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声劇台本「笑顔の理由」

作者: 赤点人間

声劇台本です、良ければ使ってください

タイトル:「笑顔の理由」

作者:赤点人間


赤点「声劇台本ですご自由にお使いください」

お願い:()内のセリフは可能なら、エコーを掛けて下さい。


追伸:言い回し等、言いにくい所。イントネーション等は、特に指定いしてませんので自由に(ストーリーが崩れない程度に)改変して演じていただいて構いません。

方言なども全然OKです!


人物紹介


大空千夏おおぞらちなつ17歳・♀

女優を目指す少女


林鉄平はやしてっぺい17歳・♂

明るいバカ


森山淳一もりやまじゅんいち17歳・♂

少しSなイケメン


細川弥生ほそかわやよい17歳・♀

淳一に恋する少女


登場人物

・千夏:

・鉄平:

・淳一:

・弥生:


~本編~


淳一「千夏、おはよう」


千夏「あっ淳一、おはよ」


淳一「オイ、なんか鉄平が走って来るぞ」


千夏「あっホントだ、なんか嫌な予感」


鉄平「おーい、千夏~悪いけど、宿題写させてくれ」


千夏「はぁ~アンタまた宿題やって来なかったの!?今週はこれでもう三回目よ!」


淳一「いい加減にしないと、三年に上がる前に今度こそ留年するぞ」


千夏「淳一が言ってる事が、冗談に聞こえないから怖いわ」


鉄平「購買でパン奢るから写させてくれよ」


千夏「またそう言って、私まだ前回の分奢って貰ってないんだけど?」


鉄平「うぇ~、そうだっけか?」


千夏「やっぱり覚えて無かったのね、まぁ大体予想は付いてたけど」


淳一「覚えてる方もどうかと思うがな、食い意地が張ってるんだな千夏は」


千夏「淳一、さっきから嫌なこと言うのやめてくれる」


鉄平「なぁ千夏~!今度は絶っ対奢るから、頼むよ・・な?」


千夏「はぁ・・・鉄平は小学校の時から何も変わってないのね」


淳一「このバカが成長する訳ないだろ?」


鉄平「俺傷ついた・・・泣いちゃいそう」


淳一「こんな道端で泣かれたら面倒だ、千夏貸してやれよ」


千夏「それもそうね、それで、今日はどれを写したいの?」


鉄平「えっ?宿題って数学だけだろ、まさか・・」


千夏「はい!そのまさか、今日は英語もあるわよ、ちなみに一教科ひときょうかにつきパンを1つ奢りね」


淳一「千夏・・・太るぞ、女優を目指すんだったら、今の体型維持したほうが  良いんじゃないか?」


千夏「だから、さっきから淳一はなんなの?確かに女優目指してるけど、それとこれとは・・・」


鉄平「なぁ千夏~!!」


千夏「アンタはさっきから五月蝿い!!」


淳一「騒音公害だな」


鉄平「お願いだァ~本当にやばいんだよ。このままだとどうなる事か・・」


千夏「まぁ、あの佐々木先生の事だから、放課後に残って補習か、もしくは・・・

   そうね、倍ぐらいの課題が出るんじゃないかしら?最悪どっちも有りって事も」


鉄平「まじかよ~!絶対にムリ!!嫌だ!!!何が何でも補習と、課題は避けたい」


千夏「じゃあ私にパン奢りなさいよ!」


鉄平「ぐぁぁ~それも避けたい、二つもパンを奢ったら今日の昼飯がぁ~」


千夏「どっちにするのよ、私は守られない約束はしないからね!」


淳一「なぁ二人で漫才の練習でもしてるのか?だったら演劇部じゃなくて漫才部でも作れよ」


千夏「これのどこが漫才よ!」


淳一「俺は見たままの感想を述べたまでだ」


鉄平「漫才かぁ~面白そうだな~・・・あっ!!俺と淳一で組んで一平ちゃんってコンビ名はどうだ?」


淳一「よう馬鹿、何でそこで俺が出て来るんだよ!」


千夏「いいじゃない!それこそお似合いのコンビ名ね」


淳一「おい千夏、冗談にしては出来が悪いぞ」


鉄平「俺は、面白いと思うんだけどな、それとも林鉄平はやしてっぺい森山淳一もりやまじゅんいちだからツリーファイブなんてのはどう?」


淳一「黙れ、お前はもう喋るな!呼吸もするな!視界にも入るな!」


千夏「淳一アンタ、鉄平に対しては容赦ないわね。言葉攻めってやつ?」


淳一「馬鹿が、こんなもん。まだまだ本気じゃねぇよ」


鉄平「俺は十分傷付いてるんだけどね」


淳一「それと千夏てめぇ、聞いてればさっきから好き勝手言いやがって。誤解を招くだろうが!」


千夏「何よ、最初は淳一が吹っかけて来たんでしょ!!」


鉄平「あらら、俺っちは無視ですか?お二人さん?」


弥生「おはよう鉄平!」


鉄平「おっス!弥生じゃんおはよう!やっぱり朝の挨拶は大事だよな!この事について二人で朝まで語り尽くそうぜ!」


弥生「えぇと、鉄平。朝の挨拶の重要性を語り合うのは面白そうだけど、今は既に朝だよ?」


鉄平「上手いこと言うねぇ~流石は弥生!コレは一本取られたよ、山田く~ん座布団一枚持ってきて」


弥生「ねぇ鉄平、そう言ってる間にも二人は喧嘩してるよ?止めなくていいの?」


鉄平「喧嘩するほど仲が良いってね、元気があっていいじゃないか」


弥生「よくないと私は思う、早く止めないと遅刻しちゃうよ?」


鉄平「まぁ、いつもの事だから大丈夫じゃない?」


千夏「大体、鉄平が馬鹿だからこうなったのよ、、」


淳一「全くだ、アイツは歴史上類を見ない大馬鹿だよ」


弥生「あ、あれ?なんだか鉄平の悪口になってる!?」


千夏「そうそう、小学生から全く成長してないんだから」


淳一「珍しく意見が合ったな、俺も同じ事を思っていた」


千夏「よくこの高校に入れたよね、不思議だわ」


淳一「全くだ、奇跡的に入学できたとして、留年せずに進級出来た事は信じられない」


弥生「意見がそろってる!」


鉄平「仲直り出来て良かったじゃないか」


弥生「良かったの!?鉄平、言っちゃ悪いけど結構ボロクソに言われてたよ」


鉄平「嫌い嫌いも好きのうちだろ?こんなに友達から愛されて、俺も罪な男だぜ」


弥生「たまに鉄平の性格が羨ましいよ、因みに正しくは、嫌よ嫌よも好きのうちだからね」


鉄平「そうだっけ?細かいことは気にすんなよ、あ~はっはっはっはっはっ!」



--------間-------



淳一「なっ・・なぁ細川、お前は書記だから放課後まで残って、俺の仕事手伝いなんてしなくて良かったんだぞ?元々、そこまで大変な作業じゃなかったんだから」


弥生「淳一君は、いっつも私の事を、細川って苗字で呼ぶよね・・」


淳一「えっ?何だ?不満なのか?」


弥生「だって淳一君、千夏を呼ぶ時は呼び捨てにしてるじゃない。」


淳一「あれは・・・まぁ・・・・その・・・」


弥生「あれ?淳一君、千夏の事好きなの?」


淳一「べっ別に・・・そう言う感情を持ったことは無いが・・・」


弥生「嫌いでもない?」


淳一「まぁ、嫌う理由がないからな」


弥生「だったら好き?」


淳一「だから、何故そう言う話になる」


弥生「今から、二人の居る教室に行こうか」


淳一「オイオイ、なんでそうなるんだ?大体仕事はどうするんだよ」


弥生「あぁそうか、だったら終わってから行きましょう」


淳一「まぁ、別にそれだったら」


弥生「決まりね」



-----間-----



千夏「遅~い!!一体どれだけ補修に時間掛かってんのよ鉄平!」


鉄平「ゴメンゴメン!佐々木の野郎、なかなか帰してくれなくってよ」


千夏「どうして、朝のHRで宿題写しておかなかったの!」


鉄平「それは、千夏と淳一が遅刻ギリギリまで喧嘩してるからだろ?」


千夏「ほぅ?鉄平・・今アンタ何て言ったの?」


鉄平「いや、だから千夏と淳一の二人が喧嘩したから・・・ってか千夏、目が怖いんだけど・・・」


千夏「それじゃぁ、鉄平だけが何で遅刻ギリギリだったのか、説明してくれないかしら?」


鉄平「えっと、それは・・・その・・」


千夏「答えは、アンタが猫を見つけて私たちが気付かない間に、追いかけて行って遊んでいたからでしょう!」


鉄平「いやぁ、あれは・・」


千夏「何?言い訳でも有るの?」


鉄平「いえ、きっと今の答えはベストアンサーに選ばれます」


千夏「誰が上手い事を言えと言った!この野郎~!」


淳一「なんだよ、マジで漫才の練習してんのか?」


鉄平「淳一!ヘルプミィィィィ!!」


淳一「黙れ!!」(即答)


