表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/23

リンゴ

 リンゴってのはすごい果物だと思う。なんせ、「禁断の果実」である。アダムとイブの伝説は有名だからここに書くのは省略するけれども、ニュートンに万有引力を教えたのもリンゴである。キティちゃんの身長にも喩えられる。やっぱりリンゴはすごいと思う。



 それを痛感させられたのは、先日の出来事によってだった。作業中に片耳で音楽を聴いても良いとされる職場で働いている私は最近毎日、一日八時間以上音楽を聴いていて、それだけ聴いているとスマホのライブラリ内の音楽にも飽きてきて、なんだか聴きたい音楽がなくなってしまっていた。


 そんな時に私が手を伸ばしたのが、世界規模の企業であるApple社の提供するサービスである、「apple music」であった。一月千円するかしないかくらいの金額で、何千曲だか何万曲だか聴き放題だというサービスだ。(曖昧で申し訳ない。調べるのがめんどくさいのである)


 3GS、4S、5Sと使ってきた愛用のiPhone(6Sを買う予定)をアップデートして、早速apple musicを始める私。WiFi環境でデータをダウンロードすることでオフラインでも聴けるのがこのサービスの強みだ。まず最初に好きな音楽のジャンルを登録すると、オススメのアーティスト、アルバム、プレイリストを向こうが勧めてくれる。


 まず私が、初めてダウンロードした音楽。それは、「少女時代」。韓国のアーティストのベスト盤だった。次の日には「きゃりーぱみゅぱみゅ」。その次の日には「テイラースウィフト」。次の日には「美空ひばり」。


 一つ言っておくと、私は上記の人達については、もちろんみんな知っていた。皆有名なアーティストだ。しかし、ちゃんと聴いたことがなかった。無意識の内に選んでいたけれど、共通点としては『気になってはいたけれど、手元のライブラリに入れ込むほど好きではなかったアーティスト』だった。


 そこで、気付いたことが一つある。それは、人は皆自分自身のキャラクターを演じているところがあるのだ、ということだ。それは意識的に、自分の理想とする像がしっかりとあって寄せている人もいるだろうし、無意識的に『自分はこういう人間だから』と決めつけている人だっているのだと思う。そして、その人それぞれの趣味嗜好は、そのキャラクターに沿っていることが多いのだ。


 音楽再生機のライブラリや、部屋の本棚にはその人の内面が現れる。それを知っているからこそ、私は今まで気にはなっても、『自分のライブラリ、本棚にはそれはそぐわない』といった理由で食わず嫌いしてきたものが、たくさんあるのだということに気付いた。


 apple musicはワンタッチで音楽をライブラリに落とし込むことが出来る。その手軽さ。AmazonでCDを買ったり、TSUTAYAで借りてくるより早い。そして、消すのも一瞬。落とし直すことだって何度も出来る。だからこそ、今まで聴いてこなかったジャンル、アーティストの音楽に手を伸ばすことができたのだ。


 上記のアーティストの楽曲は、それぞれ本当に良かった。特に美空ひばりなんかは、「今まで俺は二十何年日本で生きてきてなんで聴かなかったんだ!」と思った。全身の毛という毛が逆立つ感動だった。


 何事においてもそうで、自分の確固たるキャラクター像を意識してしまって食わず嫌いするのは良くない。それは作品を一枚フィルターを通して鑑賞してしまう行為であって、誠実でない。差別といってもいい。なにより、自分自身を不幸にする。私はいつか死ぬけれども、その瞬間まで成長したいと思う。純粋でありたいと思う。ジャンルにとらわれず、あらゆる物を愛したいと思う。そのことに気付かせてくれた、『リンゴ』はやっぱりすごい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