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転生龍の諸国漫遊記!  作者: バリ君
子龍編
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旅立ち

こんにちは!


ドライトさんですよ!


妹達が孵化してから3年が経ちました!


私の体も立派に育ち、体長5mを超えて子龍になりましたよ!


妹達もスクスクと育ってますが、まだやっと1、5mほどになっばかりです!


祖父ちゃんや祖母ちゃん達に言わせると、私はかなり育ちが早いらしいです!


まぁなんにしろこの3年間、キャロリンにくっいて学園に行ったり、実験したり、メルクルナ達と遊んだり、実験したり、シリカ姉達と遊んだり、実験したり、マルキダエルやアラトロン“で”遊んだり、実験しながら日々妹達のお世話に励んでいたら3年間があっという間に過ぎてました!


そんなある日、セレナ母様がいきなり言いだしたんですよ……




「お引っ越しですか?」


「にーちゃ~、こんどはおんぶ~」


「わたちはだっこ~」


「ちょっと、待っててくださいね?あと5分おきに場所を変えてとお願いされても困りますよ?」


そう言うとステラとルチルは不満だったのか「やー!だっこ!」「おんぶ!」などと言い始めて俺の体をよじ登り始める、俺は妹達を掴まえると抱っこしてユラユラゆっくりと揺らし始める。


すると「おんぶ……」「だっこ……」と言いながらうとうとし始めて寝てしまった……

どうでも良いけど、抱っことおんぶと言うたんびに場所が交互に変わるのはどうかと思う。


「それで母様、なんで急にお引っ越しをしようなんて言うんですか?」


俺が妹達をあやしている姿を満面の笑みで見つめていたセレナ母様に質問すると、母様が真面目な顔になり説明しだした。


「ここに巣を構えて5年近くになるでしょう?

そろそろ場所を開けてあげないと次に産卵を控えている龍が巣作り出来ないのよ……」


「へ?妊娠している龍が居るのですか!?」


なかなか子供が出来ない龍族であるのに、次が控えていると聞いて驚いてしまった俺は母様に聞き返した。


「そうなのよ……ほら、ステラとルチルが孵化して何度か龍の里に顔見せに行ったでしょ?

あの時にあなた達を見た若いカップルが触発されたみたいでね……?」


「はぁ~しかしまだまだ妹達も小さいのになぜ場所を?

世界樹は広いのですから場所は有りますよ?」


すると横で聞いていた祖父ちゃんと祖母ちゃん達が嬉しそうに話し出した。


「それがね?1組や2組なら場所を開けなくても良いのだけれど……」


「今のところ分かってるだけで10組は妊娠しているのじゃよ!」


「それ以外にも頑張っているカップルも居るようでね?まだまだ増えそうなのよ!」


「いや~めでたい!龍族の未来は明るいぞ!」


「しかもじゃな?わしやモリオンの所に来てのぅ?」


「ドライトやステラにルチルの様な元気で可愛い子が欲しいと言われてね?」


「わし等も鼻が高くてのう!」


「私もモリオンも嬉しくて嬉しくて!」


そんな風に嬉しそうに話している龍神達だがドライトの一言で固まった。


「まだまだ増えそうって、場所が足りないんじゃ……」


皆が固まっているなか、ディアンが分かっていないようで聞いてきた。


「ドライト、場所ならいっぱいあるではないか?」


「父様、もしこの枝や隣の枝に別の龍が巣を造ったらどうしますか?」


「それはこの龍王たるディアンに喧嘩を売っていると言う事で勝負に……む?」


「われ等龍族が好んで巣を造るのは中層から上です、しかも高ければ高いほど安全なのですから上層は人気があります、そう考えると私達の巣は一等地ですよ?

周りにある枝の数と孵化するまで年数など考えると、これ以上卵の数が増えれば一等地には場所が無くなりますね?

