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第63話 ご教授

 すみません。お久しぶりです。

 お待たせしました。活動報告にもありますが、しばらくリハビリがてら文字数が減り更新していきます。

 菊川と一緒に今川の旧臣が怪しい行動をしているという情報を手に入れた俺達は近くを探索していたが一旦引くことになった。

 そして、滝川一益がいる本陣へと戻った。

 本陣に戻ると俺は菊川から呆れられてしまった今川家の話を竜也に聞いた。


 「今川家って足利一門だったのか?」


 「ああ、そうだな」


 「ええ、そうね」


 竜也に佳奈美が当たり前のように答える。どうやら常識だったようだ。いや、常識じゃないだろ。知っている人なんてほんの一部歴史好きに過ぎないと思うけどな。


 「……これって常識か?」


 「まあ、知っている人は知っていることだと思う」


 「中学の歴史の授業で先生が雑学として教えてくれたから先生によりけりかもしれないね」


 「そうだったのか」


 「ああ、足利氏っていうのは元々源氏の一族の傍流だ。鎌倉幕府の将軍源頼朝の源氏と同族であるがその前で分岐した一族である。そして、足利氏の初代と新田氏の初代は兄弟であるんだ。群馬にいるのならそれぐらいは常識として知っておくべきだ。新田義貞が足利尊氏とライバルのような扱いがされているのは新田氏と足利氏が同族ということが大きい。そして、武士というのは細かく家が分かれていく。足利氏から分岐した有名どころとしては細川氏、斯波氏、畠山氏という室町幕府三管領、渋川氏、石橋氏、吉良氏という御一家、そして吉良氏から分家した今川氏がいる。武士というのは家がどんどん分岐していくから実はあの一族と同じだったんだということが歴史好きではあるあるなことなんだぜ」


 竜也に今川氏について、そして足利氏についての話を聞かされた。

 それは終わりがないかのような長い話であった。

 正直言ってすべて覚えていると言えばウソになる。それに足利氏の話から新田氏の話になりいろいろと広がっていた。そんなに覚えることができないよ。

 俺が困惑した表情でいると竜也に言われた。


 「お前、近代史が専門なのにどうしてこれぐらいのことで分からないってなるんだ。正直言って近代史の方が内容細かいし覚えること多いぞ」


 「……」


 竜也のその言葉に反論ができなかった。

 確かにそうだ。

 近代史の方が覚えることが多い。

 内容が細かいのは本当だ。それに比べて戦国とかの方が知識が少なくていいのはそうかもしれない。しかし、残されている史料の数が違うだろう。という反論をしたかったが竜也に論破されるような気がしたのであえて言うことはしなかった。

 竜也の話はそのあとも続いた。

 足利、新田、今川、吉良……一体いくつの一族の話が出てくるんだよ。もーーーーーーーーーーーーーーーー。


 今日の夜は長いようだ。

 

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