捜索
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↑に登場人物の設定などがあります。
「ど、どーしろって言うんだこれ……」
俺はボー然と自分の巣の方向を見つめていた……
新たに加わった4頭の龍、明らかに今まで居た2頭よりも強い、俺なんか比べる事すらできない程の強さだ。
そして下層の探索に向かった4頭の龍以外に白龍が巣に残り、黒龍も復活したのか下層に向かっていく気配を感じる……
巣の近くに行っても探索能力の高い白龍が居る、一度下層に逃げようにもそこには5頭の龍達が居る、そして来る気配のない援軍。
飛んで別の場所に逃げるにしても、新たに来た4頭のスピードを考えると即捕まるだろう……
「あ、あれ?つ、詰んでねこれ? い、いや考えろ!俺の脳細胞よ死なない程度に頑張るんだ!」
っと新たな作戦を考えていると急にふっと暗くなった、ん?もー夜か?っと顔を上げるとそこには30mを超える巨大な白く輝く、透明で澄んだ色の龍が居た。
「ギャアァァァ!」
い、いかん考え事してたら見つかってもうた!しかもこいつさっきの4頭の中でも1番力を感じた奴だ!
ど、どーする?逃げるか?い、いや無理だ!どーしよ!どーしよ!?
っと俺がアワアワしていると何時の間に下層から戻ってき透明な龍はこちらに語り掛けて来た。
「グルゥゥゥ……ガアァァァァ!」
う、うん何言ってるか分かりません!龍語覚えておけば良かったわ!助けて駅前留学!
俺に語り掛けてきている様なのだが、俺には吠えてるとしか聞こえないのでますます混乱してしまいそうになるが一瞬、透明な龍の金色の眼がキラッと光り俺は体にピリ!っとした感覚をおぼえた。
『鑑定されてる!』
以前、龍珠さんに鑑定された時と同じ、いやそれ以上に深く何かを調べているのが自分にも分かるのを感じ俺は慌てて偽装しなければ!っと思ったのだが、魔法を使えばすぐにバレるだろうし、一体何を偽装すれば良いのか分からなかった。
だが魔法以外で偽装できるのを思い出した俺はとにかくなる様になれと、“根性”で適当に偽装したのだった。
「ぬぅ?」
「どうしたのだガンジス?」
「いま中層の上の方に何か居たような気がしてな……」
「勘違いじゃないの?バカとセレナちゃんが居たのに加えて、私達まで来たのよ?普通のモンスターならとっくに逃げ出してるはずよ?」
「うむ、それに孫の脅威になる様な者が居たとしても我らの探知から逃れられるとは思えんぞ?」
「うむ……いや、気になる確かめてくる」
「ふむ、ならわし等は先に下層に行き邪魔者を殲滅しておく、ガンジスは後から確認しながら降りて来てくれ」
「そうね、万が一もあるし確認しといた方が良いわね、じゃあ私達は先に行くわ!」
「うむ!何者か調べてから確認しつつ降りる、下層で合流しようぞ!」
こうして龍神ガンジスは中層に戻ったのだったが……
「なんじゃこいつは?おいお主ドライトと言う幼龍を見なかったか?」
「が、があぁぁぁ!」ブルブル
そこに居たのは銀色の子竜だった、龍語も解らないようで語り掛けたが脅えて震えている、最初は龍かと思い鑑定してみたが結果が……
名前 unknown (有ったけど忘れた)
種族 竜族 (ウソなんてついてません!)
状態 子竜 (あっちも子供)
ステータス
しょぼすぎるので見ないでください……
スキル
魚の目(痛い) 性の知識(完全掌握)
称号
登山者?(バカなので山ではなく世界樹に登り始めた、つまり登山者ですらない)
色々と突っ込みたいガンジスだったが今はドライトの捜索が最優先である、一応滅ぼそうかと思ったが今は葉っぱに頭だけ隠して震えている。
色々哀れになったガンジスは同じ龍種と言う事で見逃す事にしたのであった。
(しかし、銀の竜とは初めて見たのう……とにかく探索に戻るか!)
こうしてドライトは危機から脱し、ガンジスは千載一遇のチャンスを逃したのだった。
「い、行ったか……助かった……」
最初偽装したステータス見てどーしてこうなったんだ!っと思ったが突然の閃きで出来るだけ哀れな風を装ったのである。
「これ以上ここに居るのはヤバイ!とにかくもっと上に逃げよう!」
逃げようとしてドライトはハッ!と気がついた、このままでは探索の手が中層から上にも伸びてしまう、何とかして下にも目を向け続けさせないとだ……!
そして自分の傍らに置いてあった、蜂蜜に蜂の卵、世界樹の果実を見たのだった。
そして夕方になり夜にはドライトがほとんど活動しないとの事で全員一度巣に戻ってきたのだった。
「み、見つからないのですか?」
「……親父達ですら見つけられないだと?」
「セレナ……ごめんなさい……」
「ここまで手こずるとはのぅ……」
「セ、セレナちゃん心配しないで、必ず見つけてみせるから!」
「………」
「明日から俺も本気で探索をす」[ドガァァァン!]「ギャアァァァ!」
「あ、貴方は今まで本気ではなかったのですか!?ハァハァ……」
「こ、このバカ息子が!」
「ううう……私とモリオンの子なのに何故こんなアホに……!」
「皆落ち着いて!こうなったら夜通しで探すのよ!」
「………………」
「貴方?……ガンジス!?」
「あ、ああ!どうした?レムリア?」
「何を考え込んでいるのですか?」
「い、いや昼間の子竜の事がどうも気になってな……」
ガンジスは昼に出会った銀色の子竜が気になり、探索にも身が入らなかったのである、レムリア達はドライトを心配してだろうと思っていたのだが、意外な答えにびっくりしたのであった。
「ああ……あのおかしなステータスの子竜の事か?」
「たしか……ええっと、こんなだったわね?」
名前 unknown (有ったけど忘れた)
種族 竜族 (ウソなんてついてません!)
