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転生龍の諸国漫遊記!  作者: バリ君
子龍編
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アレクス観光 朝市編


ホタテがうんまぁ!


身は大ぶりで味は濃厚!


バター醤油も良いですけど酒蒸しが美味すぎる!


こっちのサザエのつぼ焼きもお酒と醤ゆをたらして……うまい!


あ……?かき?しゃしゃとだしぇ!


「ドライト!乱暴な言葉は許しませんよ!?」


うるちゃいでしゅよ!……あれ?




「ド、ドライト!また反抗期なの!?あなたドライトがぁ……!」


「……か、かあちゃまがたくさんいましゅ!こんなにいるなら、あまえさせくだしゃい!」


そう言うとドライトはセレナの胸元に飛び込む。


「! ド、ドライト、もっと甘えて良いのですよ!」


「かあちゃま~ナデナデしてくだちゃい~……な、なんと!?

ステラとルチルもいっぱいいましゅ!だっこしゅるてがたりましぇんよ!?」


「「にーちゃ、どうしたの?」」


「ステラとルチルはもっと、にーちゃにあまえるでしゅよ~ナデナデ~」


「「にーちゃ~、きもちいい~」」


「ドライト、いったいどうしたと言うのだ……」


「と、とうちゃまでふえましたよ!?

とうちゃもだっこしゅてグエ!」


「ドライトは私に抱かれてれば良いのです……さぁ、もっと撫でてあげますからね?」


「セ、セレナ、私にも甘えん坊なドライトを抱かせてくれ……」


ディアンはそう言うがセレナは、あちっに行けとシッシッと手を振り追い払う。




「これは、酔っぱらってるわね」


「シリカ姉様?お酒なんかで私達が……ドライトさんが酔う訳ありませんわよ?」


「だよなぁ……私達も皆持ってるけどドラ公の状態異常完全無効は特に強力だって、モリオン様も言ってたし」


「……ドラちゃん、雰囲気を楽しみたいって……酒精耐性だけおとしてた」


「へ……?そ、そんな事できるの?」


「前にドライトさんが作ったお酒は、本人の許可があれば酔うタイプでしたわよね?」


「あ~、思い出したわ……」


「シリカ姉、なんか分かったのか?」


「さっき、リア、自分で言ってたでしょ?ドライトの状態異常完全無効は特に強力だって……

前にガンジス様とディアン様がドライトに実戦訓練してた時に、ガンジス様がドライトの状態異常完全無効を切ろうとしてたのよ」


「まぁ、当然ですわね……切らないと毒もなにも効かないのですから」


「そしたらガンジス様ですら干渉出来ずに切れなかったのよね……

しかもドライトは、ディアン様の酸に対する耐性だけをこっそりっと弱くして、得意の酢玉ぶつけてたのよ」


「……流石は私の夫!」


「私“達”のでしょ?

何にしろディアン様にリア、メルクルナの防壁を突破して、酸に対する耐性と状態異常無効を切ることができるドライトなら、自分の耐性や状態異常の設定を自由にするのは簡単な事なのかもね?」


「はぁ~なるほどなぁ~」


「しかし、これでは観光になりませんわね?」


「しょうがないわね……ドライトに酒精耐性入れるようにヒィ!」


「シ、シリカ姉様どうなさいました?」


シリカが突然怯えだしたので皆驚くが、よく見るとセレナが威圧していた。

そして、ドライトに聞こえない様に念話で語りかけてくる。


『シリカ?私の至福の時を奪うと言うのですか?良い度胸してますね?』


『セ、セレナ様!

しかしドライトは朝市を楽しみにしていましたし、正気に戻してあげた方が……』


『ならん!見よ!ドライトを!』


「とうちゃま!おいちいでしゅよ!」


ドライトはセレナに抱かれ、ディアンの持つ串焼きにかぶりついている。


『ドライトは幼龍の時から自分の事は自分でしてしまって、手がかからない良い子だった!