鉄平「カルチャーショック!!」


弥生「鉄平、そこは普通にショックでいいと思うよ」


千夏「何よ!?淳一に弥生じゃない、演劇部の部室に一体何の用?」


淳一「いや・・・別に用事と言う用事はないんだが・・・」


弥生「淳一君が、千夏の事を好きなんじゃないかって話になってね」


鉄平「なぬ!?」


千夏「えっ!」


淳一「おい!細川」


弥生「まっ、またまた慌てちゃって~」


淳一「本気で怒るぞ」


鉄平「オイオイ、二人共・・・」


淳一「黙れ!お前を相手してる暇は無いんだ」


鉄平「はい!すいません」


千夏「二人共、どう言う事か説明してくれてもいいんじゃない?」


弥生「・・・説明もなにも、さっき言った通りだよ。淳一は千夏の事が好きなんでしょ?」


淳一「だから!違うって!!こんな女子の(じょ)の字も無い暴力的なヤツの事なんか・・・」


千夏「ちょっと!どう言う意味よ」


淳一「分からないのか?言った通りそのままの意味だよ!」


鉄平「ちょっと待てよ二人共、頭をだな少~し冷やして・・・」


千夏「黙ってて!」


鉄平「スンマセン」


千夏「それで、暴力的ってどう言う意味よ」


淳一「そのままの意味さ、分からないならググってろ」


弥生「ちょっちょっと?二人共?」


千夏「言葉の意味くらい知ってるわ、馬鹿にしないで!!」


弥生「待ってよ二人共!お願い」


鉄平「弥生の言う通りだ二人共、頭冷やせ!coolになれよcoolに」


淳一&千夏「うっさい黙れ!!鉄平」


鉄平「ゴメンナサイ・・・」


鉄平「(こりゃやべぇな、二人共完全にヒートアップして周りが見えてねぇ)」


淳一「自覚がねぇなら教えてやるが、小学校の頃は口よりも手が早かったし、最近じゃクラスでも浮いてるじゃないか」


千夏「うっ!・・」


淳一「薄々は気付いてたみたいだな・・・でも、改善出来てないなら無意味だ。だからお前は何時まで経っても成長しないんだよ。人間的にも、演技な!この大根役者!」


鉄平「おい淳一!それは言いすぎだ!」


淳一「・・・・すまん、言いすぎた」


千夏「アハハ、いいよ別に、薄々分かってたし。それに思ってもない謝罪なんて、なんか惨めになるだけだもん」


弥生「千夏・・・」


千夏「あ・・アタシ帰るね・・・」


弥生「千夏!!」


鉄平「おい千夏」


弥生「・・・・・行っちゃった」


鉄平「なぁ弥生・・・どうしてあんな事言ったんだ?」


淳一「俺にも聞かせろ」


弥生「・・・・」


鉄平「そんなに言いにくい事なのか?」


弥生「今は・・・うん・・・ゴメン」


鉄平「ごめんって言葉は、俺達じゃなく、千夏に言わないといけない」


弥生「わかってる・・・」


鉄平「淳一、悪いが外してもらえるか?」


淳一「なんでだよ」


鉄平「いいから、頼む。」


淳一「チッ」


鉄平「お前も千夏に謝らないといけないだろ?」


淳一「・・・・・そうだな、明日謝る。今日は帰って頭を整理するよ」


鉄平「あぁ分かった」


淳一「じゃぁな」


鉄平「さぁ弥生、これで話せるだろ?」


弥生「・・・なんで分かったの?」


鉄平「何が?」


弥生「私が話せなかった理由が、淳一君にあるって」


鉄平「わかるさ、友達だろ?」


弥生「私が淳一君の事、好きだって事も?」


鉄平「おぉ、それは初耳だ」


弥生「・・・・・っ!!」


鉄平「冗談だよ!ジョークジョーク。そんな殺気立った目で見るなよ~」


弥生「・・・・こんな時に冗談なんて、空気が読めないね鉄平は」


鉄平「お通夜でも無いのに、こんな重苦しい空気はサッサとぶち壊すに限る。それで、話を戻すが、弥生は淳一が好きなんだろ?」


弥生「うん」


鉄平「だったら、なんであんな事言ったんだ?」


弥生「だって・・・千夏と淳一君、普段から大体一緒に居るじゃない」


鉄平「まぁそうだな。と言うか、みんな同じクラスだし、一緒にいる時間は変わらないんじゃないか?」


弥生「でも、心の距離って言うの?上手く言えないけど、それが違うの」


鉄平「もう少しだけでいいから、分かりやすく言ってもらっていいか?」


弥生「なんて言うのかな・・・淳一君、私には壁を作ってる感じ。私の事だけ苗字で呼ぶんだ、私とは目も合わせてくれないし。なのに、千夏とはあんなに親しげに話すんだ」


鉄平「なる程な、だけど弥生。お前も似たような事してるぞ?」


弥生「えっ?どう言う事?」


鉄平「お前、俺の事は呼び捨てなのに、淳一は君付けてるぞ」


弥生「だって、なんだか呼び捨てで呼ぶの緊張して・・・・鉄平はなんだか話しやすいっていうか、なんだろ?雰囲気が余り身構えなくていいんだ」


鉄平「なるほど・・・・大体理解できたよ。弥生は、淳一と千夏との距離感?心の壁?

