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転生龍の諸国漫遊記!  作者: バリ君
子龍編
43/174

増えてみた。

ヤッホー、ドライトさんですよー!


とうとう俺達はクロトワル大陸に初上陸したんだけど、上陸の定義ってなに?


例えばなんだけど北海道や九州、ハワイなんかに旅行に行ったとするでしょ?


んで、駅なり港なり空港なりに到着して電車に船に飛行機から降りて、しっかりと大地を踏みしめて上陸したって言えると思うんだ。


え?何言ってるんだこいつ?

いや、私の今の状態がですね、こんな状態なんですよ!


「ス、ステラ、ルチル放すですよ!?」


「ちびにーちゃ、いいこいいこ~!」


「ちびにーちゃ、ナデナデ~!」


「あうぅぅ……せ、せっかくの新技なのに意味がないですよ!?」


俺達は今、入国審査のために貴賓室で待機しているんだが、俺はと言うと人化したステラとルチルにそれぞれ俺が1人づつ抱っこされて捕まっていた。


何があったかと言うと……




「だいぶアレクスに近づきましたね、おや……?あれは飛竜ですか?竜騎兵みたいですね……」


俺は皆が勢揃いしている艦橋からアレクスを見ていたが、ドライト丸が近づいたことでアレクス側もこちらに気がつき、竜騎兵が近づいて来た。


どうでも良いけど、帝国から独立した都市国家の集合体であるアサセルム同盟は所属している城塞都市のほとんどが合議制で王政や貴族制度を廃止してるため、騎士や近衛兵ではなく騎兵や親衛隊と呼んでいる、本当にどうでもいいな……


「あれは水先案内人だな……アレクスでは、船にしろ魔導飛行船にしろ接岸場所は水先案内人が案内した場所に、停めなければいけなかったはずだ。

アレクスの水先案内人は竜騎兵が務めるのだが、かなりの練度だったぞ?」


そう、留学経験の有るアンディ王太子が皆に教える。


皆が「へぇ~……」っと聞きながら竜騎兵を見ていると突然飛竜が急旋回して飛んで行く、アレクスに帰るのかと皆が思っていると明後日の方角に飛んで行く、どうやら飛竜を竜騎兵が制御が出来ていないようだ。


「アンディお兄様(兄さん)……」


かなりの練度だと言っていたのに竜騎兵は飛竜を制御できていないので、アリーアとライアンがアンディを攻める様に見つめる。


「あ、あれ?」


「へ、変ですね……?」


アンディ王太子は突然飛び去った飛竜を呆然と見ているが、以前の留学で一緒にアレクスの竜騎兵を見た事のあるティナも驚いている。

すると、アレクスから今度は2頭の飛竜が飛んできた、しかしその2頭も急旋回して逃げて行く。


流石に皆おかしいと思っていると、アレクス側も異変を感じ取ったのか10数頭の飛竜が舞い上がる、しかし今度は舞い上がったと同時にドライト丸とは逆方向に逃げ出して行った。


「ア、アレクスから通信が入りました!水先案内人を艦の側に行かせるので許可せよとの事です!」


「い、いや、来てもらわないとこっちも困るのだが……」


マンフレッド魔導士長も困っていると、船の外を小さな影が横切る。

ドライトが何時の間にか外に居て、近づいてくる飛竜を威嚇(いかく)して追い払っていた……


「あ、あの子は何しているの……」


「また、追い払ったな」


「ドライト、暇だったのかしら……」


「ドライトさん……アレクスに行きたくないのかしら?」


「てか、なんか小さくねえか?」


「……小型化してる?」


「小型化してますよ?

それより父様に母様、シリカ姉達も人化しないとアレクスが大騒ぎになりますよ?

