15/17
<私の一番大切な人は皆夜の夢に眠る>
明日は朝からどたばたするんだろーなって想いながら。
アイリーンはコーヒーを飲みます。
ヘンゼルとミーシャの忠告、そしてエルの告白。
びっくり。
抱きしめられたとき、小さい頃のエルを思い出しました。
給食を一緒に食べて、笑いあって。
でもまだ、エルを「男」として見られない。
皆大切で。
皆大好きで。
明日は遊園地。
エルはどういう視線を向けてくるのだろうか。
アイリーンは意を決して、
「あ、もしもし?遅くにごめんね」
エルナンドに電話をしてみました。
「あ、ううん!大丈夫」
「エル…」
アイリーンは一つの答えを出してました。
「なに?」
「まだ、ウチ、恋愛とかよくわかんなくて…誰かを愛すことができないんだ。だから、」
唐突、
「待ってる」
「え?」
「僕、アイリーンに振り向いてもらえるように、頑張るから」
自分のためにここまでしてくれるんだってアイリーンは実感し、
精一杯の想いを込めて。
「…ありがとう」
そう言い、通話を終わらせました。
何か、成し遂げた気がした。
アイリーンは穏やかな気持ちで眠りにつきました。