかの?」


ユノガンドの言葉にクィシア王妃は驚き訪ねる。


「ユ、ユノガンド様、創るとはいったい……?」


「ん?ああ、どこぞに国と人でも創造して、人格などもいじっての?

その者を娘にあてがっ「クケー!」[ドガ!]うぎゃあぁぁぁ!?」


アホな事を言い出したユノガンドをドライトがドライト拳法、ヤンバルクイナ拳で始末して言う。


「ふう……実は超優良物件があるんですが、ちょっと問題が有るんですよ?

あなたのお嬢さんやあなた方が良いと言うか……1度お会いしますか?」


「全然問題ありません、直ぐにお会いできますか?」


「お、お母様!?何処の誰とも分からないのにいきなり会うなんて!」


「アテス!ドライト様が超優良物件とまで言っているのですよ!?

お会いしないでどうするのですか!」


アテスとクィシアは親子喧嘩寸前になっている、レコフは普段の威厳も無くしオロオロとしているとドライトが止めに入った。




「まぁまぁ、何も会ったら必ず結婚しろなんて言わないのですよ?

とりあえず会うだけ会ってみてはいかがですか?」


「そうね?とりあえず会って見ないことには話は進まないわ。

私、メルクルナの名に懸けて結婚を強制しないから会ってみない?」


メルクルナがそう言うと、アテスはシサに袖を引っ張られる。


「アテス様、メルクルナ様がここまで言っているのですからお会いするべきです」


「ええ、逆にここまで言ってもらってるのに、お会いしないなんて不敬になりますよ?」


シサとオロスにそう言われてアテスも覚悟を決め、会うと答えた。


「じゃあ、直ぐに呼びますね?」


[スカ!]


「あれ?えい!えい!?」


[スカ!スカ!]


ドライトがフィンガースナップ、指パッチンをしようとしたがスカってしまい音が鳴らない。


「……アタァ!」


[ゴワーン!]


ドライトは仕方なく銅鑼を取り出して鳴らすと、目の前にアンディ王太子が現れたのだった。


「ドライト様!?何かご用ですか?」


「この方が超優良物件のア「不束者ですがよろしくお願いします!」……はぁ?」


アテスはすぐ側にアンディ王太子が現れると、驚き目を見開き固まってしまうがドライトが紹介し始めると即決で結婚に同意した。


「ん?アテス姫か?お久しぶりです、しかしますますお美しくなられましたね」


「お久しぶりです、アンディ先輩!

結婚してください!」


「ハハハ!アテス姫の冗談は相変わらず面白いですね!」


「いえ、冗談なんかじゃないです。

お嫁さんにしてください!」


「い、いやアテス姫、私には「お2人は知り合いなのですか?」ドライト様……私が留学していた時に知り合ったのですが……」


「はあ、なら話は早いですね。

それではご両親と聞いていただきたいのはこの優良物件の問題点なのですが……」


「アンディ先輩に問題点なんか「アテス、黙りなさい」……」


アテスは目をハートマークにして問題点なんか無いと言おうとしたが、クィシア王妃に黙らされる。


「うーん、実はですね?アテスさんは正妃になれないのですよ」


俺がそう言うとクィシア王妃は少し驚いた表情をするが、少し考えてうんうんうなづいてる。

自分の中で解決したようだ、だが国王は納得できないのか顔をしかめている。

そして肝心のアテスはおそるおそるドライト質問してきた。


「あ、あの?正妃はもう決まっていると言うことですか?

いったいどなたが……?」




ドライトはそう問われると、両手で銅鑼を持って前に突き出すと……


「アチョォォ~!」


[ボワァ~ン!]


メルクルナが殴って良い音を響かせる。


「流石はメルクルナさんです、良い音でしたよ!

……あ、この2人が正妃のティナさんと第一側妃のセアースさんですよ」


銅鑼の音と共に転移させた2人をドライトがそう紹介すると、アテスは目を見開き驚く。


「アテス、表情」


「あ!……で、でもでもティナお姉様にセアースお姉様なんですよ!?