私が追い払っている間に人化してください。

ステラとルチルは大丈夫ですか?練習どおりやれば大丈夫ですからね?」


「ああ、そうだったわね……皆、人化するわよ……え?」


「「……にーちゃがふたりいる!」」


「うぴょぉぉん!?デブ龍が増えやがった!世界の破滅の前兆か!?」


「そこのアホ神、失礼すぎますよ!?私が増えた事で世界はますます繁栄するのです!」


なんと外にも内にもドライトが居る、外に居るのも艦内に居るのも以前開発した小型化の術の様に50cm程のサイズになっていた、そして驚きながらも龍達皆が人化し終えると、外で竜騎兵を追い払っていたドライトが戻ってきた。




「これで見られても問題ありませんね……

あ、紹介しますね?こちらは強く賢く美しいドライトさんです!」


「どうも!そちらは屈強で聡明で眉目秀麗なドライトさんですよ!」


「あらあら……ドライトが2人になったわ!めでたいわね!」


「セ、セレナ落ち着け!」


「なにこれ……なにこれ!?」


「ふ、2人とも可愛らしいですわ!抱っこさせてください!」


「うへぇ……ま、マジで増えたのかこれ?」


「……私はどっちと……添い寝すれば良いの!?」


「何か良くない事の前兆よ!ハマリエル!アスモデルに連絡して世界の管理と監視の強化を命令して!フルはオク達に出撃準備させといて!

スマド、スマド……あ、あった、ジェード?すぐに戦闘態勢を取って待機よ!眷属神全員に伝えて!何かあったか?ドライトさんが増えたのよ!破滅の前兆としか思えないわ!すぐに[ドガ!ドガ!]みぎゃあぁぁ!?」


なんか変な方向に突っ走り始めたメルクルナは、左右からドライトに頭突きされて気絶した。


「「まったく、失礼な駄神ですね!」」


「ド、ドライト、どういう事なの……?どっちが本物なの!?」


母様は混乱から落ち着いたのか聞いてくる、ある秘密が有り、そして、どちらもある意味本物なので見抜けないのだろう。


「ふふふ……これぞ分身の術ですよ!流石にどうやってやっているのか分からないでしょう!?」


「スマド……?」


「スマドみたいですわね」


「スマドっぽいな」


「……スマドが核になってる?」


「なんであっさりバレるんですか!?」


シリカ姉達に大体バレたので種明かしをする。




「自分のクローンを作って、核に改造したスマドを入れたのね……

核にドライトの龍珠と魂の一部を入れる事でコントロールしてる訳か」


「龍珠も魂も修復されているから時間さえかければ幾らでも作れるのですわね」


「力は多少落ちているのか、しかし鑑定しても見分けがつかないってすげぇなこれ……」


「肉体も魂も、元々ドラちゃんだから……鑑定しても見分けがつかない……一体ちょうだい……?」


「いや、アンジェ姉さんあげれませんよ……それと、龍の眼で同時に見れば、どちらが分身体か分かりますよ!

スマドが核になっているので、リアルタイムでコントロールできます!便利ですよ?

サイズは変えれますが流石にあの数を亜空間から出すと……いえなんでないです」


「ドライト、何体作ったの?」


「母様、数体だけですよ?」


「ドライト?」


「い、いえ、作ってる途中で調子にのってしまって、そんなに多くはないですよ!」


「……ドライト?」


「たったの100万体ですよ!?」


その数を聞いて皆呆然としている。


「きゅ、休眠状態なら、魔素も魔力ほぼ消費しないので大丈夫ですから!」


「や、やっぱり世界の破滅だわ……!ってクローンは弱くなってるの?」


何時の間に復活したメルクルナが聞いてきたので「ええ、そうですよ?」と、答えると、


「ええっと、こっちが分体かしら?正解?……死ねえぇぇい![バコン!]うへぇぇぇい!?」


いきなり神剣を取り出して分体に切りかかったメルクルナだが、分体のシッポで吹き飛ばされる。


「おおお、いてぇ……」


「あなたはいきなり何をしているのですか……」


「いや、日頃の恨みを分体にぶつけようかと……それよりドライトさん、弱くないじゃないの!」


「本体よりかは弱いですよ?本体の力が100だとして比較すると98から97位まで弱くなっていますよ!」


「そ、その分体が100万体……やっぱり世界の破滅だわ!」


「ふふふ、この力があれば……お外に抜け出して買い食いしたり、他の国や街を見に旅に出たりできるのですよ!?」


「ねぇ、ドライト?本体と分体の力の波動に違いはないのでしょう?

