<私の一番大切な人は魔法を使う>
順調に授業をこなしていきます。
アイリーンは根っからの文系少女なので、国語の授業はなんなくこなします。
「ヘンゼル、中間テストの勝負しない?」 「おっ、いいねぇ!アルトも参加しない?」
「えっ!?ぼく、絶対最下位になっちゃう !」
いやいや、アイリーンは理数系は絶望的なバカなので、最下位はないかと思います。
「いやいや、実技魔法テスト勝負よりよっぽどマシだと思うよ?」
「うーん…たしかに…」
そんなことを話していると、
ドカン!
爆発。
「誰だろう?」アルトは冷静にドアを開き、 「やべっ、どうすんだ?」少し狼狽えるヘンゼル。隣のクラスからの爆発音。早足で隣のクラス、1Aへと行きます。そしたら、 「あーあ、やっぱりあんたたちか…ステファン、ルーファス!」
ルーファスは、茶色の髪、茶色の目。背が高く、ずる賢い男の子。どうやら、二人はお互いにわき腹をくすぐろうとして、避けたりくすぐろうとしたりして、じゃれあってて、思わずステファンが「足止め魔法」を使った模様。それがルーファスには当たらず、近くにあったリュックに反応、着火、爆発。咄嗟にクラスの皆は「防御魔法」を繰り出して、怪我人はいなかったのですが…。てかなんでリュックに魔法がかかると着火するんだろう。
「ステファン、ルーファス!」保護者のように、アイリーンはしかります。
「間違っても変に魔法を使っちゃダメだっ て前言ったじゃん!次したらどうなるか分かるな?」
「ごめんなさいアイリーン~…」
ステファン、しょぼん。さすがにこれ以上責めるのはやめるかなとアイリーンは自重します。けが人もいなかったし…。さすが魔法学校… 。ヘンゼルが魔法用の杖を取り出し、 一振り。一瞬で、リュックや床は元通り。ヘンゼルは「修復魔法」を心得ています。なので、なにか壊したときは彼をよぶのがベスト。修復魔法はなかなか心得ている者はいなく、難易度の高い魔法。それを難なく軽く使いこなすヘンゼルは、もはや努力の賜物で す。アルトは憤ったアイリーンのなだめ役。「癒し魔法」を少しずつアイリーンにかけます。ルーファスはいたたまれない顔。そろそろ昼休みが終わります。ルーファスは1Eなので、そろそろ戻らねば。
「もう…これだからウチの親友たちはお騒がせな人たちだ…」ぼそっ、とアイリーンはあきれながらつぶやきました。