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EVOLTIO   作者: PLATINA
1/1

Epic 1:テンペスト

海に、船が浮かんでいた。

穴がぽっかりと、空に空いていた。

岸に、塊が浮いていた。

原形をとどめてはいないがヘリポートのサインがあった。

浜に、人が打ち上げられていた。

うつ伏せになり、倒れていた。


それを誰も気づかずにいた…


9ヶ月後

「ただいま〜。」

ある青年が帰ってきた。

「おかえり。」

14、5歳の少女が出迎えてきた。

青年は買い物に行っていたのだろう。

「いや〜今日はさ、マグロの解体ショーしててさ。頭丸ごと買っちゃった。」

「頭…?」

「うんほら〜。」

袋の中にはスチロール皿に収まりきらないほどの大きさのマグロの頭がラッピングされていた。

「うわ!ちょっと見せないで、っていうかこれ絶対夜出さないで!」

少女は引いていた。

「ハイハイ。」

青年はキッチンに向かった。


南脇(なんきょう)大学

ブルブルブル…

「成宮教授。鳴ってますよ。」

「あ…ハイハイ。ってこういうスマホのマナーモードってどういう風にするの?」

「とにかく出るんだったら出てください。」

「…はいもしもし。」



「もしもし〜悠市(ゆういち)です。」


「…あ、君か。なんだい?」


「今日マグロの頭買ったんですけど食べます?」


「ん…日持ちはしないよな?」


「はい、あんまり…」


「だったら食べよう。」


「わかりました〜切りま〜す。」


「…失礼しました…」

「それじゃあ続けます。この写真。9ヶ月前に北三陸海岸に打ち上げられたこの巨大な立方体。これこそ、現代のオーパーツなのではないかということです。このオーパーツの面の一つにヘリポートのようなマークがあります。さらに片面、明らかにガラスです。しかしそれが隙間なくまとまり、4㎥という巨大な立方体となって浮いているのです。そして…」



研究所

そこには空中に浮かぶ4㎥のあの立方体がそれを上回る巨大な装置に取り付けられていた。

そこにゴーグルを付けた研究者がガラス越しで集まっている。

「レーザー。」

と、レーザーで真っ二つに分けた。

断面図がモニターに映し出された。

「おぉ!」

研究者達は声を上げた。

内部に不思議な物体が埋め込まれていたのだ。



別室

「ここですか。オーパーツの研究をしてるとこって。」

スーツを着た傲慢そうな男が研究所を案内されている。

「ここ。」

研究員に案内されみたものは…

ズラリと…

ズラリと浮かぶオーパーツだった。

「確認された9つのオーパーツ全てがこの研究所に保管されてる。まぁ…あのモニター見て。」

研究員が指差したモニターにはあの断面図が映っていた。

「解体ショーか…それで、俺にオーパーツ見せるだけか?」

「…感づいた?まぁね。現場のリーダーに聞いた方いいかなって。うんじゃまずこれ。あのスタジアムの時の。この緑は芝でしょ?でこの青って何?とかさ。」

「こんなので呼ぶな。青はイスに決まってるだろ。」

「いい、こっちもレポート出さなきゃいけないしさ…てかオーパーツっていうのが只者じゃないっていうことはわかるでしょ?クリスタルスカルや金のロケット、恐竜の土人形だったりとかのその時代のテクノロジーじゃ不可能な物を言って…」

「ウジが湧くんですよ。俺の脳。こういう話聞いてると。」

と言って彼は帰っていった。



駐車場

研究所の駐車場は地下にあり、研究所のパイプが上部に露わになっていた。

「地震が起きても知らんぞ。」

男は上を向いてそう呟き、車に乗った。



成宮家

悠市は既に今日の夕食の準備を始めていた。

「よしっと。」

マグロの頭を酒と水と砂糖と醤油の中に入れた。

ゆっくりと煮始めた。

「ん〜ここからが暇なんだよなぁ…」

悠市はとにかく何をしようか、と考えていた。

「そうだ!」

悠市はキッチンの流し場に、サッサをかけ始めた。

「掃除しよっと。」

タワシを手に取り、汚れを落とし始めた。



SAT

「戻ってきたぞ。」

男が戻ってきた場所は、SATだった。

「隊長!」

部下の一人、大岩が駆け寄った。

「あの、僕のサブリーダー昇格は…」

「さぁな。」

隊長は部下にも冷たかった。

「隊長!品川にオーパーツ出現!」

「何?」



トンネル

キャァー!

トンネル内部にオーパーツが浮かんでいた。

オーパーツが取り込んだせいであろう。トンネルの一部が崩落していた。

光から遮断され、トンネルに閉じ込められた人間は絶望した。

その時…

オーパーツが光った。

人間は希望を持った。

グルルルルェ…

しかし何かが唸った。

キシャァー!

と、前方車両に向かって駆けていった。

キャァァァァァ!



成宮家

この時、悠市は感じていた。

人の恐怖を…

「行かなきゃ…!」



トンネル周辺

「よし、X線。」

「隊長、できます。」

「よし。」

ドカァン!

トンネルの崩落部分を爆破して入っていった。

グルルルルェ…

「このビーストのタイプは…トラか。」

ビースト。

これがSATが名付けた怪物の名だった。

ビーストは人間を噛みちぎっていた。

グワァ…

ビーストがSATに気付いた。

グラァ!

ビーストはSATに向かって走った。

「撃て!」

バババババババババババババババ…

グゥゥゥゥ…グラァオ!

「ぎゃぁ!」

「サブ!」

サブリーダーに襲いかかった。

「サブを死なせるな!」

隊長はそう指示したが、どうすればいいのか、誰も知らなかった。

「助けてくれぇ…!」

サブが叫んでも見ているだけ…

サブは死を覚悟した。


ギャァァァオ!


すると…

するとビーストのほうが叫んだ。

オーパーツの光を遥かに凌駕する「輝き」が迫った。

あまりの輝きに怯え、サブリーダーを離した。

「はぁぁぁ…ハァッ!」

そして「輝き」はビーストに蹴りを入れた。

ドカァァァァァガガガガガ…

ドガァンッ!

ビーストは爆発した。

「あいつは…」




続く




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