なら、外に出て力を使ったらセレナ様にディアン様、龍神様方にバレるんじゃないの?」


「……あれ?」


「それにセレナ様の目の前でそんな事を宣言したらまずいんじゃないの?」


「……あ!」


シリカ姉に指摘されて、俺は慌てて逃げようとしたが狭い艦橋内だったので、あっさりと2体とも母様に捕まったのだった。




「「お、お尻があぁぁ!倍痛いですよおぉぉぉ!?」」


2体同時にお尻叩きされたら倍痛かった……


「ドライト?その分身体は私かディアン、お父様方かお母様方の許可が無ければ使ってはなりません、いいですね?」


「「そ、そんなぁ!」」


俺はガックリして四つん這いになろうとしたら……ガシ!っと背後から掴まれてしまった。


「「……へ?」」


「「ちびにーちゃ、だっこしてあげる!」」


「ステラ、ルチル、ドライトをそのまま抱っこしててあげてね?」


「「は~い、かあちゃま!」」


「い、いえ放してください?私は野良子竜としてアレクスの探検に行くのですよ?そのための分体なのですから!」


「ダメです、ステラ、ルチルしっかりと抱き締めてあげなさいね?」


「「ちびにーちゃ、ぎゅ~!」」


「は、放してください~!」


そうこうしているとドライトの妨害が無くなり水先案内人の竜騎兵がドライト丸の側までやってくる、そしてドライト丸の先導を始め、ドライト丸はゆっくりとアレクスに着陸したのだった。


こうして、俺達はクロワトル大陸に……アレクスに上陸したのだが、


「ステラ、ルチル?は、放してください!?」


「これは上陸とは言えませんよ!?」


「「め~!ちびにーちゃはわたしたちにだっこされてるの!」」


そう!ステラとルチルに抱っこと言う拘束を受けている俺は大地を踏む事ができずに、上陸とは言えない状態だったのだ!




まぁ、それはそれとして俺は他にやる事があったのを思いだしたので抱っこされたまま、皆に声をかけた。


「大事な事を思い出しました、皆さん集まってこの装飾品を見てください。

そしてアレクスの役人が戻って来る前に自分にあうのを選んで着けてくださいね?」


俺はキャロリンを抜かしたジェード王国の面々にそう言うと、シリカ姉達も選びだしたので慌てて止める。


「あ!シリカ姉達やメルクルナさんにハマリエルとフルはこっちから選んでください!」


そう言うとシリカ姉が聞いてくる。


「ドライト、何これ?」


「これは私が用意した偽装の魔道具です、追跡や緊急結界に万が一の時は転送で、ジェード王国に逃げることもできるようにしてありますよ!」


「なるほど……でもドライトさん、なんでアンディさん達と私達で違う物を用意してるのかしら?」


と、今度はサルファ姉が聞いてくる。


「私達龍や神、天使族と竜人族はステータスが高すぎるのでより高性能な物じゃないと魔道具が壊れちゃうんですよ……あ!キャロはダメですよ!」


亜神になっているキャロリンもシリカ姉達やメルクルナ達と選ぼうと手を伸ばしたがドライトに止められる。


キャロリンはビクっとして慌てて手を引っ込め涙目になり謝ってきた。


「す、すいませんドライト様!

私ごときが龍様方やメルクルナ様と同じ物を着けようとするなんて、とんでもない思い上がりでした!」


そう言って必死に謝っているキャロリンをシリカ達が慰め、セレナがドライトを叱ろうとドライトを見るとドライトはゴソゴソと自分の亜空間を探り、キャロリンの前に先程の装飾品よりも豪華で美しい品々を差し出した。


「キャロにあんな3級品を着けさせる訳にはいきません!

こちらは自信作ぞろいの1級品です!キャロはこの中から選ぶのですよ!

ついでにステラとルチルのも選んであげてくださいね?」


そうドライトが言った瞬間、シリカ姉達から笑顔が消えた。




30分後




「か、軽い冗談ですよ!そんなに怒らなくてもいいじゃないですか!

ドライトさんもなんとか言ってください!」


「そうですよ!日常の中に軽い冗談を入れることで生活に潤いを保つのです!

ですからドライトさんを赦してあげるべきですよ!?」


そう本体と分身で言うと、シリカ姉達はプルプルと震えながら言ってきた。


「ド、ドライト!あなた全然反省してないでしょ!?」


「ドライトさん!私達はあなたの婚約者なのですよ!?

そ、それなのにあのような……!」


「お前なぁ、流石に今のは酷すぎるぞ!?」


「……ドラちゃん……アマ噛みさせて……?」


「い、いえ本当に冗談なんですよ!