それはそれで良いのだが甘えても欲しかったのだ!』


『は、はぁ……』


『だからこそ、この家族の団らんを邪魔する者は、この龍王ディアンが許さん!分かったな!?』


『あなた!素敵よ!』


『フハハハ!』


『……どーすんのよこれ?』




シリカ達が唖然としてしてしまっていると、するとそこに地響きを響かせて20mほどのサイズになったドライト大将が走ってきた。


「緊急事態です!緊急事態ですよ!」


「な、何かあったの!?」


シリカ達が驚き身構えるが、それをドライト大将は無視してドライト本体に突進する。


「ドライト総統!酒精耐性が0ですよ!?耐性をチェックするです!」


「へ?」


「あら?」


「お?」


「ドラちゃんは……酔っても脱ぐタイプじゃなかった……」


「……?……あれ?……母様!?」


「ド、ドライト!正気に戻っちゃったの!?」


「ま、まだまだ甘えてもらいたいのだ!そんな事ないよな!?」


「「にーちゃ、もどっちゃった?」」


「あわわわ!母様、離してください!」


そうドライトは言うと、スルリとセレナの腕の中から抜け出して、遠巻きに見ていたキャロリンの頭の上に着陸したのだった。


「ふう……まったく!ステラとルチルのイタズラにも困ったものです!」


「あ、あのドライト様、いったい何があったのですか?」


「それがですね……」




そして、ドライトが語ったのは何故自分が酔っぱらったのかの原因だった。

実はドライトは酒精耐性を完全に切る気はなく、5%ほど残すつもりだったと言うのだ。


それだけ残しておけば酔うことはなかったはずなのだが、ステラとルチルが干渉して状態異常完全無効と酒精耐性を切ってしまったのだ。

そして状態異常完全無効と酒精耐性が切れ、酔っぱらった事によりドライト本体の緊急事態だと判断したドライト大将が駆けつけたのだった。


「へぇ~……」


「でも、よくステラちゃんとルチルちゃんは干渉すること出来ましたわね?」


「ドライトが色々教えてるからね、干渉の仕方も教えてるんでしょ……」


「あと、キャロとセイネ、ステラとルチルにアンジェ姉さんは繋がりをつけているんですよ……そこから干渉されたみたいですね」


「……コネクションシステム」


「コネクションシステム?なんだそれ?ってか、アンジェはなんだか知ってるのか?」


「……私とドラちゃんは、繋がっている!……むふぅ~!」


「ドライトさん、コネクションシステムって何なのですか?

アンジェの反応からして凄く気になるのですが……?」


「大した物じゃないですから気にしないで「リア」ガアァァァ!?」


サルファに命じられて一番腕っぷしの強いカーネリアがドライトにアイアンクローを極める。


「うふふ……?非力な私では効果がありませんらね?」


「ほらドライト、諦めて全部喋りなさい?あとアンジェ?態度が悪いわよ?」


「……シリカ姉様、痛いです!」


そう促してくるシリカはアンジュラにアイアンクローを極めている。


「わ、分かりましたから放してください!

ふう……え、えらい目にあいましたよ」


「で?ドラ公説明してくれるんだよな?」


「わ、分かってますよ!

最初はキャロに祝福をあげた後にキャロと繋がりが出来た事が気になったので調べていた事からなんですよ……私の力が流れ込んでキャロが強化されてたのは覚えてますよね?

その後は切ってたんですが何かに利用できないかと思いましてですね?アンディ王太子さんに祝福をあげた時に繋がりを確認してみたんですよ……それで力が流れ込むだけではなく、繋がっている相手の状態が分かる事に気がつきまして」


「ああ!そう言う事なのね!」


「シリカ姉、なんか解ったの?」


「ほら!さっきアンジェがドライトが酒精耐性を落としたって言ってたでしょ?

アンジェがなんでドライトの状態を知ってるのか気になってたのよ……コネクションシステムで繋がってるから、ドライトの状態にも気がついたのよ!」


「……あ!もしかしてドライト軍団も同じように繋がってるのか!?」


「気がつきましたか……ドライト軍団を操作するのに魂だけだとめんどくさいので、別系統ですがコネクションシステムで繋がって操作してるのですよ!

