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転生龍の諸国漫遊記!  作者: バリ君
幼龍編
20/174

やあ!ドライトさんだよ!

今みんなで食事中なんだ!


父様の狩ってきた獲物や森で見つけた様々な食材をシリカ姉達が調理して、俺以外は人化してバーベキュー大会しているんだ!




「とうしゃま、おいしゅいでしゅ!」


「ハハハ!そうだろう!そうだろう!」


「たまには外で食べるのも良いものですね」


「セレナ、そっちも焼けてるようじゃぞ?」


「ドライト、落ち着いてゆっくり食べなさい」


「うーん、このベヒーモスなかなかですね?ディアン様どこで狩ってきたのですか?」


「1年ほど前に南の平原で見かけてな、愚かにも俺に吠えてきたから殴り殺してくれたわ!」


「それをそのままアイテムボックスの中に入れていたんですか?にしては味に深みがありますね?」


「うむ、人間共が肉を熟成させているだろう?それをマネてな時間が経過するタイプのアイテムボックスに入れて熟成させた物なのだ」


「なるほどなぁ~ディアン様もやるもんだなぁ!」


「……美味しい」


「まだまだ、たくさんあるからな、ドライトもたくさん食べるのだぞ?」


「はいとうしゃま!こっちのあじゅがついたのもおいしいでしゅ!」


「でも以外ね?あなた達4頭の中でカーネリアが一番料理が上手なんて」


「いやぁ、料理上手のセレナ様に褒められるとは嬉しいですよ!」


「少し前にハマって50年ちょっと練習したんでしたっけ?」


「そーなんだよシリカの姉御、なんかハマっちゃってさぁ!」


「ドラちゃん……これも食べて?」


「あい!アンジェねえちゃま!」


「ロック鳥やギュスターヴもいけますわね」


「あ……おもいだしゅましゅた!」


俺はベーコンを貰ったのを思い出し取り出すと、バーベキューコンロの上に乗せて焼き始める。


「あら?どうしたのそれ?」


母様が気がつき近づいてくる。


「キャロにもらいましゅた!」


「こんなに味が濃い物は体に毒ですよ?処分しましょう」


「しょ、しょんな!」


「セレナ?私達が食べても問題は無いですよ?」


「お母様、育児書に味の濃い物は体に毒だと……」


「まぁ……どんな育児書なの?……これ人間用じゃないの参考にならないわよ?」


「ええ!?」




こ、このスキに少しでも食べてしまおう!

っと焼いているベーコンに目を向けるがそこにベーコンは無かった。


「あ、あるぇ?ベーコンがきえましゅたよ!」


「これ結構良いベーコンですね!美味しいですよ!」


っと言う声を聞きそちらを見ると、金髪に金色の目の美女がベーコンをむさぼっていた。

俺はその美女にフヨフヨと飛んで近づくと……


「ちねぃ!」


[ブン!パリン!]


「ヒイィィィ!」


俺の右フックが彼女の防御結界を容易くやぶり、顔にヒットしそうになるが彼女は必死にかわしてレムリア祖母ちゃんの影に逃げた。


「あら?メルクルナじゃない、どうしたの?」


「ばあちゃ!しんにゅうしゃでしゅ!つかまえてじつけんざいりょうにしましゅう!」


「いやあぁぁぁ!なんか凄い力を感じるうぅぅぅ!」


俺は怒りに燃え偽装を解除し力を解放させた。

そして、大きく口を開けると……


ズバアァァァン!


母様直伝のレーザービームのようなブレスを侵入者に向け放つ!


「いやあぁぁぁ!」


バシン!


「はじかれましゅた!?なりゃせっきんしぇんでしゅ!」


羽を広げいったん距離を取ると、一気に速度をあげて侵入者に向かう!


「とつげきでしゅー!」


[ガシッ!ジタバタ!ジタバタ!]