アンジェ姉さん、それはアマ噛みじゃないですよ?それ以上は腕がちぎれますよ!?」


怖っわ!アンジェ姉さん人化してる状態で口の回りを血で真っ赤にしながら、俺の腕にむしゃぶりついてきてるよ!


と、とにかく皆を落ち着かせなければ!


「い、いえ、本当に軽い冗談だったんです!ほ、ほら、その証拠にこれをどうぞ!」


そう言いながら俺はステラとルチルに解放してもらい、シリカ姉達1人1人に魔道具の装飾品のセットを渡していく、ステラとルチルにメルクルナにも渡していく。


「それぞれのイメージに会わせたものですよ!

さっきのは本当に軽い冗談で、あれらは天使族と竜人族の幹部用に……あれ?」


そう言いながら、山のように出してあった魔道具を見る。

ジェード王国用のはマンフレッド魔導師長が魔法袋に大事そうに入れているが、後からだした豪華な物が全て無くなっている。


「ど、どこに消えましたか?あんなにあったのにおかしいですよ?

あ!メルクルナさん全部持っていくなんて非常識ですよ!?あなた用のもちゃんと渡したじゃないですか!」


メルクルナが魔法の風呂敷袋に詰め込んでいるのを発見して、ドライトは取り返そうとしたが……


「グエ!?シ、シリカ姉なんですか?首をつかまないでくださいよ!」


「ドライト……あなたキャロちゃんの分は?

まさかまたキャロちゃんのだけ特別製とか言うんじゃないでしょうね……?」


「い、いえ、それよりもメルクルナさんが逃げます!放してください!」


「ドライト?どうせあなたの事ですから予備を大量に作ってあるのでしょ?

それに見なさい、キャロちゃんが可哀想でしょ?」


そうシリカ姉が言うとキャロリンは半泣きでおろおろしている。


自分も欲しいが彼女の性格から、言い出せなかったのだろう。

そしてそれをシリカ姉に言い当てられたので慌てると共に悲しくなって泣いてしまったようだ。


「ううう、あの駄神は後で始末するしかないですね……

キャロ、こっちに来るですよ?これがあなたの分です」


「で?ドライト?これはやっぱり特別製なの?」


そうシリカ姉が聞いてくる、シリカ姉もだがサルファ姉にカーネリア姉の顔は笑っているように見えてまったく笑ってない。

アンジェ姉さんは、歯をガチガチしないでください!本気で怖いですよ!?

ここでウソをついたらもっと厄介なことになるのは目に見えてるので、正直に言う。


「ほとんどはシリカ姉達と同じでキャロのイメージ合わせた物なんですが、1つ……いえ2つですね、2つ特別製の物が入っています」


俺がそう正直に2つだけ特別製の物が有ると言うと、アンジュラが聞いてきた。


「なんで……2つだけ特別製なの……?」


「見せた方が早いですね、キャロ箱の中に他とは違うペンダントと腕輪が有るはずです、ペンダントはキャロが腕輪は私が着けますので出してください」


「は、はい!……こちらでしょうか?」


そう言ってキャロが取り出したペンダントはペンダントヘッドに龍、それもドライトを模した物がついている物だった、ペンダントヘッドのドライトの眼の部分には、タイガーズアイとサファイアがはめ込まれている物なのだが……


「うーん、確かに良い物ね……」


「でも……ドライトさん、これって……」


「キャロには似合わないだろ?」


「と言うか……女性向けじゃない……」


「私が貰ってあげようか?」


「いえ、重要なのは見た目じゃないんですよ……あとメルクルナさん、ひねり潰しますよ?」


何時の間にか帰ってきたメルクルナがずうずうしい事を言ってきたので、怒りながら俺は行動に出る。


「キャロ、ちょっとこのペンダントを着けてください。」


「は、はい、こちらの腕輪も着けるのですか?」


「その腕輪は私が着けます、どうですか?“視”てください」


そう、龍の眼で“視”てみる様に促すと……


「……あ、あれ?」


「ド、ドライトさん!?」


「お、おいドラ公!」


「私にも……従属して……?」


「い、いやですよ、アンジェ姉さん……と言うか本当に従属したわけじゃないんですよ。

ちっょと小耳にはさんだんですが、どうもジェード王国意外だとキャロには守護竜がいると言う話になっているみたいでして……

それを利用して、私がキャロの側に居ても問題ない様に、従属化したフリのできる魔道具を用意したんですよ!」


「あら?キャロちゃん送ったら帰るんじゃなかったの?」


「いえ、転移陣を設置するなら別にこっちにも家を建てて住んでも問題ないって母様が言ってくれまして……」


「へ〜、良いなぁ……私の部屋も用意して?」


「メルクルナさん帰らなくて良いんですか?