学園でアンディ先輩と同じ様に優しく色々教えてくれたティナお姉様。

ダラムアデにトリア大司教と共に来られた時に、やはり優しく導いてくれた方です……そんな方々が本当にお姉様になってくれるんですよ!」


「アテス、嬉しい時こそ表情隠すように教えたでしょう?

それに本当にこの2人が正妃と側妃なのか分からないじゃないの」


クィシア王妃がそう言うと、ティナとセアースは「「結婚しますよ?」」っと反論する。


「うーん、ティナさんは身分的に……セアースさんは逆に側妃と言うのが……」


「む?ティナさんには私の母が加護を授けているんですよ?

なのに問題あると!?」


「ドライト様のお母様のですか!?

なんの問題もありません、娘をよろしくお願いします!」


「アンディ先輩!末長くおねがいしますね!」


クィシア王妃がそう言いながら、何か言いたげなレコフ王を睨んで黙らせる。


そして娘のアテスは満面の笑みでアンディ王太子にティナとセアースの元に走るのだった。

ティナとセアースは「アテスなら歓迎よ!」っと言って迎え入れた。


何か言いたげなアンディ王太子を睨んで黙らせながら……




「ドライト様!ありがとうございます!

娘にこのような良縁を与えてくださるなんて!」


「申し訳ありません……私は最初はあなた様の事を信じておりませんでした……

しかし最高の夫を紹介していただき、この喜びと信じる心をどの様に表現すれば良いのか……

とにかくありがとうございます!」


「はっはっは!

私にかかればこの様な相談事を解決するのは、児戯にも等しいのですよ!」


「そうね?もう少し手応えのある相談が欲しいわね!」


「メルクルナよ?我等ほどの相談員が手応えを感じる相談なぞ早々有るわけがなかろう?」


「それもそうですね!」


「「あははは!」」


何時の間にか復活したユノガンドとメルクルナは笑いあっている、それを見ていたドライトはアテスとクィシアの方に向き直り相談したのだった。


「気絶してただけの人と、銅鑼を1回殴っただけの人の態度がでかいんですが、なんとかなりませんかね?」


そう言われたアテスとクィシアはひきつりながら、


「「私達にはその様な高度な相談事は解決できません!」」


としか言えなかったのだった。




そしてクリスティーナがお茶のお代わりを持ってきてアテスとシサに


「ちょっと早いかもしれないけど、2人とも結婚おめでとう!お幸せにね?」


そう言って祝福すると、アテスとシサは嬉しそうにそれぞれの婚約者の腕を取った。


しかしそれに対して待ったをかける者が現れる!


「待て!貴様ら俺をバカにしているのか!?

シサは俺の恋人だ!そこの豚と妙な女供、ぶち殺されたくなければ「こ、このバカもんがあぁ!」ち、父上!?」


真っ青になりながらドライト達を見ていたウアスの大王、イゼロス大王は今は真っ赤になりながらゼフォンの胸ぐらを掴み殴りかかる。


「貴様!この婚姻が、この和平がどれだけ重要か!

ウアスの存亡に関わるかを何度も説明したはずだ!

それが婚約を勝手に破棄したばかりか、力ある龍として有名なドライト様を豚と呼び!

メルクルナ様とユノガンド様を女共だと!?」


ウアスの大王、イゼロスはゼフォンを何度も殴る、そこに王妃のイムルも来て泣きながら言った。


「ああ……大王様、この不始末はすべて母の私の育て方が悪かったからです!

私がすべての責任を取り自害します!太子の……息子の命だけはお助けください!」


「王妃……」


「は、母上!?」


そうイムル王妃の叫ぶような声に反応したのはイゼロス大王とゼフォンだけではなかった。




「お、お母様!?

サルファ様、どうか、どうか母をお助けください!」


リティアは泣きながらサルファにすがりつく。

サルファはボロボロと涙をこぼすリティアを見て、黄色いオーラを出しながらドライト達の元にやって来る。


ドライト達は残ったケーキに取りかかっていたが、サルファが尋常じゃない雰囲気で近づいて来るのに気がつき、逃げ出そうとするが設置してあったオフィスセットに引っかかり逃げられなかった!


「相談員さん?私も相談が有るんですが、よろしいかしら?」


「サ、サルファ姉、今は休息中でして!」


「ヒィィィ!メッチャ怖いんですけど!?」


「そ、その様に怒っても原始の神たるわらわは怖いのじゃ!

