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TS転生者の生存戦略〜Transsexual Reincarnation's Survival Strategy〜  作者: mitsuzo
第一章「孤児院の少女編」

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35/51

035「お貴族様メイド、襲来(1)」



——次の日


「え? 30袋⋯⋯ですか?」


 開店と同時に告げられた注文内容に食堂がシーンと静まり返る。


 そんな大量注文を出した人物は、見惚れるほどにきれいな銀髪と、リッツと同じ狼っぽい『ケモ耳』が目立つ美女メイド⋯⋯って、び、びびび、美女メイドだとぉぉ〜〜!!!!


 しかも、銀髪でケモ耳とか盛り過ぎやろぉぉ〜〜! いいぞ、もっとやれ!


 銀髪ケモ耳美女メイド、キタァァァ〜〜っ!!!!!


「あ、あの、すみません。ご注文は30袋で⋯⋯お間違えないですか?」


 そんな俺の興奮(フィーバー)をよそに、注文内容を再度確認するなど冷静な対応を見せるシエラ。


「はい、間違いないです」


 ジャララ⋯⋯。


 そういうとその『銀髪ケモ耳美女メイド』は懐から大銀貨6枚(銀貨60枚相当)を出した。


「わたくし『フィアライト侯爵家』に仕えるメイドでございまして⋯⋯。今回ご当主様のご厚意により屋敷の使用人及び、フィアライト商会従業員への労いの品として購入に参った次第でございます」

「フィ、フィアライト侯爵様⋯⋯っ?!」

「「「「「りょ、領主様だってぇぇ!!!!」」」」」


 突然のビッグネームに食堂が騒然となる。


 ていうか、『フィアライト侯爵』ってこの街の領主じゃないか。そんなお貴族様がこんな孤児院の商品を買いに来るだなんてそれってこの世界では普通なのか?⋯⋯⋯⋯いや、周囲の客や世話人たちの反応を見る限りそうでは無いっぽいな。


 それにしてもまさかこんな早い段階でお貴族様が買いに来るなんて⋯⋯。正直、ポテトフライのポテンシャルならいずれお貴族様も買いに来るだろうと予想はしていたが想像以上の早さだ。


 まー大量注文はありがたいが、しかしポテトフライは『ほぼ受注生産』を採用しているので、一度メイドさんにはちょっと列から離れてもらって待機してもらう必要がある。


 しかし、領主に仕えるメイドさんにそれを指示するのはいくら『万能型(オールラウンダー)シエラ』といえど荷が重いだろうし世話人の大人たちも厳しいだろう。


 ということで、俺は銀髪ケモ耳美女メイドへと向かった。



********************



「あの、すみません⋯⋯」

「あなたは?」

「わたくし、アナスタシアと申します」

「まあ! 《《あなた》》が⋯⋯!」

「え?」


 ん? なんだ? 今の反応? まるで俺のことを知っているような⋯⋯。


「あ、あの、私のことご存じなんですか?」

「えっ?! あ、いえ、すみません。私の勘違いでございました。オホホホホ」

「は、はあ⋯⋯」


 そういって美女メイドが「オホホホホ」とわかりやすくごまかす。とはいえ、ここでそれにツッコンでも『藪から蛇』が出てきたらたまったものではないので華麗にスルーする。


「あのすみません。大変恐縮なんですが30袋だと調理に時間がかかりますので、その間はこちらでお待ちいただいてもよろしいでしょうか?」


 俺は会計の列から外れた机にて待機するよう案内する。


「すみません、気が付かず⋯⋯」

「あ、いえ。ありがとうございます」


 そういって、メイドさんは特に意見することなく素直に机に移動してくれた。


「あと20分ほどでご用意できるかと思いますので、もう少々お待ちくださいませ」

「これはこれはご丁寧に。かしこまりました」


 メイドさんが笑顔で快諾してくれた。なんだ、お貴族様のメイドさんっていうからもっと『非常識でわがまま』なことを言われると思っていたけどそんなことないじゃないか。


 俺の中でお貴族様のイメージが上方修正されようとした時だった。


「⋯⋯それでは用意ができるまで、私の話し相手になってもらってもよろしくて?」

「え?」

「ダメかしら?」

「あ、えっと⋯⋯いえ大丈夫です」

「そう。よかった」

「っ!?」


 そういってメイドさんがニコリと微笑む。本来こんな美人メイドさんの笑顔なんてご褒美でしかないはずなのだが、この時のソレには何か得体の知れない『圧』というか『不穏さ』みたいなものを感じ、俺は思わずギュッと手を強く握りしめると一気に緊張感を高めた。



********************



「アナスタシアさんは⋯⋯」

「敬称は不要です」

「アナスタシア《《ちゃん》》は⋯⋯」


 あれ? 思ってたのと違う修正をされたのだが?


 いやたしかにメイドさんのほうが歳も身分も恐らく上だから間違ってはいないんだけど、でも⋯⋯距離感バグってね?


「アナスタシアちゃんは何歳ですか?」

「9歳です」

「え? 9歳!」

「? はい」

「⋯⋯」


 俺の年齢を聞いて軽く絶句する美人メイドさん。んん? どした?


「も、もしかして、アナスタシアちゃんのご両親は貴族なんですか?」

「えっと⋯⋯わからないです。赤ちゃんの時に孤児院の前に置かれたのは覚えてますが⋯⋯」

「え? 赤ちゃんの時に⋯⋯置かれた⋯⋯?」

「はい。でも誰が置いたのかまでは覚えてないですね〜」

「そ、そう⋯⋯」

「?」


 あれ? なんか美人メイドさん⋯⋯震えてる?


「あ、あの、大丈夫ですか?」


 俺は美人メイドさんが具合を悪くしたのかと思い声をかけた⋯⋯その時だった。


 ガバッ!


「うわっ!?」


 いきなり、美人メイドさんに抱きつかれた。


 ちょ、何っ?! 一体何が⋯⋯⋯⋯あ、やわらかい。


「アナスタシアちゃん! 私のところにいらっしゃい! 私があなたの面倒を見ますっ!!」

「え? えええええっ!!!!」


 いきなり名前もわからない美人メイドが俺に抱きついてきて「あなたの面倒を見ます!」なんて言ったもんだから周囲がまたも騒然となった。


 しかし、そんな喧騒を打ち消す声が食堂に響く。


「何事だ!」


 一喝したのは我らがラスボス孤児院長だった。


本日9月30日で『毎日投稿』は一旦終わりまして、

来月10月からは『毎週土曜日10時投稿』となります。

大変お手数おかけしますが何卒よろしくお願いいたします。


2025/9/30(火)

mitsuzo


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