〈0ー4〉
「想像の具現化……。想像の創造とは何が違うのですか?」
“ 違い……と言うほど差はありません。
想像して目の前に現すと言うのは一緒ですから。”
創り出す点では一緒。
「でしたら想像の創造でもいいのでは……?それに、イメージとあまり変わらない気が……。」
あー、まあ確かにそうだけども。
“ 変更までの過程が長いんです。
簡単に言いますと、創造は一度想像したものを創ると想像から離れ、その創ったものを変える事は出来ません。
もう一度想像して創造し直す必要があります。
ですが、具現化は想像を現したものです。
それを想像している限りどんな物にでも変われます。”
「……つまり、創造は創ったもの。具現化は現し続けてるものという事ですか。」
“ はい。
イメージが強い私なら具現化の方が使いやすいんです。”
「なるほど、分かりました。この力は貴女だから強いスキルになるものですね。これ単体でしたら明らかに想像の創造の方が使いやすいですし。……では後2つ。何にしますか?」
“ 3つもいいのですか?”
「ええ。転生者には大体3つ、能力を与えることになっています。……たまに横暴な方が来て、『最強の力を寄越せ!』とか私があげた能力を私に発動して従わせようとしたりする方もいましたがね。」
今神の黒い部分が見えた気がする……。
“ ……で、でしたら。一つは記憶力の向上。もう一つはスキルではなく武器を頂けませんか?”
「はじめの方は瞬間記憶能力ですね。分かりました。それで3つめですが、どんな武器がよろしいのですか?」
“ 両刃大鎌がですね。私より少し大きいと有難いです。”
どうせならカッコイイ武器が欲しいよね。
ファンタジーだし。
「分かりました。スキルは一つまでお付けしますが、どうしますか?」
うーん、なら。
“ いいんですか?……では、成長を付けてください。”
どうかな。
ダメかな……。
「また、強いスキルですね……。確か相手を殺したらその殺した相手の能力を奪って成長する、でしたね。あってますか?」
“ はい。間違いないです。”
「……まあ、貴女なら大丈夫でしょう。ですが、むやみやたらに殺しまわるようでした、それ相応の報いがあると思ってくださいね。」
“ は、はい。
分かりました。”
こ、こわー!
「……ふぅ。では、能力は《想像の具現化》《瞬間記憶能力》両刃大鎌でスキルは《成長》。間違いありませんね?」
“ はい。間違えないです。”
さっきの事があったからか、つい背筋を伸ばしてしまった。
「では最後に種族を決めましょうか。」