原始の神のわらわでも怖いのじゃー!」


あまりのサルファの怒り具合に3人は完全にビビっていると、そんな3人にサルファは言う。


「力ある龍に管理神、さらには原始の神が片方にだけ肩入れするのは問題があると思いませんか?」


「「「そうですね(じゃの)!」」」


「じゃあ、リティアの相談にも乗ってもらえますね?」


「い、いや、サルファ姉が相談を聞いてあげれば……ガァ!?」


ドライトが断ろうとするとサルファはドライトの首を片手で掴み自分の顔の前に吊り上げる。


「聞いてくださいますわね!?」


「もちろんです!全力で当たらせてもらいます!」


ドライトそう言うと、サルファはニッコリと笑って先程までダラムアデ一行の相談を聞いていた所までドライト連れていった。


その後ろでは


「ヒィィィ!ドライトさんの結界を素手で引き裂いたわ!?」


「メルクルナ、何をしとる!ケーキを持って戦略的撤退をするぞ!?」


っとバックレようとしてレムリアとヌーマに捕まっていた。


「お、恐ろしい目に会いましたよ……

それでリティアは私にどんな相談が有ると言うのですか?

あまりふざけた相談事だったら……私に対する挑戦と捉えますから注意してくださいね?」


ドライトがそう言うとリティアはビクリと体を震わせる。

それを見ていたサルファがドライトを睨み付けるが、ドライトは睨み返してサルファにも言う。


「サルファ姉、仮にも私が祝福を与えたアンディさんに関わることですからね……?

睨まれても私は引きませんよ!?」


そう言ってドライトは完全に力を解放する!

その力に流石のサルファも一歩引くが、踏み止まりさらに睨み付ける!


「ド、ドライト様、どんな相談だとふざけた相談なのでしょうか?」


その雰囲気を何とかするために、キャロリンが間に立ちそう質問すると、ドライトは少し考えて


「ペットに蟻を飼ってるんですが、隣の家のおばちゃんが飼育ケースの中に蟻の巣コロリを入れようとしてきます。

どうすれば良いですか?がギリギリ許容範囲内です!」




「ヒック……ヒック……

な、何も寄ってたかって怒ることないじゃないですか!」


「反省なさい!

サルファちゃんは本気であなたと敵対するつもりだったのよ!

親友であるリティアちゃんを思ってキャロちゃんも気が気じゃなかったのですからね!?」


「「バカバカバカ!バカにーちゃ!」」


セレナとステラにルチルに囲まれてドライトは叱られて半泣きだ。

それを遠巻きにシリカ達がサルファを慰めながらドライトを睨み付けている。

そしてキャロリン達も睨むようにドライトを見ていた。


「ううう、なんにしろリティア、相談事があるなら言ってください?

サルファ姉の祝福者だしちゃんと相談にのりますよ?」


「最初からそうちゃんと言いなさいな!」


「ドライトさん!この埋め合わせはしてもらいますからね!?」


「ドラ公、なんでもかんでも許されると思うなよ!?」


「……ドラちゃん!……飼育ケースには……私が蟻の巣コロリを入れる!」


シリカ達はアンジュラを連れて別のテーブルで話し合いを始めた、ドライトはそれを見てリティアに向き直り言うのだった。


「向こうでは誰が蟻の巣コロリを入れるかで紛糾しているようです。

こっちはこっちで話を進めましょう、さぁリティア?なんでも言ってください?」


「ドライト様……では私の家族も呼んでもよろしいでしょうか?」


「良いですよ?リティアの頼みならキャロやナタリー程ではないですが聞いてあげますからね!」


そう言うとドライトは呼び鈴を取り出すが、そのサイズは福引き会場で見かける物の倍もあるものだった!


[ガラン!ガラン!ガラ~ン!]


「良い音です!

