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神々の加護で生産革命 ~異世界の片隅でまったりスローライフしてたら、なぜか多彩な人材が集まって最強国家ができてました~  作者: 風来山
第三章「魔王軍の猛威」

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67.最強種族ドラゴン、来襲!

 二人の少年少女が、魔王国と辺獄を隔てる山脈をものすごい勢いで飛翔していた。

 元気そうなズボンの少年が、さらりとした透き通るような金髪を風になびかせて竜眼をギラリと輝かせる。


 クンクンと鼻を鳴らして、勝ち気に笑う。


「アハハハ、辺獄の変な匂いが無くなってる。やはり浄化されて人族の国ができたというのは本当だったんだな」


 少年とは対照的に、おどおどとして頼りなさそうなスカートの少女は、ツインテールにした赤茶色の長い髪をブルブルと震わせて言う。


「新しい魔王様が言うには、タダシ王国の大野タダシは加護の☆が九つもある化け物だって、大丈夫かなあ……」


 少年少女、どちらも驚くほど容姿端麗ではあったが、よくよく見ればその竜眼も鋭い牙も爪も人間のものではなかった。

 二人は人化した竜。竜人なのだ。


 ズボンの少年が竜公(ドラゴン・ロード) グレイド・スタードラゴン・ドラクロワ 十五歳。

 スカートの少女が小竜侯(ワイバーン・ロード) デシベル・ワイバーン・ワイズマン 十五歳。


 竜はエルダー、エンシェント、レジェンドと年を経るごとに魔力を増して身体も強大になっていくが、その魔力が頂点に達すると逆に小さく人化することを覚える。

 見事に人化している二人は、竜族の頂点に並び立つ若きドラゴン貴族(ロード)であり、わずか十五歳にして人化を覚えた最強の竜人なのだ。


「たかが、九つじゃないか。俺様の加護は、魔族神の加護☆☆☆☆(フォースター)に暗黒神の加護★★★★(フォースター)を加えて八、お前も合計で七になったよな。二人でかかれば、十分に勝てる相手だ」

「でも相手はひとりじゃないし、どんな強い仲間がいるか」


「デシベルは臆病だなあ。爪裂き侯ともあろうものが、情けないことを言うなよ。俺様たち竜族は、最強種族なんだぞ!」

「で、でもグレイド。辺獄は怖い場所だから、近づくなってみんな言ってたよ……」


 グレイドと呼ばれたズボンの少年は、後ろに続く仲間を指差して言う。


「俺様のドラゴン軍団が百人、デシベルのワイバーン軍団が千人。竜族がこれだけ揃ったのは初めてだ。これほどの戦力があれば、帝国や聖王国の街だって滅ぼせる。最近できた小さな国なんか瞬殺だよ瞬殺!」

「そうかなあ」


 グレイドが安心させるように肩を抱いてささやきかけて来たので、うつむき加減のデシベルは内股をくねくねさせながら頬を朱に染める。

 高速で飛んでいるというのに、二人とも器用なものだ。


「なあ、デシベル。こんなのは前哨戦だ。焼き払えって命じられたけど、大野タダシを倒したら、王国ごと乗っ取っちゃおうぜ」

「ええ、魔王様の命令に逆らうのはマズいよ!」


「最後まで聞けって、先の魔王の子孫レナ姫を味方に付けるんだよ。そして、旧アンブロサム魔王国の力も利用して、俺様たちで魔王ヴィランを討ち取っちゃうんだ!」

「えええー!」


「ヴィランなんてもともと魔王の血筋でもないし、ただの簒奪者(さんだつしゃ)じゃないか。暗黒神の加護をもらったらもう用済みだって。だって俺様たちの方が強いんだから、俺様たちこそが魔王にふさわしいだろ!」

「それはそうかもだけど、できるかな?」


「大丈夫だ。俺様とお前が一緒なら、できないことなんて一つもない!」

「そ、そうかあ。じゃあ僕もがんばろう……」


 その気になって夢を語り合う最強の二人だが、辺獄には想像を絶する恐ろしい敵が待ち構えていることを知る由もなかった。

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※ なろうの書報 ※

― 新着の感想 ―
[一言] なんで魔族神は星取り上げないんだろうな?
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