初狩と拷問
ギャアァァァ!?
や、止めろ!止めてくれぇ!
あ、ドライトさんですよ!今拷問されているので、ちょっとお待ちください!
「やめるでしゅ……ちかづくなでしゅよ!」
俺は必死に叫び声をあげて止めるが、黒い影は止まる事なく近づいていく、そして横からは巨大な白い手が伸びてきてこっちに来い、とばかりに掴まれ引き寄せられ、そして……
「ドライト~しっかりと食べるのですよ~」
母様が切り分けたコカトリスを俺の口元に運んできた。
「か、かあちゃま!……ムガ!」
口を開けるとお肉が口の中に押し込まれる。
「モグモグ……ゴクン。
かあちゃま!とうちゃまをとめるでしゅよ!……モゴ?」
「良い子ね~ステラとルチルのお世話はディアンに任せて、いっぱい食べるのですよ~?」
そう今俺は妹達のお世話をする事が出来ないと言う拷問を受けていたのだ!
しかも目の前で父様がお世話してるのだがどうにも頼りないので俺が代わりにと交代しようとすると母様に掴まり、色々とお世話されてしまうのだった。
「かあちゃま!はなしゅて!おせわが!おせわが!!」
「はいはい、1ヶ月間禁止でしょ?
その間私がドライトのお世話をしてあげますからね~」
そう言うとまた目の前にコカトリスの切り身を差し出してきた。
「さぁ、お食べなさい?母の手で獲ってきた物ですからね!」
仕方なく口を開けて食べさせてもらう、母様は満面の笑みで幸せそうだ。
一度、イヤイヤっと拒否してみたのだが、この世の終わりのような顔をされてしまってから、断れなくなってしまった。
「モグモグ……ゴクン!
か、かあちゃま!もうおなかいっぱいでしゅ!」
また切り身を口元に運んできたがすでに5m以上ある大物のコカトリスを1頭食べているので、流石に入らない。
……体長1、5mの俺の体にどうやって入ったんだろ?
なんにしろ、お腹がいっぱいだと言うと「あらそう?なら次はお昼寝ね!」っと母親が言って、抱き抱えられてしまった。
這い出ようとジタバタ暴れると、優しく撫でられてあまりの気持ちよさにウットリとしながら、うとうとし始め眠りについてしまう。
そんな生活が1ヶ月続いてやっとお仕置き期間が終わり、やっと妹達のお世話ができるようになったので、早速卵を拭いていると、シリカ達が話しかけてきた。
「はー、相変わらず上手にお世話するわね……」
「ドライトさんは妹さん達を本当に可愛がってらっしゃるのねぇ……」
「ところでドラ公がお仕置きされてるって事はメルクルナもお仕置きされてるのか?」
「駄神……来ない……」
そう、メルクルナもお仕置きされていてこの1ヶ月顔を見せてないのだ。
「メルクルナさんはヌーマばあちゃのかんしのもと、きょうせいろうどうしてましゅよ」
「うわぁ、ヌーマ様が監視かぁ……」
「ヌーマ様はお厳しいですからね……どうなってるやら……」
「うへぇ、俺だったら速攻逃げるな……」
「ヌーマ様からは……逃げ切れないと思う……」
そんな話をしいると巣の中に転移陣が現れた、シリカ達だけでなくセレナやディアンに祖父祖母達まで警戒して立ち上がる、巣には卵の状態のステラとルチルが居るのだ、たとえ原始の神々だとしてもよほどの緊急事態以外に巣の中に転移陣を張る様なまねはしない。
だからこそ敵の可能性も有り警戒して周りを警戒し威圧を始めたのだが、出てきたのはメルクルナとハマリエルだった、そしてセレナやレムリアを見つけると「助けて!」っと声を上げてレムリアの影に隠れた、そして転移陣からヌーマを先頭にアスモデルとバルビエル、ガムビエルが次々と現れた。
「レムリア!メルクルナとハマリエル見なかった!?」
ヌーマがそう叫んで周りを見回すとレムリアが2人を掴んで自分の影から出した。
