入学と卒業パーティ パーティーの始まり
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↑に登場人物の設定などがあります。
ううう……なんでこんな事に!
【ドライト様、ご苦労様です】
俺はちょっとユノガンド様をロリババァ呼ばわりしただけなのにな!
【そうですね……と言うかその事はこじつけでセレナ様も妹様達とお揃いの装備が、欲しかっただけじゃないですかね?】
あ?やっぱリュージュさんもそう思う?
なんかやたらと「もっとステラとルチルのに似せなさい」って言うから、あれー?って思ってたんだよな!
【しかし、それを見たユノガンド様達もやたらと注文をつけてきたのは計算外でしたね】
ああ、おかげで装備が出来るのに10日もかかっちゃたよな……
【その間に面白イベントが起きてましたしね】
くっそー!俺が居ればもっと面白くかき混ぜたのに!
ドライトはセレナやディアンに見張ら、手伝ってもらいながら新装備を製作したのだが、ユノガンド達の注文が色々うるさく全員分が完成するまで10日もかかってしまったのだ!
そしてその間にジェード王国の国王一行が到着し、キャロリン達がエレイン王妃の着せ替え人形になったり、キャロリンの姉のアリーアと兄のライアンの許嫁がやって来たりと面白イベントが有ったのだった!
しかしドライトは監視されていたために抜け出すことが出来ずに面白イベントは終わってしまったのだ……!
「ああ……癒されたい……癒されたいんじゃあぁぁ!」
「ん?なんじゃドライトは癒しが欲しいのかの?
しょうがないの、わらわが踏んでやるからちこうによるがよいぞ?」
「………………はぁ?」
ユノガンドがとんでもない事を言い出したので俺は呆れ果てた目で見ているとメルクルナまで言いだした。
「しょうがないわね、私も踏んであげるわ!
ダブルグリグリよ、嬉しいでしょ?」
「まったく、欲張りなやつじゃの」
「……色々と言いたい事はありますが一言だけ言います。
父様と母様に祖父ちゃん祖母ちゃん達の前で私を変態扱いとは良い度胸ですね?」
ドライトに言われてユノガンドとメルクルナは気がつく、何時の間にかガンジス達に囲まれていることに……そして!
龍神達によってユノガンドとメルクルナは消滅させられてしまったのだった!
「と言う夢を見たんですよ」
「それは昨日のわらわ達ではないか!?」
「夢じゃないわよ!消滅はしてないけど!」
「なんだ、生きてたんですか」
「酷すぎるのじゃ!」
「ちっとは敬え!」
ユノガンドとメルクルナがギャアギャア騒いでるのは無視してセレナに向き合い言う。
「今日のパーティには母様達も出るんですよね?」
「もちろんです、ステラとルチルの晴れ舞台なのですからね」
「シリカ達はセイネちゃん達の付き添いだったな」
「はい、ドライトはキャロちゃんとナタリーちゃんの付き添いよね?」
「ええ、学園長さんから是非にと言われましたので……ユノガンド様達はお仕置きの続きてすか?」
「「勘弁(じゃ、して)!」」
「まぁ、それはどうでも良いとして、そろそろ出ますか?」
「そうね、そろそろ出ないと始まっちゃうわね」
「皆で馬車で行くんでしょ?
玄関に行きましょう、レイナ達も待ってるわよ」
ドライト達は談話室から出ると玄関に向かう。
そう、今日が入学卒業パーティの当日であった、キャロリンは友人達と共に馬車に乗り、ステファンス国王は王妃と側妃と共に、アンディ王太子とライアン王子にアリーア姫はそれぞれの婚約者共に馬車で向かう事が決まっていた。
そしてドライト達が玄関に着くと全員が待っていた。
「あれ?待っていたのですか?
私達は徒歩で行きますから先に行ってて良かったんですよ?」
ドライトがそう言うがステファンス王はとんでもない!と言う。
「龍様方を歩かせるなどしたらご先祖様に会わせる顔がありません!
どうか用意した馬車で行ってください!」
ステファンス王がそう言って土下座しそうな勢いで頼んでくる、それを見てディアンが王の顔を立てて馬車で行こうと言うのでドライト達も馬車で行くことになった。
そんな話をしているとキャロリン達もやって来る、そしてキャロリンとナタリーは嬉しそうにドライトの側に行こうとして凍りついた。
「あ、あの、その鳥は……?」
「ずっとドライト様の頭の上に居ますよね……」
そう!なんとヤンバルクイナはまだドライトの頭の上に居たのだ!
