お世話
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↑に登場人物の設定などがあります。
ここは、世界の果て、濃い瘴気が渦巻く荒れ果てた場所である……
そこに1匹の幼龍が現れる……
そこに賢者や亜神が居たら驚き戸惑うであろう……
傷付き、汚れ、疲れはてているがこの幼龍はかなりの力の持った龍だと分かるからだ。
元の姿が銀色に輝く龍だと言っても、誰も信用しないほどボロボロになり、ヨタヨタと歩くその幼龍こそドライトだった。
話は数年前にさかのぼる、邪悪なる存在の陰謀によりドライトは、妹達の分の魔素と魔力を吸い付くし餓死させてしまったのだ……
父親であるディアンは激怒し、訳も聞かずにドライトに襲いかかってきたのだった。
なんとかその場を逃げおおせたドライトだったが、度重なるディアンの襲撃、龍王であるディアンの命令で追いかけてくる様々な龍種達、ドライトは必死に逃げ回り、気がつくとこの地に居たのである……
ふとドライトは夜空を見上げる、夜空にはこの様な場所に不釣り合いなほど大きく輝く月と満天の星空があった。
だがその月の中に黒い部分が有るのにドライトは気がつき、そしてそれが近づくにしたがって龍の形になっていく……
ドライトは覚悟を決めたように眼を細めると近づきつつある黒い龍、ディアンに向け飛び立つ……
「ガアァァァァ!」
ディアンが咆哮をあげる、その咆哮に知性は感じられず狂気に支配されているのは明白だった。
ブレスが放たれる、ディアンの得意の雷のブレスだが狂気に飲まれているディアンは我が子に全力で放ったのだった。
雷のブレスはあまりの威力でプラズマの奔流としてドライトに襲いかかる、そしてまだ幼龍で1mと少ししかないドライトの小さな体はあっという間にプラズマの奔流に飲み込まれた……
それを見ていたディアンの瞳に映るのは狂気のみ、いや、一瞬その瞳に動揺が走る。
プラズマの奔流から、小さな物体が飛び出してきたのだ!
それは、ドライトだった四肢は千切れ体には穴が空いているのだろうか?血が吹き出している、だが、ドライトは意思を持ってディアンに肉薄する!
そしてドライトから凄まじいほどの光が発するとディアンも巻き込んで光の球生まれたのだった。
ほんの一瞬だったのか数分続いたのか突然光の球が消える、なにも残さずに……
こうして世界から2頭の龍が永遠に消えたのだった……
その後そこに長い時間、悲しそうに泣く白い龍を見た者がいるが何時の間にかいなくなっていたと言う……
悲しみの歌を残して……
完
「なんて事になったらどうしよう!」
【ずいぶん長い与太話でしたね!っと言うかセレナ様に】
「おお!母様versionもちゃんと有るぞ!」
【version!?】
緑があふれ光が舞い水が歌う大地が暖かく皆を見守る、ここは約束の地……
そんな祝福された地に3頭の龍が現れた、白く輝く大きな龍と銀色にほんのりと輝く幼龍、そして少し離れた場所に黒く輝く大きな龍の姿が見える。
【いや、もー良いですから!】
「なんで?ちゃんとこっちにも龍珠さんも出てるから安心してくれよ」
【いや、そんな与太話……え?私さっきの方に出てましたか?】
「ああ、ちゃんと出てるぞ」
【……見なおしたんですが出てるシーン無い気がするんですが?】
「やだなぁ、ちゃんと出てるじゃないかここに『話は数年前にさかのぼる、邪悪なる存在の陰謀によりドライトは妹達の分の魔素と魔力を吸い付くし、餓死させてしまったのだ……』ほらな?」
【……まさか邪悪な存在が私だとでも?】
「はまり役だよな!w」
【私に腕さえ有れば殴れたのに!】
「それより、母様versionだよまずだな家族団らんな雰囲気から入ってだな」
【いや、もう本当にいいですから!】
「なんで?ちゃんとこっちでもディアンは死ぬぞ?」
【ディアン様の扱いが酷すぎる!】
「母様がブレスで殺るんだけど力足りずに俺が全生命力を母様に送って倒すんだよ」
【いや、だったらセレナ様はどーするんですか、あの方の性格だとドライト様の後を追う様な気が……】
「アホか!?母様が死んでしまったら、第3章で俺と妹達が復活した時に感動の出会いが出来なくなるじゃないか!」
【第3章ってなんですかそれ!?っと言うか復活なされるんですね……】
「俺達の冒険はまだこれからだ!って感じで続くんだよ」
