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森の精霊とドラゴン娘の日常  作者: となゆき
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一話 謎の四角い物体

 トナカイとリリーはあてもなく旅を続けていた……

「トーナカーイ! こんなのを拾ったよっ」

「どしたんリリー……どしたんそれ」

「あっちに大きな湖があるでしょ?」

「うむ、でっかい湖なのよー」

「あの湖の底に落ちてたの」

「そうなんねぇ。ところでリリー、なんで湖の底まで行ったん?」

「えっ」

「……えっ?」

「湖があったら、とりあえず底まで行くに決まってるでしょ?」

「そうなん? トナカイ初めて聞いたのよ!」

「そうなんだ……トナカイはたまに世間知らずだから、しょうがないよね」

「トナカイ世間知らずだったんねぇ……」




「……でね、これなんだけど」

「ふむ、でっかくて四角い何かなのよ!」

「これ、何かなぁ?」

「んー、気になることはー?」

「調べるんだね!」

「うむ! 早速調べてみるのよー!」




「というわけで、早速研究所っぽい施設を建てたのよ!」

「久しぶりに、トナカイの創造の力を見た気がするね」

「ささ、中に入るのよーん」

「うん……おぉっ、何やら機材がたくさん置いてあるね!」

「むふー、それっぽくしてみたのよー!」

「これは何に使うの?」

「これはねー、押すとぴかーっと光るのよ!」

「なるほどっ、その光で何か分析したりとか」

「そんなことはできないのよ」

「……えっ? じゃぁ何か凄いことが起こったり」

「しないのよ! ただの押せば光るオブジェなのよー」

「そ、そうなんだ……まぁいいや。それじゃこの四角いやつ、どうやって調べるの?」

「うむ、それはー」

「それは?」

「特に考えてなかったのよ!」

「な、なんだってー!」

「むふー、施設を作るのに夢中ですっかり忘れてたのよ!」

「トナカイだもんね、しょうがないね」



「それじゃ、まずは耐久度のテストだよ!」

「うむ、わかったのよー」

「最初は軽く……せいっ!」

「綺麗に、真っ二つに割れたのよ」

「「……」」

「耐久性は、バツ……と」

「リリゴンクローは強力なのよ」




「次は……えーっと」

「思いつかなかったんねぇ」

「ち、ちがうもん! んー……そうっ! 魔力の流れやすさをテストするよ!」

「ふむふむ、わかったのよー」

「それじゃ、よろしくトナカイ」

「リリーがテストするんじゃないんねぇ」

「私だけがやってたらトナカイ暇になるから、させてあげてるの!」

「むふー、リリーがほんとはあんまり細かい魔力操作、得意じゃないってことは内緒にしておいてあげるのよー」

「うっ……そんなことより早く早く!」

「うむ、そんじゃいくのよー! ほいっ……」

「「あっ……」」



挿絵(By みてみん)



「「……」」

「まさか爆発するとは思わなかったよね」

「うむ、真っ二つになっても爆発しなかったのにねぇ」

「私たちじゃなかったら消し飛んでたね」

「うむ、周りの景色が変わっちゃってるもんねぇ」

「結局あの四角い物体が何だったのか、わからなかったね」

「仕方ないのよー。また見つけたら、改めて調べるのよ!」

「うん!」




 実はこの四角い物体、遠い昔に世界滅亡を目論むものが作った巨大な爆弾であった。

 リリーとトナカイの手によって破壊されていなければ、大変なことになっていたのだが、そんなことを二人が知る由もなかった。


 ちなみに、この世界に「湖があれば底まで潜る」なんて常識はもちろんなく、リリーが適当なことを言っているだけである


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