さぁ、揃いましたね、それで相談事はなんなのですか?」


今度はリティアを中心にウアスの王族が強制転移でテーブルに着かされる、そして全員揃ったにのを確認したドライトがリティアに相談事を言いなさいっと言ってきた。




リティアは深刻な表現で周りを見回す。

両隣には父と母、ウアス魔導大国の大王と王妃が真っ青になりこちらを見ている、兄のゼフォンは不服そうに父の向こう隣に座っている。


そして少し離れたテーブルではサルファが心配そうにこちらをチラチラ見ている。

リティアはそれに気がつきサルファに向かい軽く頷くと、ドライトに話始めた。


「ドライト様……このままではウアスは、わが祖国は滅びます、どうか、どうかドライト様のお慈悲によりお助けください!」


ウアス魔導大国が滅ぶと言うリティアにゼフォンや周りは驚くが、ドライトは別の事が気になったように問いかける。


「……リティアは母より国を取るのですか?」


「いえ、正直、国はどうでも良いんですが、国が滅ぶと責任感の強い母が自殺します。

ですから母を助けるのには国を助ければならないのです」


「それはそれで酷いですが、私よりも先になんとかしないといけない人が居る気がしますね?」


そう言うとドライトはゼフォンを見る、ゼフォンはリティアを見ながら言う。


「リティア、いくら可愛い妹のお前でも、ウアスが滅ぶなどと言う戯言を言うのは赦せんぞ?」


「お兄様……」


「「ゼフォン……」」


リティアのみならず、大王夫妻も悲しげにゼフォンを見る。

ゼフォンは何故そんな目で見られるのか意味が分からずに驚いているので、ドライトはリティアに言ってやった。


「リティア、ゼフォンさんは教育係や側近達の話を信じているようですよ?

あなたの口からウアス魔導大国の現状を教えてあげたらどうですか?」


「ドライト様……分かりました、お兄様、私がウアスの現状を教えます。

今から話す事はメルクルナ様やユノガンド様、そしてサルファ様に誓って偽りない事です……」


リティアは真剣な目でゼフォンの目を見ながら言う、その正面ではドライトが「あれ?私にも誓って良いんですよ?」っと言っているが、サルファに「ドライトさんに誓っても誰も信用しませんわよ?」っと言われてショックを受けていた、リティアはそれは見なかった事にして話し始める。




ウアス魔導大国の歴史は古い、前身となったツォル王国から数えれば800年続く国である。

そして600年ほど前にツォル王国に1人の賢王が生れる、その王の名がウアスと言いその王の元でツォル王国は魔法や魔術陣の研究を行い、その力で凶悪な魔物や魔獣の討伐に成功して国力を増した。


また賢王ウアスは民にも魔導を学ばせ、ツォル王国は一気に小国から大国になったのだった。

そして200年ほど経った時に、ある王の元でツォル王国は拡張政策に舵を切った、それまでの未開地や魔物に支配された土地を開拓するのではなく、周辺の小国を降伏させたり攻め滅ぼして国を大きくさせていったのだ。


そしてこの頃にツォル王国は大国の礎を作ったウアスの名を取り、ウアス魔導大国と名乗り始めたのだった。


そしてそんなウアス魔導大国の攻勢に恐怖を感じた周辺の小国はある国を頼った。

それがダラム王国、国の規模や国力はウアスに劣るが十分大国と言える国で融和政策を取り続ける国であった。


飢饉や魔物のスタンピードなどが発生すると周辺国と助け合い対処する国だったダラム王国に援軍を求め、その求めに応じて連合軍を編成したダラム王国は、ウアスとの国境の平原で1大決戦を挑み大敗した……

戦力差が3対1にも関わらず、魔導の技術差で大敗したダラム王国は騎士団を中心に決死の防衛戦を展開したが連合軍の国々は次々と落とされるか降伏する、最早これまでかと思われた時に大事件が起こる。




そう、フシャス帝国が植民軍を送り込んで来たのだ!




