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読書する使用人

本を読まないものは人生の半分を損している。

本を読むものは人生の大半を無駄にしている。

 ここでは私たちでさえ本を読むことが推奨されています。

 もちろん読んだままにしていたり、飲み物や食べ物をこぼして汚損したり、落として傷をつけた場合には大変なことになりますが、予め注意していれば問題ありません。

 特に食堂から近いところにある読書室は飲食物の持ち込みが禁止されているため、誰かがうっかり零して…という事態もさけられますし、静かに過ごせるため休みの時には昼寝などに私はよく利用します。


 ただ汚損した際の弁償ができないため、先輩たちが読まれる多くは料理書みたいな仕事に関係する仕事上必要な本ばかりで、私みたいに物語本を読む方は殆どいません。

 それでもみんな興味がないわけではないらしく、私が読書室から出てくると「どんな話だった?」と聞かれます。

 気になるなら自分で読んでみればいいのに、と思ったりはしますが命がけともなれば仕方ないかもしれません。


 読んでいてわからないところは先輩がたに尋ねたり、辞典を使ったり、それでも分からないときは彼らに尋ねることもあります。

 もちろん教えてくれない人もいますが、意外なことに多くの方は熱心に教えてくれます。


 この間も『手のひらを返す』という言葉の意味が解らず尋ねたりところ、その語源から変遷、派生語なんかを延々と話され、気がつけば仕事の時間をだいぶ過ぎてため遅いと先輩に怒られてしまいました。

 別の日には言葉の解釈について、いつだかの食堂みたいに彼らが口論を始めたため、私はこっそりとその場を離れました。


 だってそのとばっちりで本がどうにかされたらたまったもんじゃありません。

 なんたら危うきに近寄らずって奴です。


それにしても本も読まないでみんなは何が楽しいんだろ?

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