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13 五秒

R15注意

 ヴィクトリアは夢の中でマグノリアとたくさん話をしたし、あの処刑場から逃げてきた後の、ヴィクトリアが知らなかった色んな情報も教えてもらった。


 ヴィクトリアの現状を理解していたマグノリアは、今後どうしたら良いかという相談に対し、「交渉は必要になると思うけど、たぶん協力してくれるはずよ」と前置きした上で、問題を打開できそうな策を授けてくれた。


 マグノリアは、「ヴィーがその方法で良いなら、『彼』に接触してみるわ」と言ってきたが、ヴィクトリアの中にそれでいいのかと躊躇いが生まれてしまい、すぐには頷けなかった。


 少し考える時間を―――― と言葉にしかかった所で、ヴィクトリアはいきなり強烈な快感を感じて目覚めてしまい、夢から叩き起こされた。











 瞼を開けた先には猛烈な怒気を隠そうともしないシドがいた。


 寝起きのヴィクトリアは上手く状況を呑み込めずに混乱していた。


「こっちはクソ女どもの相手をさせられて、散々だったってのに、何を一人で安心しきった顔でスヤスヤと寝てやがるんだ!」


 ヴィクトリアはシドに翻弄された。

 

「言え! 一体誰の夢を見ていたんだ!?」


「さ、里から出た後にお世話になった人よ! 良き相談相手というか、お姉さん的存在というか!」


 シドが、夢に出てきた相手に嫉妬しているようだと気付いたヴィクトリアは、誤解を解くために、何とかそう叫んだ。


「女か………… まあいいだろう」


 ヴィクトリアが嘘を言っているのではないと見抜いたシドは、お仕置きをやめたように見えたが、そうではなかった。


 今度はヴィクトリアの匂いをくんくんと嗅ぎ出したので、彼女の顔は羞恥で真っ赤になった。


「やはりお前が一番良い」


 ヴィクトリアはシドの言葉から、先ほどシドが番たちに性的なことを施していたことを思い出して、涙目になった。


「…………俺と番どもの行為が嫌なら、二度と『ハーレムに戻せ』とは言わないことだな」


 シドはヴィクトリアに後悔させる意図もあって、番たちに()()()()()()()()を施してきたらしい。


「五秒だ! 俺のこの✕✕✕✕✕✕✕✕で、漏れなく全員五秒で✕✕✕✕✕✕✕✕!」


 シドが言葉と共にヴィクトリアの眼前に利き手とは逆の腕を差し出したが、腕の中ほどから手の先までが、包帯でぐるぐる巻きの状態だった。


 シドは精神的に死にそうな番たち全員に手で触れただけで、✕✕はしなかった。


 手が包帯だらけなのは、シド曰く、「クソ女どもの✕✕✕まみれが不快すぎて消毒薬を手に何本もぶっかけた後に臭い消しの薬草をこれでもかと貼り付けてきた」かららしい。


 ヴィクトリアは夢の中で、マグノリアからも「していない」と聞いていたが、シドの口からも直接説明されたことで、彼が番たちを抱かなかったことには心底安堵した。


 しかし、自分の最愛の男性が他の女に触れたこと自体は、やはり悲しいと思った。


「お前が『やれ』と言ったくせに、馬鹿だな」


 ヴィクトリアへのお仕置きは終わっていないらしく、シドは――――


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