「な、なんかしゅしゅみませんよ?あ、じいちゃ!」


俺は突撃中にガンジス祖父ちゃんに捕まってしまっていた、ブレスを弾いた結界も祖父ちゃんが張った物みたいだ。




「ガ、ガンジス様助かりました!」


「ドライトやこんなんでも一応この世界の最高神じゃ、許してあげなさい」


「……ベーコンどろぼうじゃないんでしゅか?」


「……最高神でベーコン泥棒じゃな!」


「ひどいですよ!?」


「やっぱり、いちゅかいなぐりゃせてくだしゃい!」


「やめてえぇぇぇ!」


「ドライトお止めなさい!」


今度はレムリア祖母ちゃんに止められる。


「な、なんででしゅか!たのしゅみにしゅてたベーコンをにゅすんだ、ごくあくにんでしゅよ!?」


するとレムリア祖母ちゃんは、悲しそうにこちらを見ながら、止めた理由を言ってきた。


「ドライト……こんなんでもこのメルクルナはこの世界の管理神、つまり最高神です」


「こんなんってレムリア様ひどいです!」


なんか最高神が言ってるが無視して進める。


「もし、このメルクルナが居なくなってしまったら……」


「ど、どうなるのでしゅか?」


「居なくなれば……この子の代わりに私達龍神が世界の管理をしなければいけなくなる……つまりドライト達、孫と遊ぶ時間が無くなってしまうのです!」


「そ、それはいやでしゅ!」


「い、いやレムリア様もっと大切な理由があるんじゃ!」


「孫との一時以外に重要なものなどありません」


「セ、セレナ様!セレナ様からも言って」


「静かに!」


「ふわい!?」


「ドライト……お休みの時間よ?こっちにいらっしゃい?」


「かあちゃま!きょうはちゅかれましゅた!はやくねましょう!」


「ちょ!ちょっとま」[ゴキィ!]


「……静かに、ドラちゃんおねむだから」


アンジェ姉さんにメルクルナは眠らされ辺りは静かになる、そして皆が龍の姿に戻り眠り始める、俺も母様と父様にはさまれるように抱かれ眠りにつくのだった……




メルクルナの頭が変な方に向いていた事は気にせずに。




そして、夜が明けた。


「ううん……あさでしゅか?」


「お早うドライト」


「かあちゃま、それにとうちゃまおはようでしゅ!」


「うむ、良い朝だな!」


皆に挨拶しながら周りを見回すとメルクルナがうつ伏せで地面に寝ていた。


「いちばんに、ねたのにまだねてるなんちぇダメなちとでしゅね!」


「気絶してたのよ!」


メルクルナは飛び起きると叫びだした。


「あさからうるちゃいどろぼうでしゅね」


「だ、誰が泥棒よ!?私はメルクルナこの世界の管理神であり最高神なのよ!?」


等と言ってふんぞり返っていたので俺は、


「ほんとにうるちゃい、かきゅうしんでしゅね……」


っと言ってあげると、


「……な、なんで知ってるのよ!?」


「ふんいきでしゅね」


「うわあぁーん!幼龍にまで言われた~!」


っとメルクルナは等々泣き出してしまい、それを見ていたレムリア祖母ちゃんが俺に……


「ドライト、あまり虐めては可哀想ですよ?龍の眼で見たのでしょう?」


「はい、そうでしゅ!」


「うわあぁーん!レムリア様ぁ!」


ますます泣き出したメルクルナは放っといて俺は朝飯にする事にしたのだった。




俺達が朝食をとっていると、何時の間に復活したのかメルクルナが一緒に飯を食べていた。


「しれっとまじゃってるかたがいましゅね……」


「い、良いじゃないですか!たまには私だって美味しいご飯が食べたいんです」


「メルクルナ、あんた一応最高神でしょ?貢物とか捧げ物とか色々有るでしょうに……」


「シ、シリカさん一応ではなく私が最高神ですよ!」


「信仰されてないんじゃねぇの?それで捧げ物が無いとかさ……下級神だし」


「カーネリアさん!し、失礼な事言わないでください!この世界に神は私しか居ないんですよ!信仰されまくりです!」




……ん?ちょっとまてよ?この邪神、今変な事言ったぞ?


「ちょっとまってくだしゃい、このじゃしんへんなこといいましゅたよ?」


「あ、あのドライトさん邪神ってどなたの事を……?」


「こいつでしゅ」


そー言ってメルクルナを指差すと皆が一斉に吹き出した。


「ぶふぅぅぅぅ!」


「あ、貴方、汚いですよ……プククク」


「ド、ドライト失礼ですよ?……クスクス」


「邪、邪神……グフ!」


「な、何てこと言うですか!それになんで皆笑ってるんですか!うわーん!」


メルクルナは抗議して泣き始めたがアンジェ姉さんが止めを刺した。


「邪神にはとても見えない……」


「そ、そうですよね!アンジュラさん!」


「邪神と言うより駄神だと思う……」


これが止めとなり皆が笑いこけて駄神メルクルナは大泣きしてしまった。

なんとかシリカ姉とサルファ姉に母様と祖母ちゃんがなだめて泣きやんだが、父様が俺に話の続きを聞いてきた。




「そ、それでドライト何が変な事なんだ?」


俺は少し長くなるので念話で伝える事にした。

母様には家族の会話は念話など使わずに普通になさいと言われていたが、舌足らずだと説明しにくいからね!