争いになる可能性も有りますよ、祖父ちゃん祖母ちゃん達が管理すれば揉めないかもしれませんが……不満は残るでしょうね?」


俺の話を聞いたディアンにセレナ、祖父ちゃん祖母ちゃん達も呆然としていた。

人間で言えば人気の産婦人科医院の取り合いと言うところだが、子供の少ない龍族の親にしてみれば命を懸けても良い場所が欲しくなるだろう、親だけではなく直系の龍神達も自分の孫や子孫のために良い場所を!となるのは間違いない、下手をすれば龍同士の大戦争だ。


「ど、どうすれば良いんじゃ!?レムリア良い案は無いかの!」


「え、えっと……そ、そうだわガンジス!別の世界の世界樹に」


「レムリア祖母ちゃん、卵を抱えた母が次元を渡りたがると思いますか?」


「……!」


「モ、モリオン!あなたなら良い案が有るでしょ!?」


「むぅ……そ、そうじゃ!世界樹を別に植えて」


「いや、モリオン祖父ちゃん産卵まで間に合いませんし、1つの世界に2つ、しかも同じ星に世界樹を植えるのは問題がありますよ……」


龍神達にそう答えると呆然として完全に固まってしまった、セレナ母様がアワアワしながら「あなた!どうしましょう!」とディアン父様に抱き付いている。

父様、顔がにやけ切ってふやけていますよ……


すると父様を見ていた俺と父様の目が合った。


「ドライト……お前に良い案が有るんではないか……?」


「ありますよ?」


そう答えると、祖父ちゃん祖母ちゃん達とセレナ母様に「早く言いなさい!」っと怒られた。




「まぁ、要するに世界樹を家と考えると部屋数を増やしたい!

けどもう1軒別の場所に建てるのは資金(魔素)的にも難しい、でも部屋は欲しい!

ならどうすれば良いか?家を増築と改築して部屋数を増やせば良いんですよ」


そう言うとガンジス祖父ちゃんが聞いてくる。


「それはもう1本世界樹を植えるのとどう違うのじゃ?」


「もう1軒家を建てればお風呂やトイレにキッチンなどがもう1つ、づつ必要です。

つまりそれだけ余分なお金(魔素)が必要ですが、家を大きくして部屋が増えただけならそれらは必要ありませんからね」


「……なるほどのぅ!」


「モリオン?今の説明で解ったの?」


「チンプンカンプンなんだけど?」


レムリアとヌーマは理解してないようなのでモリオンがドライトに説明代わりに質問する。


「つまり、ドライトが言うのは世界樹を大きくして枝を増やそうと言う事じゃろ?

もう1つ世界樹を植えれば混沌と秩序の塊がより必要になる、そしてそれをするには大変な労力が要るし、下手すれば今の安定した世界を壊しかねない」


「そうか!この世界樹を大きくするだけなら大した労力は使わんし、逆によりこの世界を安定させる事が出来るかも知れんな!

流石われ等の孫じゃ!」


そうガンジスが叫ぶと龍神達はワイワイ言いながら、ドライトを褒めちぎっていたがセレナがおずおずと言った。


「お父様方にお母様方……大きくするのは良いんですが、どうやって?」


ビシ!っと音が聞こえるほどに龍神達は固まったが、そこにドライトが言い出した。


「大丈夫ですよ母様!私に考えがあります、今龍珠とシミュレーションしてますが問題はないようですから、完全にシミュレーションが終わったらテストして実行に移しましょう!」


「「「「流石はドライトじゃ!」」」」


っと龍神達は喜んでいたが、セレナだけは納得がいかない様でドライトに質問した。


「ドライト?またなにかの実験だったり、変な事は考えてませんでしょうね?」


「か、母様私の事が信用……は、まぁ出来ないでしょうが、今回の事に関しては真面目にやってますよ!」


「何時も真面目にやりなさいな……」


セレナがそう言って呆れるがドライトは真面目な顔つきで語りだす。


「ここには私の……いえ私達の巣が有るです、妙な実験は……あまりしない様にしているんです!」


「いえ、あまりじゃなく、しないようになさい」


「なんにしろ、将来この世界樹でまた妹や弟が産まれるかも知れませんし、ステラやルチルが使うかも……やっぱり世界樹は爆破しませんか?」


「ドライト!」


「だ、だってその産まれてくる龍達にステラとルチルの旦那候補が居るかもなのですよ?