「ここに居るわよ?一体どうしたの?」
メルクルナとハマリエルは「ギャー!」だの「お許しください!」などと叫んでいる。
「この子達また天罰と神罰落とそうとしてたのよ」
「はぁ……あまり介入し過ぎるなと言ったでしょうに……」
するとハマリエルが反論した。
「ち、違います!確かに主神室に入ってメルクルナ様と色々していましたが「メルクルナ様と色々した!?ちょっとハマリエル詳しく聞かせなさい!」アスモデルは黙っててってば!」
ハマリエルとアスモデルが揉め始めたので、メルクルナが説明し始める。
「レムリア様違うんですよ!ヌーマ様が話も聞かずにお仕置しようとしたんで、逃げて来たんです!」
「あら?そうなの?」
レムリア達、龍神がそろってヌーマを見るとヌーマは顔を逸らした、モリオンがため息をつきながら言う。
「考えずに行動するのはどうかと思うと何度もだな……」
「だってアスモデルとバルビエルがメルクルナが何かまたイタズラしようとしているみたいだと言ったのだもの!」
皆の視線が2人に行くと2人はそろってガムビエルを見て指差し言い放った。
「「ガムビエルが最初に言い出しました!」」
ガムビエル、独創的な性格をしている研究科肌の天使族の男性で、ハマリエルと何か色々研究したりしている者だ。
ハマリエルはロリ体型の研究と実験好きな天使族の女性なのだが、2人の違いはヤバイ研究をするかしないかだ、ハマリエルはメルクルナやドライトと一緒に研究実験する時に龍神かセレナが監視しなければいけない位のやばさなので、竜人のロリ代表で実験仲間のフルに見張られていたはずだったのだが……
とりあえずレムリアが事情を聞く事にした。
「ガムビエル、あなたは何を見たのですか?」
「は、はい!実はメルクルナ様がお仕置期間中に、ハマリエルの元に来ては何かを話し合っていたんです」
「メルクルナ……あなたよくヌーマの監視から抜け出せたわね……」
「ヌーマ様、たまに孫の様子が気になると言って制御管理室から盗み見してたんで、その間にハマリエルと話してたんですよ」
「「「ヌーマ……」」」
「な、なによ良いじゃないの!私だけ1ヶ月もドライトに会えなかったのよ!?たまに見るぐらい良いじゃないの!」
「あなたがメルクルナのお仕置役したいって言ったんじゃないの……まぁドライトの事見たかったのは分かるけど!」
などと話していると、ガムビエルが恐る恐る話しかけてきた。
「あ、あのぅ、続きは……?」
「あらごめんなさい、それで話し合いの内容は何だった?」
「はい、最初は世界の管理システムの事を話していたので、仕事の事かと思っていたのですが、時々ドライト様や餡子神罰どうやって?などの単語が聞こえてきたので何か良からぬ事を企んでいるのではと……
そしてお仕置期間が終わって、メルクルナ様の事ですからすぐにお休みするかと思っていたら、ハマリエルの所に来てすぐに2人して出て行ってしまい……
ハマリエルの監視役のフルさんも、今日に限っていらっしゃらないのでおかしいと思い、追いかけたんですが主神室に入って何かを始めたので……」
そこでアスモデルとバルビエルが声をあげた。
「そこで私達と会ったんですよ」
「メルクルナ様がお休みに来られないのでおかしいと思い、アスモデルさんに会いに行ったんですがもう帰ったと……」
「それで私も変だと思って、メルクルナ様を探しに出たんです」
「それでガムビエルさんが、メルクルナ様とハマリエルが主神室に入ったと聞いて……」
「制御管理室でドライト様を見つめていたヌーマ様に報告したんです」
するとモリオンが妻のヌーマに怒りだした。
「ヌーマ、それほどドライトを見たければ帰ってきて直接見れば良かろうに!