ウアスやダラムが気がついた時にはアレクスの前身である港湾要塞が築かれ、大規模な軍団が上陸して内陸部にまで拠点を造っていた後だった。

ダラム王国はウアス魔導大国に停戦と和平を持ちかけるが、ウアスは拒否して三つ巴の戦いとなったのだった……


そしてウアスの力が帝国に向けられている間にダラム王国と小国群にも変化が起きる、小国群がダラム王国の傘下に下り、ダラム王国の首都であるアデにおいて新国家の樹立が宣言された。

それがダラムアデ連合王国だった、そしてダラムアデ連合は帝国やウアスと戦いながらも必死に国力の回復をしながら魔法に魔術の研究し続けた。


これが300年ほど前だったのだが、植民都市で反乱が起きて支配に失敗したフシャス帝国が大陸を去り、ウアスも疲弊した国力を回復させるために大人しくなり、そしてその間にウアスも変わり、静かに魔法や魔術の研究を続ける平和な国家となったのだった。




だがそれに納得しない国家が有った。




ダラムアデ連合王国はウアス魔導大国からの和平提案に対して、占領した連合王国内の国土の返還を求めるがもちろんウアスが飲むわけない、そしてダラムアデ連合王国とウアス魔導大国は和平も停戦もせずに睨み合いを続ける事になるのだった。


そして200年が経ち、ウアスの中でも戦争中という意識が消えた頃に突然にダラムアデ連合王国が侵攻を開始した。

驚いたウアスだったが、大軍を組織してダラムアデ軍に決戦を挑み……大敗したのだった。


ウアスは300年前と同じく3対1という戦力差だったが魔法と魔術の技術差、そしてフシャス帝国との戦いでも活躍した魔導兵団の力で勝てると楽観視していたが、ダラムアデの重装騎士団の前に大敗したのだ。


原因はダラムアデで開発された新技術である魔導鎧だった。

魔法や魔術の差で負けたダラムアデが長い年月をかけて開発した魔術陣を織り込んだ魔導鎧は、ウアスの魔導士の魔法を弾き返し、身体能力向上の魔法などを騎士の意思で発動してウアスの騎士や兵士を薙ぎ払う物だった。


もちろんウアスも素早くこの技術を解析して、独自の物として導入したがその時点でウアスとダラムアデの国力差は戦い続けるには絶望的になっていたのだった、そして数十年間小規模な戦いがあり、ダラムアデは領土を回復するとそこで停戦を提案したのだった。




「そ、そのような歴史は知っている、リティアよ?何が言いたいのだ?」


「お兄様……最後にダラムアデとの戦いが有ったのはおよそ50年前です、そしてその間にウアスは国力を回復しました」


「そうだ、魔導鎧もダラムアデに引けを取らない物となった、なのに「お兄様!」……」


「我がウアスは国力を回復しただけです!ダラムアデは回復したのではなく、大きくしたのですよ!

同程度の魔導鎧、魔導士は我が国が、騎士や兵士はダラムアデが優秀です、同じ戦力なら互角の戦いになるでしょう……しかしその戦力差は今や5対1なのですわよ!?国力に至っては10対1にまでなっています、それでどうやって勝つおつもりなのですか!」


その言葉を聞いたゼフォンはみるみる顔色を悪くしていく、そして結界の外に居る側近達や教育係を見ると……目をそらされた。


「ダラムアデ内では和平派と決戦派の2つの派閥が有るそうです、そして10年程前に決戦派の発言力が増した時に、これ以上の流血を嫌ったダラムアデ王家からの提案で結ばれたのがお兄様とアテス様の婚約です。

そして結婚後に完全な和平を結ぶ事が決まっていたのですが……お兄様の婚約破棄でその話は消えました、例えダラムアデ王家が許してもダラムアデの貴族達や国民は赦さないでしょう……

そして戦いになれば戦力差や国力差を考えれば、ウアスが滅びるのは時間の問題です……」


ゼフォンはリティアの話を聞き、最早真っ青になっている。

そして席を立つとフラフラとダラムアデ一行の側に行き……


「レコフ殿……どうやら愚か者は私だけだったらしい……どうか、どうかこの首で赦してもらえないだろうか……」


そう言ってひざまずき許しを請うたのだった。

決して許される事が無いであろう、その姿を見てイゼロス大王にイムル王妃は泣いている、そしてリティアも泣きながらポツリと言った。


「なんで、なんでこんな事に……お兄様!」


「そりゃあいつ等のせいですよ!」


「「「……へ?」」」


リティアの声に反応してドライトが指差したのはゼフォンの側近達や教育係だった。


「ドライト様……側近達や教育係を選んだのは父と母、大王と王妃です、つまり王家に責任が有ると言うのですか?そうかもしれませんね……なら私にも責任が「違います」え?」


