表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナースな魔術師  作者: 柚×花
6/58

4※ 白衣の天使

 ~side クロード~

 僕にはレックスとシェリルという可愛い弟子がいる。

 二人とも我が家の領地の出身で素直で賢くて『記憶』という知識を持っている。

 僕が今の彼らと同じ16歳の時に教会の学校から紹介されたのだ。二人を7歳の頃から知っているから今では年の離れた弟と妹のように感じている。

 僕の兄弟が男ばかりだったので特にシェリルは可愛くて仕方がない。

 親友のディナンも呆れているようだが、僕になおすつもりはない。


 二人は領地の発展にも貢献してくれていたので邸に連れてくることも多く、使用人たちも客として扱っているが、自分達の親戚かと思うくらい彼らには親切だ。

 要は、彼らは僕の回りからみんなに愛されていると言うことだ。


 先日領地から届いた荷物のなかに彼らの両親からの手紙と小さな荷物が入っていたので、今日は二人を夕飯に誘ったのである。


 僕とレックスとシェリルで夕飯を食べ寛いでいると、弟のパトリックがやってきた。

 僕とパトリックとレックスとシェリル。

 我が家ではよく見かける光景だ。


 いつも見慣れた光景なのに、僕だけがいつもと違う。

 シェリルが治癒魔術を使うのだって昔はよくあった。なのにパトリックの側に跪くのが許せなくて、祈るように癒しをかける彼女から目が離せなかった。


 息が苦しくなって…心がざわつく。


 癒しをかける彼女は神々しい。

 以前に彼女が、彼女のような職業を『白衣の天使』と呼ぶのだと『白衣の天使』になりたいのだと言っていた。今、その言葉を思い出す。まさに魔法師団の白い制服を着ている彼女にはぴったりな言葉だと思った。


 そしてパトリックが彼女の頭を撫でた時、僕は気付いてしまった。


 ずっと子供だと思っていた。ずっと子供でいてくれたら良いのに。

 研究室でディナンが言った言葉がよみがえる。


 “お前、シェリルはもう16になるんだから男ができても邪魔するなよ。”

 ああ、それは無理かもしれないな。


 少くても今は僕のことを慕ってくれている。このままずっと妹扱いしてしまおう。僕がずっと保護者でいられるように。

 君に男を近付けないようにずるい大人になってしまおう。


 パトリックに赤くなった君が美形なら誰でも良いみたいに言うから、意地悪がしたくなって…

 僕にも赤くなってくれるのか気になって、我慢できずに僕もシェリルの側に跪いて手を握ってみた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