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転生龍の諸国漫遊記!  作者: バリ君
子龍編
55/174

アレクス観光 魔窟篇

うーん、魔窟にもうすぐ着くから準備しておくか……


【そうですね、向こうに着いてからよりも、ここら辺から警戒しておいた方が良いでしょう】


近づけば近づいただけ、危険度が増すからな。


【あと、マスクも装備させますか?】


そうだな、キャロ達は祝福があるから大丈夫だろうけど、他の人達は不味いだろうからなぁ……




「皆さん、もうすぐ魔窟です、渡しておいた装備を身に付けるのですよ!」


「ねぇ、ドライト、魔窟ってそんなに危険なの?」


「うーん、その話をするなら、魔薬の話からした方が良いですね……」


「ドライト様、私も短い期間ですが研究しました、確かに変わった麻薬でしたがそこまで警戒するほどの物なんでしょうか?」


リティアはかなり自分でも調べたので自信があるのだろう、皆が装備を整えているのを見て、そんな必要はないと意見した。


「リティアさん、ドライトさんはこういう時はふざけたり嘘はつかないわ、本当に必要なのでしょう、ドライトさんにあなたも装備をもらって身に付けなさいな」


サルファがそう言ってリティアを促す。


「レイナも、もらってなかったわね?ドライト、レイナの分もよろしくね?」


リティアは納得しかねてるのか渋々向かい、レイナはシリカに「良い剣とかもらえるわよ?」っと言われてウキウキと向かった。

そんな2人にドライトは、装備一式を渡しながらリティアを見てつぶやいた……


「リティアが居るじゃないですか……」


その声を聞いたサルファが不審げにドライトを見る。


「ドライトさん?また変なことしようと考えてるんじゃ、ないですわよね?」


ドライトはサルファをチラっと見るとリティアを呼ぶ。


「リティア、リティア、もっとこっちに来るですよ?」


呼ばれてリティアがドライトの側に来る、サルファもリティアを庇うようについてきた。


「皆!注目するですよ!」


ドライトはリティアが側に来たのを確認すると、皆に声をかける。

突然皆の前に立たされたリティアは驚いているが、サルファが横に並んでくれたので落ち着くことができた。


「ドライトさん?いったい何事なんですか?」


「サルファ姉……リティアをよく“視て”るですよ?」


「?」


「ドライト様、私が何か……?」


「皆、良いですか?

これが、リティアが魔薬中毒の初期状態の者です!」


「「「!!!」」」




「ド、ドライトさん!リティアさんが魔薬中毒になってるとはどう言うことですか!?」


「ドライト様?私は万全の準備をして、魔薬の研究をしていました。

中毒になってるとは思えません!」


「……サルファ姉、リティアの魔眼はなんの魔眼か分かりますか?」


いきなり関係の無い話をしたドライトをいぶしがりながら、リティアが言った。


「私の魔眼は鑑定では……」


「リ、リティアさんあなたの魔眼は鑑定の上位、看破の魔眼ですわ!それよりも中毒を治療しないと……ああ、どうしましょう!」


サルファはリティアが魔薬に侵されてると知って大慌てだ、それを見てセイネが不思議そうに聞いてきた。


「サルファ様が治せば良いんじゃないですか?なんでそんなに慌てて……?」


すると、アンジュラがセイネの問いに答える。


「セイネ……私達龍はよっぽどの事がないと怪我なんてしない……病気にもならない……それに、怪我したり病気になっても……すぐ治る……だから、治療は下手……疲れた……」


