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転生龍の諸国漫遊記!  作者: バリ君
幼龍編
12/174

母様

「クオォォォン……」


「ギャアァァァ!」


い、何時の間に捕まった!?何故俺の完璧な作戦が失敗したのだ?

情報が漏れてたのか?スパイか?スパイがいるのか!?

と、とにかく逃げなければ!


ジタバタ!ジタバタ!!


無理でした!ガッチリ掴まれています、はい!

す、少しでも隙間があれば抜け出せ……ギャー!な、舐められたぁぁぁ!?


「味見?味見ですか!?」


白龍は俺を捕まえて嬉しそうに舐めてきた、そうこうしてる間に他の龍達が集まってくる白龍は俺の巣の近くに着陸すると、また顔を寄せてきたのだった。


「止めて!食べないで!俺なんか食べても不味い……いや、世界樹の果実と蜂蜜で甘くなってるかもしれません!

適度な運動(登山)と休息でA5ランク和牛みたいな霜降になってるかと思いますので美味しいかもしれませんが世の中他に色々な食べ物がですね!」


慌ててジタバタしていると周りに気配を感じた、うん包囲されてるね!

俺と白龍を中心に5頭の龍達が居た、そして俺の方を見て白龍と


「グルルルル……」やら「グオォォン!」やら「クオォォォン……」と話し合ってるようだった。


く、くっそー食べる相談ですか!?ステーキにするかスキヤキにするか決めてるんですか!?

個人的には、焼き肉がお薦めです!


あああ……また白龍の顔が迫ってくる!踊り食いですか!?生のままいっちゃうんですか!

なんとか食われまいと自由な手と白龍の指の間から出ている足をバタつかせて抵抗すると白龍が鳴きながら人差し指を向けてきた。


ちくしょう!諦めたら試合が終わっちゃうどころか、龍生が終わってしまう!

まだまだ異世界を満喫してないのに諦められるか!


俺は必死の抵抗で差し向けられた指に噛みついたのだった!

そして……


「クオォォォン……」


あまりにも哀しい鳴き声にハッとして白龍を見ると涙を流しながらこちらを見ている、そしてその瞳を見つめていた俺はその瞳の中に俺を慈愛と愛しさで見つめる瞳に気がついたのだった、そして俺は……


「母様?」


そう、つぶやいたのだった。




ついでに黒龍は俺が白龍の指を噛んだ途端、凄まじい雄叫びと殺気を放ったが速攻他の龍達に叩き落とされてた。




やっと……やっとだ……!

この1ヶ月探し求めた大切な我が子をこの手に掴む事ができた、だが我が子ドライトは私の手からなんとか逃れようと暴れている。


私はドライトを安心させる為にひと舐めするとドライトはますます暴れる、何故?私が母よ?安心して良いのよ?私は困り果てていると両親と義父、義母にディアンが帰ってきた。


「ドライトを捕まえたじゃと!?」


「どこに居たの!?」


「上層の、巣よりも更に上に居たようです、私が巣から出たら上から降りて結界内に逃げ込もうとしてました、ドライトお祖父ちゃんにお祖母ちゃん達ですよ?」


「な、なんと」


「上に行ったかもしれないとは思ったけど巣よりも上に居たなんて」


「まったく手間かけや「「お前ほど手間かけとらんわ!」」そろそろマジで泣くぞ!?」


「ふふふ、ドライトったら元気なんだから……でも、もう放しませんよ?」


もう一度安心させようと顔を近づけると必死に暴れる、なんで暴れるの?なんで逃げようとするのドライト?母がここに居るんですから心配しなくて良いんですよ?


「セ、セレナ……と、取りあえずドライトに龍語と念話を教えましょう?」


私はとにかくドライトを落ち着かせたくて、撫でてあげれば安心するかと思い指で撫でてあげようとした。


「ほーら撫でてあげますよー?」


「セ、セレナ、ドライトが怖がってるようじゃが……」


「いやだわ、お父様ドライトは私の息子ですよ?怖がるはず[ガブ!]え……?」


驚き自分の手に目を向けるとドライトは、怯えながらもなんとか私の手の内から脱出しようと私の指を嚙んでいる……なんで?私に怯えている?


「ドライトはセレナ、あなたの事を母として認識していない様ね……」


「そ、そんなお母様、ドライトは私の「貴様あぁぁ!」あ、貴方!?」


私の指から血が出てるのを見たディアンが激高してドライトに吠えるとお父様達に叩き落されていました。


「元々お前が原因だろうが!」


「流石に私も許せないわね?」


「こんのおぉぉぉバカ息子があぁぁぁ!」


「孫に何をしてるのこのバカ!」


「だってセレナに嚙みついてえぇぇぇ……」


バカ亭主の事は今はどうでも良いです、今大事なのはドライトが私を母として見てくれてない事です!

見るとドライトは必死に私の指に噛みついてます……私は悲しくなり泣きながら


「ドライトぉぉぉ……」


と、呼びかけました。

するとドライトがこちらを見て、必死に噛んでいた指から口を放すと……




「かあちゃま?」


「ドライト!そうです母ですよ!!」




「かあちゃま?」


なんか、幼児語になった?まぁ、龍語習ってないしインストールしてないからな……

とりあえずもう一度聞いて


「クオオォォオオオオン!」

「ギャーみ、耳がぁ〜!」


至近距離で白龍の雄叫びを聞いてしまい、耳どころか頭が爆発しそうなほどの衝撃を受けた。

そして白龍は「クォン!クォン!」と鳴いている、もう一度言ってと言っている?よ、良し聞いてみるか?


「かあちゃまですか?」


「……クォォオオォォォン!」


おお、今回は声を抑えてくれたようだ!

嬉しそうにこちらを見つめてくる、白龍の眼を見ているとまた慈しんでくれてるのが分かる……あれ?この感じどっかで受けた事が……

ああ……そうだ卵だった時、側に居た女性が旅立つ寸前に向けてくれた感情だ……あの時と同じ……変わらない感情……母様……母様だ!


そして俺は白龍のいや母様の指から血が出ている事を思い出した、自分はなんて事をしてしまったんだと罪悪感と後悔が襲ってきて、気がつくと必死になり怪我を舐めてなんとか治療しようとしていたのだった。




「かあちゃまですか?」


「……ドライトォォ!そうですよ!」


「セレナを母として認識した様ね!」


「おお、感動的だのぅ……!」


「見て!傷を舐めてるわ!」


「治そうとしているのじゃな!」


「自分で傷つけて治すなんて、なんてアホ[ゴキュ!]……」


「レ、レムリア、ディアン完全に白目になって落ちていきおったぞ?」


「ほとっけば良い、友よ、今は麗しき親子愛を見守ろう……」


「そうよ?アホな息子の事よりもこっちの方が大事よ!」


「見て!セレナの幸せそうな事……ドライトも母に抱かれて本当に幸せそうよ!」


「わし、ちょっとディアンが可哀そうになってきたわい……」




こうして俺は母親と再会を果たしたのだった……!




「ところでかあちゃま、とうちゃまはどこですか?」


「さっき、とても遠いい所に旅立ちましたよ?ふふふ……」


遠いい所ってどこ!?

お読みいただきありがとうございました。


感想、ブクマいただけると嬉しいです。

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