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森の精霊とドラゴン娘の日常  作者: となゆき
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十二話 洞窟探検その二

 トナカイとリリーは試練を無事に突破できるのかっ!?

「『試練の洞窟』探索をしていたらトナカイを騙るそこそこ品質モフモフの偽者と対峙することになったリリーだよ!」

「何でそんな、説明っぽい事言うたのん?」

「何となく言わないといけない気がしただけ。気にしないで」

「分かったのよ! それでは気を取り直して……先に進みたくば我を倒すのよぉぉ!」




「我はそなたの仲間と同じ能力を持っているのよっ」

「早い!?」

「足元がお留守なのよ」

「っ!?」

「おててがお留守なのよ」

「あうっ……」

「そして頭がお留守なのよっ!」

「きゃんっ!?」

「ふふ……この体は素晴らしいのよ。今までで一番高い能力を持っているのよ」

「うぅ、手加減のないトナカイ並みの相手だと……歯が立たない」

「このままとどめをさしてあげるのよ。死ねぇいっ!」




「トナカイーっ! モフモフぅぅ!」

「なかなか良くなってきたんけど、まだまだ本物には程遠いのよ」

「くっ……」

「向上心があるのはいい事だと思うのよ。本人を見て学ぶといいかもしれないのよー」

「なるほどっ! それでは早速連れてこよう……えいっ!」

「くっ……最後まで諦めないんだからぁぁ!」

「あっ、本物のリリー……おふぅっ!?」

「やったか!」

「出会い頭に全力のリリゴンクローはどうかと思うのよぉ……トナカイじゃなかったら風穴があいちゃうところなのよ」

「……あれ? 偽トナカイの質が急に上がった?」

「トナカイに質とかあったんねぇ」

「ちょっとタイム! ……もふもふ」

「リリーが急に真剣な顔でモフモフし出したのよ」

「これは……っ!? 本物のモフモフ! モフモフぅぅ!!」

「変なスイッチが入ったみたいなのよ」

「さっきまで黙って見ていたけど……これが本物の風格なんだね」

「うむ、これがリリーなのよ。よく見て勉強するのよー」




「……まさかとどめを刺すところを邪魔されるとは」

「やつにはお灸を据えてやらねばならないのよ」

「やつのいる所は……そこかっ、なのよ!」




「はぁぁモフモフが……モフモフだよぉぉ……」

「リリーが一心不乱にモフモフし始めちゃったのよぉぉ」

「なるほど、なるほど……」

「何なんこの状況……」

「あっ、試練兄さん」

「試練妹よ、なにを遊んでいるのよ?」

「完璧な複製を目指して研究してるんだよ!」

「目的が迷子になっちゃってるのよ!?」

「あっ……」

「本来は分断して偽物と戦わせたりなんやかんやで、疑心暗鬼にさせて色々試すはずだったんけど……この二人はもう色々規格外すぎて無理なのよ。仕方がないからここで戦って終わらせるのよ!」

「分かった!」

「……というわけでそろそろイチャつくのをやめてほしいのよぉぉ!」

「はふぅ……満足。ナイスモフモフ」

「リリーが心なしか、ツヤツヤしてる気がするのよ」


 試練はまさかの兄妹だったそうな。

 本物と偽物の戦いが、始まる!

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