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転生龍の諸国漫遊記!  作者: バリ君
何も始まらない日々
120/174

今必殺の、ひき逃げアタック!

残酷表現が有ります。


俺達の目の前に現れたのは、絶世の美男美女達だった。


男達は並べと声を荒げ、数人居る女達はニヤニヤとそれを見ている、俺はそれを見ていて『あれ?ドライト関係じゃないのか?』っと思い美男美女達を見つめていた。


すると教師―――俺達の学年の学年主任が1人の男の前に立ち、叱りつける。


「何だあんた等は!ここは校内だぞ!?許可なく入るな!」


そう言った次の瞬間だった!


[バキィ!]


「ゲフ!?」


男は学年主任をいきなり殴ったのだ!


学年主任は10メートル程も吹き飛び、口からダラダラと血を流しており、どうやら顎が砕けてしまった様で「アウアウ」と声になら無い声を出している。


その光景を見て女子からは悲鳴が、男子生徒からは怒号が出た時だった、圧倒的な圧力を感じる声が響きまわった!


「止めよ!」


そちらを見ると威厳のある初老の老人がおり、横に居た最も妖艶な美女に視線を送る。


それを受けて美女が手を振ると、学年主任は口から血が出なくなり、驚き戸惑いながら立ち上がる。


「すまぬな、だが我が眷族達には血の気が多い者も居るので、余り騒がんで欲しい」


そう言って頭を下げる年寄りに詰め寄ろうとした教師も居たが、周りに居た美男美女達に殺気が込められた視線を受けて、慌てて引き下がっていた。




それを見て年寄りは美女を傍らに呼び戻し、語り始めた。


「ワシの名はハザ、アルレニアの創造神じゃ。

この者はアルレニアを任せておるアルレニスじゃ、少しワシの話を聞いて欲しい」


その言葉を聞いて俺の、俺達の不信感は確信に代わる、実はこの男女が現れる前に朝日や円達と少し話していたのだが、その内容と言うのが今回の召喚は違和感があると言うものだった。


その時の話し合いでまず梨花と香織姉が変だと言った、何が変なのかと聞くと2人は――


「今回の魔方陣、何時ものと全然違いました」


「それに……なんか禍禍しい感じがしたわ」


その言葉に朝日に弘志、そして円と俺は思い出し納得する。


初めて召喚の魔方陣を見た桐澤さんと百合ちゃんも、気味が悪かったとうなずいている。


そして朝日はと言うと。


「ハザ様かアルレニス様が召喚したのなら、前みたくフォルセクル王国に呼び出すはずだ」


この言葉に桐澤さんと百合ちゃんは、「本当だったんだ……」「弘志くんの言う事だから信じていたけど……」っと、言っている。


この2人には朝日と弘志がそれぞれに話していたのだ、深く愛している婚約者と恋人の話でも、心のそこからは信じられていなかったのだろう。


……そりゃまあ、もし俺が召喚されずにいて、円や梨花からそんなこと言われたら今頃病院に放り込んでいたから、誰にも喋らずに信じようとしていたこの2人の方が凄いわな!


何にしろ朝日の言う通りに何時もと場所が違う、そして俺が1番の違和感言う。


「あの駄龍がまだ現れないのはおかしい!」


「「「確かに!」」」


「いやいやいや、他にも有るでしょ!?

確かレムリア様だっけ?あの方にハザ様もアルレニス様も異世界召喚は、止められてじゃない!」


等と話していたのだ、そして現れた美男美女も確かに美しいのだが、男からは酷薄さがにじみ出ており、女達は妖艶なのだが軽薄さが出ていた。

そしてこの美男美女達からは、ハザ様やアルレニス様の様な神聖なものが感じ取れなかったので、不信感が増していたのだ。


そして初老の男が名乗った名を聞き、俺達の不信感は確信に代わったのだ、何故ならこの2人はハザ様やアルレニス様とは似ても似つかなかったからだ!




そして俺達は8人で固まり、ハザ様の偽者の話を聞く。


偽者が語ったのは自分が創造し、女神アルレニスが管理していた世界アルレニアに、突如邪神とその尖兵たる龍が攻め込んで来たのだそうだ。


そして現在はその邪神と龍と、一進一退の戦いを繰り広げているとの事だった。


「じゃが最近、邪悪な龍である邪龍ドライトと言う者がとんでもないことをしでかしたのだ……」


そこまで聞いて俺達5人は吹き出した。


「じゃ、邪龍……!」


「ブハハハ!」


「冗談でも面白すぎる!」


「セレナ様に叱られて、お仕置きの尻叩きにあった後で悶えて転げ回ってたのに……!」


「や、止めて円ちゃん、思い出させないで……!」


笑いをこらえる横では香織姉だけが「ドライト様に失礼よ?」っと怒っていた、そして近くに居た男に「そこ!五月蝿いぞ!?」っと怒鳴られて俺達は静かになる、何故ならば怒声に殺気が込められてて、ビビってしまったからだ!


何にしろ偽ハザが話を続けるので、今はそちらに集中する。


「邪龍ドライトがやったこと……それは、魔王をアルレニアに放ったのだ!」


辺りは静まりシーンとする、すると1人の男が前に出て偽ハザに向かい手を上げる。


「質問か?良かろう、言ってみよ」


「……創造神様、まずはそのアルレニアと言う世界に私達を送り込むと言うことで良いのですね?」


この質問した男は自称朝日のライバル、岡田公正と言い生徒会長だ、本当は朝日の方が票が多かったので朝日がなる予定だったのだ、桐澤さんとのデートや俺達と遊ぶ時間が減ると固辞したのだ。


そして教師達には勉学の妨げになると言う理由で納得させて、次点だった岡田に生徒会長をやらせることに成功した。


え?俺とか円達?うん、裏工作して票を分散させて、全員が見事に落選したよ?

