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第98話 官兵衛の謀略(過去編)

 今回は短くなります。


 黒田官兵衛は話を始めた。


 「私が山脇を暗殺したのには理由があった。当時、小寺家は二分されていた。山陽の大大名毛利家、近畿で急速に拡大した織田家。どっちに付くかで小寺家はもめにもめていた。織田家に屈するべきと主張していたのは山脇だった。そして、主君小寺政職こでら まさもと様は毛利家と連携すべきと考えていた。なので、私は主君小寺政職こでら まさもと様の命令に従って暗殺しようとした。しかし、もうその時私は織田家に付くべきだということを考えていた。しかし、その行動を移すには敵が多すぎた。なので、苦渋の決断になってしまったが、山脇を暗殺した、そういう風にしておかなければならなかった」


 「で、暗殺したんじゃないのか?」


 河合が言う。


 「いや、暗殺したふりをしただけだ。私は策略を立てることが仕事だ。暗殺をしたという状況をあとで主君に伝えれば死んだ。そのように勘違いするようにしただけだ。山脇には遠く離れた地に逃げてもらった」


  山脇が群馬にいた理由が分かった。


 「山脇には逃げてもらった時に情報を私に伝えるように頼んでおいた」


 黒田官兵衛が話を終えた。

 有名な事件の裏にもこのようなことがあるんだな。

 俺は思った。


 「で、だ。きくに出てきてもらったのには実はあることが関係している」


 「あること?」


 黒田官兵衛はどうやらここから本題らしい。

 一瞬、間をおいて話を再び始める。


 「実は、きくには柴田勝家のもとに放っている。女中としてね。それで君は彼女を救いたいのだろう? きくをうまく使ってみないか?」


 「え?」


 「何を不思議そうな顔をしている。君の彼女を柴田勝家から助けたいのだろう。君にとってはいいことだ。そして、私達にとっても柴田勝家の手の内がわかるという策だ。だから、協力をしてくれるよな」


 黒田官兵衛の提案に対して俺は悩むことなく答える。


 「ええ! やります!」


 すがすがしく答える。

 俺は佳奈美を助けたい。そのためにも藁にも縋る思いでどんなことでもする。


 「先輩、歌川先輩の事好きすぎでしょ」


 「ねー」


 河合と水上の2人が横で俺をからかってくる。

 現代でのことを知っている人から言われるととても緊張するな。そして、恥ずかしい。


 「う、うるさい!」


 俺は照れ隠しに2人を怒鳴った。

 しかし、内心は佳奈美を早く助けることができるかもしれない光が見えてかなりうれしくなっていた。


 「佳奈美を何としても助ける」


 「ええ! 応援しますよ」


 「もちろん、その話に俺らも乗りますよ」


 俺は、佳奈美を助けるための行動を開始することになった。もちろん、柴田勝家に対してそれなりの報復を受けてもらうつもりだ。

 黒田官兵衛や豊臣秀吉のためにもここは一生懸命働くことにしよう。

 そう決意を新たにしたのだった──


 さて、今年度も戦国群馬を応援してくださりありがとうございます。2020年最後の更新になりました。12月は毎日更新達成です。誠にありがとうございます。

 来年度もよろしくお願いします。

 次回は明日、2021年1月1日です!

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