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第57話 雨の中での休憩

 まさかついに20万PVいきました。

 皆様のおかげです。800ポイントも超えていて驚きました。これからもよろしくお願いします。

 翌日。

 天気は雨だった。

 この時代において雨に移動するのは困難である。特に碓氷峠は現代においても霧がよく発生しやすく視界がかなり遮られてしまう。戦国時代は森林ばかりとなっているので霧が発生するとどっちに進んでいるのかまったくわからなくなってしまう。なので、今日はここで休むことになった。

 しかし、全く進まないとなるとやることが何にもないな。


 「暇だなあ」


 つまり、暇なのだ。

 俺はぼやく。暇すぎて。やることが何もない。ゲームもない。ラノベもない。歴史の本もない。いつもはやりたくはないが宿題も勉強道具もない。何もすることができない。この時代に遊ぶものさえあればいいんだが。


 「確かに暇だね」


 佳奈美も暇だと言って、横で目をつぶっている。寝ようとしているのかもしれないが昨日夜寝ているからもう寝れないのかもしれない。


 「じゃあ、何かするか?」


 「何かって何だよ?」


 竜也が何かしようと提案してきた。

 ただ、何かという抽象的な言い方をしてきたのでやっぱり何をするのかよくわからない。


 「ゲームしようぜ」


 「ゲームって?」


 「しりとりとか?」


 「佳奈美、それ小学生がやるようなことじゃない?」


 「しりとりありだな」


 「嘘だろ。そういうことなのか?」


 「ほらほら、忠志君。しりとりを馬鹿にしてはいけないんですよ。しりとりは暇つぶしに一番いい手軽な遊びだから」


 「でも、しりとりって終わりがないじゃん。何か縛らないと」


 「何文字とか?」


 「じゃあじゃあ、忠志君の戦国時代の知識を増やすためにも戦国時代の人物だけでしりとりしよー」


 「それはいい考えだな」


 「ま、待ってくれ。それじゃあ、俺が完全に不利じゃないか」


 「そこは勉強ということで」


 「えー、戦国時代に来てまで勉強をするの。嫌だなあ」


 「でも、何にも知らないとこれからが不便だよ。これを機会に少しだけでも知識を得ておいた方がいいんじゃないの」


 「それはそうだけどさあ……」


 俺は何か納得がいっていなかった。完全に竜也と佳奈美に言いくるめられているだけのような気がしていた。

 でも、2人に押し切られてしまい最終的には戦国時代について勉強するついでのしりとりが始まった。


 「じゃあ、まずはしりとりのりからね。り、り、り。ええっと難しいなあ」


 「自分で言っときながら出てこないのかよ」


 「野村君。絶対に思い浮かんでいるでしょ。忠志君をからかってないでさっさと言えばいいのに」


 「え? 俺、からかわれていただけなのか」


 「あはは。バレていたか」


 俺は竜也にからかわれていたようだ。というか、この時点で俺はもう思い浮かんでいない。しりとりって難しくない。こういうのってお互いに山手線ゲームとかの様に言い合っていく方がいいんじゃないかと思う。どうしてしりとりにしてしまったんだ。


 「龍造寺隆信で次はぶな」


 「やっぱり龍造寺にするのね」


 「龍造寺なら名前だけなら聞いたことがあるぞ」


 「流石に忠志も知っていたか。龍造寺は九州の三大勢力の一つで佐賀あたりの戦国大名だ。だが、最後は戦で負けてしまい家臣の鍋島直茂が事実上龍造寺氏の後継として扱われ佐賀藩ができていくという歴史があるんだ。ちなみに鍋島藩の化け猫騒動という話もあるからこの元主君と家臣の関係はかなり面白いぞ」


 竜也が俺に龍造寺氏について詳しく教えてくれる。しかし、九州には行く予定がないから九州の戦国大名について知っても意味がないような気がするんだがそのあたりはどう考えているのだろうか。絶対に考えていないだろうな。しりとりを進めることしか考えていないと思う。


 「ぶねえ。ふでもいい?」


 「いいぞ」


 「俺はどちらにしろ分からないからどっちでもありにしてほしい」


 「じゃあ、ふで福島正則」


 「また、り!」


 俺は文句を言う。

 で、次のことを言う前に竜也の解説が始まる。


 「福島正則についてだが……」


 「福島正則なら俺でも知っている。有名じゃん。大河も見ていたし教わらなくてもいい」


 「そうか。わかった」


 心なしか若干竜也がもっと言いたかった、解説したかったかのように感じたが無視だ。しかし、次にりから始まる武士なんか思い浮かばない。

 龍造寺氏の誰かが当てはまると思うから龍造寺までは言えそうだがその後の名前が出てこない。


 「わからない。龍造寺……隆家?」


 「おしい。政家ならいたんだけどな」


 竜也に言われる。


 「わかるわけないだろう。もうやめだやめ」


 「しょうがないなあ。終わりにしますか」


 「一周しかしてないけどね」


 「忠志ができないって言うから仕方ないな。他に出来る遊びでも考えよう。って、外が少しだけやんできたな」


 「本当だ。これならすぐに出発できるぐらいまで天気が回復していくんじゃないか」


 「山の天気はそう簡単には回復しないし、変わりやすいからどうだろうか」


 「でも、やむといいね」


 「じゃあ、俺らもいつでも行けるように荷物の整理をしますか」


 「そうだな」


 俺らは雨がそろそろやみそうだと思ったのでいつでも出発をすることができるように荷物の整理を行った。その後、天気はすごい勢いで回復していきとりあえず信濃国軽井沢(現在の長野県軽井沢町旧軽井沢あたり)まで行くようだ。山越えが本格していく中体力をしっかりと残しつつ移動が始まった。



 次回は月曜日を予定しています。

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