願い事は口に出して
「私たちのお賽銭はねみんな願い事を口に出して言うんだ」
「ネ〜、[口に出したら叶わない]って言うけどみんな知ってたほうが協力もできるしね~」
「なんて素晴らしい!、やっちゃんりっちゃん僕らも今年は声を大にして願い事を言おう!」
「おおお音頭君、分かったから近い距離で口を大きく開けないでおくれ」
鼻ポッチしたままテンション高く言う音頭に動揺しまくりの葵、
「ほ、ほら説明も終わったんだから離れておくれ!」
「は〜い」
そう言って離れる音頭と葵を、
「え〜もう少し鼻ポッチしてても良かったんだけどな〜」
「ネ〜別に新年なんだからいいじゃない葵〜」
「新年なんかまるで関係ないでしょ!、ほらみんなでお賽銭をあげに行くよ、[一年の計は元旦にあり]なんだから」
はぐらかすように先を急ぐ葵、
「音頭、さっき言ってたけど俺たちも願い事は声に出すのか?」
「もっちろん」
「ホント音兄ちゃんて思ったら隠さず行動するよね」
「フッフッフッそんなふうに言われると照れちゃうな〜」
恐らく立花は褒めてるつもりはないなのだろう、
「でもやっちゃんもりっちゃんも声に出せないような願い事じゃないでしょ?」
「まぁそりゃな、胸を張って言えることだな」
「私はちょっと恥ずかしいけど」
「だいじょ〜ぶ、りっちゃんだってグラマーになった胸を張っていいんだよ」
か〜っと顔が赤くなるのが立花は分かった、
「お、音頭」
屋台が音頭の口をふさぐが、
「音兄ちゃん」
低い声で音頭を呼ぶ立花だが、
「りっちゃんはねもっと自分が可愛いって自信満々していいんだよ」
そう音頭は言う、