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第62話 足利絶えれば……

 すみません。忙しい中少しだけほんの申し訳なさで更新します。もっと、質のいい作品を7月以降に書くのでお許しください。

 菊川に誘導されるかのように俺は一緒に近くの村に行くことになった。

 しかし、今川の旧臣って誰がいるのだか。

 こういう時に竜也とか佳奈美がいてくれれば助かったのにあいつらを呼ばなかったのはミスだ。今川の旧臣どころか今川家の人物イコール義元ぐらいしか出てこない俺の戦国の知識のなさが露呈だ。


 「とりあえず、このあたりの人に聞いてみましょう」


 「聞いてみましょう、って菊川なあ、ここ一応元今川領だろ?」


 「ええ、そうですけど何か?」


 「何かって、いや、元今川領であるならば今川に対してかなり心酔しているような領民もいるはずなんじゃないか」


 俺は、このことを指摘した。

 仮にも今川は守護として室町時代から此地を納めてきている由緒正しき一門だ。歴史が長いということは人というのはその人が暴君であれ少しばかりは敬意を持っているはずだ。さらには暴君出なかったとしたらその一門の人、もしくは家臣に対してかなり敬意を持っておりかくまうという行動を起こしている人もいるかもしれない。だから、俺らがむやみにここらの村民に対して今川の旧臣のことを聞き歩いたら旧臣を隠すか守るために襲ってくる。そんなことが考えられる。

 一応、俺も菊川から修行を受けているからある程度は戦えるようにはなってきたといえどもまだ実践レベルではない。だから、もしものことを考えるとやっぱり聞き歩くことにはちょっと遠慮したいものだ。


 「うむ。言われてみればそうだな。今川の家は室町からの名門。何せ将軍の一門であるからね」


 「将軍の一門?」


俺にはよくわからなかった。


 「え、知らないのか小田は?」


 「知らない」


 俺は今川が将軍の一門ということが初耳であった。


 「おいおい、こういう話を聞いたことがないのかよ。足利絶えれば吉良が継ぎ、吉良が絶えれば今川が継ぐ。今川家は足利一門の名家なんだぜ」


 「ふぇ」


 初耳であった。

 まさか今川が足利の一門であったというのは。


 「そんなことも知らなかったのか。うーん、そうだな。やっぱり野村とも話をしっかりしておいた方がいいのかもしれないな。今日は一回引くことにしよう」


 「……わかった」


 どこかバカにされたような気がするが俺には反論する余地がない。

 とりあえず、戻ったら竜也にまた戦国時代のことを聞こう。今日聞く内容はもう決まっている。足利家についてとりあえず聞いておこう。

 ああ、やっぱり近代史の人間が前近代の世界に来てはいけないんだなあとつくづく思い知らされたのだった。


 「くそおおおおおおおおおおおお」


 俺のむなしい叫び声が響き渡ったのだった。


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