第77話 竜也が怒る
すみません。スランプです。そこで少しだけ書いてみました。
「……」
竜也から返事がなかった。
滝川一益の考えを読み取ることが竜也にもできなかったのだ。
俺らはどうして滝川一益が夏姫にいきなり領地の話をし始めたのか。その真意を読み取ることができずに困惑していた。頼りにしていたのは竜也であった。いつもの竜也であればすぐに考えをまとめることができる。その真意を読み取ることさえできると俺らは信じていた。
しかし、その竜也が読み取ることができていない。
「おい、竜也。分からないのかよ」
俺はつい声を荒げてしまった。
いつもの竜也ならできると思っていた俺がいたからこそそんな荒げた態度が出てきてしまった。
「……お遊びが過ぎますよ、滝川殿」
「何だと? 今、何と申した野村殿」
「お遊びが過ぎると申しました。私を試しているのは見え見えですよ」
竜也が急に滝川一益に対してかなり強気の態度で出た。かなり失礼な物言いだった。
滝川一益からしてはかなり不快であるだろう。怒ってそのまま斬りつけても文句は言えない。それぐらい最悪な態度だ。
俺らの中にはすごく深刻な空気になった。
ごくり。
つばを飲み込む音がわかるほど沈黙が続いた。
そして、その沈黙を破ったのは……滝川一益だった。