   なんだっけ?まぁいいや、詰まるところ嫉妬して、あんな事言っちゃった訳だ」


弥生「うん、まぁそんな所かな・・・もしも淳一君が千夏の事を好きだってハッキリ分かれば、私も楽になれるかなって思って」


鉄平「弥生・・・・」


弥生「アハハ、まとめると、随分下らない理由であんな事言っちゃったんだね私・・・・馬鹿みたい」


鉄平「下らなく無いし、馬鹿でも無いよ弥生は、だって嫉妬する程淳一が好きなんだろ?それは普通の事だぜ?」


弥生「そう・・・かな?」


鉄平「だってそうだろ?好きな人が自分より仲が良い人と一緒に居る所見て、嫉妬しないとか有り得んだろ」


弥生「ありがとう鉄平。そう言って貰えて、なんか楽になった」


鉄平「まぁ今回は少し焦っちまったな」


弥生「うん、そうだね。あんなことに成るなんて、あの時は想像出来なかったから」


鉄平「まぁ恋は沈黙って昔から言うしな」


弥生「鉄平、正しくは恋は盲目だよ」


鉄平「そうだっけ?」


弥生「そうだよ」


弥生「本当にごめんね鉄平」


鉄平「だから謝る相手は千夏だって、それに、友達が落ち込んでる時に相談に乗るのは当たり前だろ?」


弥生「そっか・・・そうだよね、次からはちゃんと相談する」


鉄平「わかった何時でも相談に乗るよ」


弥生「うん、お願いします」


鉄平「お安い御用だ、あぁあと、ちゃんと千夏に謝る事」


弥生「うん、私も明日、千夏に謝る。許して貰えなくても」


鉄平「今俺にした話を千夏にすれば、許してくれるどころか、応援して貰えると思うぞ」


弥生「そうかな?」


鉄平「あぁ、きっとそうさ。さてと・・・」


弥生「もう帰るの?」


鉄平「いや、千夏に会ってくる。多分、今からなら走って追いつけるはずだから」


弥生「どうして・・・」


鉄平「アハハ、アイツ昔から、落ち込むと関係ない事まで思い出して、ほんとドン底まで落ち込むからな。

   そんな時に弥生が謝っても、突っぱちまうかもしれないだろ?」


弥生「それは、そうかもだけど」


鉄平「それに、アイツのあの笑いは、結構落ち込んでる時に出る笑いだから、俺達の前では気にしてないふりしてたけど、

   今頃相当落ち込んでるだろうなぁ~」


弥生「でも今からだと、走っても追いつくの難しくない?」


鉄平「大丈夫だ問題ない。千夏がここまで落ち込んだ時は、大抵昔みんなで遊んだ公園に居ると思う」


弥生「分かってるんだね、千夏の事」


鉄平「まぁ、幼馴染だからな」


弥生「・・・・ねぇ!」


鉄平「ん?どした?」


弥生「鉄平は千夏の事、好きなの?」


鉄平「俺か?・・・・・どうなんだろうな、バカだからわかんねぇ」


弥生「・・・そっか」


弥生「鉄平!行ってらっしゃい」


鉄平「おう!行ってきます」


-----間-----


千夏「はぁ~、大根役者・・・・か、色々頑張ってきたんだけどね、やっぱり私に女優なんか無理なのかな。クラスで、浮いちゃってるのか・・・・何がいけないんだろう」


鉄平「ハァハァ・・・っよ千夏!もう遅いから一緒に帰ろう~Z☆E!」


千夏「・・・・鉄平」


鉄平「なに、この世の終わりみたいな顔してんだよ。もしかして、泣いてる?」


千夏「べっ別に泣いてなんかいないわよ!」


千夏「それより何しに来たの?少し一人にして欲しいんだけど」


鉄平「いや~今日の事を謝りに」


千夏「今日?」


鉄平「ほら結局、昨日の分と、今日の分のパン奢らなかったな、すまん」


千夏「・・・そう用が済んだんなら、私を一人にして」


鉄平「あっ!でも考えてみたら、俺宿題出せなかったからカウントに入れなくてもいいかな?」


千夏「・・・・うるさい・・・」(小声)


鉄平「まぁ世話になったから、一個位なら奢ってやれるかな~」


千夏「・・・・・」


鉄平「おい千夏~、そこは奢るパンの数が減ってるじゃないかって突っ込まないとダメだr」


千夏「うるさい!私を一人にしてって言ったでしょ」


鉄平「っと、ビックリすンだろ?いきなり大声だすなよ」


千夏「聞こえなかったの!今は私一人にしてよ!!」


鉄平「そう怒るなよ、無駄にカロリー消費するだけだZ☆E」


千夏「ハァ、怒鳴ってゴメン」


鉄平「いいさ別に気にしてないし。でも、千夏らしくないな、ここまで大きな声で怒鳴るなんて」


千夏「でも、そう思うなら、私に話しかけないで」


鉄平「そんな事言うなよ~!返事は相づちでもいいから」


千夏「あぁ~もう、いいわよ。好きにしなさい」


鉄平「じゃあ取りあえず、笑顔の練習しようぜ」


千夏「いきなり、相づちの許容範囲きょようはんい超えてきたわね」


鉄平「はいはい、笑顔の練習!」


千夏「するか!馬鹿ッ!!」


鉄平「おぉ~うるせっ・・・何だよ元気じゃん、これじゃぁ笑顔の練習いらないな」


千夏「ねぇ、あんたの元気の基準は一体何なのよ」


鉄平「声の大きさ?」


千夏「プッ・・・何で疑問形なのよ」


千夏「はぁ~・・・鉄平と居ると、何だか悩んでるアタシが馬鹿みたい」


鉄平「やーい!千夏のバーカ!悩んでも解決しない事で悩むなよ・・あれっ?今俺、超カッコいい事言った?いや~流石はオ☆レ!」


千夏「あ~あ、最後の一言付けなかったら見直してたのに・・でも、鉄平の言う通りかもね」


鉄平「そうそう、悩むよりも、楽しいこと考えて笑ってたほうが千夏らしいよ、まぁ今回は、俺に感謝するんだぞ」


千夏「何でアンタに、感謝しないといけないのよ・・」


鉄平「だって、俺のおかげで悩むの止めたじゃん」


千夏「そうだけど・・・なんだかしゃくに障る」


鉄平「俺が居なかったら今頃、昔みたいにピーピー泣いてただろう」


千夏「私が何時いつピーピー泣きましたか!?」


鉄平「あれ?覚えてないの?」


千夏「何よ!?」


鉄平「いや、別に」


千夏「教えなさいよ!!ちょっと待ちなさい、こら!鉄平!!」


鉄平「教えないよー!これは俺の思い出だからな」


千夏「なによ!!ヒントくらいくれたってイイじゃない」


鉄平「楽しかった修学旅行!千夏が泣いた肝試し!!」


千夏「ッ!!あれは違うの!こら鉄平!!待ちなさい!!」


鉄平「いやぁ~あの時は役得でした」


千夏「だから、違うの!!待てってば!!」


鉄平「待て!と言われて待つ奴は、二次元にも存在しないよ~逃げるが勝ちさ。

   って事で、さいなら~」


千夏「こら鉄平!言い訳ぐらいさせなさいよ」



-----間-----



鉄平「ハァハァ、結局、千夏の家まで逃げ切れたから、俺の勝ちだな」


千夏「ハァハァハァ、一体何時いつから競争になってたのよ」


鉄平「ハァハァ、さぁ?何時いつからだっけ」


千夏「まぁいいわ、今日はありがとう、なんか鉄平のおかげで元気出たわ」


鉄平「ハァハァ俺、何かしたっけ?」


千夏「ぷっ、あはははははは」


鉄平「おい、何だよいきなり笑い出して」


千夏「アハハ、なんでもない」


鉄平「はぁ?なんなんだよ」


千夏「いいの、鉄平は気にしなくて」


鉄平「まぁ俺も、千夏の笑顔が見れたから、良しとするか」


千夏「じゃ、また明日ね」


鉄平「おう、また明日」


千夏「明日は、現文の宿題あるからね」


鉄平「ゲッ!マジかよ」


千夏「宿題は、将来についての作文だから、写そうと思っても無駄だからね」


鉄平「高校生にもなって、作文かぁ~」


千夏「何でも、社会に出る一歩前だから、改めて意識確認をする為だって」


鉄平「へぇ~」


千夏「へぇ~ってアンタ、授業中に一体何聞いてたの・・・」


鉄平「フッフッフ・・・俺は寝てたのさ!!」


千夏「うん、大体予想してた」


鉄平「あっそうなの(SE:落ち込む音)・・・そう言えば、千夏はもう書いたのか?作文」


千夏「アンタが補習受けてる時にね」


鉄平「そうか、やっぱり千夏は・・・」


千夏「うん、書いたのは、子供の頃からの私の夢。女優になるって事、

   でも高校生にもなってこんな子供じみた夢、作文にするなんておかしいのかな」


鉄平「子供の頃からの夢を、今も実現目指して頑張るのは凄い事だぜ」


千夏「そうかな?」


鉄平「そうさ、子供の頃から変わんねぇ夢なんだろ?だったら目指すことに誇りを持てよ。

   少なくとも、俺には絶対できねぇからな」


千夏「ありがとう・・・鉄平はたまに凄く良い事言うよね」


鉄平「今更何言ってんだよ、俺は常に良いことしか言わねぇよ・・・・決まった。

   ヤベッ!今、超輝いてる。流石はオ☆レ!」


千夏「うん、格好よかったよ」


鉄平「あ、あれ?珍しく褒めてくれた?」


千夏「まぁ、元気でたのは事実だから、たまにはね」


鉄平「そっか、ありがとな。それじゃあ帰るわ」


千夏「うん、また明日」


鉄平「悩んでも解決しないことで悩むなよ・・・か、言えてるな。」

   