間接的に見て何が楽しいのじゃ!」
しかしヌーマはモリオン以外の龍神達をも見つめて不敵に笑うと言い出した。
「バカね?何にも分かってないんだから……ドライトが造った制御管理室のシステムの素晴らしさに気づいたら、皆も虜になるわよ?」
そう自信満々に言うヌーマに興味を持ったガンジスが「何が素晴らしいのじゃ?」と聞いてきたので、ヌーマは皆を見回して自信満々で言い放った。
「あの管理システムには……録画機能が有るのよ!」
「な、なんじゃと!?」
「ウソでしょ!?」
「その様な素晴らしい機能が有ったじゃと!?」
「ふふふ……私はメルクルナのお仕置の監視をしていたら気がついたのよ、メルクルナが世界で起きた事の古い映像を見ている事にね……しかも、この世界の創造と共に管理システムも同期されてたみたいで孵化した瞬間とかも見れたのよ!」
「孵化ってまさか……」
「そう!ドライトがよ!?それ以外にも大王ムカデと戦う凛々しいドライトとか、素晴らしい物が映っていたわ!」
そう宣言したヌーマに龍神達が歓声をあげる、「で、でかしたヌーマ!」「ヌーマすぐに行って鑑賞会よ!」「流石はヌーマじゃ!」などと言っていると、セレナが真面目な顔で話し出した。
「皆様お待ちください!」
「どうしたの?セレナちゃん?」
「……ドライト?ヌーマお義母様が言ったのは本当なの?」
妹達のお世話を続けていたドライトは突然聞かれて、驚きながらも答えた。
「は、はいそうでしゅよ?」
「そうなの……ドライト、その映像は取り出せないの?」
「とりだせましゅよ?」
そう言いながらドライトは手のひらサイズの珠を取り出す、制御管理室に浮かんでいる小さな物と同じ様な珠だった。
「これにとりだせばいつでもみれましゅ」
「……なんでそんな良い物があるの黙ってたのですか!」
「りふじんにおこられましゅたよ!?」
セレナはドライトに記録珠をもっと出しなさいと言い、ドライトがとりあえず1人に10個づつと天使族と竜人族用に数千個用意した所で本来の目的を思い出したのだった。
セレナや龍神達の機嫌がよくなった所で、何をしようとしてたのかメルクルナが説明しようとした所で、また転移陣が出てそこからオフィエルとフルが出てきた。
2人とも悩筋族の竜人のなかでは断トツの知性派で常識人だ記録珠を受け取りに来たのだろう。
「どうも皆様、ドライト様が何か素晴らしい物を創られたとかで……我等、竜人族にも与えてくれるとは光栄ですわ!」
「ドライト様〜何創ったんですか〜……あれぇ?ハマリエルが居るぅ〜やっほ〜」
フルが現れたのを見たハマリエルは「やば!」っと、つぶやくと隣に居たメルクルナを見たが、メルクルナは煙の様に消えていて、巣の外でレムリアに捕まっていた。
「レ、レムリア様!ちょっと急用を思い出したので放してください!」
「メルクルナ様、ハマリエルを置いて行くなんて酷いです!」
その様子を見ていたシリカ達は
「メルクルナの奴逃げ足だけは早えな!」
「巣の外に逃げられるまで気がつかなかったわ……」
「シリカ姉様も気づかなかったのですか?リアも反応しきれてなかったですし、本当に逃げ足だけは早いですわね……」
などと言っている間にレムリアによってメルクルナは連れ戻された。
「メルクルナ今はこっちの事を片付けましょう、ハマリエルどういう事か説明して?」
そう言うとハマリエルは諦めたのか何をしていたのか話し始めようとした所で、アンジュラが居なくなっている事に気がついたが、やはり巣の外でヌーマに捕まっていた。
事の発端はと言うとアンジュラがお仕置として世界樹の巣と神界メルクや竜人の街アズラに行ったり来たりしていた時に、ハマリエルとフルが世界の管理システムを調べて、ドライトがした事が凄いと盛り上がっていた所に丁度通りかかったアンジュラが興味を持ったことだった。
アンジュラが何が凄いのかと聞くとドライトが盗賊達を餡子に変えてしまったが設定をすぐに塩になるように戻した事が凄い、とハマリエルとフルが興奮気味に言うのだ、アンジュラが設定変えるのは難しいかと聞くと、並大抵の事ではなく1度天使族と竜人族の幹部が集まり挑戦してみたが無理だったと言われて、アンジュラが興味を持ってしまったのだ。
ヌーマの目を盗んでメルクルナと連絡を取り合い、世界の管理システムの神罰と天罰の設定をいじってみようと決め、ハマリエルを巻き込んだのだった。
フルは真面目なので巻き込むと龍神達やセレナに報告されてしまうと言う事で、メルクルナがハマリエルに仕事が出来たから、ちょっとアズラに戻っててくれと騙して追い出していたのである。
それを聞いたレムリアはと言うと……
「じゃあ、メルクルナにアンジュラ、なんで逃げたりしたの?」
ハマリエルはフルに「仲間外れにしてずるい!」と抗議されて、メルクルナとアンジュラに「もう全部話しちゃいましょうよ……フル、ゴメンってば……」っと仲の良いフルを怒らせた為に涙目でメルクルナに言ってきた。
「ううう……実は設定の変更に成功して何度か神罰を行ったんです……」
それを聞いたレムリアは
「ええ!?で、でも神罰が行われた気配がないんだけど!?」
っと驚いている。
「威力を落としたから……気づかない……」
レムリアとヌーマはどう言う事かちゃんと説明しなさい!っと怒っているがチラチラと手の中の記録珠を見ている、早く終わらせて観たいのだろう。