アンジュラは普段より多くしゃべったので疲れたようで、セイネの頭でグデーっとし始めた、それを見てアレナムが慌ててドライトに聞く。


「ド、ドライト様!どなたか、治療できる方はいらっしゃらないのですか!?」


「うーん、アンジェ姉さんが一番治療が上手いんですが……アンジェ姉さんでも無理なレベルみたいですね」


ドライトにそう言われて、キャロリン達も慌て始める、仲の良い、仲が良くなったリティアの危機だとキャロリンがドライトに頼み込む。


「ドライト様!?どなたか、治療できる方は……メ、メルクルナ様は無理なのでしょうか!?」


キャロリンはディアンやセレナなら出来ると思い見るが、目をそらされる。

次にメルクルナを見るがメルクルナは、


「け、剣とか槍とか、攻撃魔法は得意よ!……このレベルの侵され方だと無理、ごめんね」


そう言って、しょぼんとうつむいてしまった。

リティアも周りの反応から、自分が魔薬の中毒になっていると気がつき、真っ青になっている……サルファも真っ青になっり、オロオロと周りを飛び回っている。


「治療できる人を探せば良いんじゃないの、誰かいるんじゃ……?」


セイネがそう言うと、キャロリンにアレナム、レイナとシリカ達が「それよ!」っと叫ぶ、サルファがドライトの首を掴むと。


「ドライトさん!すぐに探してください!なんなら、他の世界も……この際ガンジス様達や原始の神々様にお頼みしてください!早く!」


そう言ってドライトをガクガクゆする、するとドライトは、


「は、早くですか?一番近くで早く治療できるのは、私ですかね?」


そう答えたのだった。




「いや、一番近くで早く治療できる人をって言うから私だと答えたのに、なんでこんな目にあってるんですか、私は?」


「あ、あなたね!どれだけ私達が……サルファが心配したか分かって言ってるの!?」


そう言いながら、シリカはドライトの頭にしがみ付きギリギリ絞め、


「ドライトさん!今回の件は許せませんわ!」


サルファは長いシッポを使って、ドライトの首を絞めつけ、


「ドラ公!ただの反省じゃ済まないぞ!?」


カーネリアはドライトのお腹をボカボカ殴っていて、


「ペロペロペロペロペロペロ……!」


アンジュラはドライトのシッポを舐めていた。


キャロリン達も流石にドライトを攻める様に見ているが、リティアはホッとした様子で「治るなら、貴重な経験が出来たと言う事ですわね?」等と言っている。


「と、とにかくリティアさんの治療をお願いしますわ!」


「いえ、あのですね?何のためにその魔道具を着けたままにさせてると思ってるんですか?

とっくに治療は始めているんですよ……ただ解析もしているので時間がかかっているんですがね……」


ドライトがそう言って、リティアに着けさせている祝福の授与も妨害していた魔道具を指差した。

それを見てシリカ達はドライトが「魔道具で浄化しながら、呪いに対する抵抗力をあげている」っと言っていたのを思い出して、慌ててドライトから離れる。


「ご、ごめん……忘れてたわ」


「じょ、浄化する事で魔薬を体内から無くさないと、中毒が治る訳ありませんものね」


「す、すまん……!」


「ベロベロベロベロベロベロ……!」


「ア、アンジェ姉さん、羽を舐めないでください!?」


アンジュラだけはいまだにしがみついて舐めていたが、シリカに引き離されて渋々セイネの頭の上に戻って行った、それを見てシリカ達もそれぞれに祝福を与えた者の頭に飛んで行く。




「何にしろ説明の続きですよ、リティアはサルファ姉が言った通り強力な看破の魔眼持ちです。

そして、リティアはそれをしっかりと使いこなしていましたが、それでも自分が魔薬に侵されているの気がつきませんでした。

そこがこの魔薬の厄介で危険な所なのですよ!」


「ドライト様、確かに中毒の症状はあまり酷くありません、ならばなおさらそんなに危険ではないのではないですか?」


「リティアの言いたい事は分かりますが、アンディ王太子さん、マクルイエ都市長さん、あなた達はどう思いますか?」


「ドライト様、その中毒症状はもしや、重症になってもあまり変わりがないのでは……!?」


「な!アンディ殿!それでは、魔薬を手放せなくなっても気がつかないと言う事では……まずい!それはまずいですぞ!」


アンディ王太子の言葉を聞いた、マクルイエ都市長は最悪の事を考えているのか真っ青になっていく、周りの部下達やティナにセアース、トリア院長達も騒めき始める。


「アンディ王太子さん……正解ですね、そしてマクルイエ都市長さん、この魔薬の恐ろしさが分かりましたか?」


アレクスの面々は真っ青になりながら、「都市長!至急対策会議を!」っと言い大慌てで騒いでいる。

そこに真っ青になりながら、アレナムがドライトに聞いてきた。


「ドライト様、リティアは大丈夫なんですか……?そうですか……あと、お聞きしてもよろしいですか?」


ドライトはリティアの中毒はあと1、2時間で治ると言ったが「とりあえず魔窟に行きますよ!質問はそこで聞きますよ!」っと言ったので、仕方なく後に続くのだった……




「ここが魔窟です、どうですか?」


そうドライトヒロシ隊長が言い、指差した建物を見て皆が驚愕する……


「ここがで、ございますか?」


「私も都市長と言う職に就いていますから、普通の魔窟は見てきましたが……アンディ殿はどう思いますか?」


「私も何度か取り締まりに参加した事が有りますが……ティナはどう思う?」


「アンディ王太子様、私も騎士の任務として何度も魔窟は見ましたが、これは……」


「私もトリア院長様と自主的に取り締まった事がありましたが……ここがですか?」


「信じられませんね……」


皆が見ているその建物はスラムにあるのに小奇麗に片付き、花壇には花まで咲いていたのだ。

そして、建物の出入り口からは老若男女を問わず人々が出入りしていた、ただし出て来た人間は少し離れた所に居るドライト軍団が、片っ端から捕まえてどこかに連れ去って行っている。