鉄平「さてと!もう一仕事行きましょうか」



-----間-----


淳一「それで?鉄平。こんな夜に家まで押しかけてきて、一体何の用だ?」


鉄平「いやぁ~要件と言ったら一つしかないだろ?」


淳一「なんだよ、宿題写させて欲しいのか?」


鉄平「出来ればお願いしたいが、今日は別件だよ」


淳一「なんだよ」


鉄平「ベッドの下のエロ本貸してくんない?」


淳一「出てけ」


鉄平「冗談です、スミマセンでした!!」


淳一「チッまぁいい、放課後の件だろ?」


鉄平「あぁ、ってか、もう本題に入るのか?」


淳一「当たり前だ!」


鉄平「のクラッカー」


淳一「は?」


鉄平「スンマセン何でもないです」


淳一「・・・・はぁ~」


淳一「いい加減、本題に入ってくれ」


鉄平「分かったよ、それで淳一は弥生をどう思う?」


淳一「っ!・・・やぶから棒になんだよ、大体その質問、放課後の件と関係あるのか?」


鉄平「無いなら聞かないよ」


淳一「・・・・・」


淳一「それは、弥生がなんであんな事を言ったのか?って意味の質問か」


鉄平「いや、そのままの意味だ。お前は弥生の事をどう思ってるんだ」


淳一「・・・別に、なんだよいきなり」


鉄平「淳一・・・弥生の事、好きなんだろ?」


淳一「ばっ!何言ってんだよ」


鉄平「あれ?図星だった?」


淳一「お前・・・・・」


鉄平「ゴメンゴメン、おちょくって悪かった」


淳一「はぁ・・・お前、いつから気が付いてた?」


鉄平「う~と、随分と前から」


淳一「なんで、お前はそんな所ばかり鋭いんだよ」


鉄平「なんでだろうな、俺にも分からん。それより話の続きだ」


淳一「一体何を話すんだよ」


鉄平「え~とね、俺の中では完結してるも同然なんだが、幾つか確認だ。」


淳一「まぁ今更だし、言ってみろ」


鉄平「お前は、弥生の事は苗字で呼ぶのに、なんで千夏は呼び捨てなんだ?」


淳一「うっ!!」


鉄平「あれ?どしたの?オーイ淳一さ~ん」


淳一「・・・その質問、どうしても答えないとダメか?」


鉄平「あぁ、当たり前だろ?ってか、まっ大体の予想は付いてるが、お前の口から聞きたい」


淳一「なんでだよ」


鉄平「面白いから」


淳一「テメェ!」


鉄平「まてまて、冗談だって」


淳一「お前~!」


鉄平「ハイハイ、話を戻そう。なんで弥生は苗字で呼ぶんだ?」


淳一「・・・はっ・・・恥ずかしいから」


鉄平「・・・・は?」


淳一「だから!・・・恥ずかしいんだよ、呼び捨てにするの」


鉄平「ぷっ・・・・プハハハハハ」


淳一「なっ!お前! 笑うんじゃねぇよ」


鉄平「悪い悪い、謝るよ」


淳一「お前から聞いて来ておいて、答えたら笑うとか。ほんと怒るぞ」


鉄平「次は笑わないから、そんなに目くじら立てなさんな」


淳一「次って、まだあんのか?」


鉄平「当然!」


淳一「分かったよ、一番隠しておきたかった事はもうバレてんだ。好きにしろよ」


鉄平「サンキュー!じゃぁ、次の質問。千夏の事、淳一はどう思ってんだ?」


淳一「あぁ?どうも何も、ただの友達だよ」


鉄平「呼び捨てなのに?」


淳一「それこそなんで、女子を呼び捨てで呼ぶと、特別な感情を抱いてる事に結びつくんだ?」


鉄平「それは説明できないが・・・」


淳一「だろ?まぁ、しいて言うなら、千夏は身構えなくていいと言うか、雰囲気的に話しやすいんだよ」


鉄平「ブッ!!」


淳一「お前、次は笑わないとか言いながら・・・」


鉄平「ゴメン!つい」


淳一「ついじゃねぇよ」


鉄平「だから、謝るってば」


淳一「お前の謝罪は軽いんだよ」


鉄平「これならどうだ!」


淳一「・・・お前は何をしてンだ」


鉄平「土☆下☆座!!」


淳一「見りゃわかるよ・・・ってかなんでひざが浮いてんだ?」


鉄平「林鉄平(はやしてっぺい)流!三点倒立さんてんとうりつ土下座」


淳一「・・・・・ハァ~」


鉄平「からの~逆立ち!!」


淳一「帰れ」


鉄平「ゴメンナサイ」


淳一「だったら普通に座れ」


鉄平「はい・・・・」


淳一「全く、お前はどうしてそうなんだ?」


鉄平「どう言う意味?」



淳一はいつも以上に真剣な眼差をメガネの下に光らせ、こう続ける。



淳一「お前は何時も道化を演じて、常に周囲の人の事を考えてる正確に言えば他人の事だけしか考えてない。真面目な話をしている今もだ。何時も無理に明るく振舞って」


淳一「少しでも相手が気負わないように馬鹿を演じて、ふざけた事してそして、結果的にいつでもお前がバカを見る、少しは学習しろよこの阿呆!」


鉄平「・・・・・」


淳一「まぁ別に、俺はお前のそう言う所嫌いじゃない、寧ろ凄いと思ってる。だからこそ、今は無理せずに自分の聞きたいこと聞いて、言いたいこと話せよ」


鉄平「・・・あっあはは、淳一が気付いてたなんてな。夢にも思わなかったよ」


淳一「だからお前は馬鹿なんだよ。気付いて当たり前だろうが」


鉄平「なんで・・・」


淳一「言わせんなバカが、親友だからだよ」


鉄平「・・・スマン」


淳一「ハァ~、ったくこういう事は柄じゃねぇんだ。それで?他に聞きたい事や、言いたい事は無いのか?」


鉄平「あぁ大丈夫だ、悪いな。折角お前を励ます為に来たんだけど」


淳一「お前の謝罪は聞き飽きた。それに、お前が俺を励ますなんざ十年遅い。俺はな鉄平、小・中学生の頃、お前のその明るい性格に、救われたんだよ。正直に凄いと思った、だから無理してる事も随分前から気が付いたんだ」


鉄平「照れるな、それで何が言いたいんだよ」


淳一「まっ今度からは、俺がお前を励ます番だって事だよ」


鉄平「あぁ実際の所、今の話で元気出たよ。ありがとう」


淳一「今更だな。だけど、何だかお前から感謝されると、思った以上に気持わるい。やっぱり無理にでも明るい馬鹿やってろ」


鉄平「なんだそりゃ」(笑いながら)


淳一「言ったとおりの意味だよ」(笑いながら)


鉄平「っともうこんな時間か、それじゃぁ帰るわ」


淳一「せっかく来たんだ晩飯くらい食ってけよ」


鉄平「いいや、折角のお誘いだがお断りさせて貰うよ。

   あぁあと、お前から俺が励まされるのも、これで最後だ」


淳一「はぁ?なんだよいきなり」


鉄平「やっぱり皆を笑わせる役目は、俺のモンって事だよ。

   それに、お前にはお前の笑顔にするべき人が居るだろ?」


淳一「あぁ?相変わらず訳の分からんことを」


鉄平「直ぐに分かると思うぜ・・・そうだな・・・明日千夏に謝ったら放課後、演劇部の部室に来い。

   愚痴に付き合ってくれたお礼にジュース奢ってやるよ」


淳一「随分勝手だな、それと自分から言ったんだ絶対奢れよ」


鉄平「当たり前だろ?俺は約束を守る男だぜ?」


淳一「千夏が聞いたら、ハリセンが飛んできそうだな」


鉄平「ナンノコトカナ?」


淳一「まぁいい、この事は千夏に報告しておくから」


鉄平「ちょっ!!淳一~~」


淳一「あ~鬱陶しい!明日ちゃんと奢ったら言わねぇよ」


鉄平「マジで!!」


淳一「嬉しそうな顔すんなよ全く・・・」


鉄平「それじゃまた明日」


淳一「あぁ、また明日学校で」



SE(チャイム音)



弥生「千夏、今から時間ある?」


千夏「弥生?・・・・大丈夫よ、ちょうどお昼休みになったばかりじゃない」


弥生「そうだよね、アハハ。お昼一緒に食べない?今日は天気が良いから中庭辺りで」


千夏「何時も教室だからそれもいいね、それより弥生何だか少し変よ大丈夫?」


弥生「うん、別に体調は悪くないから」


千夏「?それなら良いけど」


弥生「ほら早くしないと昼休み終わっちゃう」


千夏「ちょっと弥生!引っ張らないでよ」



鉄平「それで、淳一。千夏には謝ったのか?」


淳一「いや、朝から謝ろうと思ったんだが。アイツ、今日一限ギリギリに来ただろ?

