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この世界のシステムにさよならを  作者: 視力低下が著しい
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話し合いというか一方的な語り

この物語はバトル多めにしたいけど世界観の説明いるかなーと思いバトにめっちゃ喋ってもらいます。

次回の最後か二話後はバトルになりますので世界観知らんくていいってひとは読み飛ばしてください。

「・・・で?この状況は何?」



話し合うと言うなり場所を変えるからついて来てと言うのでそうすると、アリスは広く、大人数で食事をするような部屋に案内された。



そこにはバト、ケルベロを含む計9人がいた。そしてさっきまで魔王の威厳を出すために着ていたのであろう、ローブは無く、Tシャツにパーカー、そしてラフなズボンとスニーカーと本当に中学生にしか見えなくなったバトが席に座るよう促す。



「まぁまずは座って。ギルダ〜、僕はコーヒー、ブラックでね。」



さっき案内してくれたメイドはギルダと言うらしい。完璧な動作で周りの人に飲み物を注いでいた。



「コーヒーと紅茶、どちらにします?ミルクもありますよ。」



そう聞いてきたのは執事の様な格好をした同じく完璧な所作の青年だった。



「えーっと、じゃあミルクティー・・・。じゃなくてこの状況は何なの!?誰なのこの人達!」



「ん?あぁ、みんな僕の幼馴染だから身構えなくて良いよ。自己紹介は後にしてまずはこの世界の歴史について話そうかな。」



他のみんなを放ったらかしにしてバトは話し始める。



「僕が小さい頃はね、一生を楽しく過ごせれば良いと思っていたんだ。でも、ちょっとした事で犯罪を犯してしまう人がいる事を知った。

貧しくて、お腹が空いて何かを盗る。

酒の勢いで誰かに暴力を振るったり殺してしまったり。とか色々ね」



そういった人たちがいる事はアリスも知っていた。〈ノア〉にもスラムがあったし。奴隷もいた。



奴隷は皆犯罪を犯した人だとも聞いていた。また借金が返せなくなった人も、多少は犯罪奴隷より待遇が良く、強制労働などは無いのだとか。



「だから、みんなが楽しく過ごす事は無理だと思ったんだけど、ある日こんな話を聞いたんだ。

『小さな子供が盗賊を返り討ちにした』って。

ふと聞いただけじゃ『子供スゲー』で済む話だけど大の大人を子供が倒せるわけ無いと思って調べたんだ。」



どんな魔法の才能がある人も圧倒的な魔技(アーツ)を使える人も経験の差で大人に勝つのはほぼ出来ないからだ。するとバトはその子供が《王の器》である事が分かった。



「その子供が正義感に溢れる子なら良かったんだけど、『強者史上主義』な子だったみたいでそこら一体をまとめて格差が酷い国を作っちゃったんだよ。

国のあり方は他の人がどうこう言える事じゃないから放ったらかしにしてたけどそんなやり方はもったいないんだよね〜」



個々の力は強い国となった。ただ、食料は少なく強者に優先的に分けられるため力が弱い人はどんどん不満が溜まっていった。



「技術者がいないんだ。生産系のスキルを持つ人は基本は頭いいけど力弱いからあの国では立場が弱くてね。ちなみにこの事にも(アイツら)の影響があるのは気付いた?」



〈技術者〉〈生産者〉になるのに相応しいスキルが与えられたものは力が弱く体力がない。逆に〈戦闘〉するのに相応しいスキルを与えられたものは力強く、体力もある。



さらに中肉中背で腕が細くても、〈戦闘系〉スキルが与えられているとゴリマッチョの〈生産系〉スキル持ちをボコボコに(魔技(アーツ)無しで)することも可能である。



「戦闘力だけじゃ勝てないからね、ウチだって工房や農地への支援は充実させているし、魔道士育成学校も熱心に指導させてるよ。でもね、神が与えたスキルによって格差、差別はなくならない。そんなの嫌じゃない?始めから自分の出来る事が決まってるって、力の差があるって。」