「あ、あのドライト様?あの方達はどちらに……?」


「あの人達も中毒者ですよ、探すよりここで一網打尽にした方が早く済むので、捕まえて治療しています。

それよりも綺麗で意外でしたか?ならそこを見てみてください?」


ドライトがそう言って指差したのは出入り口から見える、建物内部の壁だった。

そこに赤黒いシミがいくつか有るのに気がつく、全員が確認したのを見てドライトは言った。


「何人か気がついているようですが……あそこには死体がありました、死因は食われた事による失血死ですね、食べたのは同じ魔薬中毒者達です」


「「「な!?」」」


アンディ王太子やマクルイエ都市長など何人かが死体が有ったのだろうと気がついたが、続けて言ったドライトの言葉に驚愕している、キャロリン達は目を見開きドライトを見ている。

シリカ達やディアンにセレナは嫌そうな顔をして見つめている。




「ドライトさん、いい加減に魔薬の恐ろしさの核心を教えてください」


メルクルナはプルプルと震えながら言う、ドライトが言った事と管理システムを見直した事である程度は予想できているのだろう、恐怖よりもその様な物を作った相手に対する怒りで震えているようだった。


「良いでしょう……アンディ王太子さん、あなたは魔物は斬った事が有るでしょうが、人を切った事は有りますか?」


突然質問されたアンディ王太子は、キャロリンや黙ってついて来ていたアリーアとライアンをチラッと見て言う。


「あります……盗賊やジェード王国の統治に反対して反乱を起こした地方都市の討伐で、経験しました」


キャロリン達は兄の告白に驚く、盗賊などの罪人だけではなく、反乱者……つまり一般人を切ったと言っているのだ。

そう聞いた、ドライトはウンウンうなづきながら続けて聞く。


「人間を切った時に盗賊などの罪人と、反乱軍の……10歳の男の子を切った時ではどちらが罪悪感が強かったですか?」


ドライトの言葉にキャロリン達は驚愕してアンディ王太子を見るが、アンディは臆する事無く答えた。


「男の子を切った時です、今でもあの子に武器を向けてきた理由が聞きたいです……」


「あの子が武器を向けてきたのは、単純に反乱軍に脅されてですよ……

ちなみに、アンディ王太子さん、もし魔薬を服用したらそういう罪悪感が無くなると言ったら、どう思いますか?」


アンディ王太子は男の子の顔を思い出しているのか、暗い顔をしているがドライトの言葉に驚き顔を上げた。


「そ、それは……!愚かな者が軍などで利用しようと考えるかと……!」


「ア、アンディ殿!……い、いや、あり得るか……!」


「アンディ王太子さん達は痛覚が無くなるのや、殺人などの罪悪感が無くなるから軍人などが喜んで使うと考えたのですね……?

しかし、忘れてませんか?この薬の中毒者が、食人したのを?」


「「「……ああ!?」」」


「痛覚や罪悪感が無くなるのは、中毒者達の中でも中間からの発症です……末期は欲望の増加です!

考えて見なさい?はた目には中毒性が薄く、痛覚が無くなったり気持ちが良くなるなどの良い面しか現れない……しかし、末期になるにつれ罪悪感が無くなり、衣食住……睡眠や性など、あらゆる欲望に我慢が出来なくなるのではなく、罪悪感が無くなるのと合わせて我慢しなくなるのですよ?」


ドライトの発言により、アンディ王太子とマクルイエ都市長だけでなく、クロワトル大陸各国から集まっていた将軍達や外交官達は事の重大性に気がつき呆然としている。


「やっぱり……管理システムを再チェックしたら、闇市に居た……殺人鬼になりかけてたような者が他にもいる様なのだと、気がつきました!