それにしてもセレナ様がお許しになったのですか……良かったですわね!」


「メルクルナ、あんた、アスモデルに怒られるわよ?

なんにしろ、学園都市は私達も興味あったんだよね!」


「でもあんなに反対してたセレナ様が、よく許してくれたな?」


「ドラちゃん……ディアン様使ってうまい事やった……」


「「「「へ?」」」」


「いや、実はですね……?」


先程、渡した偽装などがかかった魔道具の装飾品を母様に渡さなかったのも、母様が興味を示さなかったのも実は先に父様が一式を渡していたからなのだ!


俺が装飾品を作り始めた時に、母様が喜ぶから父様も手作りの装飾品を作ろうと、父様に声をかけて母様用の一式を作り、そして父様が直接プレゼントしたのだ!

母様は大喜びでその時に俺が学園都市に家を建てて、キャロ達が卒業するまで住もうと提案して見事に許可を貰う事ができたのだ!


「ド、ドライトさん策士ね……!」


「上手くやったわね……でもさ……」


「そんなに頭が良いのになんで乙女心が解らないのかしら?」


「だよなぁ、ってか1度ドラ公の頭の中見てみたいぜ」


「小っちゃいドラちゃんが……詰まってたりして……」


「ア、アンジェ、気味の悪い事言うな!」


「し、失礼な方達ですね!

あと私の頭の中には、ちゃんと脳みそと謎が詰まってます!」


「「「「謎って何!?」」」」


「おっと、帰ってきたようですね」


「へ……?あ、あれ私のじゃない!」


最初に気がついたメルクルナがそんな事を言うがあれは元々俺のだ。


俺は皆がキャロのペンダント集中した隙に分身体を動かして、メルクルナが持ち逃げした装飾品の入った魔法の風呂敷袋を回収したのだ。


「ただいまですよ!フル、これはあなたに渡しておくので、後で誰かに取りに来てもらって幹部で分けてください!」


そう言ってフルに渡すと、フルは「判りました〜アスモデルとオクに渡しておきます〜」っと返事をして自分の亜空間にしまってしまった。

それを見ていたメルクルナは……


「あああ!わ、私の豪華な装飾品があぁぁ〜!って言うかちゃんと隠しといたのにどうやって見つけたのよ!」


「アホ神、あれには追跡も付いていると言ったじゃないですか……」


「本当にドライトさんに比べてアホですね!じゃあ、戻りますか!」


そう分身体が言うと、俺の分身体貯蔵用の亜空間に戻って行った。




「「ちびにーちゃがへっちゃった……」」


「ステラ、ルチル、そんなに悲しそうにしないでください……

そうだこれをあげますから、これを抱っこしててください!」


そう言って俺は俺をデフォルメしたぬいぐるみを2つ取り出して、妹達に1つずつ渡してあげた。

ついでにキャロにもあげたらシリカ姉達も私達にも頂戴と言うので皆にも渡す、母様も欲しいと言うので特大を渡していると……


「ねぇねぇドライトさん!私の分は!?」


「メルクルナさん……あなたは何に使うつもりですか?」


「そりゃ、丑の刻参りに使うに決まって[ゴキィ!]うぴ!?」


「本当に良い度胸してるわね、メルクルナさんってば!」


馬鹿正直に答えたメルクルナが母様に始末されているとリュージュさんから【アレクスの役人が来たようです……なにやら深刻そうですね?】っと連絡があった。


「どうやら、アレクスの役人達が来たようですね……都市長も居るみたいですが、かなりの数の兵士を連れていますね?なんにしろ魔道具の装飾品を着けておきましょう!」


そう言って俺がメルクルナを酢玉で起こして、皆が準備し終えると扉が開きアレクスのトップである都市長、ルドラニア・アレクス・マクルイエがやって来た。




背後に多数の兵士を連れて……

お読みいただきありがとうございました。


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