   それで時間がなくて言いそびれたから、今から行こうと思ったんだが。

   細川・・・(咳払い)」


鉄平「どうしたんだよ、口ごもって」


淳一「やっ・・弥生が凄い勢いで千夏を連れ出したから、謝れなかった」


鉄平「なぁ、淳一。なんで今、弥生の呼び方言い直したんだ?」


淳一「まぁ、なんだ・・・その、今更お前の前で、弥生を苗字で呼ぶ必要が無くなったからな」


鉄平「恥ずかしく無くなった訳だぁ~」


淳一「馬鹿が!めっちゃ恥ずかしいよ」


鉄平「あら~そうなの~(ニヤニヤ)」


淳一「チッやっぱりこんな奴、親友なんかじゃねぇ」


鉄平「酷ぇ事言うなよ(ニヤニヤ)」


淳一「だったら、そのニヤニヤした顔やめろ」


鉄平「分かったよ、まぁ昼休みの内に、お前も千夏に謝りに行けよ?」


淳一「分かってるよ」


鉄平「そう言えばさ、いつするんだよ」


淳一「何を?」


鉄平「だから、弥生に告白するのいつにするんだ?」


淳一「うっ・・・別にお前には関係ないだろ!」


鉄平「据え膳食わねばなんとやらだぜ?」


淳一「ちょっ!!いきなり何言ってんだお前!」


鉄平「だから、急いだほうがいいって事を・・・」


淳一「それを言うなら、善は急げだ阿呆」


鉄平「へぇ~、ちなみに据え膳食わぬわってなんて意味?」


淳一「ググれカス」


-----間-----


弥生「千夏、昨日はごめんね・・・」


千夏「何よ急に」


弥生「だって、私があんな事言わなかったら、千夏が不快な思いしなくて済んだのに」


千夏「そうね、確かにあれはしんどかったなぁ~」


弥生「やっぱり・・・」


千夏「ほらほら♪そんなに落ち込まないでよ。私はもう吹っ切ったし、弥生も心から謝ってくれた、だから許す」


弥生「千夏・・・ありがとう、本当にごめんね」


千夏「いいのよ別に過ぎた事じゃない。あっ!でも、理由くらい聞かせてくれるよね?」


弥生「うッ・・・うん」


千夏「それで、淳一が私の事好きかもだなんて言ったの?」


弥生「千夏と淳一君・・・・ううん、淳一は何時も一緒にいるよね」


千夏「まぁ同じクラスで、小学校からの仲だし。でも、それは弥生も同じなんじゃない?」


弥生「うん、そうなんだけど・・・・実を言うと私、淳一の事が好きなんだ」


千夏「・・・・えぇ!」


弥生「だっだからね、何時も仲が良い二人に対して嫉妬っていうか、淳一が千夏の事どう思ってるか知りたくて、あんな事言ったんだ」


弥生「もし、本当に淳一が千夏の事好きなら身を引こうと思って」


千夏「そうだったんだ・・・・ちなみに何時から?」


弥生「小学生の頃から」


千夏「初恋?」


弥生「うん」


千夏「弥生~~!」


弥生「キャッ!なんで抱きつくの?千夏」


千夏「凄いじゃない!弥生!初恋を今でも続けてるなんて。私応援するから!」


弥生「あっ・・・ありがとう・・・」


千夏「そうか、弥生も淳一が好きだったのね」


弥生「【も】って事は、千夏も・・・」


千夏「あぁ違う違う!確かに私も昔、淳一を好きだった頃があったんだ。でもね、私が今好きな人は別にいるの」


弥生「・・・その人はどんな人なの?」


千夏「明るくて、いっつも面白い事をして。皆を笑顔にする太陽みたいな人」


弥生「もしかして、千夏の初恋の人?」


千夏「鋭いね弥生・・・うん、その人が私の初恋。でも、弥生みたいに一途に想い続けてた訳じゃないから、弥生の気持ちより不純かも・・・」


弥生「ううん、全然そんな事ない!」


千夏「そう?」


弥生「そうだよ!千夏は今でも初恋相手の事が好きなんでしょ?だったら同じだよ」


千夏「そうなのかな?」


弥生「そうだよ、実はね。私が淳一の事好きだって話、鉄平にもしたんだ」


千夏「え?」


弥生「そしたらね、鉄平はこう言ったんだ。弥生は嫉妬する程、淳一が好きなんだ。それは素晴らしいことなんだぜ?って言ってくれたんだ」


千夏「そうなんだ」


弥生「うん、鉄平の言葉を借りるみたいだけど、千夏は一度好きじゃなくなった相手をもう一度好きになった。それは、本当の心の中ではずっと好きだったからじゃないの?」


千夏「・・・・そうなのかも」


弥生「だったらそれは素晴らしい事じゃない?」


千夏「でもね、弥生。私の好きな人は明るくて、何時でも面白い事をして、皆を笑顔にする様な人だけど・・・どこか無理をしていて、今にも泣きそうな顔をたまにするんだ」


弥生「千夏・・・」


千夏「私はね、そんな彼を元気にしてあげたいんだ、だけど、彼は心を開いて居るように見せているけど、きっとあれは嘘。本当の心は絶対に見せてくれないの」


弥生「・・・だったら」


千夏「えっ?」


弥生「だったらその気持ち、彼に伝えようよ!」


千夏「弥生?何言って」


弥生「千夏は、その人が好きだって気持ち、一度でも彼に伝えたの?」


千夏「いや、伝えてない・・・けどきっと、もうバレてると思う」


弥生「だったら尚更伝えなきゃ、その人だって千夏が本当はどう思ってどうしたいかなんて、分かるはずがないんだよ?」


千夏「いや・・・でも、私の好きな人は・・・」


弥生「鉄平でしょ?幾ら何でもわかるよ」


千夏「やっぱり分かっちゃってたか・・・でも・・・」


弥生「イイ?千夏、自分が鉄平の事好きだって伝えないのは、鉄平が千夏に弱い面を見せないのと同じ事なんだよ?」


千夏「うん」


弥生「だったら今から行こう!鉄平の所に」


千夏「今からは流石に・・・」


弥生「そっか、だったら放課後だね。今日の最後の科目は体育かぁ~、それが終わったら、鉄平に気持ちを伝えに行こう!?」


千夏「う・・うん」


弥生「私も、今日の放課後に、淳一に好きだって告白する」


千夏「えぇ!」


弥生「今このタイミングを逃したら、いつ言えるか分からないから」


千夏「そうなんだ・・・・分かった私も鉄平と話をしてみる」


弥生「うん、お互いに悔いを残さないようにね」


千夏「うん・・・・それで弥生」


弥生「何?」


千夏「昼休み、5分前に終わっちゃってた」



-----間-----


淳一「・・・で!何故にお前たちがここに居る」


弥生「それは、アハハハハ・・・・ね?」


千夏「う・・・うん。何だか、説明しづらいンだけど」


弥生「授業に遅刻しちゃってさ、罰として道具の片付けしてろって言われちゃったんだよね」


千夏「私としたことが・・・」


淳一「何やってんだか、鉄平かお前らは」


千夏「グゥの音も出ない」


弥生「よしよーし、元はと言えば、私が千夏を連れ出したせいだから、ごめんね千夏。って、そう言えば、その鉄平は?」


淳一「さぁな」


千夏「さぁなって、淳一は鉄平と一緒じゃなかったの?」


淳一「おい、何時も俺と鉄平が一緒に居るみたいに言うなよ」


千夏「違うの?何だかいつも一緒に居るイメージがあったから」


弥生「うん、私もそう思ったから聞いたんだ」


淳一「知らんもんは知らん、先に演劇部の部室に行ってろ。

   とだけ残して、アイツどっかに行っちまったんだよ、道具の片付けの仕事を俺に押し付けてな」


弥生「そうなんだ」


千夏「ご愁傷様」


淳一「お前ら完全に他人事だな、手伝いに来たんじゃなかったのかよ」


千夏「そう言えば、そうだったね。サッサと終わらせよう」


鉄平「おーい淳一!ってあれ?二人共どうしたの?こんな所で」


弥生「片付けの手伝いに来たんだよ」


鉄平「そうなの?ありがたいなぁ~」


淳一「ありがたいじゃねぇよ、何しみじみしてんだ。本来はお前の仕事だろ?関係ない俺まで巻き込みやがって」


鉄平「悪かったな、ここからは俺たちで終わらせるから、先に部室行っててくれ」


淳一「ったく、早く来いよ」


鉄平「おう、期待してろよ。今日は特別に120円のジュース奢ってやる」


千夏「それって、特別なの?」


弥生「さぁ?どうなのかな」