「あ、忘れてましたよ……
この鳥はヤンバルクイナのヤンバル、キャロの使い魔にどうかと思い取り寄せたのです、鳥だけに」
「は、はぁ……」
ドライトの渾身のギャグはスルーされキャロリンはなんと言って良いのか分からなく戸惑っている。
ナタリーはそれを羨ましそうに眺めていると、ドライトはナタリーの方を向き安心するように言う。
「ナタリー、安心してください!ナタリーの使い魔も選別中ですからね!
キャロが鳥なのでナタリーには猫にしようかと思っているんですが、ベンガルトラとイリオモテヤマネコのどちらにするか悩んでるんですよ!」
そう言われてナタリーは嬉しそうに頷くがセレナが不思議そうにドライトに質問する。
「ドライト、使い魔を選んであげるのは良いけどヤンバルクイナにベンガルトラ、あとイリオモテヤマネコですか?
私も聞いたことが無いのだけれど何処から連れてきたの?」
「地球からです。
有名な動物なんですが母様も知らないのですか?」
「地球ってドライト、あなたまさか勝手に連れてきたの!?
それに有名ってどう有名なの!」
セレナが怒り始めたのでドライトはヤンバルを抱っこしてジリジリと下がりながら答える。
「ちゃ、ちゃんと連れてくる時に貰いますよ?と言いましたよ!
地球の神々は気がついてなかったようですが……
あとレッドリストと言う絶滅の危険が有るリストに載ってて有名なのです!」
「ケッケッケッ……クケー!」
ドライトの言葉にヤンバルも誇らしげに羽を広げて鳴くのだった!
「うむ、そうじゃ……ドライトがのぅ?……は?すり抜けた?……なに、全然気がつかなかったと?……ドライトか?ドライトならレムリアに尻を叩かれとる……ああ、ヤンバルクイナはガンジスが返しに行くそうじゃ、それじゃまた飲みに行こうぞ」
ユノガンドがため息をつきつつスマドを切る。
「どうでしたか、ユノガンド様」
「うむ、地球の神々も全然気がつかんかったそうじゃ。
地球の原始の神がついこの間メルクルナの神都にある管理システムと同じ物を、ドライトから買って導入したらしくての?
製作者だから結界や警報システムに介入して地球に来たと思って調べたらしいのじゃがな、普通に結界や警報などをすり抜けて一瞬でヤンバルクイナを連れて行ったそうじゃ」
「当たり前ですよ!売り物に小細工してはドライト重工の沽券に係わりますからね!」
「こら!反省なさい!」[バシーン!バシーン!]
「オロローン、オロローン……痛いですよ!」
「ふぅ……レムリア、わしゃこの鳥を返してくるわい、ついでに謝ってくるぞ」
「じ、祖父ちゃん!ヤンバルを何処に連れて行くのですか!?」
「地球に帰すのじゃ、数が少ないから出来たら返してくれと言われたしのぅ」
「ダメですよ!その子は……ヤンバルはキャロの使い魔にするんです!
あ……祖父ちゃん止めてください!連れて行かないで……ヤンバル!?ヤンバルーー!」
こうしてヤンバルはガンジスの手によって沖縄に変換されたのだった!
「ううう……酷いですよ!ヤンバルは大丈夫でしょうか……」
「天敵も多いいらしいのぅ?まぁ、向こうの原始の神々が気にしとくと言っておったから大丈夫じゃろ!」
「そうですね……よく考えたらお嫁さんと子供達も向こうに居るのですから、地球で家族と幸せに暮らした方が良いですね……ボソ(自衛のための力も与えましたし)」
「ん?なんか言ったかの?」
「なんでもありませんよ!さぁ、早くパーティーに行きましょう!遅くなってしまいますよ!」
「ドライトさん誰のせいだと……あら?ガンジス様が帰られたわ……え!その鳥なんで居るのですか!?」
ガンジスが帰って来たのだがその手の中にはヤンバルクイナのヤンバルと何故かその家族が居たのだった。
「……向こうで迎えの上級神が下級神を連れて待って居たのだがな……ヤンバルが下級神の1柱を蹴って気絶させたのじゃ。
向こうで調べたらな、うちじゃ手に負えないから連れて帰ってと言われてのぅ」
「「「はぁ!?」」」
全員が驚きヤンバルと家族を見る、次いでドライトを見ると嬉しそうに「ヤンバルが家族と一緒に帰ってきました!」と言っている。
「ドライト、あなたの仕業ね?何したの!」
「自分の身を守れるように力をあげたのです!ヒクイドリを参考にキック力を強化したんですよ!」
「……その力はどの位なの!」
「他の力は初級の亜神位ですが、キック力だけは上級の亜神並みです!家族も強化されてますよ!」
「お仕置きです!」
こうしてドライトはセレナにきついお仕置きを受け、ヤンバルとその家族は世界樹の木の下の森で暮らす事になったのだった。
「オロローン、オロローン……キャロの使い魔がぁ~!」
ドライトはそう言いながら泣いている、現在ドライト達はパーティー会場の賢者の学園に向かっている途中だった。
「……なぁドライト」
「ううう……なんですか父様……オロローン」
「あの鳥、ヤンバルを使い魔にするのは止めておけ」
「な!なんでですか!素晴らしい脚力なんですよ、神をも蹴り倒せるのですよ!?」
ドライトはそう言うがディアンは続けていう。
「珍しい鳥なのだろう?しかもこの世界にはヤンバルとその家族だけ、キャロちゃんが連れ回していればヤンバルを狙って不埒者が来ないとも限らんぞ?」
「あ……」
「フ……ドライトは頭の良いが何かに集中すると周りが見えなくなるな?
