〈1ー1ー1〉
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気づいた時には、私がいた。
まるで初めからそこにいるように、当たり前のように自分がいる。
突然記憶が戻っても、混乱もしない。
それが何だか、可笑しかった。
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……。
…………。
…………んー、…………部屋?
随分シンプルな部屋……。
あ。
ああ、そっか。
転生したんだっけ、私。
もっと混乱すると思ってたけど、案外平気だなぁ。
と言うか体ちっさ。
今いるベッドの3分の1もない。
……何歳に転生したんだろ。
「……よっ、と。」
ふむ、体に異常なし。
問題なく動かせるなら大丈夫だね。
さて……、改めて起き上がって見てみるけど本当にシンプル。
椅子に机にタンスにベッド。
後はちょこちょこ小物があるくらい。
……でもその家具一つ一つが凄い高そう。
なんて言うかこう……気品?上質?がある。
もしかして、堕天使って貴族?
だとしたら納得だけど。
まあ、それはその内わかるか。
今はとりあえず────
「────知識が欲しい……。」
うん、圧倒的にこの世界の知識が足りてない。
……自分が何歳なのかも分かんないのは辛い。
神様が特典付けとくって言ってたし、何かある筈────あれか、机の上の。
……私の身長で届くかなぁ、あれ。
……降りよう。
まずはベッドから降り……、足とどかない。
……。
うん、今私小さいししょうがないよね。
「ほっ。」
トッ
着地成功。
さてと、机、あー案の定届かないか。
椅子椅子……、何で椅子と机離れてるんだろ。
普通一緒に置くでしょ。
……まあ、いいや。
ズルズル、ズルズル
よし、一体何をくれたのかなぁ。
……ウエストポーチ?
それと、蒼いブレスレット?
………………。
…………。
……はっ、付けろってことか。
うーん、まずはブレスレット……いや、ポーチにしよう。
何が入ってるのかなー。
「……うん?紙?」
説明書みたいなのかな、どれどれ……。
【ポーチの説明】
あ、説明書だ。
よかった、変なのじゃなくて。