プロローグ
あの頃はとても楽しかった。俺自身、幼かったからかもしれないが毎日夕方になるまで遊んでゆっちゃん、あん、しろといつまでも一緒に居られるとそう思っていたのに。
━━━━━━別れは突然訪れた
「んじゃあさ、どっちが先に渡れるか競走な!」
「えー。危ないよ!たとえ青信号でも車は来るんだよ?止めようよ」
━━━━━━今思えばこの時、素直に止めてれば
「ちぇ……あ、青になった!お前がやらないなら一人で先に行くからな」
「あ、待ってよひーくん」
「へんだ。待たねーよ……ん?」
横断歩道を半分程渡った所で俺は一台のトラックに気が付いた。青信号なのにスピードは全く落ちてなく、運転士は眠っているようだ。
「あ…は、早く逃げろゆっちゃん、うわっ!」
「ひーくん大丈夫?」
━━━━━━こんな時に転ばなかったら
「…ん?なっ、こっ、子供!!」
キイイイイイィィィィィ…
トラックは横向きに止まった。タイヤの焦げる臭いが今でも鮮明に覚えている。だがこれで終わりじゃなかった。
ガチャン
そんな音と一緒に台車に乗っていた鉄パイプが降ってきた。
「うあああぁぁぁ!!」
「きゃああっ」
そして俺の意識はここで途切れた。