この様な恐ろしい薬が……何故このユノガントに!なぜこんなにも早く蔓延したのか……!」


メルクルナはフルフル震えながら怒りに満ちている……そんな時だった。


「メルクルナ様……!ドライト様、質問してもよろしいですか?」


怒りに震えるメルクルナを見ながらアレナムは何かを決意してドライトに向き合い、真っ直ぐに見つめて聞いてきた。


「良いでしょう……何が聞きたいのですか?」


そんなアレナムをドライトも真正面から見つめて、質問の許可をする!


「この様に危険な薬を作っても、盗賊ギルドやマフィアに利益が有るとは思えません、では、誰が作ったのですか……?

それに……この薬が、魔薬が蔓延し始めたのが1週間ほど前だとドライト様は言われました……

たった1週間でアレクスからウアス魔導大国にまで入り込んだのですか?不自然です!

もしかして……ドライト様は、何かを知っているのではありませんか!?」


「ふふふ……アレナムはやはり鋭いですね……!ご褒美ですよ……?これを見なさい!」


アレナムの質問にドライトはニヤリと不敵に笑いながら、懐からスマドを取り出し……映像を流し始めた!




「特別特番!ドライトヒロシ探検隊、アレクスの謎の地下空間に挑む!

襲い来る謎の影達……!待ち受ける巨大な蜘蛛!手に入れた謎の固形物の正体は……!?

ドライトヒロシ探検隊を待ち受けるは一体……!」


音声と共に、アレクスの市街地に何か所か有る帝国時代に掘られた、地下路の入り口が映し出される、そしてドライトヒロシ隊長がマイクを持って映されると、


「皆さんこんにちわ!」


「「こんにちわ〜」」


何時の間にかステラとルチルが、映像の最前列でお菓子を食べながら見ていて挨拶し返している。


「私、ドライトヒロシ隊長率いる探検隊は、アレクスの謎の地下路の入り口に来ています!

ここは帝国時代に造られて、独立初期に拡大されたと言われている場所です。

ただ、帝国時代の地図は無く、独立初期にされた拡大も無計画な部分があり、地下路は自然の地下空間なども合わせてどれだけの規模があるか、どこまで続いているのか分からない部分も多々あると言う、恐ろしい場所です!

今回はここに探検に行きたいと思います!」


「「おお〜!」」


ステラとルチルはかぶりつきで見入ってるが、他の面々は空気がおかしくなってきた、っと不審げだ。


「それでは……ドライトヒロシ探検隊……突撃!」


ドライトヒロシ隊長が突撃!と言うと同時に亜空間の出入り口が開き、大量のドライトヒロシ探検隊員が湧きだして、地下路に突撃して行く、


「……なんか、変な方向に話が行き始めたわよ?」


「……リティア、他の皆も注意しててくださいね?」


「……ドラ公のやつ、何やらかしたんだ?」


「……ドキドキ……ワクワク!」


「……嫌な予感がヒシヒシとするわ!」


何にしろドライトヒロシ探検隊は地下路を縦横無尽に走り回る、そして逃げ込んでいた市民を確保すると抱き抱えて次々と地上に連れて行く、そんな中でカメラが切り替わり、岩の影から突然現れた謎の影にドライトヒロシ探検隊員が襲われてしまう映像が映った!


「ダ、ダァー!」


「アチョー!」[バキィ!]


襲われた隊員はたまたま持っていた鉄扇で、謎の影を殴り飛ばす。


「ぎゃあぁぁぁ!」


襲いかかって来た謎の影は吹き飛んで行き、壁に激突して気絶してしまったようだ。


「ってか、アラトロンじゃんか!何やってるんだよあいつ!」


襲いかかった影は、竜人族の長のアラトロンだった。

画面の中では竜人族が次々と現れては、探検隊員にボコボコにされている。


「あ、べトールとファレグだ……正面から挑むのは無謀すぎるでしょ……」


「殴り飛ばされましたわね……乾坤圏ですか?ドライトさんなんであんな物を……」


べトールとファレグは正面から挑んだが、探検隊員が懐から取り出した乾坤圏で、ボコボコにされてしまう。


「……流石にオク達は……頭を使ってる」




今度はオクとハギトが現れると共に逃げ出す、追いかけてくる探検隊員を上手く誘導して他の探検隊員と分離すると、武器を持っていない探検隊員の背後から、オフィエルとフルが剣と槍で挑みかかった。


