〈0ー0〉
私は別に、どこにでもいる人間だと思ってる。
有名人になれるほど顔は良くないけど、凄く酷いという訳でもない。
痩せてるわけでもないけど、太ってるわけでもない。
至って普通の人────
────ではないか。
外見は普通だけど、ちょっと人より頭が良くて、運動が出来て。
人間関係はそこまで悪くなくて。
そんな中の上なのか、上の下なのか分からない私だけど。
これだけは分かる。
私の性格はおかしい。
胸を張って言えるほど。
なんて言うか、狂ってると思う。
自覚があること自体アレだけど、そう思い込む事の方が自分にとっては楽なのかも知れない。
そもそも性格がアレでも普通に生きてこれたし、自分が思ってるよりも私は普通なのかも知れない。
何故だか普通か普通じゃないのかって考えてると、笑えてくる。
18歳でもうすぐ卒業で。
楽しかったなと思うし、寂しいなとも思う。
上手い具合にバランスは保っていたから、もしかしたら心残りがあるのかもしれない。
けど心のどこかで“ 別に ”って思う自分もいて。
こんな葛藤もどこか冷めた目で見てる自分がいて。
“ 私はこの世界に合わないのかな ”
────なんて────
────どこか他人事みたいに笑ってた────
────自分の目の前で────
────人が、死にそうになってて────
「……なんで?」
────私の体は動いてて────
────私じゃなくてもよかったのに────
────柄にもなく、“ 後、少しッ ”って────
────ムキになった────
「……届い……た」
凄まじい痛みとか、血を流してるとか。
そんことよりも────
────他人の為に命をかけた自分に、
────なんで────
って混乱してる自分と、
────やるじゃん────
って、笑ってる自分がいる。
周りはなんか騒いでるけど。
助けなくていい、このまま静かに眠りたい。
死に際に思う事なんて大したことないけど、
ないけど────
───が、
「……欲しい……なぁ……」
私は────────────────
────────────
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