許せませんよ!爆破してしまいましょう!」


「まったくこの子ったら……龍族の未来もかかっているのですからしっかりなさい!」


そう母様が言うとドライトは抱き寄せられ優しくなでられた、ドライトの腕に抱っこされているステラとルチルも目を覚まし、一緒に気持ちよさそうになでられている。


「はい!母様のために頑張りますよ!私達の巣を残すためにも!」


「にーちゃ!」「がんばる!」


こうして俺は世界樹の強化に乗り出したのだった。




そして、強化が終わった。


え?早すぎる?何したんだか分からん!?

いや、以外と簡単に終っちゃったんですよ!

まず祖父ちゃん祖母ちゃん達と父様母様に祝福を授ける勢いで世界樹に力を与えるように頼み、俺が力の流れをコントロールしたらあっさりと成功しましたわ。


凄まじい力の塊だったんで、時間もかかるし苦労するだろうなぁ……っと思ってたら、あっさりと成功してしまって俺もびっくり!

そしたらレムリア祖母ちゃんが、


「ドライトは体だけでなく能力も育っているのね……」


っと言ったので他の祖父ちゃん祖母ちゃんや母様に父様……妹達よお前達が見ても、俺の前のステータス知らないだろに……

まぁなんにしろ龍の眼で調べられて父様母様は「ドライト!こんなに立派になって!」「流石は我の息子だ!」などと、喜んで祖父ちゃん祖母ちゃん達と宴会を始めてしまった。


妹達は


「にーちゃ!すごい!だっこ!」

「にーちゃ!すごい!おんぶ!」


と言ってキラキラとした眼差しで見てくるが、俺が凄いのか凄い抱っことおんぶしてもらいたいのか分からないから、繋げないで欲しい。


すると巣の外に転移陣が現れた……しかも3つも!

何事!?と警戒してたら1つからはメルクルナと天使達が、もう1つからは竜人達が、最後の1つからはお久しぶりのアーゲートさんとシリカ姉達が出てきた。


そして皆は完全武装で殺気だっていた。


「龍神様方!恐ろしく強大な力の波動を感じましたが何事ですか!?」


そう言ってアーゲートさんは周りを見た……そして!

巣の中心に巨大なグレイドラゴンを発見したのだった!

体長は30m近くあり、その両脇には部下だろうか?2頭の体長10m位のグレイドラゴンがパタパタと飛んでいる。


アーゲートは何でこんな所にグレイドラゴンが?っと驚いているとグレイドラゴンが話しかけてきた。


「この巣は我々の物です!立ち去りなさい!」


この言葉を聞いたアーゲートと天使達に竜人達が殺気立ち、シリカ達3人はため息をつく……

本気モードを知っているのはこの中でメルクルナとシリカ達だけなので、アーゲートや天使達と竜人達はこのグレイドラゴンがドライトだと気がついてないのだ。

なんにしろシリカ達3人が止めようと前に出ようとした瞬間……


「我が眷属たる天使達にその友である竜人達よ!あの邪悪なドライゲフン!ドラゴンを討ち取って巣を取り戻すのです!」


そうメルクルナがいきなり叫んだのだった。

いきなりそんな事を言い出したメルクルナに3人が驚き止めようとしたが、体が動かずに声も出ない、え!?っとサルファとカーネリア驚いていると、なんとか少しだけ動けるのかシリカが黙ったままだったアンジュラをにらみ、怒りながら言う。


