新年の挨拶
「うう~ん、はぁ」
布団から上半身を起こし背伸びをする屋台、まだ時間は朝の6時を回ったところ、
「さてと今日から新年か」
今日は1月1日、新年である、
「ま、やることはいつもと変わらない」
コンコンコン、そう言い終わる前に部屋の窓を叩く音がする、屋台の部屋は2階、窓を叩く人物は限られる、
「はいはい、今開けるよ」
いつも通り音頭だろうと思ってシャーっとカーテンを開けるが、そこに人の姿はない、が下のほうを見ると、
「やっちゃん寒い~、早く窓開けて部屋にいれて~」
這いずりながら寝巻き姿で言う音頭の姿があった、ガラガラ~、
「何やってるんだ音頭、早く入れ!」
急いで窓を開けて這いずっている音頭を部屋に引っ張りいれる、
「ふぅ~、明けましておめでとうやっちゃん!」
上半身だけ起こして音頭は言う、
「明けましておめでとう音頭、わざわざ朝早くから這いずってこなくてもよかった」
「ふふん」
座ったまま足を伸ばし胸を張って屋台の言葉を音頭は遮る、
「やっちゃん、1分1秒でも早くやっちゃんに新年の挨拶をしたかったんだよ」
満面の笑顔で言う音頭に、
「そうかい、まぁ俺も早く新年の挨拶はしたいと思ってたからな」
笑顔で返す屋台、