「タアァァ!」


「やあぁ〜」


武器を持っていない探検隊員は流石に逃げると思っていると、逆に進み出て剣を腕で受け止めて、逆の腕で槍を弾き返す。

よく見ると両腕にそれぞれ10個近い腕輪……鉄環手を装備していた。


「ホォ〜アタァ!」


探検隊員が腕を振り回すと、剣は砕けて、槍は折られてしまう。


「キャアァァァ!」


「わあぁぁぁ!」


さらに探検隊員が腕をブンブン振り回して、オフィエルとフルに向かうと2人は慌てて逃げ出した。


「ッチ!ハギト、オフィエル達を援護するわよ!」


「オォ!」


オクとハギトが援護に向かおうとした所に新たに探検隊員が現れて、懐から縄のような物を取り出す。

それは縄の先に短剣がついた、縄鏢と言われる武器だった。


「アチョチョー!」


探検隊員が縄の端を持って振り回す、それを見ていたオクとハギトは慌てて逃げ出した。


[ゴリゴリゴリィ!]


「「ギャアァァァ!」」


短剣の部分が地下路の壁に当ると、盛大に岩やら土やら削りながら向かってきたのだ、そしてオクとハギトは逃げた先でオフィエルとフルの2人とすれ違いお互いに、


「「そっちは危ない!」」


っと教えあった所で全員が探検隊員の武器で吹き飛ばされ、


「「「「この訓練は厳しすぎる〜!」」」」


そう叫んだのだった。




「訓練って、こんな事してたのドライトは……」


「しかし何故中国の武器ばかり……」


「あああ、竜人達がドンドンやられていく……もっと頑張れ!」


「前にドラちゃんが作ってた……何時か試すって言ってた……」


「あれ?あれって、探検隊員じゃ、ない……?何か腕に腕章が、赤い十字ってまさか……」


赤い十字の腕章を着けた探検隊員はボコボコにされて、気を失っている竜人達の元に向かうと、治療すると同時に酢球を作り出して、顔に押し付けていく。

そして気がついた、いや、気がつかされた竜人達は最前線に駆り出されていく。


「おー、竜人達も頑張るじゃない!」


「あらまぁ!一時的にですけど、ドライトさんの侵攻を食い止めましたわ!」


「よしよし……日頃から訓練しているようだな!」


「頑張ってる……ご褒美が必要……」


どうやら、ドライトヒロシ探検隊が攻撃役で竜人達が防衛役に別れての演習のようだ。

すると今まで大人しく映像を見ていたステラとルチルが騒ぎだした。


「あ!すごい!」「これほしい!」


どうしたのかとシリカ達も画面を見ると、ドライトヒロシ隊長が見事な青竜刀を手に1本づつ持って走り込んできたところだった。


「ちょあー!」


そして気合いと共に右手の青竜刀を倒れて気絶しているアラトロンに向かって投げつける!

青竜刀は静かな音ともに刃の根本まで岩に刺さる、アラトロンの鼻先で……


[トス]「ギャアアァァァ!?」


慌てて飛び起きたアラトロンは、走って逃げ出す。

ドライトヒロシ隊長は刺さった青竜刀をつかみ、岩から引き抜くとアラトロンを追いかけ始めた。


「待ちなさい!死んだフリとは幹部、しかも長としてあるまじき行為です!

性根を叩き直してあげますよ!?」


アラトロンが逃げ出した先で倒れてた、ベトールとファレグはアラトロンが自分達の方に逃げてきたのに気がついたのか、飛び起きると我先にと逃げ出した。

そして、ある程度、逃げたところで振り向くと、アラトロン達は弓を取りだし矢を放った。

そして、左右からオクとハギトが槍を、オフィエルとフルが剣を持って同時に攻撃してきた!


「むむ!?小癪な!」


それを見たドライトヒロシ隊長は青竜刀を背中に背負うと、長さ2m程の棒、棍を取り出しグルグルと回転させて防ぐ!


「ア〜チャチャチャ、チャア!」


矢は叩き落とされ、槍と剣は弾かれてしまう。

前衛のオク達は体制を崩してしまいスキが生れた、それを見逃すドライトヒロシ隊長ではなく、棍を水平に構えると、突きの体制をとった。

そして、それに対応できたのは以外にも一番小さい、竜人族のロリ代表の名を持つフルだった、フルは体制を崩しつつも大きな盾を亜空間から取り出して、皆の前に出る!


「ま、負けないよぉ〜!」


「ホォ〜……アータタタタ!オォ〜アタァ!」[ドガガガガ!ドガァン!]


ドライトの突きを盾で受けるフル、オク達は耐えきった!っと喜んだが、ドライトが最後に放った凄まじい一撃を受けて、盾は砕け散りフルは吹き飛ばされる!

