表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
獣人姫は逃げまくる ~箱入りな魔性獣人姫は初恋の人と初彼と幼馴染と義父に手籠めにされかかって逃げたけどそのうちの一人と番になりました~  作者: 鈴田在可
シドハッピーエンド 王の女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

163/170

10 問題あり

R15注意

 手術は無事成功した。ただ、麻酔から覚めた後、いつもと違って何の匂いも感じ取れないことに、物凄い違和感と恐怖を覚えてしまったヴィクトリアは、泣いてしまった。


 シドがずっとそばに付き添って慰めてくれたが、それは愛の営みも伴った。


 嗅覚は失ったが、シドから女の気配を感じ取れなくなったことで、ヴィクトリアはシドとの営みでは苦痛を感じないようになった。


 毎日毎日、入院中の病室でシドに求められるヴィクトリアは、毎回ごっそりと体力を削られた。


 シドは宣言通りヴィクトリア以外の女は一切抱かなくなった。


 ただ一人でシドの相手をするヴィクトリアは、「シドは獣人王じゃなくて✕✕王なんじゃないか」と錯覺する毎日の中、シドに愛されて幸せを感じつつも、いくつか心配事や考えなければいけないことがあった。


 その一つは、やはりシドに別れを告げられた番たちのことだった。











 鼻を覆う包帯が取れて、医師からもう退院しても大丈夫だと言われても、ヴィクトリアは医療棟の特別室で寝泊まりを続けていた。


 シドは、「ヴィクトリアの鼻の処置が終わったら里を出ても構わない」と言っていたが、ヴィクトリアの方が、それでいいのだろうかと思ってしまって、里から出る決心が付かなかった。


 ヴィクトリアは、医療棟から出た後は元いた自分の私室があるシドの館に住もうかなと考えていた。しかしシドは、「館の外に別の新しい家を用意してやるからそこに俺と住め」と言っていて、二人の意見は食い違っていた。


 結局、「住む場所は急いで決めなくてもいいから、しばらくは医療棟にいろ」とシドに言われて、その通りにすることにした。


 その日、いつものように時間の許す限り特別室に滞在しまくろうとしていた様子のシドは、「俺が教えてやる」と上機嫌な様子でヴィクトリアに迫ってきた。


 ヴィクトリアは本の読みすぎと、シドが他の女と――以下略――なので、番の望みならばと了承した。
















「……またか」


 シドはため息と共に呆れたようにそう呟いた後、行為を止めてしまった。


「……また、なの?」


 ヴィクトリアもシドの意図に同調し、なぜ続けないのかと異は唱えない。


 シドがヴィクトリア以外の番全員と別れると宣言して以降、何人かの番が自殺未遂を起こしている。


 また誰かが死のうとしているのだと気付いたヴィクトリアは、喜びに溢れていた表情を一変させて、顔色を翳らせた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
同シリーズ作品もよろしくお願いします


【主にナディアの二年間の話】

完結済「その結婚お断り ~モテなかったはずなのにイケメンと三角関係になり結婚をお断りしたらやばいヤンデレ爆誕して死にかけた結果幸せになりました~」

(今作と合わせて読んでいただくと作品の理解がしやすいと思います)



【稀人の話。2章はレインの親友アスターの話】

完結済「変態おじさんと不良銃騎士と白い少年」(BL)



【ジュリアスとその婚約者の話】

「男装令嬢の恋と受胎」(短編)

完結済「男装令嬢の恋と受胎 ~国一番の顔面偏差値を持つ隠れ天敵な超絶美形銃騎士に溺愛されて幸せです~」(短編の長編版)



【ナディアの義兄セドリックとシリウスの話】

「星の名を持つ悪魔」(短編)



【ロータスがリュージュを連れて里を去るまでの話】

完結済「鬼畜お父さんを見限って自分の居場所を探しに旅立ちます」



【シドのビターエンド仕様クズ鬼畜スケコマシハーレム過去話】

完結済 「誰も俺の番じゃない」⚠食人注意



【アルベールの両親の話】

完結済「新生児に一目惚れした狂人、誘拐しようとして彼女に拒否られる…… からの逆転劇」



【美形兄弟のオムニバス恋愛話】

完結済「ブラッドレイ家の夏休み」

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