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12 プール掃除しよ? 1

 

 本日は晴天なり。空はカラッカラに晴れて雲ひとつ無い。普段なら気分も良く日常生活を送れるところだが、今日の俺は非常に陰鬱であった。

 先ず1つ目の理由は、放課後にプール掃除しないといけなくなったからだ。しかも俺、秋月さん、住吉のたった三人でだ。

 罰ゲームみたいな話だが、その通り、これは罰なのだ。

 3日ほど前、委員会の広報を校内放送で流すことになったのだが、その時秋月さんが間違えて、俺がオオアリクイにひたすらケツを叩かれ続ける音を流してしまったのだ。全く、何やってんだよ秋月さん。

 そのお陰で同クラス、同委員会の俺たち三人が罰としてプール掃除の任をありがたく頂戴したというわけだ。あの広さを三人で作業するのはもう罰というより嫌がらせなのではという気がしてならない。


 そして2つ目の理由。秋月さんが良からぬことを企んでいる。以前から俺と住吉をどうにかくっつけようと画策してきた彼女にとって、この三人だけの空間はまたとない機会だったようだ。秋月さんは事前に俺を呼び出し、このプール掃除中どのようにして俺と住吉の仲を深めるのか、いや、絡ませるか粛々と語った。

 普段であれば、俺がそんなことに加担する筋合いは無い。だが思い出して欲しい。父さんが家に来た時、俺は彼女とこんな約束を交わしていた。

「一週間は秋月さんの言う事を聞く」

 非常に残念なことに、まだこの条約の有効期間中であり、俺はこの約束を守らなければならない。お分かり頂けただろうか?

 俺は秋月さんからどんな無茶振りをされたとしても、従わなければならないということだ。

 そして今までの経験が言っている。絶対ろくなことにならない。

 いや、とんでもなくやばいことになる気がしてならないのである。

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