淳一「鉄平!最低でも、200円分は奢って貰うからな」



-----間-----



千夏「ねぇ鉄平」


鉄平「ん?何だよ千夏」


千夏「淳一を部室に行かせたのは、やっぱり・・・」


鉄平「気づいたか」


千夏「当たり前でしょ?弥生から、アンタに淳一の事好きだって相談したって聞いてピンと来たわ」


鉄平「知ってるんなら話が早い。千夏から弥生に告白するように言ってくれないか?」


千夏「お膳立てしてあげたって事?」


鉄平「まぁ、そんなとこ」


千夏「ハァ~相変わらずねアンタも」


鉄平「性分なもんで」


千夏「分かったわ、言っとく」


鉄平「サンキュー助かる」


千夏「その代わり・・・さ」


鉄平「どしたの?」


千夏「えっと・・・あ、後で、アンタに頼みたいことがあるから付き合ってね」


鉄平「ん?あぁ分かった、お安い御用だよ」


千夏「だったら善は急げね。弥生~!」


弥生「どうしたの?千夏」


千夏「後は二人でも終わりそうな作業だから、弥生は今から淳一の所に行ってきなさいよ」


弥生「えぇ?それって・・・」


千夏「うん、鉄平が二人きりになれるチャンス作ってくれたみたいだし。折角だからこの機会を使って告白しちゃいな?」


弥生「鉄平が・・・分かった、行ってみる」


千夏「朗報期待してるよ」


弥生「フラれたら、愚痴に付き合ってね」


千夏「わかってる、幾らでも付き合うよ」


弥生「ありがとう、じゃぁ行ってくる」


千夏「うん、行ってらっしゃい」


鉄平「弥生は行った?」


千夏「うん、どうなるんだろうね。上手くいって欲しいけど」


鉄平「う~ん・・・まぁ、問題ないだろう」


千夏「随分と落ち着いてるわね。何か知ってるの?」


鉄平「そんなとこ」


千夏「ねぇ、鉄平はどうして、皆の力になりたがるの?」


鉄平「何だよ急に」


千夏「別に、なんとなく」


鉄平「そっか、なんとなくか・・・さぁて、もう直ぐ片付け終わるし、あと少し頑張ろうぜ」


千夏「そうね」



-----間-----



淳一「鉄平のやつ遅いな、流石にそのまま帰ったりはしないと思うが・・・」


SE:「ノック音」


淳一「うん?鉄平か。遅ぇなサッサと入って来いよ」


弥生「淳一居る?」


淳一「ほっ細川か、びっくりした」


弥生「えっと、ゴメン。別に驚かせるつもりじゃなかったんだけど」


淳一「べっ別に、謝る様な事じゃないから大丈夫。俺が勝手に驚いただけだから」


弥生「そう、ありがとう」


淳一「(弥生とふたりっきりか、生徒会の時ならかく、こう言うシュチュエーションって変に緊張するな)」


弥生「(うぅ、やっぱり本人前にすると緊張する、今まで普通に喋れたのに。告白するとなるとやっぱり変に意識しちゃうよ)」



(同時)

淳一「なぁ」

弥生「ねぇ」


淳一「あっゴメン」


弥生「こっちこそ」


淳一「さっ、先いいよ」


弥生「淳一からでいいよ」


淳一「俺の話は大した事じゃないから、ほっ細川こそ先にいいよ」


弥生「私も、急ぎの話じゃないし」


淳一「・・・・・」


弥生「・・・・・」


淳一「(なんだこれ、気不味きまずい。鉄平の野郎、さては謀ったな。いらん気遣いしやがって)」


弥生「(うぅ~鉄平。こういう事するの早く言ってくれないと心の準備が・・・)」


淳一「(全くお節介が。お前にお膳立てして貰わなくっても、自分で告白するってのに・・・・多分)」


淳一「・・・チッ馬鹿が」(小声)


弥生「えっ!?」


淳一「あぁ別に何でもない、ただの独り言だ。うん、そう独り言、独り言」


弥生「そっそうなんだ」


淳一「(深呼吸)なっなぁ細川、お前に聞いて欲しい事がある」


弥生「私から先にいい?」


淳一「いや、先に言わせてくれ」


弥生「分かった先にいいよ。でも、後で私の話も聞いてよね」


淳一「あぁ分かってる」


弥生「じゃあ先にいいよ」


淳一「ありがとう・・・・(再度深呼吸)細川弥生さん、俺は貴女が好きです。

   ずっと前から貴女に惚れてました、俺と付き合って下さい」


弥生「・・・・・・・・グスッ」


淳一「オイオイ、人が告白した後に泣かないでくれ。もしかして嫌だったとか?」


弥生「ゴメン、違うの・・・・(深呼吸)もう大丈夫、余りにも嬉しくて」


淳一「え?・・・って事は?」


弥生「私も好きでした。私からもお願いします、付き合ってください」


淳一「・・・・・ありがとう」


弥生「改まってお礼言われると、何だか凄く恥ずかしい」


淳一「バカっ!俺の方がもっと恥ずかしいんだよ」


弥生「そっか、私も恥ずかしいのと、嬉しいのと、少し残念な気持ちで、頭の中がグチャグチャ」


淳一「残念?どうして?」


弥生「私から先に告白したかったんだ、少し残念」


淳一「そうか、だったら。弥生よりも先に告白出来た俺は幸運だな」


弥生「あれ?淳一、私の事名前で呼ばなかった?」


淳一「あぁ、もう恥ずかしがって、苗字で呼ぶ必要が無くなったからな」


弥生「えっ?淳一が私の事苗字で呼んでた理由って、恥ずかしかったから?」


淳一「あぁ、まぁそんなトコだ」


弥生「プッ・・・アハハハハ」


淳一「何だよ、泣いたかと思ったら、いきなり笑い出して」


弥生「ごめんね、だって淳一が苗字で呼んでくる理由が・・・」


淳一「そんなに変か?・・・ってあれ?お前俺の事・・・」


弥生「うん、私が淳一の事今まで君付けで呼んでた理由が、恥ずかしかったからなんだ。

   だからもう恥ずかしがる必要が無いから、名前で呼ぶね」


淳一「鉄平は知ってたのか?弥生が俺の事好きだって」


弥生「うん、昨日の放課後に話したんだ、私が淳一の事を君付けで呼ぶ理由も含めて」


淳一「アイツが笑う訳だ」


弥生「鉄平は、私達が両思いだって知ってたんだね」


淳一「そうらしな、しかも、かなり前から気が付いてたみたいだ」


弥生「鉄平は、そう言う所鋭いからね」


淳一「自分の事より、他人の事を優先するタイプだからな」


弥生「だからこそ、二人にも上手く行ってほしいな」


淳一「千夏と鉄平の事か?」


弥生「うん、気づいてたんだ」


淳一「当たり前だ、千夏特に分かり易いからな」


弥生「鉄平も気づいてると思う?」


淳一「流石に気が付くだろ、漫画の主人公じゃあるまいし」


弥生「どう思う?」


淳一「何が?」


弥生「千夏が、今鉄平に告白したら、どうなると思う?」


淳一「どうなるんだろうな。俺には分からん」


弥生「鉄平は、千夏の事好きじゃないのかな?」


淳一「いや、この世界の誰よりも、アイツは千夏の事が好きだと思う」


弥生「だったら・・・」


淳一「だからこそ、身を引いちまうのがアイツなんだよ。自分よりも、千夏には見合う相手が居る。自分は相応しくないってな」


弥生「でも、やっぱり両思いなら上手く行って欲しいよ」


淳一「そうだよな、弥生の言う通りだ」


弥生「私たちに出来る事、無いのかな?」


淳一「分からん、だが、これは鉄平自身の問題だ。結局どう言う結論を出すのかは、アイツ次第だ」


弥生「そうだね」



-----間-----




鉄平「なぁそう言えば、頼みたい事があるとかって言ってなかったか?」


千夏「うん」


鉄平「片付けも終わったし、話して見ろよ」


千夏「鉄平は、私の事どう思ってる?」


鉄平「何だよやぶから棒に」


千夏「行き成りなのは謝る。でも、聞いておきたいんだ」


鉄平「本当にどうしたんだよ、何時もの千夏らしくないぜ?険しい顔しちゃってさ。ほら笑顔笑顔♪」


千夏「鉄平、今だけは無理に明るく振舞わなくて良いから、本音を聞かせて」


鉄平「・・・・・気づいてたのか」


千夏「当たり前よ、何年一緒に居ると思ってるの?」


鉄平「そっか・・・・それもそうだよな。千夏には、バレてて当然か」


千夏「ねぇ、なんで何時もそんなに無理して明るく振舞おうとするの?