設定を変えて神罰はタライが落ちてきて頭に当たる、天罰は通り雨に降られる位に変えたのでレムリア達も感知できなかったのだ、だがそこでサルファが言い出した。
「でも、よくあのプロテクト突破したわね?」
「サルファなんか知ってるの?」
「いえ、私も雷落したりしたじゃないですか?それで興味があって幹部達が設定変更するって言うから見に行ったんですよ……
でもプロテクトが堅くて堅くて……一応ドライトさんの許可が有れば外せるらしいんですが、ちょうどお仕置期間中だったので自分が立ち会わなければダメだって、許可くれなかったんですよ」
「へー、ドライトのプロテクト突破したの……ドライトどう思う……って、居ない!?」
シリカは何故か今日に限って大人しくしてるドライトを不審に思って、ドライトを見たらすでに居なかった。
巣の外でガンジスとモリオンが追いかけているが小型化して巧みに身をかわし逃げ回っている……
アンジュラが
「私がプロテクトの解除コード聞いた……ドラちゃんと合流してから本格的に実験するはずだったのに……メルクルナが先に始めちゃうからこう言う事になる……!」
「良いじゃない!ちょっとくらい試しても!」
っとメルクルナと揉めているが共にレムリアとヌーマに捕まっているのでジタバタするだけだった。
「こ、こいつら本気で反省してねぇな!」
「ドライトったら道理で静かにしてたはずだわ……」
「と言うか、ドライトさん凄いですね、まだ逃げてますわよ?」
「おおお!よくあの2人から逃げれてるな!」
「あ、ディアン様も追撃に加わったわ……ってまだ逃げれるの!?」
「セレナ様が怒れば戻って来るんでわ……セレナ様?」
サルファがそう言って、セレナとレムリア、ヌーマの方を向くと3人共に記録珠を取り出して、逃げ回るドライトを撮影していた。
「ドライト!立派ですよ!」
「あの3人から逃げ切れてるなんて、流石は私達の孫ね!」
「あ、モリオンとアホ息子が衝突したわ、うちの男共はまったく……」
そんな事を言っている3人にシリカは、
「いや、止めましょうよ!」
結局セレナが怒ってドライトを呼ぶと素直に戻ってきたのだった……
その後ドライト達3人はガンジスとレムリアとヌーマに、ハマリエルはアスモデルに尻叩きの罰を受け、ディアンが巣に残り世界の制御管理室に映像データを取りに他の皆が向かったのだった。
そして制御管理室に着くとバキエルが司令官専用っと書かれた豪華な椅子に座って、指揮を執っていた、そのかたわらではハナエルがサポートしている。
「各国の軍の動きや傭兵の移動を重点的にチェックしてね!もーアスモデルってばこの忙しいのにまだ帰らないのかしら!」
「まだ連絡付かないの?メルクルナ様にも連絡取れないし……確かに私は皆のサポート役だけど、これはキャパオーバーよ!」
天使達もあっちこっちでアワアワしながら仕事をしている、っと言うか何故かハナエルとバキエルしか居ない、バキエルにいたっては天使族の幹部で最下級の連絡役なのに指揮を執っている、その様子を見てアスモデルが慌てて声をかけた。
「ちょっとちょっと!一体何事なのよ!……ま、まさかとうとう侵入者が来たの!?」
アスモデルが[侵入者]と言ったとたん龍達から凄まじい殺気がふくれ上がった。
あまりの殺気に天使達から「ヒィ!」っと悲鳴が沸き起こる。
「ち、違いますから!侵入者は来てませんから!」
バキエルが真っ青になりながらそう言うと、龍達も落ち着きを取り戻し殺気も無くなる、メルクルナが一歩前に出てなんでこんなに忙しいのか聞いてみると……
「べ、ベヒーモスが出たんですよ!しかも結構な大物が!」
「何ですって!?どこかの街か都市が攻撃受けてるの!?」
メルクルナはベヒーモスと聞いて慌てる、成龍にとっては大した相手ではないが人族などには天変地異クラスの厄災だ、しかし天使族や竜人族が居れば問題無いはずなのだが……
「いえ、ベヒーモスはまだまだ都市や街から離れた場所に居るんですよ、ただ現れる前にクラーケンが現れて、マルキダエルのアホ達が勝手にそっちに行っちゃったんですよ!」
「クラーケンは海上にすら出てないのに管理システムで見つけたら飛び出して行っちゃって……」
「今、竜人族のオクさんに連絡して急遽出撃体制を整えてもらってます」
「あの役ただす共メルクルナ様とアスモデルが居なくなった途端勝手に動き出して……」
そうハナエルとバキエルが言うとアスモデルが頭を抱え、なんであいつ等勝手に出撃するかな!っと怒っている、
「まったく!勝手な行動取るなんて帰ってきたらお仕置ね!」
「命令違反は重罪……!」
「いや、メルクルナとアンジェが言うなよ!」
「メルクルナさん主神室で指揮を取ったらどうですか?」
「ドライト、皆を手伝ってあげ……あれ?ドライト!?」
シリカがドライトに声をかけ居ない事に気がつく、ガンジス達龍神もあれ?っと周りを見回していると、セレナが真っ先に気がつき震える手で中央に浮く巨大な水晶珠に映るベヒーモスを指差した。
シリカ達に龍神達も何事かと見ると……20mはありそうな巨大なベヒーモスに明らかにそこら辺で拾った木の棒を手に取って、突進して行くドライトの姿があった。
そして
「チェストー!」
[ボガアァン!バキィ!]
