四話
今回でチュートリアル回は終了です。
四話
「一つだけ言いたい事があるのだが・・・」
何かとても嫌な予感がする。明らかに深刻そうな顔してるし。しかも直前にユニーククエスト発生とか出たし。
「実は、この職業別専用フィールドはたまにモンスターの第侵攻があるのだ。他の街・・・戦士の街とかは沢山冒険者が居るが、このファストフード職人の街はユート君、君一人しかいない。」
・・・え?俺一人しかいないの?だから誰とも会わなかったのか。それにしても、一人でモンスターの第侵攻を防げか。詰んだァァァァァァァ!?
「だから、ユート君には新しい力が必要だ。君には<試練の洞窟>へ行ってもらう。」
これって、レア職業に早くも派生するイベントなのか?だったら素晴らしいな!!
「じゃあ、今から行こう。転移<試練の洞窟>」
え、まだ心の準備がぁぁぁ・・・
ーー試練の洞窟ーー
えー、現在一人で洞窟の中を歩いているユート君です。じーさんは、
「ここから先は、儂は入れん。頑張れよ。」
とか言って、どっかへ行ってしまった。あの薄情じーさんめっ!!
・・・っと、何か扉があるな。中にはいるか。
ーー初代FFFの間ーー
何か、変な幽霊のおっさんが目の前にいる。
「貴様は力が欲しいか。」
しゃべりかけてきた。これは恐らく会話型のイベントだろう。なら贅沢な事言ってやるか。
「・・・ あぁ、力が欲しい。誰にも負けない、そして全てを守る事が出来る力が欲しい!!」
恥ずかしい・・・ちょっと調子に乗りました。
「くはははは、面白い。我の試練を突破できたらくれてやろう、最高の力をな!!」
と言うと同時に、周りの風景が変わった。一面、小麦畑ですな。
「今から三分以内に我に小麦を300個よこせ!!」
「はい、どうぞ。」
「え・・・、あ、は・・・じゃない!!しかし、次はこうはいかんぞ!!」
いやー、頑張ったかいがあったなー。お、また周りの風景が変わった。今回は狭い闘技場みたいな所か。
「次は雑魚豚を100匹倒せ!!当然、三分以内にだぞ!!」
あらま、まぁた簡単なものだな。一瞬でクリアするか。
「いくぜ、<ブーメランサイス>!!」
そう言うと同時にシステムが俺の体を動かし、バーガーサイスを雑魚豚達に向かって投げつける。ちなみに、鎌術lv.3で覚えた特技だ。この特技の特徴は、簡単にいえば馬鹿でかいブーメランを敵に投げつけるようなもんだ。つまり・・・
「なっ・・・一分もたたず残り半分だと!?」
<レベルが11から12に上がりました。>
雑魚豚でも数さえあればいいもんだな。さーてもういっちょー。
〜〜〜〜
結局速攻で終わってしまった。そして今、目の前にいるおっさんがめっちゃオーラ的な何かを出しています。当然、俺はバーガーサイスを構えているが一瞬で消されるだろうな。
「・・・最後の試練だ。この儂をたおしてみろ!!」
ナニヲイッテイルンダ、コノオッサンハ・・・おっさんの頭の上には
<初代FFF lv.128>
という、見たくもないものがあった。俺はやっとlv.12なのにどうしろと?・・・しゃーない、負ける事が前提のイベントという事を信じてみるか。
「<ブーメランサイス>!!」
ブン・・・バキャァ!!
「ふん、その程度か。」
おっさんが飛んで来たバーガーサイスを殴りつけた瞬間、見事に俺のバーガーサイスが破壊された。そして今気が付いたら、おっさんは俺に向かって拳を叩きつけようとしていた。
「へぶらぁ!?」
当然、避ける事なんて出来ず洞窟の壁に叩きつけられる。痛みは無くても、衝撃が俺の意識を刈り取って行った。
「ふん、この程度か。」
畜生・・・。
ーー光り輝く空間ーー
俺は今、周りが真っ白の空間にいる。これもやっぱりイベントか、それとも俺の夢の中か。そう考えていると、頭の中で声が聞こえた。
「少年よ、私の名前は食神イート。貴方に力を授けに来ました。」
あれ、俺はあいつに勝てなかったぞ。試練は失敗じゃないのか?
「あの戦いは、初代が勝手にやっただけで試練では有りませんでした。」
なん・・だと・・・。くそっ!!何なんだよ、あのおっさんは!!
「貴方は、あの街を護るために力を得なければなりません。だから、貴方には新しい職業<食天使>を授けたいと思います。その状態で更に強くなり、街を完璧に護れるようになった時もう一度私の所へ来なさい。更なる力を授けましょう。・・・ついでに、貴方の武器も私の加護を付けた状態で直しておきました。これからの活躍を期待します。では、さようなら。」
ーー職業が、ファストフード職人から食天使に変わりました。ーー
ーー新スキルを獲得しました。・食魔法陣lv.1・バーガー魔法lv.1・スパゲッティ魔法lv.1ーー
ーー武器がグレードアップしました。ーー
バーガーサイス→食天使のバーガーサイス
(特殊)→(古代種)
ATK+12→13(+1)
特殊効果
超再生・超回復
5秒たつごとに自分のHPの2%回復、また状態異常に掛かったとき、通常よりも早く治る。
・ハンバーガーオブハンバーガー
バーガーと名のつく道具、武器、防具の基本能力を10%上昇させる
・食神の加護
食材系統のアイテムドロップ量が増加する
・進化
この武器はある素材を使って強化した場合、次の段階へ移行する
ーー強制転移が発動します3・・2・・1・・発動ーー
ーーじーさんの所ーー
結局、さっきのおっさんには復讐できなかった。何故なら、
「ほう、新しい力を得たか。だがまだ儂にはかなわんだろう。また強くなったらここに来い。何時でも相手をしてやろう。」
とか言って、二度めの強制転移をされたからだ。絶対強くなったら真っ先にここに来て捻り潰してやる。・・・まぁ、得たものは大きかったからまだましだが。
ところで、さっきゲットしたスキルの説明をしようか。<食魔法陣>は簡単にいえば、これから紹介する魔法を発射する為の砲身だ。これが無いと使えないらしい。今現在は二つしか展開が出来ないが、スキルのレベルが上がれば数も増えていく。
<バーガー魔法>と<スパゲッティ魔法>は、自分の所持している食材とMPを使用し発動するスキルで、<ボム・バーガー>や<レイン・スパゲッティ>という攻撃魔法や、<シールド・バーガー>という、防御魔法もある。これらの魔法の特徴は、威力と効果がとても高い代わりに、発動コストの食材を集めるのがとても大変という、正直微妙な感じだ。
例えば、バーガー系は小麦系統を三つ、肉系統を一つ、後はアレンジ次第で追加効果も出来るという一見、優れものっぽい。しかし、今現在は小麦は39個、肉はさっきの雑魚豚百頭狩りで83個まで溜まった。・・・圧倒的に食材が足りない。はぁ、憂鬱だ。また小麦狩りをやるか。
・・・ピピッ
ん、メールか。なになに・・・っ!?
まさか、嘘だろ・・・
小説の中で書き切れなかった細かいこと
初代FFFのFFFの意味
FFF
また、あの主人公の厨二っぽい「力が欲しい」の時、ただ純粋に力が欲しいと言っただけなら食神に興味を持たれなかったということで、食天使の一段階下のFFFになっていました。