気をつけなければいかんぞ?」
ディアンにそう諭されると、ドライトは恥ずかしそうに頭を掻く。
「すいません父様……そうですねこれからは気おつけます、ヤンバル達も使い魔にするのは諦めますよ。
世界樹の根元でモンちゃんや蜂達と仲良く暮らしてもらう事にします」
「良い子だなドライトは!」
ディアンはドライトを抱くと愛おしそうに撫で始める、セレナや龍神達はそれを……目の玉が飛び出しそうなほど見開き驚いて見ていた!
「……偽者じゃな!このディアンは偽者じゃ!」
「そうよ!ディアンのクセにドライトを論破するなんてあり得ないわ!」
「酷いだろ、クソ親父にクソ婆!?」
モリオンとヌーマは実の息子に酷い事を言っている、そしてセレナはオロオロとディアンに話しかける。
「ディ、ディアン?本当にどうしたの?何か悪い物でも食べたの!?」
「セ、セレナ……いやな、ドライトを見てて思ったのだ。
見ての通りドライトは凛々しく勇敢だ、しかも家族思いの良い子でもある!
そしてその力は既に成龍を超えているだろう……だがな?ドライトの本当に素晴らしい所は何処か判るか?」
「え……多すぎて判らないわ!?」
「フフ……ドライトの素晴らしい所……それはな?知恵だよ」
「知恵……?」
「ああ、ドライト素晴らしい所はもちろん他にも有る、あり過ぎて数え切れんほどにな……
だが考えてもみろ?ドライトの力の根源や技術、家族の為に色々な事をする、その全ての根元には……知恵がある、そう思わないか?
だからこそ俺も考えたのだ……ただただ力を振るうだけ、その様な者はゴブリンにすら居る、だが我等は龍だ、力だけでなく知恵をつけなければいけないとな!」
「あ、あなた!」
セレナは嬉しそうにディアンを見つめてたかと思うと抱き付き頬を赤くしてディアンを見つめるのだった。
「いや、良い事言っているようじゃが元々知恵をつけとかんか!」
「一瞬、感動しちゃったじゃないのよ!」
「やはり息子はアホじゃ……」
「くぅ……子供の頃に脳みそを入れ替えとけば良かったわ!」
龍神達は呆れていたがディアンはそれをドライトを撫でながら鼻で笑う。
「フン!バカな爺と婆共だ……何故セレナがこれほど感動しているのか分からんとわな……良いか?力だけのアホと言われていたこの俺が知恵をつけると言う素晴らしさに目覚めたのは……ドライトのおかげだぞ!?
つまりそれだけドライトは素晴らしい子だと言う事だ!」
「「「「!」」」」
「そ、そうか……そう言う事じゃったのか!」
「ディアンは自分を卑下してまでドライトを褒めたのね!」
「ヌ、ヌーマ!わしゃあ夢でも見ているのか?ディアンが……ディアンに知恵が芽生えておるぞ!?」
「夢じゃないわ!ああ……もう諦めていたのに……ディアン、本当に賢くなって!」
「「「「バンザーイ!バンザーイ!」」」」
ドライト一家の乗る馬車から龍神達の万歳が木霊する、それを1つ後ろの馬車から身を乗り出して見ていたメルクルナがユノガンドに言う。
「ユノガンド様……龍神様達がアホになってませんか?」
「ドライトのアホが感染したんじゃろ?」
「ドライトさんのアホって感染するんですか!?」
「エルナルナ姉さん、そんなバカな……いやあり得るのかしら?」
「怖!脅威の感染力、ドライト菌!こっわ!」
「感染したら禿げるってのはどうかしら!」
こうして馬車の行列は賢者の学園に向かうのだった!
