生徒会の新年早々
「初詣だね〜葵〜、もう十年以上欠かさず蓬栄神社に来てるよね〜私たち〜」
「ネ~[一日の計は朝にあり、一年の計は元旦にあり]って言うけど私たちには難しいよね〜」
「その前に貴方たちは私に言うべきことがあるのではないですか?」
新年早々威圧感タップリに言う葵、
「「え〜な~に〜そ~れ〜?」」
声を揃えて生徒会役員の2人は言う、
「貴方たちは私服、私は振袖、その理由を言ってみなさい」
「ン〜、たしかあれは去年の暮れ3人で初詣の話をしていたときのことだった」
「その時Aさんは[初詣どんな格好で行く]と聞くとBさんは[振袖って可愛いよね~]と答えた」
「わざわざ刑事ドラマっぽく言わなくてもいいです」
コントとも取れる2人のやり取りをピシャリと遮る葵、
「でも私たちそれしか言ってないじゃ〜ん」
「そうそ、[振袖って可愛いよね~]って言っただけじゃ〜ん」
「そ、そんなふうに言ってたのですから振袖を着てくるものだと」
「「言ってただけ〜〜」」
「貴方たちは2人は〜」
こちらも新年早々変わらないやりとりである、
「まぁまぁ葵、新年早々目くじら立てなくてもいいじゃない」
「ネ〜実際葵は可愛い柄の振袖を着てきたんだから〜」
葵の振袖は赤の布地に桜や梅の花模様が入っている、
「気合入ってるよね〜、でも葵は毎年初詣は気合入ってるか〜」
「いや〜でも今年はまた特別じゃないかな〜」
「何が言いたいのですか?」
「「新年早々祭君に会えるかもね」」
またも声を揃えて言う生徒会役員の2人だが、
「何を言い出すかと思えば」
葵は余裕の表情である、
「音頭君は朝が弱いということを貴方たちは知らないのですか?」
「「‥‥」」
「まだ朝の7時過ぎ」
「「‥‥‥」」
「学校があるならともかく、休日にこんな朝早くから」
「葵会長に生徒会のお2人とも明けましておめでとうございま〜〜す!」
葵のすぐ後ろで音頭の元気の良い新年の挨拶が炸裂した、