状態 子竜 (あっちも子供)
ステータス
しょぼすぎるので見ないでください……
スキル
魚の目(痛い) 性の知識(完全掌握)
称号
登山者?(バカなので山ではなく世界樹に登り始めた、つまり登山者ですらない)
「「「はぁ?」」」
昼間の事を聞いていなかったセレナ、ディアン、レムリアはあまりのステータスに思わず声をそろえて驚いていた、だがすぐに正気に戻ったのはレムリアであった。
「な、なにこれ?……偽装?これ偽装してるんじゃ!?」
「じゃ、じゃが魔法の発動は感じなかったし、ブルブル震えて頭だけ隠していたような哀れな臆病者じゃぞ?セレナと一応は龍王であるディアンの血を継いでるとは、とても思えん第一色が違ったしのぅ……」
「お父様!そ、その子竜は銀色だったのでは?」
「う、うむ、よくわかったのぅ?」
「………………」
「セレナ?どうしたのセレナ!?」
「ドライトは銀色でした……」
「な、なんじゃと!」「な、なんと!?」「ウソでしょ!?」「そ、そんな……!」
「ジジイにババア共、孫の姿形も分からずに探していたのかよ!?」
「「「セレナ(殿、ちゃん)の遺伝子がアホの遺伝子駆逐してセレナ似の白龍だとばかり思ってた!」」」
「俺そろそろ本気で泣く」[ドゴオォォン!]「もう勘弁してえぇぇぇ……」
「泣きたいのはこっちです!ううう……ドライトォォ……」
「あ、貴方!すぐにその子竜が居た所に案内して!」
「う、うむ!」
こうしてセレナを残して5頭の龍はドライトが日光浴をしていた所に向かったのだった。
「ここに居たのね?」
「うむ、最初は上を向いていてのぅ?こっちに気がついたらひどく驚いていたのじゃ……」
「上?上って何を見て……あ!」
「あそこは我等の居た巣ではないか!」
「でも、上からではここは見えないわ……自分達の居た枝が邪魔になるから……」
「下からこちらの様子を偵察していたって事か……流石は俺の息子!俺に似て頭が良いな!」
「「お前に似ていたらアホに決まっとるじゃろう!」」
「ちくしょう!言いたい放題だな!」
ギャアギャア!
「男共はほっといて周りを調べましょう!レムリア!」
「待って!」
「ど、どうしたのレムリア?」
「周りを調べるのは良いけど慎重に、そして何か見つけたら皆で調べるのよ!」
「何故じゃレムリア?早く探索すればそれだけ見つかる確率が高くなるのじゃぞ?」
「……すぐ見つけるのはたぶん無理ね、偽装の事も有るけどガンジスに会った時に哀れに見えたのは、たぶん演技よ」
「な、なんと!?レムリア殿どう言う事じゃ?」
「たぶんガンジスが龍の眼で鑑定をかけた事にドライトは気がついたのよ、そして魔法で偽装すれば感づかれるので根性で偽装したのね、慌てて偽装したからあんなステータスになったけれど、それを利用して哀れな子竜のフリをしてやり過ごしたのよ……
しかもこんなに良い位置から偵察していたのよ?ガンジスも偶然見つけたのでしょ?
今まで見つからなかった事も考えると“気配遮断”や“魔力操作”“潜伏”“隠蔽”も使ってるわね……そこから考えられるのは……」
「相当頭が良く、スキルも使いこなしてるって事ね……」
「とても幼龍とは思えんな……」
「流石我等の孫じゃ!っと喜んでばかりいられんな……」
「上に向かったか下に降りたか……どちらにしても何かしらの痕跡をワザと残した可能性が高いわ!」
「俺の息子にしては頭が良すぎるな……もぐもぐ」
「ディアンお前に似ずにセレナ殿に似たから頭が良く……お、お前何食ってるんじゃ!?」
「ん?ああ、そこ枝の付け根に落ちていたんだよ世界樹の果実にクイーンビーの蜂蜜かけ……やらんぞ親父?」
「「「「………」」」」
シーンと静まり返る周辺にディアンからのシャクシャクと言う食べる音だけが響くのだった。
そして30分後ボロボロになって意識を失ったディアンを4頭の龍が世界樹から投げ捨てると、枝の付け根を調べたのだがディアンの巨体で荒らされてしまった枝からは、ドライトがどちらに向かったのかは判らなかったのであった……
[カサカサカサカサ!] 下からアホの絶叫が聞こえた、バカめブービートラップに引っかかったな!
こうして逃走に成功した俺はさらにスピードを上げ移動をするのだった……! [シャカシャカシャカシャカ!]
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