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第64話 南下中

 俺らは信濃国(長野県)を抜けるため南下していた。

 今川の情報もあったが、駿河国を抜ける方が道としてはいいと判断した。

 現在の長野県と岐阜県の県境あたりには御嶽山など危険なそして高い山がそびえたっている。そのため、山が比較的に低い駿河方面に行くことにした。

 しかし、それでも山は多い。

 佐久郡つまり佐久市から南下といってもいろんな山がある。湖もある。長野は厳しい土地であると思う。


 「山しかねえ」


 「それは長野の悪口?」


 「長野の悪口じゃねーよ」


 「っていうか、どうして佳奈美が長野のフォローするんだよ」


 お前、群馬県民だろと俺は突っ込む。

 佳奈美も何でだろうというような感じの顔をしていたが、他県民の悪口はだめですよと言う。


 「他県民の怒りを買わないようにしないとね。それにあれだよ。群馬の敵はあくまでも栃木や茨城であって長野ではないんだからね」


 北関東三県の仁義なき戦いが県民の心の中に存在している。

 関東以外の人から見ればくだらないように思えるがケンミンシ〇ーとかでも取り上げられるように北関東三県には譲れないものが存在している。魅力度ランキングでどの県が一番上にいるのかが争われている。


 「だけど栃木や茨城って戦国大名結構有名なのがいるんだよなあ」


 竜也が急にそんなことを言い出した。

 その言葉は完全に群馬県民を敵に回すようなものであった。


 「おいおい、竜也ー。それは群馬県民として見逃せないセリフだな」


 「いやいや、忠志。事実なんだってそれが」


 「そうだよ。栃木には鎌倉時代から続く名門宇都宮氏、茨城には佐竹氏、小田氏と有力な大名が多いんだよ。だから、竜也君の言っていることは間違っていることではないよね」


 竜也、そして佳奈美に戦国の知識が薄い俺は諭される。


 「でも、群馬にだっていただろ」


 反論してみる。

 ここまで俺らがあった群馬での偉大なる戦国の武将たちがいるだろう、と。


 「忠志君……今まで会った人たちで忠志君が知っていた人いた?」


 「……」


 それがすべて答えだった。


 「まあ、そういうことだ。長野、沼田、横瀬(由良)、小幡とか重箱の隅をつつくような人たちはいるけど有名どことなるとな」


 「でも、大丈夫だよ。これから行く京にはきっと有名な大名がいるから」


 「そうだといいけど」


 「その前に次は駿河国だ。もう少ししたらあの有名人に会えるかもしれないぞ」


 「有名人?」


 俺は竜也のその言葉にピンと来ていなかった。


 「ああ、戦国最後の覇者、その名も徳川家康だ」


 俺でも知っている有名人の名前を竜也は言ったのだった。

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