   何時でも損な役割は自分一人だけで背負って、馬鹿だよ本当に」


鉄平「スマン」


千夏「謝らないでよ」


鉄平「・・・・・」


千夏「多分知ってると思うけど私ね、鉄平の事が好きなんだ」


鉄平「あぁ、知ってる。」


千夏「私はさ、鉄平の傍で力に成りたいの。私じゃ駄目?」


鉄平「・・・・・千夏の気持ちは素直に嬉しいし、俺も千夏の事多分好きなんだと思う」


千夏「だったら・・・」


鉄平「だからこそ、俺の事を嫌いになって欲しい」


千夏「どうして?」


鉄平「千夏は、俺なんかには勿体無い。他に見合う人が居る」


千夏「なんで、そんなこと言うの?」


鉄平「事実だからだ」


千夏「そんな事言わないで・・・」


鉄平「俺は千夏の思いに応えきれない。だから・・・」


千夏「まって、それ以上言わないで」


鉄平「俺はお前とは付き合えない。」


千夏「・・・・・」


鉄平「今までみたいに、話すことは無いと思う。それじゃぁな」



-----間-----(少し長め)



弥生「千夏ー!明日から三連休だね」


千夏「・・・・そうだね」


弥生「・・・ねぇ千夏、あれから本当に鉄平とは口きいてないの?」


千夏「・・・・・うん」


弥生「でも、もう結構経つよ!」


千夏「・・・そう」


弥生「お願い!何があったのかを教えて、力に成りたいの」


千夏「ありがとう、気持ちだけ受け取るよ」


弥生「千夏・・・・」


淳一「千夏の様子はどうだ?弥生」


弥生「淳一・・・・駄目、あれからすっかり元気無くしちゃって」


淳一「確かに、目に見えて元気無いな」


弥生「普段は明るく振舞ってるけど、あの日の話になったり、鉄平を見かけた時は、今みたいに・・・」


淳一「なる程」


弥生「ねぇ、鉄平の方は?」


淳一「俺が説明するよりも、一目見ればわかるだろ?」


弥生「うん、いつも一人ぼっちだよね」


淳一「他の連中に話を聞いても、なんで鉄平がああなったか心当たりが無いだとさ」


弥生「鉄平、あの日から私達を避けてるよね」


淳一「あぁ、他のクラスの奴に聞いてみるか。」


弥生「何か心当たりでもあるの?」


淳一「まぁな」


弥生「そっか」


淳一「弥生は、千夏の方を頼む」


弥生「うん分かった・・・・ねぇ淳一。どうしてこんな事になったんだろうね」


淳一「千夏があの日、何があったのかを話してくれたら、力に成れるんだろうがな」


弥生「そうだね、今日千夏の家に行ってみる。ちょうど明日から連休だから、話して貰うまで帰らないつもり」


淳一「そうか・・・それなら今日は、俺も一緒に行こう」


弥生「あれ?てっきり、止めると思ってたのに」


淳一「なんかさ、アイツ等がバカみたいに明るく無いと、調子が狂うんだよ」


弥生「そっか、同じだね。私もなんだ」


淳一「よし!早速今日、学校が終わったら千夏の家に向かうぞ」


弥生「分かった」


淳一「それじゃまた放課後に」


弥生「うん」



-----間----




弥生「千夏!」


千夏「弥生・・・それに淳一も」


淳一「・・・よう」


千夏「なんの用?」


淳一「お前が、何時までも辛気臭い顔してるから、元気付けに来たんだよ」


弥生「ねぇ、私たちにあの日何があったのかを聞かせて?千夏の力に成りたいの」


千夏「気持ちは嬉しいけど、私は大丈夫だから」


淳一「そう見えないから、ここまで来たんだろうが」


弥生「お願い」


千夏「・・・分かった、話すから上がって」


淳一「ありがとう、それじゃぁお邪魔するぜ」


弥生「お邪魔します」


弥生「千夏の家に来るの、随分久しぶりだなぁ~」


千夏「そうね」


淳一「さぁて、早速本題に入ろうか」


弥生「無理しなくていから、千夏のペースで話して」


千夏「・・・分かった」



-----間-----



鉄平「連休♪連休♪連キュッキュ~♪・・・・・ハァ・・・どうしてこうなったかな~」


淳一「よう鉄平・・・・歯ァ食いしばれ!!」(鉄平を殴る)


鉄平「グッ!!・・・痛いなぁ~、いきなり何すんだよ」


淳一「テメェ!!」


鉄平「あっぶね・・・っ!」


淳一「逃げんじゃねぇ」


鉄平「あ゛?お前何言ってんだ?逃げる?何から??」


淳一「逃げてんだろ!今だってそうだ、千夏が告白した時からずっと!」


鉄平「いきなり現れて、好き勝手言いやがって。ふざけんな!淳一!!テメェこそ!歯ァ食いしばれ!」(淳一を殴る)


淳一「グハッ・・・っ!」


鉄平「何だよ、その目は」


淳一「・・・なんで千夏にあんな事を言ったんだっ!」(鉄平を殴る)


鉄平「カハッ!・・・事実だからだっ!俺は千夏に相応しい男じゃないっ!!!」(淳一を殴る)


淳一「グッ・・・!、それは、お前が決める事じゃないだろ!」(鉄平を殴る)


鉄平「チィ!・・・・かもな、だけど。こんな気持ちのまま付き合ったとして、千夏を幸せに出来るもんか!」


淳一「自己完結してんじゃねぇ!それこそお前が決める事じゃない!」


鉄平「・・・・だから!好き勝手言うんじゃ・・・ねぇ!!」(淳一を殴る)


淳一「グッ・・・正直言わせて貰うと・・・今のお前はただのヘタれだよ・・・」


鉄平「あ゛ぁ?」


淳一「ビビって、相手遠ざけて、そのくせ、傷つけた事に自己嫌悪しやがって、いい加減にしろよ!」


鉄平「知った風な口聞くなぁ~!!」(淳一を殴る)


淳一「グッ!」


鉄平「ハァハァハァ」


淳一「逆上する所見ると、お前だって気付いてるんじゃないのか?」


鉄平「・・・・・黙れ!!」(淳一を殴る)


淳一「ウグッ・・・いい加減に腹括はらくくれよ」


鉄平「・・・黙れって言ってんだろうが!!」(淳一を殴る)


淳一「アグッ・・・・千夏の事が好きなんだろ?だったら認めて、謝って許して貰えよ!」(鉄平を殴る)


鉄平「グゥ・・・・・何だよそれ」


淳一「千夏を傷つけたと思うなら、謝るのはおかしな事じゃないだろ?

   それに、俺が知ってる林鉄平って男は、自分が悪いと思った事は素直に謝る奴だ」


鉄平「ふざけんなよ・・・お前は俺に期待しすぎだ!!」(淳一を殴る)


淳一「グッ・・・・それだけの男だと、俺は思ってる」


鉄平「いつも俺を馬鹿にしてるくせに!!」(淳一を殴る)


淳一「ガハッ・・・・それは、お前が道化を、演じてるからだろうが!!」(鉄平を殴る)


鉄平「痛っ!!・・・そうでもしなきゃ、やってらねれぇよ!分かるか!お前らより劣ってる俺が・・・」


淳一「知ったことか!!!」(鉄平を殴る)


鉄平「グハッ・・・」


淳一「またそうやって自分の中で決めつけやがって、俺は一度でもお前が俺や弥生と千夏の二人より劣ってるなんて思ってない。ましてや見下した事なんてない」


鉄平「嘘つくな!!」(淳一を殴る)


淳一「グッ・・・嘘なんかじゃねぇ!!俺さ鉄平、正直お前に憧れてんだよ。

   何時いつでも明るくて、笑顔の中心にいるお前に、だからどうしても、お前に期待しちまうんだよ」


鉄平「どうしてそこまで・・・」


淳一「ガキの頃からの親友だろ?・・・何を悩んでんだ?聞かせろ」


鉄平「・・・分かった、言うよ・・・」


淳一「聞かせろ」


鉄平「俺は頭が悪いし・・・・」


淳一「勉強なら俺が教えてやる」


鉄平「すぐ強がっちまうし・・・・・」


淳一「それは治してやる」


鉄平「・・・・それから、聞いちまったんだよ」


淳一「何を?」


鉄平「千夏から告白された日、体育で使った道具の片付けに俺が遅れてきたよな」


淳一「あぁ」


鉄平「その時にさ、聞いちまったんだよ・・・誰かはわかんねぇが、内容はしっかりと覚えてる。千夏が孤立してるのは、俺なんかと付き合ってるからなんだとさ」


淳一「お前・・・」


鉄平「俺さ、頭に来たんだよ。今までに無いくらい・・・・でもさ、考えたみたら俺のせいなんだよな」


淳一「鉄平・・・」


鉄平「俺が傍に居るから、千夏が孤立した。このままだと、お前や弥生も傷つけるかもしれない」


淳一「・・・・ばっ・・・馬鹿野郎!!!」(鉄平を殴る)


鉄平「グッ」


淳一「てめぇ!わかってんのか!!誰が一番皆を・・・千夏を傷つけたのか」(鉄平の胸倉を掴む)


鉄平「・・・俺だろ・・・わかってるよ・・・」


淳一「だったら!!」


鉄平「だからこそ!!俺は傍に居ないほうがいい」


淳一「ふざけんな!フザケンナ!!ふざけんなぁぁぁ!!!」(鉄平をボコボコに)