『父様、普通は世界や星の管理に来る神は原始の神に選ばれた最上級神や最低でも中級神なのです、それに下級神や上級の精霊達が多数サポートにつきます。』


「そう言えばそうだったな」


『なのにメルクルナは下級神で、しかも私以外に神が居ないと言いました、これは異常な事です』


「あら?ドライトさん、他の世界や星には1柱しか神が居ないのも有ると聞いた事が有るわよ?」


『サルファ姉、それは原始の神が気に入り原始の神が治めているか、最上級神の中でも特に強力な者に任せた場合か邪神や魔神などに乗っ取られた場合だけです』


「……メルクルナ、本当は邪神?」


「アンジュラさん、失礼な事言わないでください!私は清廉潔白ですよ!」


『アンジェ姉さん、それはありえません』


「そーだ!そーだ!ドライトさんもようやく私の素晴らしさに気がついたのですね!」


『単体で世界や星を乗っ取れる様な強力な邪神や魔神が生れれば、武闘派の原始の神や龍神達が喜んで討伐に向かいます、良い暇つぶしになりますから』


「……へ?ド、ドライトさんそれってどー言う意味ですか?

邪神の軍団や魔神の集団に乗っ取られた世界に上級神様達や龍の方が討伐に行く時が有りますが原始の神々様や龍神様方が行かないの不思議だと思ってたんです、何故単体だと行くんですか?」


『集団でしか乗っ取れないような低レベルなんて、相手にしても面白くもないと感じているのでしょう、メルクルナさん貴女はミジンコ潰して面白いですか?』


「そ、そんな理由で……」


『たまに行く方が居ますが憂さ晴らしか暇すぎてつまらないからですね、それでメルクルナさんが単体で乗っ取れるなら良い暇つぶしになりますから……ここにも4体の龍神がいますからね……意味は分かりますね?』


「ひぃぃぃぃ……」


『それで何故下級神の貴女が治めて貴女しか神が居ないのですか?』


「そーいやその話だったけ……言われてみりゃ変な話だよな?」


リア姉がそー言うとメルクルナはまた泣き出し始めながら訳を説明したが、その訳を聞いて皆呆れてしまった。




メルクルナが言うには元々この世界が創られた時に来る神はかなり強力な最上級神の1柱が多数の上級神を引き連れてくる予定だったのだが、龍陣達がこの世界を原始の神々が創り始めた時に、原始の神々に安定して中々良い場所だから産卵地を創らせろと言って、世界樹を植え産卵地にしてしまったのだ、そこで盟友である龍神達が関わったこの世界に誰を派遣するかで神々は揉めてしまったのである。


最上級神を送り込むのは当たり前だが1柱で良いのか?複数で送り込むべきだ!っと言う者と、原始の神々が直接出向くべき世界だ!っと言う者で真っ二つに別れてしまったのだ。

そんな事で揉めていると龍達は次々とこの世界に移り住み産卵に備えた、そしてそれを見守るべく龍神達も複数が監視と守備のために来る様になり、とうとう住み始める者が居た、それが龍神の中でも最古参で特に強力だと言われている100体のうちの4体つまりうちの祖父ちゃん祖母ちゃん達の事だった。




んで、神々は思ったんだそうだ、あれ?これ俺達行かなくても良くね?っと、アホみたいに強力な古参の龍神4体が居るのに俺達行っても意味ないし、他にも管理しなければいけない星や世界が有るんだから上級神を派遣したらもったいないだろ!っと、


で、神々は駄神のメルクルナを派遣する事にした、しかも1柱のみで。

メルクルナは来る時に原始の神々にこう言われたらしい、


「困った事が有ったら龍神や龍を頼れ」


っと、んでメルクルナは頼ろうとしたんだけど……


妊娠中や子育て中で気が立っている龍達が頼みを聞く訳がない、龍神達は遊び(邪神の討伐)に夢中、仕方がなくメルクルナは精霊たちの助けをかりてなんとか管理していたんだが、問題が起きた、レムリア祖母ちゃんが信仰され始めたのだ。


原始の神が神々に与えた力の1つに信仰を己の力に変えれる。っという物が有ったんだけど、レムリア祖母ちゃんが信仰されてそっちに力の一部が流れてしまった。

下級神のメルクルナは力が落ちて慌てたが龍神のレムリア祖母ちゃんに文句を言えるわけがない、食事もままならずに頑張っていると不思議な事が起きた、いきなり亜神が生れたのだ。


しかも将来的には神になってもらい、手伝ってもらいたいと期待していたジェードより神格が高い。

な、なにごと!?っと見に来たら俺達が居て美味しいそうに飯を食っていた、という訳だった……


「って言うか亜神が生まれたのにあなた方、主にドライトさんが関係してますよね!?何故に亜神がいきなり生まれたのか誰が亜神になったのかキリキリ答えてください!」


「し、しりませぇんよ?なにをいっちぇるでしゅか!」


俺はとぼけようとしたが


「亜神が生まれた時と昨日私を抹殺しようとした時の波動が全く一緒じゃないですか!

お願いします!もう300年寝てないんです!手伝いが欲しいんです!たまには寝たり食事をとりたいんですぅぅぅ……」




そう言いながらメルクルナは俺にすがってきた、俺はどうやって逃げ出すか考えていると頭の片隅でジェード達の事を思い出し、素晴らしい閃きが生まれたのだった。

お読みいただきありがとうございました。


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