表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生龍の諸国漫遊記!  作者: バリ君
幼龍編
6/174

幼龍編 プロローグ

http://ncode.syosetu.com/n9831dr/

↑に登場人物の設定などがあります。

ここは、世界の果て、濃い瘴気が渦巻く荒れ果てた場所である……


そこに黒い1つの卵が有った……


もし、この卵を賢者や神に近い亜神が見たとしたら不思議に思い、そして驚愕するだろう、この場所はとても生き物が生きていけない程の瘴気が渦巻く荒れ果てた場所なのに何故卵が?っと……

そしてあまりにも黒く禍々しい卵を見て、あの呪われし存在を思い出し驚愕し恐怖するのだ……


邪龍


どこから現れたのか、何時生まれたのか、何のためにあのような行為に及んだのか、原始の神々も龍神達でさえも分からず、ただただ呪われし存在。

世界に破壊と混乱をふりまき、神々と龍神達との壮絶な戦いの果てに滅んだはずの存在……

それが今、復活しようとしていたのである……


パキっと小さな音と共に、卵にヒビが入り小さな穴が開く!


空いた穴から周りの瘴気を圧倒するほどの真っ黒な瘴気が吹き出し、そしてチラッと中に眼が見える、すべてを呪い……すべてを壊す……そしてすべての生命を殺しつくさんとする、おぞましい視線……


もし、ここに普通の、いや、高位の魔法使いや僧侶のような魔法や邪眼などに耐性が高い者でも、一瞬で絶命するか良くて発狂するだろう……


そんな眼が一度瞬きし、外を眺めたかと思うとニヤリと眼を細める……

そして、中からあふれる瘴気が一気に増すと卵も膨れ上がり、そして次の瞬間!


[バキィ!]


卵が砕けちり、そして姿を現した黒い、いや闇色の龍は自身が産まれた事をそして、これから起こる世界の破壊を歓喜するかの如く鳴くのだった……!






「がおおぉぉぉぉん!」






「っと言う感じでどうだろうか?」


【何がですか?】


「何がって感想だよ感想!」


【ああ……聞いててドライト様が狂ったのかと思いました】


「お前マジでかち割るぞ!?」


【いきなり、あんな話を聞かされれば正常な返答だと思うのですか、一体何事なんですか?】


「なにってあれだよ俺の誕生を捏造しよう話だよ!

それで感想が欲しいんだよ!」


そう、あまりにも酷い誕生だったので俺は孵化の瞬間を捏造する事にしたのだ!

どうせ孵化した瞬間は誰も居なかったから見られてないしね!


【中二病が爆発して無事死亡してますね】


「じゃ、じゃあこんなのどうだ?」




緑があふれ光が舞い水が歌いそして大地が暖かく皆を見守る……

ここは約束の地、すべての生命が祝福される神々と龍神達が住まう場所……


そこに1つの光り輝く白い卵が有った、もしこれを賢者や神に近い亜神が見れば歓喜し世界に祝福が訪れたと世界に向けて宣言するだろう……

かつて世界を見守りすべての生命を祝福し、病魔や争いを無くしたと言う存在。


神龍


そう、これこそ邪龍との戦いで刺し違えて滅んだと言われる神龍の卵……

先程から卵の光が増し辺りは暖かくそして穏やかで清浄な空気が増していく……

次第に周りには神鳥や神牛などの様々な動物達、そして精霊や妖精達がぞくぞくと集まってくる……そう今まさに神龍が孵化しようとしているのだ!


集っている動物達や精霊達は詩いだす……祝福の詩を……


パキっと小さな音と共に、卵にヒビが入り小さな穴が開く……

空いた穴から周りを照らすように神々しい光が吹き出し、そしてそれが収まるとチラッと中に眼が見えた、それはすべてを守り祝福しようとする、慈愛のこもった愛らしい瞳だった。


動物達と精霊達の詩があふれ、木々や草が芽吹き花々が次々と咲き始める……


そして、ゆっくりとパキパキっと音を立てて卵が割れ中から真っ白で神々しく光1頭の白い龍が現れ一声鳴くのだった……






「がおおぉぉぉぉん!」






【良い精神科紹介しましょうか?】


「なんでだよ!?今度のはきっと母様も喜んでくれるはずだぞ!」


【突っ込みどころが有り過ぎて困りますが、とりあえずドライト様の孵化がハクション大魔王爆誕と変わらなかったからといって、捏造するのはどうかと思います】


「その事は忘れろとあれほど言ったのに!」


【それにまず色が全然違いますけどそれはどうするのですか?偽装するとしても、セレナ様をずっと騙し続けるのですか?

即バレに全財産かけても良いですよ?】


そう孵化した俺はほんのりと光り輝く1メートルにとどくか位の銀色の龍だった、どうでも良いが財産有るのか?


ほんのり光ってるのは龍珠さんに言わせると力が有る龍や力を秘めた若い龍は光るらしい、ただ幼龍でしかも産まれた時から光ってるのは前例がないとの事だ。

ちなみに母様は本気になるとかなりの輝きになるって話だ。


【あと、瘴気が渦巻く場所とか緑があふれ光が舞い水が歌う大地がとか出てきましたけど、現在いる場所とかけ離れていますね】


そして、孵化して気がついたのがもう一つ俺が居るのは木の枝の上だったのだ。

その木のサイズたるや、俺たちの居る場所から下に見える木の枝で太さが100メートル以上で長さは数キロ有る物も有ったのだ。


俺達が居る場所は上の方なので太さは10メートルほど長さも1キロ無いぐらいだったが、上の方なので高さが半端なくエベレストよりも遥かに高い場所だった為にビビッてチビりかけた。

え?全体的なデカさ?デカすぎて分からんがな!


