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9 林間学校、行ってみる? 1

 5月になり、一月経つとクラスの中でもグループと、そして序列が出来るようになる。

 中学のときにはそれなりに友達も居た俺であるが、この一月余りの間に全く友達が出来なかった。呪いのアイテムを装備していたからである。

 呪いのアイテムというのは勿論秋月さんのことであり、委員会決めの際、爆弾魔の名に恥じぬ爆弾発言を遺憾なくかましてくれた彼女の一言で、俺はクラスの隅に追いやられた。


 そして俺を序列最下層並びにボッチに追いやった、当の秋月さんは秋月さんで女子から腫れ物のように扱われており、皮肉にも俺たちはクラスの端っこで常に身を寄せ合う本当の恋人同士のようになっていた。

 だがこれによりクラス中の男子の反感を毎日ストップ高になるまで買ってるため、俺は友達が居ないだけでなく、口も聞いてもらえないクラス村八分にランクアップしてしまった。

 それを見かねたのかどうなのか知らないが、例のイケメンクソ野郎住吉が、休み時間俺たちに話しかけてくるようになった。勿論これは女子たちから呪詛の詰め込まれた弾丸のような視線をマシンガンのように撃ち続けられている。そのうち本当に穴が開くかもしれん。


 林間学校が開催されたのはそんな時期であった。

 これは学校生活を離れ、山の中で共同生活やレクリエーションを行うことにより新入生同士の親睦を深めるためのものだった。俺も閉塞的な高校生活を一旦は離れることで気晴らしになるかもとか、自分のクラスは無理でも他のクラスの人達とも仲良くなれるかも、と考えていた。

 だがこの期待は瞬間最大風速100mの突風でぶっ飛ばされることになる。

 林間学校は、俺にとっても、秋月さんにとっても、非常に過酷なものになってしまったのだ。



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