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大悪魔との契約

「よしっ!間に合った!」


まだまだ勇者一行の来る気配はない。しかし問題もある。


俺がダンジョンわ突破出来ないことだ。


それに悩んでいる時間もない。



俺には一つだけ裏技と言うべきか、打開できるかもしれない策がある。


「出来ればこれだけはやりたくなかったが…」


ポケットに入れていたチョークで魔法陣を書く。


そして覚悟を決めて俺は詠唱を始める。



「《七つの罪が一つ、強欲を司る悪魔。マーモンよ!魔の陣と我が血を媒介に顕現せよ!》」



ナイフで手首を切り、決して少なくない血が魔法陣に垂れる。




『小僧〜。久々だなぁ〜おい!……んで俺様に何の用だ?てか何くれんだ?』


「マーモン、相変わらず騒がしいな。今回は折り入って頼みがあるんだ。ついでに時間もないわけよ。」




俺とマーモンの出会いはこうだ。



俺が14の頃に王族関係者専用図書館の立ち入り禁止されているゾーンに侵入して最も奥にあった、心が引き寄せられるような魔力を秘めた本を見つけた。


そしてそれを手に取り、開くと複雑で見たこともないほど難しい魔法陣が七つ書いてあった。


全部覚えたかったが警備員に見つかってマーモンの魔法陣しか覚えられなかったんだ。


そして森の中で召喚してみたら大悪魔とは思えないほどフレンドリーな銀髪のちょいワルオヤジが出てきたから驚いたもんだ。


そしてそいつは言った。


『お前の目的を果たすために必要なもんをやる代わりにお前の希望を一つよこせ!』


そして俺の答えは


「嫌だよ。てかおっさんホントにマーモン?ただの不良オヤジじゃねーの?」


『ガハハハハハ!!おもしれーガキだ!気に入ったぜ!契約はお前がしたい時でいい!…それまでお前の事は覚えといてやるよ。』


そしてボソッと『出来れば来ないことを祈る』と呟いたのは印象的だった。


それから…


『いやもう回想はいい。それより緊急事態なんだろ?』


「そうだった。今からリミーラ…ダンジョンが勇者に攻略される。俺はそれを防ぎたい。だから俺にその力をくれ。マーモン。」


俺はマーモンの赤い瞳を見つめる。


『……なら対価交換だ。小僧。お前は俺に何を差し出す?』



「……ステータスだ。俺が最大まで上げて、それでも諦めずに上げ続けてきた俺のステータスをお前に捧げる。」


俺が見つけたこと、それは限界に達してもステータスは少しずつ上昇する。


但し、Lvを1のステータスを上げるのにLv20くらいの経験値が必要だ。


そして間違いなく俺は町人史上最強の男だろう。




『……ホントにいいのか?普通に換算すればLv100くらいのステータスだが、それがゼロになるんだぞ?』


「いや、違う。」


『あ?』


俺が捧げるのはもっとだ。


「ステータポイントじゃない。筋力、耐久、敏捷、魔力のステータス(・・・・・)をくれてやるんだよ。」


つまり俺からステータス数値は消え去るわけで、


『それほどか……。ガハハハハハ!!!!お前はクソ面白いやつだ!こっち来い!』


俺は言われるままマーモンに近づく。


『《我は七つの大罪が一つ。強欲を背負いし魔の王。汝の願いを申せ。》』


「……勇者を下し、リミーラダンジョンを攻略する力を俺に…。」


『その強大なる意思に見合う力を渡そう。小僧!左手を出せ!』


「ああ。」


俺の左手とマーモンの右手が重なった。



ジュウゥゥゥ。


あっつ!!


悪魔との契約時には必要以上に言葉を発してはいけない。だから俺は声を我慢した。


マーモンは『くくっ』と笑ってやがったが。



『契約完了だ。』


俺の左手には鳥のような刻印が刻まれていた。



「ありがとな。ところでどんな能力なんだ?」


『それはお楽しみだ。…それに面白いスキルも手に入ったみたいだしな。』


うーん。強欲の罪だからそれ系統か?それにスキル?


『ちなみにお前に与えた能力と俺様は関係ないからな。使い方は刻印に魂を込めろ。絶対負けねぇっつー意思だ!』



「分かった。ありがとう。マーモン。」



『発動前に能力名は分かる。それともう勇者ども来るぞ。早く行け。』


「うげっ!まじかよ!じゃあ行ってくるぜ!」



俺がダンジョンへと駆けていく背中を紅の双眸で見つめマーモンは



「ぶちかましてこい。カルディア!」


後押ししてくれた。あいつはほんとに悪魔なのか?



それでも励みになったのは確かだ。


野望を果たす時だ。








カルディア


町人




スキル


豪傑


怪傑


アビリティ


死亡学習



筋力、耐久、敏捷、魔力はなくなりましたがスキルはあります。


でもカルディアからは自分のステータスプレートを見ることは出来ません。


最後のはマーモンの眼で見たものです。

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