おおお、なんですかこれ!?世界樹とかだったりするんですか!!

っと驚いたがもしかして俺が小さいだけかと思ったら、マジで世界樹だった。

ってか、よくよく考えたら孵化する前にインストールされた知識の中に有った……


「気流が渦巻いて世界樹の葉なら生い茂ってるんだけどな」


【第一ドライト様はここから出られないのですから嘘だとバレバレじゃいなですか】


そうなのだ、俺は卵から孵化した途端、


「ヒャハー!自由だー!」


っと大空に飛び出したのだ、そして結界に阻まれて元居た場所にはねかえされたのである。


【ボヨンボヨンと弾き返されてましたね、ゼリー型スライスみたいでしたよ?w】


「この龍珠を外に投げ捨てたい!」


そう龍珠さんは元俺が入ってた卵が有った場所の隣に鎮座しているのだ。

そして、それは本来あってはならない事なのだが……


龍珠は龍にとって力と知恵の象徴なのである、親や親族の力の一部と知識や情報の集積された物が龍珠なのだが、本来卵から孵化するとすぐに番いとなる龍と融合される、そして番の龍の一部となり核の部分は逆鱗に守られ様に格納されるのだ。


だが俺は、孵化してもこの龍珠と同化し逆鱗の裏に格納しても良い物なのか考えてしまったのだ……

それはこの龍珠に自我が有る……からではなく普段の言動からだった。


こいつ俺を守護する気ねぇだろ!?精神攻撃繰り返しやがって!

っと考えてしまったからだった。


【ドライト様、失礼な事考えてないでさっさと修行してください】


「ううう……ダイエットと修行同時進行は産まれたてにはきついって!」


実際には龍珠さんが報告してくれたんだけど、今ここに有る俺のと妹達の2つのに性能の差はほとんど無かったらしい。


龍珠にはそれぞれある程度の自我が有るらしいだが、俺達兄妹の3つは特に強力で優秀な作りになってて、ある程度の受け応えもできるのだとか、ただし本来仕える主が決められている龍珠は特別な事が無い限り、他の者との意思疎通はせず卵の時にまれに主の状態を報告する程度なのだそうだ……


なのに俺の龍珠が何故ここまでSっ気の強い龍珠になったかと言うと……


俺の持つ異界の知識(中途半端)が便利そうだと補完、補修するために俺の魂に接触し修復に入ったところで、異界の知識が龍珠の中に大量に流れ込んだ事と星山龍太の魂とドライトの魂で強化されていた俺の魂は龍珠の予想より遥かに強力で、龍珠に様々な影響を与えてしまったらしいのだ。


その結果、俺の龍珠にはよりハッキリとした自我が生れ、強化もされたが変質もしてしまったらしい。

そして、強化され変質してしまった俺の龍珠は産まれたての幼龍と同化するのは危険なので今の俺は龍珠との同化に耐えられる様に修行中なのであった。


つまり、龍珠とまだ同化してない俺は孵化したけど、半人前なのだそうだ!


【くだらない事考えてないで修業を続けてください】


「ある意味自業自得とは言え、なんでこんな事に!」


【はっきり言って、龍太様の魂の影響がかなり響いてます。

なので御本人であるドライト様が努力する事になんら問題はありません、キリキリ飛んでください!】


「おろろーん……おろろーん……」


俺は泣きながら飛行を続ける、飛ぶ事で修業になるのかといえばなるのだそうだ。

羽で物理的に飛んでるだけではなく、魔法や魔術陣に近い物を無意識に使って飛ぶので幼龍の時には肉体と精神の修行にうってつけらしい。


「おろろーん……おろ、おろろろーん!?」


ポテン!


泣きながら飛んでたらバランスを崩して墜落してしまった……

龍珠さんが【何してるんですか……】っと呆れているが、俺は別の事に気をとらわれていた。


「………」


【? どうかしましたかドライト様】


「いや、実はちょっと前から気になってたんだけどさぁ……この2つ並んだ卵って俺の双子の妹なんだよね?」


墜落先の目の前に鎮座している2つの卵と2つの龍珠、孵化してからすぐに龍珠さんと同化できる様に修行を初めて1週間、俺の卵の破片(骨とか鱗やら爪に歯など良いらしいんで結構食った、カルシウムみたいだな)と比べるとくすんでる様に見えるのだ。


それと龍珠も俺の龍珠さんに比べて光り方が弱い、能力や力が元々変わらなかったと言っていたはずなのに変だな?っと見た時からおかしく思っていたのだ。


【はい、間違いなくドライト様の妹様達とその龍珠です】


「に、しちゃあ、なんかくすんでる様に見えるし、龍珠もあんまり輝いていないような……」


【ああ、その事ですか】


「ん?なんか知ってるの?」


おお、流石、万能秘書な龍珠さん、大事な妹達だからな!

何か問題が有るのならなんとかしないとだ!


っと考えているととんでもない返事が返ってきたのだった……


【ドライト様が魔素を吸収しまくったので妹様達と龍珠に回る分の魔素と魔力が無くなり、飢餓状態になっているだけですよ】


「へー、良かった!問題な……な、なんだとー!!」


孵化して1週間、龍生で最大の危機を迎えたのだった。

お読みいただきありがとうございました。


感想、ブクマいただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