それで、キャロにステラとルチルやアンディ王太子さん、アンジェ姉さんが祝福をあげたセイネを見守るためにシステムを繋げたのですよ……アンジェ姉さんも繋がってるのはセイネに私が直接祝福をあげた訳じゃないので、アンジェ姉さんも繋げなければいけなかったからですよ」


「ふーん、なるほどね……」


「まぁ、それはそれとして」


「もちろん私達も繋げてくれるんだよな……?」


「ドライト?もちろん私とディアンもですよ?」


「うむ、家族なのだから当然だな!」


「い、いや、あのですね?」


「「「「「ドライト(さん、公)?」」」」」


「ちょ、ちょっと待ってください!試してみますが……繋がるか判らないんですよ」


「へ?どう言う事なの?」


「実はまだテスト段階でして、キャロとアンディ王太子さんは祝福が、ステラとルチルは血の繋がった兄妹だと言う事が影響してて上手くいったんですよ……父様と母様はたぶん上手くいくと思うんですが、シリカ姉達は上手くいくか……」


「ドライトさん、アンジェは繋がっているじゃないですか?」


「はぁ、何回か試していたら偶然繋がったんですよ……原因が解らなくて」




そんな事を話していると、子供達とトリア院長達に天使族と屋台で食べまくっていたメルクルナがやって来た。


「モゴモゴ……ゴックン!バクバク、モガモガ!」


「メ、メルクルナ食いながら話すなよ!汚ねぇな!」


「駄神……黙る……!」


「え!?メルクルナさんも繋がってるんですか?

あ、あれ?本当に接続されてますよ!?」


「ド、ドライト、よく何言ってるか分かるわね……」


「に、しても……なんでメルクルナさんも繋がる事が出来ているんですかね?」


「ムシャムシャ!ゴックン!チュー……ズズズ……ブハァ!」


「キャロに私も祝福をあげているから、それでリンクしてるんじゃないか?

な、なるほど!それは盲点でしたよ!あと、流石に汚すぎるですよ?アスモデルさんが激おこです」


「モグ?」


「メルクルナ様、小さな信徒様達に悪影響です、向こうでお話をしましょう」


「モ、モガァー!」


メルクルナはアスモデルに襟首を掴まれて、路地裏へと連行されて行ってしまうがドライトはそんなメルクルナとアンジュラを交互に視ている。


「ふーむ、メルクルナさんはキャロに与えた祝福が、私の祝福とリンクして接続されたのですね……

アンジェ姉さんはセイネさんに祝福をあげた時に、私が力を貸したからそこで繋がったのですね!」


「……バレちゃった……残念、ショボーン」


「ん?アンジェ、バレちゃったって、どう言う事だよ?」


「アンジェは自分だけ繋がっていたかったから、黙ってたのね」


「アンジェ?私と向こうでお話ししましょうね?」


「……!……サルファ姉、ち、違う!」


「良いから行きましょうね?」


こうして、サルファとアンジュラも路地裏に旅立ってしまったのだった。




「旅立ってしまったのは良いとして、ドライト?繋げ方が解ったのでしょう?私達とも繋げてちょうだい」


「うむ、ステラとルチルの状態も確認できるのだろう?便利そうではないか!」


「ちょっと待っててください、術式はこうして……力と言うか魂の一部を登録する様にすれば……うーん、それぞれ個人で接続する方法とこちらで管理システムを創って一括で接続する方法2つ用意して、好きな方を選べるようにすれば良いですね……

出来ました!スマドにこのシステムを落としますので、皆で繋げましょう!私達は私達でシステムを使わずに、お互いに繋がっておきましょう!」


こうして新たにコネクションシステムを創り、戻って来たアンジェやサルファにメルクルナとも繋ぎ直した所でドライトは気がついた。


「……や、屋台の商品がほとんど売り切れですよ!?どう言う事ですか!」


ドライトだけでなく、シリカやセレナ達も驚き見回すと、何時の間にか屋台の方に戻ったメルクルナが、片っ端から吸い込むように食っていくのが目に入った。


「……メルクルナさんって管理神じゃなく、野槌の化身かなにかじゃないですかね?」


「まぁ、野槌って神の化身って伝承もあるしね」


「食べる量だけでしたら、龍も超えるかもしれませんね」


「食ってる時のスピードは凄いよな」


「……吸引力の変わらない……唯一の駄神!」


「か、感心してる場合じゃないですよ!食べつくされる前に、あの駄神を始末するですよ!?」


「い、いや、始末はするなよ……私達も食べに行こうぜ!」


「そうね、行きましょう!」


こうしてアレクスの朝市に出ている屋台での朝食が本格的に始まるのだった!