「・・・確かに嫌よそんな事。でも本当にそれは神様が与えたの?どうやってその事を知ったの?」



自分の知らない事、考えたことなかった事、いや、()()()()()()()()()をなぜ目の前の少年が知っているのかアリスは気になった。



「《王の器》はね持っている者が一定以上強くなったとき、あるキッカケによって〈大成〉して《真王》になるんだ。ちなみにこの世界で《魔王》と呼ばれる者は皆《真王》に覚醒してるよ。

そして《真王》がさらに強さを極めたとき〈天啓〉という形で真実を告げられるんだ。」



バトが〈天啓〉を受けたのは60年前である。初めてこの世界について理解した時、バトは驚くと共に納得した。そして憤慨した。



「ちょっと酷いこと言うとね、(アイツら)はね強いヤツを求めているんだ。自分たちと闘うために。暇なんだって、だから適当にスキルを与えて、強いヤツを()()()遊ぶんだって。」



「なっ・・・、そんな勝手な理由でこんな世界にするなんて、・・・許せない、何人の人が苦しんでるとおもっているの?」



「・・・自分で言っといてなんだけど信じるの?こんな話を」



「えぇ、だって私は〈嘘を見抜く〉魔眼持ちだから、嘘はすぐにわかるわ」



なるほどね、とバトは納得する。



「何人苦しもうが神は何も気にしないよ。そう言う()()だから。」



「そんな・・・。 ?人達?」



「うん、教会とかで信仰している神様とは違うからそこんとこ注意ね。ただただめっちゃ強くて世界のこの馬鹿みたいな仕組みを作った人類だよ。〈天使族〉って言ったかな、そっちの国にも言い伝えで無い?80年前に六つの世界に一人ずつ天使が降臨して国をそれぞれ一つ滅ぼした〜ってやつ。」



「・・・でまかせだと思ってたけどどうやら事実らしいわね、まるで最初からそこには無かったかのように国が消えたってやつでしょ」



「そうそれ。ちなみにこの国は残ったけどね。僕達と同じようにこのシステムを潰したいと思った人達がいた国がターゲットにされたんだ。

〈神殺し〉をしようとして失敗したけどムカついたからって理由だけでね。」



アリスはこの国が残った理由が周りの少年達の存在のおかげであると確信した。



「さて、長々と話したけどなんとなく僕の野望の動機は分かってくれたかな?

楽しく無いんだよこの世界のシステムの中で過ごすのは。だから僕も〈神殺し〉に挑戦する。いや、成功させる。もう後世に続けたく無いんだ。そしてそもそも〈神殺し〉をすべく天界に行くには君の存在無しには不可能なんだ。無理にとは言わない、協力してくれないか、考える時間もあげる。しばらくこの国にいて良いから答えは出してね」



そういうとバトの話は終わった。正直アリスはどうしたら良いか分からなかった。話が急過ぎたのだ。



「質問していい?あなたはそのシステムを壊した後は何するの?《王の器》が〈大成〉するにはどうしたらいいの?どうやって天使の攻撃からこの国を守れたの?」



「うーんとね、まず一個目、システムを壊した後は特に何かするでもなくしたい事して過ごすよ、ちっちゃいときよくやったみたいに」



バトは欲望に忠実な人である。



「二つ目は簡単、修行して強くなればいいだけだよ。〈天啓〉を受けるにはスキルを使いこなさなきゃダメだけど」



アリスのスキル『意志の砦』は「己の意志の強さ」が「防御力、魔力、攻撃力」に関係するパッシブスキルでありそのスキルを持っているだけで雑魚には負けることは無くなるほど強くなる。そのためアリスはあまり修行をしたことがなかった。〈大成〉しないわけである。



「三つ目だけど、この9人で頑張ったとしか・・・。あっ、そろそろ自己紹介するか序列下からどぞ」



ようやくほったらかされた人達の登場である。

次回は自己紹介祭り

内容が薄ければちょっとバトル入れます

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