リティアの声を遮ると、ドライトはまたも呼び鈴を取り出して鳴らしながら言う。


「こいつ等のせいですよ、こいつ等が色々やってゼフォンさんをアホにしたり、シサさんに横恋慕させたのですよ。

アテスさんにダラムアデの方々にも聞きますがゼフォンさんはそこまでアホでしたか?」


ドライトは展開している結界内に側近と教育係の数人を強制転移させながらそう言う、アテス達は「そう言えば……」と言いながら疑問を持ち始め、ドライトに視線を向ける。




「こいつ等は魔人ですね、私を相手にバレないとでも思ってたんですかね?

まぁ、外は包囲してありますし、逃げ道なんて無いんですがね!えいえいえい!」


ドライトは、えいえい言いながら[ガラ~ン、ガラ~ン]っと呼び鈴を鳴らす、すると「何かの間違いです!」や「ゼフォン様、お助け下さい!」と言っていた側近達が苦しみだし、本性をさらけ出した。

額に目が有る物や、全身が毛で覆われる者、なんにしろ全員が魔人だったのだ、その光景にウアスやダラムアデの人々だけでなくパーティーに参加していた者達は真っ青になる、魔人が暴れだせばどれだけの被害がでるか分からないからだ、だが本性を出した魔人達は苦しみながら灰になって消えてしまった!


「うひょ~!この当たり鐘は本当に良い音ですよ!」


だがドライトは両目をつぶり、魔人が滅んだのに気がつかずにまだ[ガランガラン]鳴らしている、そして何かの話し合いをしていたシリカ達がドライトに近づくと、カーネリアがドライトを殴った。


「ドラ公!話し合い中にうるせぇぞ!」[バコ!]


「あれ?魔人は滅んだのですか?

リア姉達の話し合いは終わったのですか?それで誰が蟻の巣コロリを入れるのですか?」


「そんな話し合いしてないわよ!

最近のあなたの行動が目に余るから、どうやってお仕置きするか話し合っていたのよ!」


「な!私はサルファ姉の言う通り、ゼフォンさんやイムルさんの事をなんとかしたんですよ!?

なんでお仕置きされなきゃいけないのですか!」


ドライトがそう言うが、リティアとレコフ国王から「「解決していない気が……」」っと言われてしまう、ドライトは仕方なさそうに飛び上がると、今回の関係者を全員呼びだした。


「元々、この和平には無理があったんですよ、前回の戦いがたった50年前、主戦論を唱えているのはダラムアデにもウアスにも居ます。

そしてそんな人達が邪神に心のスキを突かれて魔人にされたのですね、そしてゼフォンさんはアテスさんの心が自分に全く向いていないのに気がついていたからそのスキを突かれたのです。」


ドライトにそう指摘されて、アテスは驚きゼフォンを見る。


「アテス姫、あなたの心がアンディ殿に向いているのは気がついていました、と言うか気づかない方がおかしいです……」


ゼフォンがそう言うとシサやオロスもウンウンうなづく、アテスはますます驚いていたが、親友のシサに


「アテス……あなたって優秀な外交官なのにアンディ先輩の事になると、表情が崩壊するよね」


っと言われて呆然としていた。


「それにアテスさんはウアスに嫁いでいたら多分死んでいましたよ?

ゼフォンさんが守る守らないではなく、ウアスかダラムアデの主戦論者の手によって暗殺されたでしょう。

さて、サルファ姉にも言われているので今回の総括ですね、ゼフォンさんはウアスの貴族に相思相愛の方が居るはずですからその方と結婚して国内をまとめて、ダラムアデも国内をなんとかするべきです。

優秀な太子が居るのですから次の世代でもなんとかなるでしょう、そしてその次の世代で婚姻でも何でもして完全な和平を目指すべきでしょうね?」


ドライトにそう言われてウアスとダラムアデの王族は顔を見合わせて考え込む、ドライトの言う通り今回の婚約は時期尚早だった、なら次世代に託した方が良いのではないかと……そしてドライトの次の発言が止めとなるのだった。




「まぁ、あなた方が戦おうと平和に暮らそうとですね、大問題を忘れられたら困るんですがね?」


「ドライト様?大問題とはなんですか?」


「リティア、魔人が生まれていたのを忘れたのですか?あいつ等は龍の産卵地を狙いますからね?

