表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/105

第89話 どこにいるのか?


 

 翌日。


 チュンチュン


 「……おはよう」


 「……おはよう」


 よく漫画であるような朝チュンによって俺達は起きた。

 昨日の夜何があったか。それは皆さんのご想像におまかせします。


 「さて、今日はどこに行くんだ?」


 「それは、昨日言っていた柴田勝家のもとへ行くことよ」


 「そうか、柴田勝家のもとに行くこ、と? って、えええええええええええええ」


 俺は自分で佳奈美が行っていることを繰り返して言っていた途中で驚く。

 柴田勝家の話は昨日していた。

 確かにそれには驚いた。


 「ええ、行くわよ。京に行くんでしょ? だったら早く行くためにも柴田勝家と話をしておいた方がいいわよ」


 確かにそうだ。

 俺は早く京に行きたい。しかも安全にだ。

 現在、この近畿一帯は織田家の領地であるにしても安全である保証はない。織田家の武将に守ってもらえる。それはかなり俺にとってはメリットだ。

 もちろん、向こうにも少しばかりはメリットがあるはずだしな。

 滝川一益側である俺達から情報を仕入れることができる。それがメリットになると俺は思っている。


 「でも、柴田勝家はどこにいるんだ?」


 俺は佳奈美に質問する。

 そう。俺達は織田家の重臣がどこにいるのか全く知らない。滝川一益がどこに泊まったことすら俺達は知らないのだ。滝川一益のことを知らない俺達が他の織田家の重臣の泊まっている場所を知っているか、いや、知らない。

 

 「積んだね」


 佳奈美が笑顔で俺に言ってくる。

 そんな笑顔で言うなよ。

 俺は思った。

 何も考えていなかったのか。


 「積んだの、かよ!」


 とりあえず、ツッコミをしておく。

 普段、俺がずっといじられるのでこういう時ばかりは反撃に出たい。

 そんなことはどうでもいいか。


 「い、いいじゃない」


 俺の大きな声でのツッコミにびっくりしたのか恥ずかしかったのか声が小さかった。顔も赤いように見える。


 「ご、ごめん」


 俺は少し調子になりすぎたことを悟り素直に謝る。

 佳奈美に嫌われたくはないし。嫌われるのは嫌なことだからだ。

 

 「……」


 「……」


 お互い、かなりきまずい状況になった。

 何とも言えない空気が俺達の間に漂っていた。

 そんな状況がずっと続いてしまうのだろうかと俺もそして佳奈美も思った時に救世主が現れた。


 「2人とも何バカなことをしているんだ?」


 訂正。

 救世主なんかじゃなかった。

 俺達を小ばかにしている竜也であった。一度でも彼のことを救世主という表現をしてしまったことがすごく憎たらしかった。


 「……会って最初に言う言葉がそれかよ」


 「竜也君、そういうこと言う人は嫌われるよ」


 俺達はお互い文句を言う。

 人間として完全に竜也は嫌われるタイプだ。人間関係うまくいかない人が言いそうなことを堂々と言う。言われた側の俺達はかなりイラっとする。


 「そんなことわかっている。ただ、傍から見ていてかなり見ていられなかったのでそういったんだ。まったく、周りの目をしっかり見ていろ」


 俺達の言葉や態度に対して竜也が呆れた感じで言う。


 「うるさいなあ」


 「本当だね」


 「お前らあ」


 俺達は竜也に対してなおも反抗的な態度をする。すると、竜也が本気で怒った。


 「いいのか? お前らが捜している人物がどこにいるのか知っているんだぞ」


 「!?」


 「ほんと!」


 俺と佳奈美は驚く。

 俺達が求めている情報すなわち柴田勝家の場所だろう。


 「柴田勝家の居場所知っているの?」


 佳奈美が竜也に聞く。


 「知っているとしたら?」


 竜也が挑発的に返す。

 

 「こいつめ」


 俺は悪態をつく。

 竜也が完全に上に立っている。俺らの求めているものを持っているからだ。


 「私達が悪かったから教えてよ」


 「そうだそうだ」


 「忠志君はちょっと落ち着いてよね」


 「……はい」


 佳奈美に怒られてしまった。


 「……わかったよ。柴田勝家は今清州の村井屋というお店にいる。そこに行けばいいさ」


 「ありがとう」


 佳奈美は喜ぶ。そして、そのまま俺を置いて走っていく。

 それにしてもお店の位置知っているのだろうか?

 佳奈美があんなに自信満々で走って行っても宿の場所が分からなくては意味がないと思うが。


 「竜也、ありがとな」


 「ふん。俺もちょっと調子に乗りすぎていたからな。まあ、おあいこさ」


 相変らずだった。

 まあ、それが竜也なんだけど。俺はもうそう思っている。今更竜也に性格を直せとか俺のことを小ばかにするなとか言ってももう直らないことは分かっている。


 「わかった。それでいいよ。竜也も来るか?」


 「いや、俺は別の用があるから。そのついでに会いに来ただけさ」


 「そうか」


 俺は、竜也に柴田勝家がいるお店の名前だけでなく場所もしっかりと聞き、佳奈美を追いかけるのだった。

 佳奈美が迷っているのがすぐ先で見えた。

 結構、抜けていることがあるのでしっかりしないといけないなと俺は思ったのだった。そして、いよいよ柴田勝家と対面する時がやってきた──


 次回は、12月2日水曜日18時更新です。12月は、水曜日・土曜日の週2更新で行く予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