学園に着くと同時にガンジス達はユノガンド達が乗った場所取り囲み、「「「誰がアホだって!?」」」っと何処か遠くの世界に馬車ごと旅立った。
なんか「ドライト、助けてたもれ!」っと悲鳴が聞こえたが、その時に俺は父様と母様に撫でられていて俺はステラとルチルを撫でていたために見捨てるしかなかったのだ!
「私にもう少し寛大な心があれば……!」
「その寛大な心ってどの位必要なの?」
「シリカ姉、ほんの太平洋ぐらいで良いのですよ?ちなみに現在ユノガンド様達に対して持ち合わせているのは芦ノ湖ほどです」
「うん、何なのかよく判らないけど赦す気がまったく無いのは判ったわ!」
「まぁ、あの人達の事はどうでも良いです。
早く会場に行きましょう、キャロ達が待ってますよ!」
ドライトはそう言うとパタパタと飛んで行く、シリカ達にセレナ達もそれに続き歩いていくと、ジェード王国の面々にキャロリン達と共に学園長のクリスティーナが扉の前で待っていた。
「ドライト様!お待ちしておりました!」
「おや?もう始まってる時間でわ?」
「ドライト様とご家族がいらしてなかったので全員待たせてます!」
どうやらクリスティーナは各国の王族や代表に大使などをドライトのために待たせているようだった。
「そうですか、皆さんを待たせて申し訳ないですね……
そうだ!お詫びに私が裸踊りをしてあげましょう!」
ドライトがそう言うと全員がまたか……と思っているとクリスティーナが止める。
「ドライト様!お止めください!」
「お?ドラ公の信奉者が珍しいな?」
「大賢者なのですから常識はあるはずですわ」
「……私も止めるべき……だと思う」
「あら?アンジェまで、珍しいわね?」
アンジュラならスマドを取り出して撮影を開始するかと思っていると、アンジュラまで止めるべきだと言い始めたのでシリカ達は驚いたが、アンジュラの次の発言で呆れてしまった。
「……ドラちゃんの裸は……一般人にはもったいない!」
「「「はぁ?」」」
「流石はアンジュラ様です!
ドライト様の裸を凡人共に見せるなどもっての他です!」
クリスティーナはアンジュラの発言に賛同しているが、シリカ達は呆れ果ててしまっているとキャロリンとナタリーが前に出てきた。
「そうですね、もしドライト様の裸踊りを見た者達が居たら私は目を潰して回らなければいけません!」
「キャロ様、頭ごと粉砕しないと記憶に残りますよ!」
っと言ってきた。
「シリカの姉御……」
「なに?」
「ドラ公の裸踊りって何時ものドラ公にお盆持たせただけだろ?
普段のドラ公とどこに違いが有るんだ?」
「お盆を持ってるか持ってないかでしょ?
サルファ、あなたは違いが分かる?」
「……世の中には龍や神の力を持ってしても分からない事が有るのですわ!」
「ありゃ、口も手も出さない方が良いか……」
「……そうね、ほっときましょう」
クリスティーナとアンジュラとキャロリンにナタリーにセイネまで加わって、ドライトの裸踊りを止めている、全員が真剣にもったいないから止めてくださいと言っているのをシリカ達は理解できずに見つめるのだった……
そして全員が大広間の扉の前に到着するとクリスティーナが学園都市の都市長、ケリドア・ト・オリペンに合図を送る。
ケリドアはうなづくと声を張り上げて告げた。
「ジェード王国国王、ステファンス・レムリア・ジェード国王様、及びに王家御一行様、御到着!
ドライト様、並びにドライト一家様、御到着!」
その声に合わせて扉の両脇に控えていた衛兵が扉を開ける、それと同時に罵声が響いた!
「アテス・ザエナ・ダラムアデ!最早貴様の悪行は我慢できん!
ウアス魔導大国の第一王子たるこのゼフォン・ツォル・ウアスは貴様との婚約を破棄させていただく!」
「……面白イベントキター!」
同時にドライトの嬉しそうな叫び声も響くのだった!
お読みいただきありがとうございました。
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