「アンジェどうい事なの?事と次第によっては、本気で怒るわよ?」


「下克上……むふぅ〜……!」


「下克上って、あ、あなたあの話を本気にしてたの!?」


シリカは以前にアンジュラが私も姉になりたいと言ったので「私達と勝負して勝ったら良いわよ?」っと気軽に答えてしまった事が有るのを思い出したのだ。


「……良い度胸ね?こっそり本気モードも使ってるようだけど、私達だって本気モードは出来るのよ?」


シリカがそう言うと、3人の眼と体が光……そして光が消えた。


「あ、あれ?」


「「……!?」」


3人は本気モードを発動させようとして失敗した事に驚く、確かに難しい部分はあるが練習して完全に発動できるようになっていたのに、あっさりと失敗したのだから。


「……元々本気モードはドラちゃんが創った……なら妨害もできる……むふぅ〜!」


その言葉を聞いて3人は気がついた、ドライトとメルクルナとアンジュラが、またつるんで何か仕出かそうとしている事に。


「あ、あなた達何を企んでるのよ!?」


「私はシリカ姉達を倒す……そして私が長姉になる……!

ドラちゃんは……アーゲート小父さんと戦いたいのと……長になる……!

駄神は……暇だったから参加した……」


「あ、あんた等、ってかメルクルナは何考えてるのよ!」


「「………!」」


そんなやり取りをしている間に天使族と竜人族がドライトにステラとルチルの前に出てくる、ハマリエルとフルは何かに感づいたのか、メルクルナの横に控えている……




「邪悪なドラゴンめが!我が名はマルキダエル!逃げるなら今のうちだぞ!?」


「ふん!ドライト様や妹様達の巣を荒らしたのだ、逃がすものか!我が名はアラトロン!竜人族の長なり!」


そう言いながら、2人は威圧を発動させて前に進み出てくる、他の者達はアスモデルとオクが指揮をとり油断なくマルキダエルとアラトロンと連動して包囲してきている、その連携は流石は幹部達とドライトも目を細めている。


だが天使族と竜人族がドライトの前にたどり着く前に2体のグレイドラゴンが立ち塞がった。


「「おまえたちのあいてはわたちがしゅる!わたちはビックグレイドラゴンさまのいちばんのぶか……」」


そこまで言って2体のドラゴンはお互いに顔を見合わせる。


「……わたちがいちばんだよ?」


「……なにいってるの?わたちだよ?」


「わたちです!」


「わたちだもん!」


立ち塞がった2体のグレイドラゴンに警戒した天使と竜人達だったが、いきなり揉めてケンカを始めた、その光景を見て天使も竜人も驚き立ち止まり呆然としていたが次の瞬間、奥に居たビックグレイドラゴンが突進してきた。


「ケンカしちゃダメですよ!2人共一番ですから!」


そう言って2体のグレイドラゴンを優しく抱きしめたのだが、そのままの勢いで天使達と竜人達に突っ込んできた。

一番前に居たマルキダエルとアラトロンが吹き飛ばされ、他の者達は慌てて散り散りに逃げたのだが、「ステラとルチルはお外で見てましょうね〜?」っとビックグレイドラゴンが言いながら、何時の間にか張られていた結界の外にいるセレナに手渡しに行ったのを見聞きしていて……


「「「……ドライト様?」」」


と、つぶやいた瞬間……!全員が爆発した、どうやらハマリエルとフルが花火を皆に向けて撃ったようだ。

アスモデルとオクが「「い、一体何が……」」っと煙の中からフラフラ出てくる、そして「い、良いのかな〜?」「メルクルナ様とドライト様のためよ!」っとハマリエルとフルが言っているのを聞きつけて、「「あんた等!」」っと2人に突進すると、ハマリエルが慌てて2発目を発射してアスモデルに当り爆発した、ハマリエルとフルとオクの至近距離で……そして煙が晴れると天使族と竜人族の全員が気絶していたのだった……


「天使族と竜人族、アウト〜」


そうレムリアが言うと、天使と竜人達が転移で結界の外に出される、その様子をシリカ達3人とアーゲートが目を見開いて見つめていた。

なぜそんなに驚いているのかと言うと、レムリアは明らかに酔っていたからだ、龍神は酒を飲んでも酔う事はない、ステータスが高すぎるのと状態異常完全無効があるからだ、なのに酔っている。

しかもよく見れば他の龍神達も酔っていた、ディアンとセレナは娘の世話があるので飲んでいなかったようで、困った顔をしながら結界内のビックグレイドラゴンを見ていた。


「ドライト、このお酒は本当に問題ないの?」


「母様、私はドライトではありません!邪悪なドラゴン、ビックグレイドラゴンです!