「フギイィィィィ!?」
タダの木の棒は普通に折れたがベヒーモスの角も一本折れた、ベヒーモスが驚いている間にドライトが次に取り出したのはヌンチャクだった、しかも材質はさっきのと同じそこらの木だ。
「アチョー!」
ドライトが目をつぶり適当に振り回す!
[ドガァ!ボコォ!ゴスゥ!ボキィ!]
「フガァ!グルォォン!ゴガアァァ!?」
やはり折れてしまったがベヒーモスはボコボコになってる、それを見ていたシリカ達は、
「そ、そう言えばドライト、ディアン様がベヒーモスは頑丈で龍の物理攻撃に結構耐えれるぞ、って言われてから狩りたい狩りたいって言ってたわね……」
「それはそうですが……あ、次は木の槍ですね、やっぱりそこら辺の木が材料の……」
「なんでそれでベヒーモスをボコボコに出来るのか聞きたいわ!」
「そこら辺の木でも強化すれば強くなる……それを何時か証明するって前に言ってた……」
シリカ達はそう言って呆れているが、天使族や丁度来たオク達竜人族は目を見開いて固まっている、龍神達は「立派よドライト!」「ちょっとそこの天使さん?ちゃんと記録してるの!?」「見よ、モリオン!真正面から戦うあの勇姿を!」「ガンジス!この映像は他の龍神や原始の神々にも見せてやらんとだな!」などと盛り上がっているが、セレナだけは、「初狩は私達が付き添うはずだったのに!」などと言っている。
と、次の瞬間ベヒーモスがブレスを放った。
一瞬の隙をついたブレスはドライトを飲み込み、後方にあった山にぶつかり大爆発を起こした、そしてドライトは……無傷だった、その手には盾が握られている、その辺の木で作った木の盾が……
そしてドライトは木の盾を持ったまま突進する、シールドアタックやシールドラッシュと言われる技だ、それに対してベヒーモスも巨体を突進させる、そして!
「オリャー!」
「ブモオォォォォ!」
[ドカーン!ボギィ!]
盾とベヒーモスの頭がぶつかると同時に何かが折れる音がしてベヒーモスが倒れた、ベヒーモスの首は衝突の衝撃に耐えれずに折れてしまったのだった。
「しょうりですよー!」
ドライトはベヒーモスの頭に乗って叫んでいるが、かたわらにセレナが転移してきて、「勝手に狩りにいっちゃダメでしょ!」っと怒られ「ゆるしてくだしゃい!みたらがまんできなかったでしゅよ!」っと必死に謝っていた。
「結局木の装備だけで狩っちゃったわね」
「普通にご自分の体で攻撃した方が楽だったんでわ?」
「アホだな……ドライトは間違いなくアホだ!」
「これで次の段階に進める……むふぅ〜……!」
などとシリカ達は言っているが、龍神達がバンザイ!している横で天使族と竜人族がドン引きしているのだった……
ちなみにメルクルナはドライトがベヒーモスに突進して行くのを見てすぐに、アスモデルとバルビエルの2人を連れて、
「お肉をゲットよー!」
っと肉きり包丁と籠を抱えてドライトの元に転移して行ったのだった……
映像ではすでに解体作業に移ってるいドライトとメルクルナが居た、アスモデルとバルビエルは間近で戦闘を見たからか、ベヒーモスを見つめて呆然としているのだった。
「メルクルナさん、いいところばかりもっていかないでくだしゃいよ!」
「良いじゃないですか!こんなに大きいんですからケチケチしないでくださいよ!」
「わたしゅがたおしゅたんでしゅから、わたしゅがいちばんいいぶいもらうでしゅよ!」
「ちょっとは分けてくださいよ!」
などと言い合いをしながらベヒーモスはあっという間に解体されてしまったのだった。
「こんやはやきにくでしゅよ〜!」
「うっひゃー今からよだれが出て来たわ!」
ドライトとメルクルナの歓声が平原に響きながら日は沈んでいくのだった
お読みいただきありがとうございました。
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