慌てて、ハギトとオフィエルが壁とフルの間に入り、自分達を緩衝材としてフルを守った、がドライトヒロシ隊長が追撃のために前進してくる、ここまでかと思われた時にオクが剣でドライトヒロシ隊長に切りかかり、追撃を諦めさせた。




「ふふふ……なかなかやりますね、特にフル、あなたの成長は著しいですよ!褒めてあげ、あ!」


フルを褒めようとしていたドライトヒロシ隊長が別の事に気がつき、言葉を止める。


「あ、あなた達!幹部の中で一番小さく弱いフルが頑張っているのに、何処に行こうと言うのですか!?」


その言葉にオク達もドライトヒロシ隊長が見てる方向を見ると……アラトロン、べトール、ファレグの3人が逃げ出していた。


「ま、待ちなさい!先ほどの死んだふりと言い、もぉ許しませんよ!?青竜刀でなます切りにしてあげます、待ちなさい!」


ドライトヒロシ隊長は青竜刀に持ち直して、頭の上でブンブン振り回しながら追いかけて行ってしまった。


「オ、オク〜アラトロン達を助けなきゃ〜!」


「……いいえ!あれはドライトヒロシ隊長よ、一筋縄ではいかない相手だわ、この演習で頑張ればドライト様に褒めてもらえる、もしかしたらナデナデもしてもらえるかもしれないわ!」


「……ならオクよ、見捨てるのか?それこそあのアホ達と同罪になるんじゃないか?」


「バカねハギト、皆の囮になってもらうのよ!……ほら来た!隠れましょう!」


「え?え?え〜?オフィエル、なに、なに、なぁにぃ〜?」


地下通路の先から何かの音を聞いた、オフィエルとオクがフルを抱えて岩と岩の間に隠れる、続いてハギトは飛び上がり天井部分の隙間に身を潜めた。


……ズドドドド!


「あのアホ達を捕えるのですよ!」


「生死は問いません!捕まえて死ぬほど訓練してあげるのですよ!」


「なんなら、周囲を破壊尽くしてでも探しだすのです!」


「フル〜良い子良い子ですよ〜」[ナデナデナデナデ]


「竜人族の誇りを傷つけるのは、我等龍の顔に泥を塗ったも同然ですよ!」


「ええぃ!もっと数を集めて追い詰めるのです!行きますよ!」


「影に襲われてると言うより、襲ってる感じになってますが気にしてはいけません!」


オク達の前を5千ほどの探検隊員が走り抜けていった……


オク達は隠れていた場所から、出てくる。


「まぁ、あのアホ達をドライト様が見逃すはず無いわよね……」


「うーむ、少し考えれば真面目にやった方が良いと分かるだろうに……」


「何にしろアホ達があれだけ引き寄せてくれれば、他が楽になるわ!行きましょう!」


「幸せ〜!」


「「「……って、言うか今集団の中にドライト様が居なかった!?」」」




「おー……アラトロン達も良い度胸じゃない……」


「あらまぁ……お仕置がドライトさんだけかと思っているのかしら……?」


「よしよし……死ぬほど鍛えてもらいたいみたいだな……」


「頑張って……凄いご褒美を用意するべき……」


シリカ達はアラトロン達の訓練映像を見てカンカンに怒っている、その横でステラとルチルはドライトに一本づつ、青竜刀を貰っていた。


「これでアホトロンたちをボコボコにするよ〜」


「シリカねぇたちといっしによアホトロンたちをきたえなおすの〜」


「ステラとルチルは良い子ですね〜……アホトロン!?」


「「それで、ごほうびでにーちゃにあまえさせてもらうの〜」」


「ハッハッハッ……何時でも甘えて良いのですよ!?」




シリカ達は自分の子とも言える竜人達の行動を見て、ある3人組に怒り心頭だった、そしてドライトは妹達に自信作の青竜刀を渡して和気あいあいとしている、その周りでキャロリン達が困っていた。


「こ、この映像と魔薬は何か関係有るのでしょうか……?」


「キャロ……これで関係無かったら流石の私も怒るわ」


「セイネ?キャラ変わってるわよ!?」


「こ、この後よ!この後に何かしら関係有る部分が流れるのよ!」


「まぁ、関係無くっても、これはこれで面白いから私は別に良いわ!」


映像現在止まっていて、トイレ休憩と文字だけが映っているのだった……!

お読みいただきありがとうございました。


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