めでたくも当選した朝日と桐澤さんが「卑怯者!」って言ってたけど、裏工作し忘れたのが悪いのだ!


何にしろ今は岡田と偽ハザの会話に集中する。


「そうじゃ、そして魔王を討伐して欲しい……そのための力も授けてやろうぞ?」


「つまり私達に……勇者になれと?」


「そう言うことだ……」


偽ハザの言葉に、岡田はニヤリとする。

岡田以外にも、そこそこの男子とごく少数の女子が嬉しそうにしていたが、意を決して桐澤さんが手を上げる。


「……魔王を討伐したら、私達は帰られるのですか?」


少し震え、朝日の腕にしがみつきながら質問した桐澤さんに岡田が、「怖かったらこっちにおいで?」っと言って腕を広げている、そしてその光景を見た桐澤さんや円達をドン引きさせている。


そんな岡田に朝日が文句を言おうとしたが、偽ハザが言い放った言葉に固まってしまう、それは朝日だけでなく、今やほぼ朝日に抱きついている桐澤さんや俺達生徒達、教師もだった。


「それは出来ぬ、何故ならばお前らは……もう死んでいるからな」




「……え?」


「死んだって……どう言うこと?」


「う、嘘だろ……!?」


教師達も生徒達もざわつき始める、それを美男美女達に俺達を怒鳴った男と偽アルレニスがニヤニヤと笑って見ている。


「魔方陣で迎え入れたのは魂だけだ……肉体はすでに滅んでおる、帰るのは諦めるんだな」


続けて言われた偽ハザの言葉に、女子や男子生徒達から悲鳴と嗚咽が上がる。


普段は気丈な桐澤さんも、怖がって朝日の体に抱きついて……おい、口元がにやけてるぞ?


な!?朝日の隣で百合ちゃんも弘志に抱きついている、しかも「怖いからチュウして!」とか言ってんぞ!?

2人ともどういう神経してんだ!?


「星司、怖い!私も抱き締めてチュウして!」


「なら私は抱いてください、ベッドの中で」


「ちょっと2人とも!初めては3人一緒にって、約束したでしょ!?

星ちゃん、今夜で良いのよ?」


もっと、とんでもない神経してるのが3人も俺の近くに……あ、幼馴染みだったわ、この人達!


朝日が桐澤さんの腰を抱き締めながら


「愛してるよ……頼子……」


っと、囁き。


その横では弘志が百合ちゃんを抱き締めて、濃厚なキスをしている。


俺の回りでは、


「ねえ、早くキスして……」


「順番決めましょう、順番を!」


「私は最後でも良いわよ?

その代わり一番長くしてもらうの……キャー!」


っと円に梨花、香織姉が言っていて、周りの生徒達と教師達が何してんだ、こいつら!?っと驚愕の視線を向けてきている。


そんな俺は黄昏て遠くを見つめていたが、たまたま見ていた校門が独りでに勝手に開き、開ききった所で入り込んできた影を見て驚き大声で叫ぶのだった。




「な、なんじゃありゃ!?」




「おい、貴様ら!さっきから五月蝿いしイチャつくな!……なんだ?」


俺に怒鳴り付けてきた男だったが、俺の視線と異様な気配に校門の方を向く、円達もそちらを向き


「……トラックね」


「10トントラックみたいですね?」


「と言うか、デコトラ?」


香織姉に梨花、円が言い。

周りのクラスメイトや教師達も気がつき始める、朝日に桐澤さん、弘志と百合ちゃん達は……自分達の世界を造ってるな。


何にしろ俺が驚きで声を上げたのは、校門から入ってきて俺達の方に爆走してくるトラックを見たから―――ではなく、運転席と助手席に座ってる人物を見たからだった。


運転席にはどっかで見たことのある金髪ツインテールのロリっ娘が座り、助手席には……ありゃチャイルドシートだな、チャイルドシートに座った1メートル位の銀色の龍が座っていたからなのだ!


ん?トラックが爆走してくるのに余裕があるな?

うん、正確に言うと俺達に向かってと言うか、俺達の前に居る美男美女達に向かってるからなんだわ。


それで美男美女達はというと、学年主任を殴ったり殺気がこもった怒鳴り声を上げていた男がトラックの前に立ち、つまらなそうにトラックに向けて手を上げる。


「あー、やめておいた方が良いと思う[ドン!グシャ!]おおお!マジで轢きやがった!?」


立ちふさがった男を轢いたデコトラは更に加速して、美男美女達に突っ込む!


「「「な!?」」」


[ドン!ドカ!グシャ!]


俺はそれを見ながらドン引きしてつぶやく。


「ひ、酷い事に……」


男は結界を張ったのか、それとも素手で止める自信が有ったのか分からないが、余裕の表情でトラックの前に立ちふさがっていて、キッチリと轢かれて酷いことになってしまう。


そして他の美男美女達も油断していたのか、アッサリとトラックに殺られていったのだった。




結局、金髪ツインテールのロリっ娘、ユノガンドが運転するデコトラは次々と美男美女達を轢いたり撥ね飛ばしていき、回避できたのは偽ハザと偽アルレニスだけだった。


美男美女を轢いたデコトラは、少し離れた所でドリフトターンでUターンをすると俺達の前までやって来る。


そして俺達の前で止まると運転席からはユノガンドが、助手席からは銀色の龍、ドライトがチャイルドシートから抜け出るのに少し手こずりながら降りてきたのだった!

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