【なんか、打ち切りみたいな感じで続くんですね……ああ、ディアン様もそこで復活なされるんですね】
「………」
【ドライト様?】
「さぁ!妹達のお世話しなきゃ!」
【ドライト様!?】
前回、妹達の危機であり、バレたら俺の龍生も終わりかねないヤバイ状態(妹達が飢餓状態になった)だったのに何故こんなくだらない話をしているかと言うと、別段危機でも何でもなかったのだ……
龍珠さんの解説と俺にインストール済みだった知識で分かったのだが、龍は飢餓状態や周囲の環境があまりに劣悪になると休眠状態になるのだ、そしてそれは卵の時でも変わらず、逆に成龍よりも安定した休眠状態になり下手すると1000万年ぐらい軽く寝てるのだそうだ。
まぁその状態だと何時まで経っても孵化する事がないので混沌と秩序の塊を分解して魔素や魔力にして与えれば復活するって言う事で、俺はせっせと分解して魔力を妹達に送っているのだった。
「しかし、分解するの疲れるなぁ……効率も悪いし」
【ですから、セレナ様をですね「ところで世界樹の葉で創ったタオルは中々良い出来だな!妹達も喜んでるみたいだし!」】
【いや、ですからセレ「あ!水浴び用の純水も創っとかなきゃ!妹達もこれと世界樹タオルで拭いてやると輝きが増すんだよ!」……】
【セ「そうだ卵の場所を変えて午後も日があたる様にしなきゃ!」レナ様を呼びましょうと言ってるんですよ!】
【………】
「………」
【そこのナナフシ、諦めてセレナ様達を呼び出しましょう】
「だから呼び出したら冒頭みたくなっちゃうかもだろ!あと、ナナフシみたいにスリムなボディにダイエットが成功したんだから喜べや!」
実は妹達の飢餓状態なのが発覚してから1ヶ月、妹達の世話とダイエットをしていた俺だがダイエットの効果か俺はドンドン痩せていったのだ。
そして妹達の現在の状態と言えば、万全の状態が保たれているのである、そりゃもー俺がお世話しまくってるからね!
妹達の飢餓状態なのが分かってすぐに龍珠さんと話し合った結果、妹達の飢餓状態を回復させるのに一番良いのが混沌と秩序の塊を砕いて精製された純粋な魔力が一番だと言う事で俺はさっきも言った様に頑張って砕いている。
で、問題は砕くための力が幼龍の俺には多く必要だと言う事だった、つまり1つの混沌と秩序の塊を砕くのに成龍なら鼻歌交じりでやる事が出来るし、精製される魔素も軽く1000を超えるのだが、俺(幼龍)だと良くて5位しかできないのだ……しかも自然に漂ってる魔素を50使ってだ。
これ砕いてるって言うより削ってるって言うのかな?
そして精製された魔素を砕いて魔力を作ってるんだけど、ここでもロスが出て魔力が300位しかできない、そしてその魔力を妹様達に与えているという訳だ。
ただ問題がここで1つ出てきてしまったのだが、今俺達の居る結界で覆われた広場のような場所には1日に50ほどの魔素が流れ込んできてる、そして混沌と秩序の塊を砕くのに魔素を50使う、さらに魔素を魔力に変換するのに俺の力を使う、うんどー考えても赤字です。
長らくのご愛顧ありがとうございました。
今では卵も龍珠も輝きを取り戻しつやつやしていているので万々歳なのだが、何故か龍珠さんが母様を呼ぼう呼ぼうっと煩い。
【いや、瘦せすぎですから!あきらかに妹様方よりドライト様の方がまずい状況ですから!なんでそー両極端なんですか!?】
「なんでって可愛い妹達に最善の衣食住を与える為に頑張るのが兄の務めだからだろうが!」
【それで餓死したらシャレになりませんって!】
「あ、ご飯の時間だ、今あげますからねー待っててくださいねー」
【(……なんか母性でも目覚めてるんですかね? しかしこれは本気で不味いかもしれませんね)】
『『にーちゃ』』
「ん?」【え?】
『『にーちゃ、すき』』
「今のって……」
【妹様達みたいですね……】
「はーい!にーちゃがご飯の用意してあげますからねー!!」
【(仕方がないですね、主の意思に反しますがセレナ様にご連絡をするしかないようです)】
『にーちゃ』『ごはん』
「すぐに用意しますからねー!」
こーして俺は今日も妹達の世話に精をだすのだった……
お読みいただきありがとうございました。
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