鉄平「・・・・・・痛ぅ」


淳一「全くお前は本当に馬鹿だ!大馬鹿野郎だ!!」


鉄平「分かってるよ」


淳一「いいや、わかってねぇ!!お前の事だ、勝手に背負い込んで自信無くしちまったんだろうが、他人は他人だ、割り切れよ!」


鉄平「簡単に言うな!、自分のせいで大切な人を傷つける苦しみなんてお前にわかんのか!あぁ”!」(淳一を突き放す)


淳一「・・・グッ・・・わかんねぇよ。でも、だからこそ!お前が傍に居て支えてやれよ!」


鉄平「黙れ!黙れ!黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」(淳一を殴る)


淳一「グゥ・・・また逆切れか、お前だってわかってんだろ?何でそこまで」


鉄平「俺が・・・俺が・・・全部、全部俺が悪いんだよ」(泣き崩れる)


淳一「落ち着け鉄平、俺は前に言ったよな?お前に憧れてるって」


鉄平「・・・・・」


淳一「もっと自身持て。俺はお前が、弥生を励ました時の事を聞いたんだ。あんな言葉を言えるお前が、他人より劣ってる訳がねぇだろ・・・」


鉄平「・・・・」


淳一「少しでも悪いと思うなら、今すぐに千夏に謝ってこい」


鉄平「・・・俺でいいのかな?」


淳一「お前じゃなきゃ務まらないだろ、俺は千夏を幸せにできるのはお前だって信じてる」


鉄平「そっか・・・俺でいいんだな・・・」


淳一「行くのか?」


鉄平「あぁ吹っ切れた!!だから行ってくる」(明るく)


淳一「そうか、だったらその前に。受け取れ!」(鉄平を殴る)


鉄平「何を?って・・グッ」


淳一「これは、泣かせた千夏の分!これは心配してた弥生の分!」(鉄平を殴る)


鉄平「グハッ」


淳一「俺の分は最初の一発でまけててやるよ」


鉄平「・・・・フッありがと・・・よっ!!」(淳一を殴る)


淳一「グ・・・・・」


鉄平「フッフッフ、油断したな淳一、反撃しないとは、誰も言ってないZ☆E」


淳一「お・・・ま・・・え・・・」(ドサリと仰向けに倒れて気絶する淳一)


鉄平「目が覚めたよ、お陰で自信も付いたし、覚悟も決まった。それじゃぁ、行ってくるぜ。ありがとな、親友」



-----間-----



弥生「あっ!鉄平!」


鉄平「おぉ弥生!」


弥生「フン!!!」


鉄平「グァ~~!!すねガァァァァ!取れた!これ取れたんじゃね!」


弥生「黙れ!男のクセにすね蹴られたくらいで大声上げない!」


鉄平「無茶言うな!!」


弥生「ふぅ・・・もう鉄平は大丈夫なの?」


鉄平「・・・・あぁ、もう公園に呼んでるから、そこで千夏に謝まってくる」


弥生「そっか、頑張って!」


鉄平「あぁ!ごめ・・・」


弥生「私に謝らないの!!謝るのは千夏にでしょ?」


鉄平「そっか、そうだな。ありがとう」


弥生「あぁそう言えば鉄平、淳一知らない?」


鉄平「あぁ、それなら直ぐそこのベンチで、気絶してると思う」


弥生「気絶!!!どうして!?」


鉄平「さっき喧嘩した時、やり過ぎちゃった☆彡」


弥生「鉄平ぃぃぃぃ!!」


鉄平「怒んな、ちょい耳貸せ弥生」


弥生「・・・・何よ」


鉄平「今のうちに・・・・」


弥生「っ!!出来るわけ無いでしょ恥ずかしい!」


鉄平「淳一は気を失ってるから、チャンスだと思うぜ?」


弥生「変な気回すな!フン!!!!!」


鉄平「目がァァァァァァァァァァァァ」



-----間-----



千夏「あ・・・・鉄平・・・」


鉄平「お・・・お待たせ」


千夏「なんで、涙目ですね抑えながら歩いて来たの?それにボロボロよ」


鉄平「聞かないでくれ」


千夏「わっ分かった、そうする」


鉄平「ありがとう」


千夏「・・・クスッ」


鉄平「・・どうした?」


千夏「何だか、不思議」


鉄平「何が?」


千夏「あの日から、口を聞いてなかったのに、いざ2人きりになったら自然と言葉が出てくるんだもん」


鉄平「・・・・そうか」


千夏「うん、鉄平が来るまではどんな話しようとか、色々な考えが頭の中を駆け巡って、少し混乱してたんだけどね」


鉄平「俺も似たようなモンだから、凄く分かる」


千夏「そうなの?」


鉄平「うん・・・まぁ俺の場合、腹を括ったからかな?覚悟を決めたって言うかさ」


千夏「・・・そうなんだ」


鉄平「うん、親友のお陰さ・・・・なぁ千夏」


千夏「何?」


鉄平「ゴメン!」


千夏「ちょっと!土下座なんてやめてよ!」


鉄平「いや!させてくれ!俺は千夏を深く傷付けたんだ、コレくらいしないと、俺の気が済まない。

   それに、何より千夏に申し訳が立たなくて・・・」


千夏「怒ってないよ、だから顔上げて」


鉄平「・・・うん」


千夏「そんなに自分を追い込まないで」


鉄平「分かってる」


千夏「分かってないよ全く」


鉄平「なぁ千夏、もう一つ、聞いて欲しい話がある」


千夏「・・・なに?」


鉄平「身勝手な話だけど、いいか?」


千夏「うん、話してみて」


鉄平「大空千夏おおぞらちなつさん、まだ俺の事を好きで居てくれたなら、俺と付き合って下さい」


千夏「・・・・・鉄平目を閉じて」(リップ音)



-----間-----



淳一「う~ん」


弥生「あっ目が覚めた?」


淳一「おわっ!弥生!」


弥生「動かないの!」


淳一「だってこの体勢・・・」


弥生「膝枕だね」


淳一「膝枕だねって!そんな簡単に・・・痛ッ!!」


弥生「ほら、だから動かないの!私だって心臓バクバクなんだから」


淳一「だったら、辞めりゃいいのに」


弥生「何?嬉しくないの?」


淳一「嬉しいよ!でも、倍ぐらい恥ずかしい」


弥生「そっか、そうだよね。分かった、今退くね」


淳一「あぁ!待ってくれ」


弥生「なに?淳一」


淳一「(小声)後5分位こうしててくれ」


弥生「分かった」


淳一「ありがとう・・・・・・あー、空が青いな~」


弥生「青いねぇ~」


淳一「今まで見た中で、最高の空だ」


弥生「体はボロボロだね」


淳一「言わんでくれ」


弥生「・・・・ねぇ」


淳一「どうした?」


弥生「大好き」


淳一「ちょっ!!痛ッ!」


弥生「もう!どうして動くかな!」


淳一「弥生がいきなり、照れ臭いこと言うからだぞ!」


弥生「ウフフ」


淳一「全く、なんでいきなり・・・」


弥生「言いたかったから。今、どうしても伝えたかったんだ」


淳一「そっか・・・・」


弥生「・・・淳一は?」


淳一「・・・・・すっ・・・(小声)好きだよ」


弥生「そっか・・・ウフフ」


淳一「ニヤニヤするな!」


弥生「無理だよ、嬉しすぎるから」


淳一「・・・・今回だけだぞ」


弥生「ありがと♪・・・あの二人も今頃、笑えてるといいのにね」


淳一「そうだな。だがきっと、今回は大丈夫だよ」


弥生「そっか・・・そうだよね」



-----間-----(長く)



鉄平「なぁ千夏」


千夏「なに?」


鉄平「俺決めたんだ。今までみたいに、無理してでも明るく元気で、皆の笑顔の中心でいようと思う」


千夏「だけど・・・」


鉄平「うん、正直辛い時もあると思う、だけど親友が、そして千夏が傍にいる。

   きっとそ皆の笑った顔を見るのが、俺が笑う理由になってると思うんだ」


千夏「そっか、だったら私はそんな鉄平を支える」


鉄平「ありがとう」


千夏「ねぇ」


鉄平「うん?」


千夏「今度は逃げないでね」


鉄平「あぁ、大切にする。大好きだ千夏」




どうも、赤点人間と申します。

この度は最後まで読んでいただきありがとうございました。

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[一言] とてもおもしろかったです!! というか感動しました!
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