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異世界で駄菓子屋はじめました

作者: 高橋ひかり

「おじさん、これちょうだい」

 店先に6歳ぐらいの男の子が、袋にカエルの絵が描いてあるクッキーを持ってきた。

「青銅貨1枚ね」そう答えると、男の子が僕の手に青銅貨を手渡してきた。

「毎度ありがとうね」

 お菓子の袋を手に持ち、ニコニコしながら帰って行く男の子と入れ違いに、女の子が駄菓子屋に入ってきた。

「おじさん、これくださいな」

「はいよ。青銅貨1枚ね」


 祖父の代から続けていた駄菓子屋を閉店しようとしたその日、小説で読んでいたような異世界に飛ばされていた。なぜ異世界に飛ばされたのか分からないが、まあ、建物内にある物、テレビやPC、お風呂などが普通に使えるから助かるが、今後の生活を考え、現実世界で閉店するはずの駄菓子屋を異世界で開店することにした。


 子供のお駄賃(この世界では青銅貨1枚=10円みたい)で買える金額ということで、一気に子供の社交場になってから、あっという間に1年経った。


 今では子供だけでなく、いったいどこから知ったのか冒険者や衛兵、司祭が駄菓子屋にやって来る。

 生活スペースでもある奥の部屋に鉄板のテーブルがあり、そこでもんじゃ焼きをやっていて、子供だけでなく冒険者や司祭たちが膝を突き合わせながら、和気あいあいと楽しんでいる。


 現実世界でのギスギスした生活より、異世界で子供相手に駄菓子屋をやっている方が水に合っているみたいだ。

 そんなことを考えていると、店先から「くださいな~」という声が聞こえてきた。


「はいよ、いらっしゃい!」


 今日も1日、忙しくなるぞ!

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