あ、お酒は問題ありのせんよ?本人の許可で酔うように造ったので状態異常と認識されていないのです!」


そこでアーゲートもこのドラゴンがドライトだと気がつき、困ったように語りかける。


「ドライト……悪戯がすぎるぞ?私と本気でやりあ[ドガァ!]いてぇ!?」


何時の間にかメルクルナがアーゲートの後ろに回り込んで神剣で斬りつけていた。


「メ、メルクルナ!何をする!」


「ちょっとメルクルナ!あんた何でそんなに頑張ってるのよ!」


「アーゲートさん、シリカさん……ごめんなさい、この勝負に勝ったら私……龍神様方に強化してもらえるのよ!」


「メ、メルクルナ、お前一応最高神だろうに……」


そう言ってアーゲートは呆れていたが、シリカの怒りは頂点に達したのだった。


「あ、あなたねぇ……!クルルオォォォン」


すると、シリカ達3人を押さえていたアンジュラは驚き慌てて、3人から離れる。

同時にメルクルナも飛んで逃げてドライトの影に隠れた。


「おお?シリカもやるな!ドライトのサポートを受けてアンジュラが構築していた、捕縛結界を力でねじ伏せたぞ?」


「あなた、シリカはあの中で一番才能が無いなんて言われてますが、実際には上手く力を隠蔽しているのよ?

魔法も力も抜きんでた所は無いかもしれないけど、間違いなくバランスが良くて一番強いわよ!」


アンジュラが3人から離れたためにカーネリアとサルファの術も解けて、本気モードを発動している。


「あなた達……ちょっとおいたが過ぎるわよ……!」


「ドライト、お仕置してやるからな!」


「メルクルナさん?覚悟はできていますわよね?」


シリカ達3人は本気で怒っているようだが、横でアーゲートがため息をつきながら、ドライトを諫める。


「ふぅ……数でこちらが上になったし、私も居る以上勝ち目はないぞ?