「しかし、このホタテは本当に美味しいですね……!大量に買えましたし、これも養殖してみますか!」


「ドライトさん、向こうに有るサザエも美味しいかったわよ?」


「ほ、ほとんど残ってないじゃないですか!」


「ドライト様、サザエなら向こうでも売っていますよ?」


「……セイネ、あれは何?」


「アンジュラ様、あれは牡蠣のスープですね……普通の野菜の他に海藻が入ってて美味しいですよ!」


「ア、アンディ王太子様、シッタカの酒蒸しです……あ、あーん?」


「は、はぁ……」


「アンディ王太子様!食べてあげないとセアースさんが可哀想じゃないですか!」


「ティナ……君達急に仲良くなったね……パク!」


「ふふふ、私の目論見通りですね……」


「そう言えばドライト様、なんでティナさんとセアースさんを呪ってたのですか?」


「キャロ、最初に衝突した方が後々仲が良くなるのですよ!」


「ドライト、それって失敗してたら後々もっと仲が悪くなるんじゃないの?」


「……成功したのですから良いんですよ!」


セイネに色々説明してもらい買い食いしながら、進んでいると朝市の市場にアレクスの兵士が数十人走り込んで来た、可愛らしい女の子が先導する様に先頭を走っている。


「……なんですかね?」


「あれは……アレナムじゃない、兵士達を連れて何してるのかな?」


「ア、アレナム?娘がどうしてここに……」


「マクルイエ都市長さんの娘とセイネは知り合いなんですか?」


「は、はい、トリア院長とシスターセアースに鍛えてもらうために孤児院によく来るんですよ、私とも仲良くしてくれますし、よく寄付もしてくれるんです!」


「ドライト様、娘は回復魔法やメルクルナ教の教えを習いに行ってるのですが、何故かメイスの扱いと格闘技の腕がメキメキ上がっているのですよ、何故なのでしょうか?」


「……性格じゃないですかね?

おや、兵士さんもですが、何かを大量に持っているようですね?」




そして兵士達を引き連れたアレナムはドライト達の前に来ると、籠や魔法袋に入れた様々な魚貝類と野菜を取り出して、メルクルナとドライトの目の前に来て話しかけてきた。


「メルクルナ様!ドライト様!朝市でお食事をすると聞いてぜひ食べていただきたい料理がありまして、市場から揃えてきました!」


「ふーん……まぁ……作ってみて……?」


「うーん……まぁ……興味が湧いたら食べますよ?」


「は、はい!すぐに用意します!」


ドライトとメルクルナはあまり興味が無い様で、そう言うと別の屋台に向かって行く。


「あ、あの……」


「ん?どうしましたかキャロ?ああ、この子持ち昆布の串揚げが欲しいんですか?」


「違うわよ!キャロちゃんが欲しいのはこのマグロのほほ肉ネギまよ!」


「朝っぱらからそんな脂っこい物を、欲しがる訳がないでしょうが!」


「そっちだって揚げ物じゃないのよ!こっちはネギが挟まってるから少しはサッパリしてるのよ!」


「い、いえ!私はもうお腹がいっぱいです!

少しお聞きしたい事が有るのですが……」


そうキャロリンは言うと、アンディ王太子にマクルイエ都市長、トリア院長の方をチラっと見るのだった。


「?なんですか?……ああ、アレクスを攻め落とす方法ですか?」


「バカね!アレクスを自然災害にみせかけて滅ぼす方法でしょ?」


「い、いえそう言う事ではないのです!」


キャロリンは迷うようにアンディ王太子達やマクルイエ都市長達の方を再度見る。

アンディ王太子はうなづき、マクルイエ都市長とトリア院長は祈る様にキャロリンを見る、キャロリンはそれを見ると何かを決意したように真剣な表情でドライトとメルクルナの方に向き直し、聞くのだった。




「あのですね、何故……何故ドライト様とメルクルナ様は、アレクスを……城塞都市アレクスの事を嫌うのですか?」




そうキャロリンに聞かれた俺とメルクルナは顔を見合わせて、言って良い物か考え込んでしまったのだった……

お読みいただきありがとうございました。


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