今、産卵地の世界樹には卵が複数有るのですよ?私達は世界樹どころか森にすら魔人が入ったら赦しません、ええ魔人を生んだ国も決して赦しませんよ?」


そう言われて人々は真っ青になった、これだけの力を持った存在に狙われるのだ、その結果が滅亡以外ないと分かるのだから。

そう思っていると、学園長のクリスティーナが夫や子供達と全員の前に出で当たり鐘を配り始めた。


「ドライト様の御慈悲で魔人達に特攻効果のある鐘を配りますよ~

皆さん受け取ってくださいね~」


各国の代表や王族は慌てて貰いに走る、ダラムアデやウアスの関係者もだ、そしてドライトはメルクルナを呼んでウアスとダラムアデの王族に言った。


「今回の事は魔人のせいと言う事で、ゼフォンさんは赦してあげなさい……そして次世代での和平を願うのですね、メルクルナさんにお願いしてメルクルナさんの祝福を受けた停戦と言う事にすれば、両国内の主戦論者も頭を冷やすでしょう、ではメルクルナさん後はお願いしますね?」


「あなた方の争いは私の頭痛の種の1つでした、私が間に入りますので停戦してくださりますね?」


メルクルナはお澄まし主神モードでそう言ったので、両王家はひざまずき停戦を受け入れたのだった。




「さて……リティア、サルファ姉?これで満足ですか?」


「ドライト様……ありがとうございます!」


「ドライトさん、何時から魔人が居るのに気がついていたのですか?」


「この間、アハットとそこそこの邪神と魔神を洗濯機に入れたじゃないですか?

あれで力やその他要らん物を消滅させて、知識やら記憶を引き出したんですよ、そこに今回の計画が有ったんですよ……魔人は弱すぎて探知が難しいかと思ったんですが、ゼフォンさんの近くに居るとあっさりと分かって見張っていたんですよ、何をやらかすのかとね」


ドライトにそう言われて、龍達に神々は顔をしかめ、セレナは「そう言う事はちゃんと言いなさいな……」っと叱っていると、シリカ達がドライトを拘束する。


「な、なんですか?リティアの悩みは解決しましたよ、罰は無しですよね?」


「うん、それは無しなんだけどね?私達ね、さっき4人で話し合ってあなたに他に相談事ができたのよ!」


「他にですか?なんだか嫌な予感がするんですか……?」


「ドライトさん、すぐに解決する相談事ですわ!」


「うんうん、あ!ディアン様とセレナ様に龍神様方も聞いてください!」


「……私達の……結婚式の日取を……相談する!」


「………………へ?」


ドライトが呆然としているとシリカが言ってきた。


「さっきの話し合いでね?どうもドライトは何かを誤魔化すために私達を威嚇したり、レイナ達にちょっかいかけてるんじゃないか?って話になってね?

それで、何を誤魔化そうとしているのかが問題になって、最近起きた事を考えていたんだけど……ドライト、あなたもう成龍でしょ?」


「な、なにを言っているんですか!私はまだまだ子龍です!なんなら幼龍に戻っても良いんですよ!?」


「ドライトさん、アハットを討伐した時の事を私達は忘れていませんわ?

凛々しくも美しい成龍になった事を……ね?」


「ダーリン、盛大な結婚式にしような!」


「……子供は……佐藤と鈴木と高橋の名字の人達を……足した数で良いよ?」


「ア、アンジェ姉さん、その名字足した数は500万人を超えますよ!?

ど、何処に連れて行くつもりですか、母様助けてください!」


ドライトはシリカ達に連れられて、先程まで相談していたテーブルに行く、そしてそこにセレナが近づくとセレナに助けを求めたが抱き抱えられてしまい、ディアンや龍神達も加わり結婚式の日取の話し合いが始まってしまった。


それを見ていたキャロリン達やクリスティーナ達は




「「「ドライト様、結婚おめでとうございます!」」」




そう言って頭を下げたのだった!

お読みいただきありがとうございました。


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