ドライトと1対1ならまだ分からなかったがこうなった以上降伏しなさい……」


するとドライトはキョトンとして言った。


「何言ってるんですか?これで数は対等じゃないですか!」


「……?そちらはドライトにアンジュラにメルクルナ、こちらは私にシリカ達3人こちらの方が1人多いいではわないか……むぅ?」


アーゲートが何か感じ取ったのか、後ろを振り向くと黄緑色の龍が居た。


「ス、スフェン!?何故ここに!?」


「ママ!?」


そう、アーゲートの妻でシリカの母であるスフェンが、何時の間にかアーゲートの後ろにたたずんでいたのだった。


「……あなた?最近若い子達が子作りに励んでるので子供が増えるから嬉しいわね?」


「あ、ああ……いきなり、な、何を言っているんだ?」


「若い子の中にはつがいの龍がいるのに言い寄る者もいるとか……どう思いま、待ちなさい!」


アーゲートは慌てて結界の外に飛び出し逃げて行くが


「アーゲート、盛大にアウト〜!」


「ほりゃ!」


ヌーマが適当な掛け声と共に放ったブレスがアーゲートに直撃しアーゲートは墜落していく……

それをスフェンが追いかけて行くのを結界内のシリカが呆然と見ていた、そしてシリカがドライトを見ると。


「アーゲートさんが女性に言い寄られてデレデレしている映像をスフェンさんに見せたら、喜んで協力してくれました!」


「……ドライト、その映像後で私にも見せてね?」


「いいですよ?」


「な、何にしろこれで3対3だ!万能型のシリカの姉御に魔法使い型のサルファ姉、戦士タイプの私が居るんだ!負けないぞ!」


そうカーネリアが言うと、水球が落ちてきて頭に直撃した。


「「リ、リア!?」」


「あ、甘じょっぺえぇぇぇぇ!なんだこれ!ドン引きするほど甘くてしょっぺぇんだけど!?」


「私とメルクルナさんの合成技ですよ!私のお酢味にメルクルナさんの砂糖味!どうですか?気持ち悪いでしょう!?」


「へ、変な技を創るんじゃねぇえぇぇ!」


「ちょっとリア!私が水で流してあげるから!……ちょ!?」


カーネリアが叫びながら結界の外に出て湖に向かう、サルファも心配して追いかけて行った。


「カーネリア、サルファ、アウト〜」


「まぁ、変な技だが何度も見ているのに食らうカーネリアに隙がありすぎだのぅ……」


「と言うかサルファは上手く逃げたな……」


「あの子は運が良いと言うか、抜け目がないと言うか……」


龍神達がそう評価しているのをシリカが呆然と聞いていたが、後ろに気配を感じて慌てて振り返ると……

アフロを装備したドライトとメルクルナにストレートヘアーを装備したアンジュラが居た、その数分後にシリカの笑い声が世界樹にこだましたのだった。




「勝利ですよ!勝利ですよー!」


「いや、あれは勝利と言って良いのか……」


「あなたはお黙りなさい!後で色々聞きますから!」


「は、はい……」


結局シリカも笑い過ぎてヒクヒクしているところで、レムリアが「ドライト達の勝ち!」っと言い、この勝負は終わったのだった。

そして皆が感じた力は世界樹を強化するもので、それも上手くいったと聞いて初めて世界樹が大きく育っているのに皆も気がつき、納得した。


改めて世界樹を見ると世界樹は高さが倍近くに、幹の太さは3倍以上に、枝の数は10倍にもなっていた。


こうして世界樹の巨大化は成功しメルクルナは龍神達から力を授けられ力を増し、ドライトとアンジュラは正面から戦えっと言う事で長と姉にはなれず、長と姉になって皆をこき使う計画が頓挫してしまい、泣きながら巣を旅立つ事になったのだった……


「転生してこの巣に住み始めて5年近く色々ありました……

これからも色々あるのでしょうが取りあえず旅立ちです……」


「ドライト?行きますよ?」


「ドライト父に乗っていくか?」


「「にーちゃ!いこう!」」


「母様、父様、ステラにルチル……旅立ちましょう!」


こうして俺達家族にシリカ姉達4人を含めた俺達はメルクルナさんや天使族に竜人族、アーゲート夫妻に見送られて旅立ったのだった……!
















「行っちゃいましたね……」


「寂しくなっちゃうなぁ〜……」


「ハマリエル、フル……また会えるわよ!さぁ、神界に帰って世界の維持管理をしましょう……」


「メルクルナ様……そうですねまた何時か会えますよね!」


「私達もアズラに戻る前に神界メルクに寄って行きますね?これからの事も考えないとですし……」


そして皆が神界メルクに戻り一休みしようと、宮殿に行くと……ドライト達が居た。


「へ?な、何で居るんですか!?」


「遅いですよ!これから私達の引っ越しパーティーなんですから……キリキリ食材を集めてもらいますよ!」


「いやいやいや!旅だったじゃないですかさっき!」


「ですから、旅立って別荘に引っ越してきたんじゃないですか!

これからここが本宅になりますよ!」


唖然としているメルクルナに変わってアスモデルとオクが聞いてくる。


「ド、ドライト様、別の世界に旅立ったのでは?」


「それにこれからここに住むって、本当ですか?」


「なんで安定してて住みやすいこの世界から、まだ幼い妹達を連れて別の世界に行かなければいけないのですか!?

それにオクさんは何言ってるんですか?世界樹にも近くて5分で行けますし、私の渾身の力作の家が有るんですから、住むに決まっているじゃないですか!」


それを聞いたメルクルナは……


「な、ならあんな紛らわしい事言うなー!」


こうして俺達の旅は5分で終わり、別荘が本宅となったのだった。


「ところでメルクルナさん、家賃を……」


「元々私の家なのに誰が払うか!」


こうして同居人にメルクルナが増えたのだった。

お読みいただきありがとうございました。


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